「acerbate」は主に動詞として使われる英単語で、基本的には「イライラさせる」「悪化させる」「苦しめる」などの意味を持ちます。ラテン語に由来するこの言葉は、現代英語では特に状況や感情を悪化させるという文脈で使われることが多いです。
ここでは、英語初学者の方にも分かりやすく「acerbate」の意味や使い方について詳しく解説していきます。
acerbateとは?意味と語源

「acerbate」は「状況や感情を悪化させる」「イライラさせる」「苦しめる」という意味を持つ英単語です。元々はラテン語の「acerbātus」に由来しており、「苦い」「酸っぱい」という意味の「acerbus」から来ています。つまり、何かを文字通り「苦くする」という意味から転じて、現代では主に感情や状況を悪化させるという意味で使われるようになりました。
日常会話ではあまり頻繁に使われない単語ですが、文学作品やフォーマルな文脈、学術的な場面などで見かけることがあります。英語の表現の幅を広げるためにも、このような少し難易度の高い単語を知っておくと役立つでしょう。
「acerbate」の意味を簡単に言うと、何かをより悪い状態にする、特に感情や対立などを悪化させる行為を表します。例えば、対立している二人の間に入って不用意な発言をすることで、その対立をさらに深刻にすることは「acerbate」と表現できます。
acerbateの発音と品詞
「acerbate」の正確な発音を理解することは、この単語を実際に使うときに役立ちます。英語の発音は日本語とは異なる音が多いため、丁寧に練習することが大切です。
発音について
- アメリカ英語での発音:/əˈsɜːr.beɪt/ または /ˈæs.ər.beɪt/
- イギリス英語での発音:/ˈæs.əbèit/
カタカナで表すと、
- アメリカ英語:「アサーベイト」
- イギリス英語:「アサベイト」
「acerbate」は「a-cer-bate」と三つの音節に分けられます。アクセントは最初の音節「a」に置かれることが多いですが、アメリカ英語では二つ目の音節「cer」にアクセントが置かれることもあります。
品詞と活用形
「acerbate」は主に動詞として使われますが、稀に形容詞としても使用されることがあります。
動詞としての活用形
- 原形:acerbate
- 三人称単数現在形:acerbates
- 現在分詞:acerbating
- 過去形・過去分詞形:acerbated
形容詞としての活用形(比較的稀)
- 原級:acerbate
- 比較級:more acerbate
- 最上級:most acerbate
形容詞として使われる場合は「苦々しい」「怒りっぽい」という意味合いを持ちますが、現代英語では動詞としての使用が圧倒的に多いです。
acerbateの使い方
「acerbate」は主に他動詞として使われ、何か(状況や感情など)を悪化させるという意味で使用されます。使い方を理解するために、いくつかの基本的なパターンを見ていきましょう。
基本的な文型
「acerbate」を使う最も一般的な文型は以下の通りです。
例文
- 主語 + acerbate + 目的語
例:The news acerbated the situation.(そのニュースは状況を悪化させた。) - 主語 + be + acerbated + by + 名詞
例:His mood was acerbated by the bad weather.(彼の気分は悪天候によって悪化した。)
「acerbate」は特に以下のような対象と一緒に使われることが多いです。
- feelings(感情)
- situation(状況)
- conflict(対立)
- tension(緊張)
- problem(問題)
- condition(状態)
フォーマルさのレベル
「acerbate」はどちらかというとフォーマルな単語です。日常会話ではあまり使われず、代わりに「make worse」「irritate」「annoy」などのより一般的な表現が用いられることが多いです。
学術論文やフォーマルなスピーチ、文学作品などでよく見かける表現と言えるでしょう。
似た単語「exacerbate」との違い
「acerbate」に非常に似た単語に「exacerbate」があります。意味も似ていますが、「exacerbate」の方がより一般的に使われています。「exacerbate」は「既存の悪い状況をさらに悪化させる」というニュアンスが強く、医学的な文脈でも頻繁に使われます。
一方、「acerbate」は「イライラさせる」「怒らせる」という感情的な側面が強調される傾向があります。
acerbateの例文
実際の例文を通して「acerbate」の使い方を見ていきましょう。英語初学者の方にも理解しやすいように、比較的シンプルな例文を選びました。
日常会話での例文
例文
- His angry words acerbated the situation.(彼の怒った言葉は状況を悪化させた。)
- The hot weather acerbates my headache.(暑い天気は私の頭痛を悪化させる。)
- The teacher’s comments acerbated the student’s frustration.(先生のコメントは生徒のイライラを悪化させた。)
- Lack of sleep acerbates stress.(睡眠不足はストレスを悪化させる。)
- The loud music acerbated her bad mood.(大きな音楽は彼女の不機嫌を悪化させた。)
フォーマルな文脈での例文
例文
- The government’s policy acerbated the economic crisis.(政府の政策は経済危機を悪化させた。)
- Constant criticism acerbates the tension between team members.(絶え間ない批判はチームメンバー間の緊張を悪化させる。)
- The drought was acerbated by high temperatures.(干ばつは高温によって悪化した。)
- His sarcastic remarks only acerbated the conflict.(彼の皮肉な発言は対立を悪化させるだけだった。)
