「A picture is worth a thousand words(一枚の絵は千の言葉に値する)」という英語の慣用表現は、言葉で長々と説明するよりも、一枚の画像や写真の方がより効果的に情報や感情を伝えられるという意味を持っています。この表現は英語圏で広く使われており、視覚情報の力強さを端的に表しています。
本記事では、この表現の意味や使い方、実際の例文などを英語初学者向けに詳しく解説します。
「A picture is worth a thousand words」の基本的な意味

「A picture is worth a thousand words」は直訳すると「一枚の絵(写真)は千の言葉の価値がある」という意味になります。これは、文章や言葉で何度も説明を繰り返すよりも、視覚的な情報の方が時に効果的で印象に残りやすいという考え方を表しています。
長い説明よりも一目見るだけで状況が理解できることが多いという経験は誰にでもあるのではないでしょうか。この表現は、コミュニケーションにおける視覚情報の力を強調するときに使われます。
この表現が生まれた背景
この表現は20世紀初頭のアメリカで広まったと言われています。広告業界での使用が始まりとされ、新聞や雑誌の広告において視覚的要素の重要性が認識されるようになった時期と重なります。当時の広告担当者たちは、文字だけの広告よりも画像を含む広告の方が効果的であることに気づき、この表現が生まれました。
時代とともに、この言葉はジャーナリズム、教育、そして現在ではデジタルコミュニケーションの世界でも重要な原則として受け継がれています。
日本語での類似表現
日本語にも「百聞は一見にしかず」という似た意味のことわざがあります。これは「何度も話を聞くよりも、一度実際に見る方が物事をよく理解できる」という意味で、英語の「A picture is worth a thousand words」と非常に近い考え方です。両方の表現とも、視覚情報の価値と即時性を強調しています。
日本語と英語で似た概念があることからも、この考え方が文化を超えた普遍的な知恵であることがわかります。
「A picture is worth a thousand words」の具体的な使い方
「A picture is worth a thousand words」は日常会話からビジネスプレゼンテーション、SNSのコメントに至るまで、様々な場面で使うことができます。何か複雑な状況を説明するのが難しい時や、言葉では伝えきれない感情や状況がある時に、「画像や写真を見せた方が早い」と伝えたい場合に効果的です。
また、視覚的な証拠の重要性を強調したい時や、言葉よりも画像の方が印象に残ることを説明する時にも使われます。この表現自体は格式ばったものではなく、カジュアルな会話でも自然に使えます。
日常会話での使い方
日常会話では、友人に旅行の様子を伝えるときや、何か見栄えのする料理を作ったとき、新しい家具を買ったときなど、言葉で説明するよりも写真を見せたほうが早い場面でこの表現が使われます。
例えば「I could describe my vacation, but a picture is worth a thousand words. Let me show you some photos.(休暇の様子を説明することもできるけど、写真を見せた方が早いよ。いくつか写真を見せるね)」というように使います。
SNSが普及した現代では、写真や画像の共有が容易になり、この表現の使用頻度も増しています。
ビジネスシーンでの使い方
ビジネスの場面では、プレゼンテーションやレポートにグラフや図表を使用する際にこの表現が役立ちます。データや統計を文章だけで説明するよりも、視覚的に表現した方が理解しやすく、説得力も増します。
例えば会議中に「Rather than explaining all the figures, I’ll show you this chart. A picture is worth a thousand words.(すべての数字を説明するよりも、このグラフをお見せします。一目見ていただいた方がわかりやすいでしょう)」といった使い方をします。
マーケティング資料や企画書でも、適切な画像やデザインの重要性を説明する際にこの表現が使われることがあります。
SNSやインターネットでの使用例
現代のデジタルコミュニケーションでは、この表現の意味がさらに重要になっています。SNSでは短いテキストよりも画像や動画の方が注目を集めやすく、多くの情報を素早く伝えることができます。
「#APictureIsWorthAThousandWords」というハッシュタグが付けられた投稿も見かけます。
また、オンライン記事やブログでも、テキストだけより画像や図解を含めた方が読者の理解を助け、エンゲージメントを高められるという原則に基づいて構成されていることが多いです。
「A picture is worth a thousand words」を使った例文
「A picture is worth a thousand words」は様々な場面で使える便利な表現です。ここでは、中学英語レベルの簡単な例文をいくつか紹介します。
実際の会話や文章で使える表現ですので、ぜひ参考にしてみてください。
簡単な会話での例文
例文
- I want to show you my new room. A picture is worth a thousand words.(新しい部屋を見せたいんだ。写真を見せた方が言葉で説明するより分かりやすいよ。)
- She sent me a photo of the sunset. A picture is worth a thousand words.(彼女は夕日の写真を送ってくれた。言葉では表現できないほど美しい光景だった。)
- I can’t explain how cute my dog is. A picture is worth a thousand words.(私の犬がどれだけかわいいか説明できないよ。写真を見てもらった方が早いね。)
- Look at this photo of the accident. A picture is worth a thousand words.(この事故の写真を見て。一目見れば状況が全て分かるよ。)
- Tom tried to describe the mountain, but a picture is worth a thousand words.(トムは山の様子を説明しようとしたけど、やっぱり写真を見せた方が分かりやすいね。)
状況別の例文
例文
- In our science class, we use many pictures because a picture is worth a thousand words.(理科の授業では多くの写真を使います。一枚の写真は千の言葉に値するからです。)
- The teacher showed us a map. She said a picture is worth a thousand words.(先生は私たちに地図を見せました。彼女は一枚の絵は千の言葉に値すると言いました。)
