「A taste of your own medicine」という英語のフレーズを聞いたことはありますか?このイディオム表現は日常的によく使われるもので、特にネイティブスピーカーの会話でよく登場します。直訳すると「あなた自身の薬の味」となりますが、実際の意味は全く異なります。
今回は、この表現の意味や使い方を詳しく解説し、簡単な例文も紹介していきます。
「A taste of your own medicine」の基本的な意味

「A taste of your own medicine」は、「自分が他人にしたことと同じことを自分も経験する」という意味の英語表現です。特に、他人に対して良くない行動をとった人が、後に同じような扱いを受けて、その不快さを体験するという状況を表します。
日本語では「自業自得」や「しっぺ返し」という言葉に近い意味合いを持っています。自分の行動が原因となって、同じような状況が自分に返ってくるという教訓的な意味が含まれています。
「自業自得」のニュアンス
この表現には、「自分のしたことが自分に返ってくる」という因果関係の考え方が含まれています。
特に悪い行いや態度が自分に返ってくる場合に使われることが多く、「当然の結果だ」「いい気味だ」というニュアンスも含まれることがあります。
日常で使われる場面
この表現は、友人関係や学校、職場など様々な場面で使われます。
例えば、いつも他人の悪口を言っている人が、自分も悪口を言われるようになった時や、約束の時間に遅れがちな人が、相手に待たされた時などに使われます。
「A taste of your own medicine」の語源と由来
このフレーズの由来には興味深い物語があります。なぜ「薬の味」が「自業自得」を意味するようになったのでしょうか。
イソップ物語からきた表現
「A taste of your own medicine」は、イソップ物語に登場する話が元になっていると言われています。その物語には、効かない偽の薬を「どんな病気も治る」と言って売り歩いていた詐欺師が登場します。
ある日、その詐欺師自身が病気になりました。すると町の人々は「あなたが売っていた薬を飲めば治るでしょう」と言って、彼自身の売っていた偽の薬を彼に与えました。詐欺師は自分の薬が効かないことを知っていたため、自分の行いの結果を直接体験することになったのです。
この物語から、「自分が他人にしたことが自分に返ってくる」という教訓として、この表現が生まれたと考えられています。
「A taste of your own medicine」の具体的な使い方
この表現は様々な形で使われますが、主に以下の二つのパターンがよく見られます。
「get a taste of one’s own medicine」の使い方
「get a taste of one’s own medicine」という形では、「自分がしてきたことと同じことを経験する」「しっぺ返しを食らう」という意味で使われます。
例文
- He always makes fun of others, but today he got a taste of his own medicine when everyone laughed at his mistake.
(彼はいつも他人をからかっていますが、今日は自分のミスをみんなに笑われて、自分の行動の結果を味わいました。)
「give someone a taste of their own medicine」の使い方
「give someone a taste of their own medicine」という形では、「誰かに同じことをして仕返しする」という意味で使われます。これは意図的に相手に同じ扱いをする場合に使用されます。
例文
- She never listens to me, so I decided to give her a taste of her own medicine by not listening to her story.
(彼女は私の話を聞いてくれないので、私も彼女の話を聞かないことで同じ思いをさせることにしました。)
「A taste of your own medicine」を使った簡単な例文
「A taste of your own medicine」の使い方をより理解するために、簡単な例文をいくつか見てみましょう。
日常生活での例文
例文
- Tom is always late for our meetings. Today, we started without him. He got a taste of his own medicine.
(トムはいつも私たちの会議に遅刻します。今日、私たちは彼抜きで始めました。彼は自分のしたことを体験しました。) - My brother never shares his snacks with me. When I got a new candy and didn’t share it, he got a taste of his own medicine.
(兄は決して自分のおやつを私と分け合いません。私が新しいキャンディをもらって分け合わなかった時、彼は自分の行動の結果を味わいました。) - They are always noisy when I study. Today I played loud music when they were studying. I gave them a taste of their own medicine.
