英語を学ぶ際、似た表現の違いに悩むことがよくあります。「a lot of」と「lots of」はどちらも「たくさんの」という意味を持ちますが、微妙な違いがあり、英語初学者にとって混乱しやすいポイントです。
この記事では、これら二つの表現の意味の違いや正しい使い分け方を、わかりやすい例文とともに詳しく解説します。基本的な使い方から応用までしっかり理解して、自然な英語表現ができるようになりましょう。
「a lot of」と「lots of」の基本的な意味

「a lot of」と「lots of」は、どちらも「たくさんの」「多くの」という意味を持つ表現です。基本的には同じ意味で使われますが、形の違いから生じる微妙なニュアンスの違いがあります。
「a lot of」は「一つの大きな集まり」という意味合いがあります。「a(ひとつの)」と「lot(集まり、束)」という単語に「of(~の)」が組み合わさった表現です。一方、「lots of」は「lot」の複数形である「lots」に「of」が付いた形で、「いくつもの集まり」というニュアンスを持ちます。
例文
- I have a lot of books in my room.(私の部屋にはたくさんの本があります。)
- There are lots of students in the school yard.(校庭にはたくさんの生徒がいます。)
- My mother buys a lot of vegetables every week.(母は毎週たくさんの野菜を買います。)
- He knows lots of English words.(彼はたくさんの英単語を知っています。)
どちらの表現も日常会話や文章でよく使われ、基本的には交換可能です。しかし、使われる状況やスタイルによって、より適切な方を選ぶことがあります。
「a lot of」と「lots of」の文法的な違い
「a lot of」と「lots of」には、文法的にいくつかの違いがあります。これらを理解することで、より自然な英語表現ができるようになります。
「a lot of」は形の上では単数形です(a = 1つの)。一方、「lots of」は複数形(lots = たくさんの集まり)です。しかし、どちらも「たくさんの」という意味で、後ろに続く名詞の形に影響を与えません。
可算名詞との使い方
可算名詞(数えられる名詞)と一緒に使う場合、「a lot of」も「lots of」も、その後には複数形の名詞が来ます。
例文
- I have a lot of friends at school.(学校にたくさんの友達がいます。)
- There are lots of apples on the tree.(木にはたくさんのリンゴがあります。)
- We took a lot of pictures during our trip.(旅行中にたくさんの写真を撮りました。)
- She has lots of beautiful dresses.(彼女はたくさんの美しいドレスを持っています。)
どちらの表現も可算名詞の複数形と一緒に使うことができ、意味に大きな違いはありません。
不可算名詞との使い方
不可算名詞(数えられない名詞)と使う場合も、「a lot of」と「lots of」はどちらも問題なく使えます。
例文
- We need a lot of water for this plant.(この植物にはたくさんの水が必要です。)
- There is lots of snow on the mountain.(山にはたくさんの雪があります。)
- I don’t have a lot of time today.(今日はあまり時間がありません。)
- He drinks lots of milk every morning.(彼は毎朝たくさんの牛乳を飲みます。)
不可算名詞と使う場合も、意味上の大きな違いはなく、どちらの表現も自然に使えます。
「a lot of」と「lots of」のニュアンスの違い
基本的な意味は同じでも、「a lot of」と「lots of」にはニュアンスの違いがあります。この違いを理解することで、より状況に適した表現を選べるようになります。
フォーマルとカジュアルの違い
「a lot of」はより一般的で、フォーマルな文脈でも使うことができます。一方、「lots of」はよりカジュアルな表現で、友達との会話や日常的な文章で使われることが多いです。
例文
- The research found that a lot of people suffer from stress.(その研究では、多くの人々がストレスに悩んでいることがわかりました。)【やや公式】
- Lots of kids love playing soccer in the park.(たくさんの子どもたちが公園でサッカーをするのが好きです。)【カジュアル】
ビジネスの場面や学術的な文章では「a lot of」を使うことが多く、友達との会話やくだけた文章では「lots of」がより自然に感じられることがあります。
会話での使用頻度
日常会話では、「a lot of」と「lots of」はどちらもよく使われます。特に英語のネイティブスピーカーは、カジュアルな会話では「lots of」をよく使う傾向があります。
例文
- I have a lot of homework to do tonight.(今晩はたくさんの宿題をしなければなりません。)
- There are lots of good movies on TV this week.(今週はテレビでたくさんの良い映画があります。)
どちらの表現も会話では自然ですが、「lots of」を使うとよりくだけた印象になることがあります。
「a lot of」と「lots of」の具体的な使い分け
状況によって「a lot of」と「lots of」をどう使い分けるか、具体的に見ていきましょう。