- When you sell things online, a picture is worth a thousand words.(オンラインでものを売る時は、写真が非常に重要です。)
- My brother came back from his trip to Kyoto. He showed me some photos because a picture is worth a thousand words.(兄は京都旅行から戻ってきました。言葉で説明するより分かりやすいからと写真を見せてくれました。)
- I don’t need to tell you how beautiful the beach was. A picture is worth a thousand words.(その浜辺がどれだけ美しかったか言う必要はないよ。写真を見れば一目瞭然だから。)
応用的な使い方の例文
例文
- Sometimes a picture is worth a thousand words, but sometimes words can paint a picture too.(時には一枚の絵が千の言葉に値することもあるけれど、言葉が絵を描くこともあるよ。)
- The company used graphs in their report because a picture is worth a thousand words.(その会社はレポートにグラフを使用しました。視覚的な情報の方が理解しやすいからです。)
- Instead of writing a long email, I sent a screenshot. A picture is worth a thousand words.(長いメールを書く代わりに、スクリーンショットを送りました。画像の方が状況を理解しやすいからです。)
- The news showed photos of the event. Truly, a picture is worth a thousand words.(ニュースではそのイベントの写真が紹介されました。確かに、一枚の写真は多くのことを伝えますね。)
- For the school project, we decided to make a poster because a picture is worth a thousand words.(学校のプロジェクトでは、ポスターを作ることにしました。視覚的な表現の方が効果的だからです。)
「A picture is worth a thousand words」に関するよくある質問
「A picture is worth a thousand words」について、英語学習者からよく寄せられる質問にお答えします。この表現の使い方や意味をより深く理解するために、以下の質問と回答を参考にしてください。
この表現は英語圏で広く使われているため、正しく理解しておくと英語でのコミュニケーションの幅が広がります。
- この表現は古くないですか?
-
「A picture is worth a thousand words」は確かに古くからある表現ですが、決して古臭いとは考えられていません。むしろ、現代のデジタル社会やビジュアルコミュニケーションの時代においては、以前にも増して関連性のある表現となっています。SNSやインターネットの普及により、画像や写真の共有がこれまで以上に簡単になり、この表現の重要性はさらに高まっています。時代を超えて通用する普遍的な知恵を含んだ表現として、現代の英語でも頻繁に使われています。
- 他の言語でも同様の表現はありますか?
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はい、世界の多くの言語や文化には、「A picture is worth a thousand words」と似た意味を持つ表現が存在します。先に述べた日本語の「百聞は一見にしかず」の他にも、中国語では「百闻不如一见」、フランス語では「Une image vaut mille mots」、スペイン語では「Una imagen vale más que mil palabras」といった表現があります。これらはすべて、視覚的情報の即時性や明瞭さを強調しており、この概念が文化を超えた普遍的な考え方であることを示しています。
- 「A picture is worth a thousand words」の反対の意味の表現はありますか?
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英語には、「A picture is worth a thousand words」の直接的な反対の慣用句は特にありませんが、状況によっては「Words speak louder than pictures(言葉の方が画像よりも雄弁である)」や「The pen is mightier than the sword(ペンは剣よりも強し)」といった表現が使われることがあります。これらは言葉や文章の力を強調する表現です。また、「Don’t judge a book by its cover(本を表紙で判断するな)」という表現も、外見や視覚的な第一印象だけで判断することの危険性を警告している点で、ある意味では「A picture is worth a thousand words」の考え方に対するバランスを取る表現と言えるかもしれません。
まとめ

この記事では、英語の慣用表現「A picture is worth a thousand words」の意味や使い方、具体的な例文について詳しく解説しました。この表現は「一枚の絵(写真)は千の言葉の価値がある」という意味で、視覚的な情報の力強さと効率性を表しています。
日常会話からビジネスシーン、SNSでのコミュニケーションまで幅広く使われる表現であり、英語学習者にとっても覚えておくと便利な表現です。
以下に、本記事のポイントをまとめます。
- 「A picture is worth a thousand words」は「一枚の絵(写真)は千の言葉の価値がある」という意味の慣用表現
- 日本語の「百聞は一見にしかず」に相当する表現
- 20世紀初頭のアメリカで広告業界から広まったとされる
- 日常会話、ビジネス、SNSなど様々なシーンで使用できる
- 複雑な状況や感情を説明する際に、視覚情報の方が効率的であることを強調する表現
- デジタル時代になった現在でも、むしろその重要性は増している
- 世界の多くの言語や文化に類似の表現が存在する
英語の学習において、このような慣用表現を理解し適切に使えるようになることは、より自然な英語表現につながります。「A picture is worth a thousand words」は、シンプルでありながら深い意味を持つ表現です。
ぜひ日常会話やライティングに取り入れてみてください。