(彼らは私が勉強している時にいつもうるさいです。今日、彼らが勉強している時に私は大きな音で音楽を流しました。彼らに同じ思いをさせました。)
学校生活での例文
例文
- Jack never helps his classmates. Now he needs help with his project, but no one wants to help him. He is getting a taste of his own medicine.
(ジャックは決してクラスメイトを助けません。今、彼はプロジェクトで助けが必要ですが、誰も彼を助けたくありません。彼は自業自得です。) - She always borrows things but never returns them. Now no one will lend her anything. She’s getting a taste of her own medicine.
(彼女はいつも物を借りますが、決して返しません。今、誰も彼女に何も貸したがりません。彼女は自分のした行動の結果を受けています。) - You often talk during class. Today the teacher ignored your question. You got a taste of your own medicine.
(あなたはよく授業中におしゃべりします。今日、先生はあなたの質問を無視しました。あなたは自分の行動の結果を味わいました。)
「A taste of your own medicine」に関連する表現
英語には「A taste of your own medicine」と似た意味を持つ他の表現もあります。これらの表現も「自分の行動の結果」や「因果応報」を表す際に使われます。
「What goes around comes around」
「What goes around comes around」は、「巡り巡って自分に返ってくる」という意味の表現です。自分がした行動(特に悪い行動)は、いずれ自分自身に返ってくるという考え方を表しています。
例文
- Be kind to others because what goes around comes around.
(他人に親切にしなさい。なぜなら、その行いはいずれ自分に返ってくるからです。)
「You reap what you sow」
「You reap what you sow」は直訳すると「あなたが蒔いたものを刈り取る」となり、自分の行動の結果を受けるという意味です。
これは農業の比喩から来ており、種を蒔くように行動をし、その結果として収穫を得るという考えを表しています。
例文
- If you study hard, you reap what you sow and get good grades.
(一生懸命勉強すれば、その努力の成果を刈り取り、良い成績を取ることができます。)
「A taste of your own medicine」に関するよくある質問
- 「A taste of your own medicine」は良い意味でも使えますか?
-
一般的に、「A taste of your own medicine」はネガティブな状況で使われることが多いです。自分が他人に対して行った良くない行動が自分に返ってくる場合に使われます。ポジティブな行動に対しては、「you reap what you sow」や「karma」などの表現が使われることが多いです。
- 実際の会話でよく使われる表現ですか?
-
はい、この表現は日常会話でよく使われます。特に、誰かが自分の行動の結果として同じような状況に置かれたときにこの表現が使われます。カジュアルな会話や友人との会話でこの表現を使っても違和感はありません。
- 丁寧な言い方はありますか?
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より丁寧に同じ意味を伝えたい場合は、「experiencing the consequences of one’s actions(自分の行動の結果を経験する)」や「facing similar treatment(同様の扱いを受ける)」などの表現を使うことができます。これらはより直接的で丁寧な言い方です。
まとめ

「A taste of your own medicine」は、自分が他人にした行動と同じものを自分自身が体験することを表す英語のイディオム表現です。この記事では、その意味や使い方、例文について詳しく解説しました。
以下が本記事の重要なポイントです。
- 「A taste of your own medicine」は「自分が他人にしたことを自分も受ける」「自業自得」という意味です
- イソップ物語の偽の薬を売る詐欺師の話が由来とされています
- 「get a taste of one’s own medicine」は「しっぺ返しを食らう」、「give someone a taste of their own medicine」は「同じことをして仕返しする」という使い方があります
- 主にネガティブな状況や行動に関して使われる表現です
- 「what goes around comes around」「you reap what you sow」などの類似表現もあります
英語の表現を学ぶことは、言語だけでなく、文化や考え方も理解することにつながります。「A taste of your own medicine」のような表現を知ることで、英語でのコミュニケーション能力が高まり、より自然な英会話ができるようになるでしょう。
ぜひ日常会話の中で使ってみてください。