肯定文での使い方
肯定文では、「a lot of」と「lots of」のどちらも自由に使うことができます。
例文
- I eat a lot of fruits and vegetables.(私はたくさんの果物と野菜を食べます。)
- She reads lots of books every month.(彼女は毎月たくさんの本を読みます。)
- There is a lot of information on the internet.(インターネット上にはたくさんの情報があります。)
- We have lots of rain in June.(6月はたくさんの雨があります。)
肯定文では、どちらを選んでも意味に大きな違いはなく、個人の好みやスタイルによって選ぶことができます。
疑問文での使い方
疑問文でも、「a lot of」と「lots of」はどちらも使えます。
例文
- Do you have a lot of homework?(たくさんの宿題がありますか?)
- Are there lots of people at the party?(パーティーにたくさんの人がいますか?)
- Did you see a lot of animals at the zoo?(動物園でたくさんの動物を見ましたか?)
- Has she traveled to lots of countries?(彼女はたくさんの国々に旅行しましたか?)
疑問文でも両方の表現が自然に使えます。状況やスタイルに応じて選ぶとよいでしょう。
否定文での使い方
否定文では、「a lot of」と「lots of」の代わりに「many」(可算名詞)や「much」(不可算名詞)を使うことも多いですが、「not a lot of」や「not lots of」という表現も使われます。
例文
- I don’t have a lot of free time.(私はあまり自由な時間がありません。)
- There aren’t lots of trees in this area.(この地域にはあまり木がありません。)
- She doesn’t spend a lot of money on clothes.(彼女は服にあまりお金をかけません。)
- We don’t see lots of stars in the city.(都市では星をあまり見かけません。)
否定文では「not many」や「not much」という表現もよく使われます。
例文
- I don’t have many friends in this town.(この町にはあまり友達がいません。)
- There isn’t much time left.(あまり時間が残っていません。)
「a lot of」と「lots of」に関連する表現
「たくさん」を表す表現は他にもあります。「a lot of」と「lots of」と関連する表現を見ていきましょう。
「many」と「much」との違い
「many」は可算名詞(数えられる名詞)と一緒に使い、「much」は不可算名詞(数えられない名詞)と一緒に使います。
例文
- I have many books.(たくさんの本を持っています。)【可算名詞】
- I don’t have much time.(あまり時間がありません。)【不可算名詞】
「a lot of」と「lots of」は可算名詞と不可算名詞のどちらにも使えるという利点がありますが、「many」と「much」は使い分ける必要があります。
また、「many」と「much」はやや形式的な印象があり、特に疑問文や否定文でよく使われます。
例文
- How many students are in your class?(あなたのクラスには何人の生徒がいますか?)
- I don’t have much money.(あまりお金がありません。)
「plenty of」との違い
「plenty of」も「たくさんの」という意味ですが、「十分な量」というニュアンスが含まれます。
例文
- We have plenty of time before the movie starts.(映画が始まるまでに十分な時間があります。)
- There is plenty of food for everyone.(みんなのために十分な食べ物があります。)
「a lot of」「lots of」が単に「量が多い」ことを表すのに対し、「plenty of」は「必要なだけある」「十分な量がある」というニュアンスがあります。
その他の類似表現
他にも「たくさん」を表す表現はいくつかあります。
例文
- a number of:「多くの」(可算名詞と使用)
例:A number of students were late for class.(多くの生徒が授業に遅刻しました。) - a great deal of:「非常に多くの」(主に不可算名詞と使用)
例:He has a great deal of experience.(彼には非常に多くの経験があります。) - numerous:「数多くの」(フォーマルな表現)
例:There were numerous problems with the new computer.(新しいコンピュータには数多くの問題がありました。) - tons of:「山ほどの」(非常にカジュアルな表現)
例:She has tons of friends.(彼女には山ほどの友達がいます。)
これらの表現は、フォーマリティのレベルや表現したいニュアンスに応じて使い分けるとよいでしょう。
「a lot of」と「lots of」の使い分け練習問題
以下の20問の練習問題で、「a lot of」と「lots of」の使い方を確認しましょう。両方とも使える場合が多いですが、より自然な方を考えてみてください。
- I have ________ homework tonight.
- There are ________ people at the beach today.
- She spends ________ time reading books.
- Do you have ________ friends in your new school?
- We need ________ water for this recipe.
- My grandfather tells ________ interesting stories.
- Is there ________ snow in your country?
- The teacher gave us ________ advice about the test.
- They don’t have ________ money to buy a new car.
- Are there ________ trees in your garden?
- He eats ________ vegetables every day.
- I took ________ pictures during my vacation.
- Do cats drink ________ milk?
- There aren’t ________ buses on Sunday.
- She has ________ experience in teaching.
- We saw ________ animals at the zoo.
- Is there ________ traffic in your city?
- My brother has ________ video games.
- Did you make ________ mistakes in your homework?
- The library has ________ books about history.
「a lot of」と「lots of」に関するよくある質問
- 「a lot of」と「lots of」はどんな場面で使い分ければいいですか?
-
基本的には、フォーマルな場面(ビジネスメール、学術論文など)では「a lot of」を使うことが多く、カジュアルな場面(友達との会話、日常的な文章など)では「lots of」を使うことが多いです。ただし、この区別は絶対的なものではなく、どちらも多くの場面で使用できます。
- 「a lot」と「lots」を単独で使うことはできますか?
-
はい、できます。「a lot」「lots」はそれぞれ副詞として「とても」「たくさん」という意味で使えます。
- I like her a lot.(私は彼女がとても好きです。)
- Thanks lots!(どうもありがとう!)
- 「a lot of」「lots of」の後に単数形の名詞を使うことはできますか?
-
通常、「a lot of」「lots of」の後には複数形の可算名詞か不可算名詞が来ます。単数形の可算名詞を直接使うことはできません。
- I have a lot of books.(正)/ I have a lot of book.(誤)
- She has lots of time.(正・不可算名詞)
- 「a lot of」「lots of」の代わりに使える表現はありますか?
-
状況に応じて以下の表現を使うことができます。
- many/much(可算/不可算名詞)
- plenty of(十分な量)
- numerous(数多くの・フォーマル)
- a great deal of(非常に多くの・フォーマル)
- tons of(非常にたくさんの・カジュアル)
- 「a lot of」「lots of」は否定文でも使えますか?
-
はい、否定文でも使えますが、「not many」「not much」という表現もよく使われます。
- I don’t have a lot of friends.(私にはあまり友達がいません。)
- She doesn’t have lots of time.(彼女はあまり時間がありません。)
- I don’t have many friends.(私にはあまり友達がいません。)
まとめ

「a lot of」と「lots of」についてのポイントをまとめると、
- どちらも「たくさんの」「多くの」という意味を持つ
- 可算名詞(複数形)と不可算名詞のどちらとも使える
- 「a lot of」はよりフォーマルな場面で使われることが多い
- 「lots of」はよりカジュアルな表現として日常会話でよく使われる
- 肯定文、疑問文、否定文のどれでも使用可能
- 否定文では「not many」「not much」も一般的に使われる
- どちらも「of」なしで「a lot」「lots」として副詞的に使うことも可能
- 他の「たくさん」を表す表現(many/much, plenty of など)も状況に応じて使い分けるとよい
これらの表現を適切に使い分けることで、より自然な英語表現ができるようになります。特に英語初学者の方は、まずは基本的な用法をマスターし、徐々に使い分けのニュアンスを身につけていくとよいでしょう。
英語学習の中で、こうした微妙な違いを理解することは、より自然な英語を話すための大切なステップです。