- The delay in treatment acerbated her condition.(治療の遅れは彼女の状態を悪化させた。)
acerbateの類義語と対義語
「acerbate」の意味をより深く理解するために、類義語(同じような意味を持つ単語)と対義語(反対の意味を持つ単語)を見ていきましょう。
類義語
例文
- Irritate(イライラさせる)
例:His constant complaints irritate me.(彼の絶え間ない不満は私をイライラさせる。) - Exacerbate(悪化させる)
例:Smoking exacerbates respiratory problems.(喫煙は呼吸器の問題を悪化させる。) - Aggravate(悪化させる、怒らせる)
例:The noise aggravated my headache.(騒音は私の頭痛を悪化させた。) - Worsen(悪化させる)
例:The medicine worsened his symptoms.(その薬は彼の症状を悪化させた。) - Embitter(苦々しくさせる)
例:The experience embittered him.(その経験は彼を苦々しい気持ちにさせた。)
対義語
例文
- Alleviate(軽減する、和らげる)
例:The medicine alleviated her pain.(その薬は彼女の痛みを和らげた。) - Soothe(なだめる、和らげる)
例:Music can soothe your mind.(音楽はあなたの心を落ち着かせることができる。) - Calm(落ち着かせる)
例:She tried to calm the angry customer.(彼女は怒った客を落ち着かせようとした。) - Improve(改善する)
例:Regular exercise improves your health.(定期的な運動はあなたの健康を改善する。) - Ameliorate(改善する、向上させる)
例:The new policy ameliorated living conditions.(新しい政策は生活条件を改善した。)
acerbateの文脈別の使用例
「acerbate」は様々な文脈で使われる単語です。ここでは、いくつかの具体的な状況での使用例を見ていきましょう。
人間関係での使用
人間関係において、「acerbate」は対立や緊張を悪化させるという文脈でよく使われます。
例文
- His rude behavior acerbated the relationship between them.(彼の無礼な振る舞いは二人の関係を悪化させた。)
- Constant criticism can acerbate family conflicts.(絶え間ない批判は家族間の対立を悪化させる可能性がある。)
- The harsh words acerbated their argument.(その厳しい言葉は彼らの口論を悪化させた。)
健康・医療での使用
健康や医療の文脈では、症状や状態が悪化することを表現するのに使われることがあります。
例文
- Stress can acerbate skin conditions.(ストレスは肌の状態を悪化させることがある。)
- Certain foods acerbate her allergic reactions.(特定の食べ物は彼女のアレルギー反応を悪化させる。)
- The medication acerbated his side effects.(その薬は彼の副作用を悪化させた。)
社会問題での使用
社会的な問題や課題が深刻化する状況を描写する際にも使われます。
例文
- The new tax acerbated income inequality.(新しい税金は所得格差を悪化させた。)
- The policy acerbated the housing crisis.(その政策は住宅危機を悪化させた。)
- Media coverage sometimes acerbates public fear.(メディア報道は時に大衆の恐怖を悪化させる。)
acerbateのよくある間違いと注意点
英語学習者が「acerbate」を使う際によく陥る間違いや、注意すべき点をいくつか紹介します。
発音の間違い
「acerbate」の発音は特に日本人学習者にとって難しいことがあります。よくある間違いは以下の通りです。
- 「ア・セル・ベート」と各音節を均等に発音してしまう
→ 正しくは「アサーベイト」(アメリカ英語)または「アサベイト」(イギリス英語) - 「r」の音を強く発音しすぎる
→ アメリカ英語では「r」は発音しますが、イギリス英語ではほとんど発音しません
スペルの間違い
似たスペルの単語と混同されることがよくあります。
- 「acerbate」と「exacerbate」の混同
両者は意味が近いですが、「exacerbate」の方がより一般的です - 「acerbate」と「acerbic」の混同
「acerbic」は形容詞で「辛辣な」「辛口の」という意味です
使い方の間違い
「acerbate」の使い方に関する一般的な間違いには以下のようなものがあります。
- 自動詞として使用する
× The situation acerbated.
○ The situation worsened.
(「acerbate」は他動詞なので、必ず目的語が必要です) - ポジティブな文脈で使用する
× His support acerbated her happiness.
○ His support increased her happiness.
(「acerbate」は基本的にネガティブな悪化を意味します) - カジュアルな会話で頻繁に使用する
「acerbate」はフォーマルな単語なので、日常会話では違和感を与えることがあります。カジュアルな状況では「make worse」「irritate」などの表現の方が自然です。
類義語との使い分け
「acerbate」と似た意味を持つ単語との使い分けも重要です。
単語 | 主な意味 | 使用頻度 | フォーマル度 |
---|---|---|---|
acerbate | 悪化させる、イライラさせる | 低い | 高い |
exacerbate | 悪化させる(既存の問題を) | 中程度 | 高い |
irritate | イライラさせる | 高い | 中程度 |
annoy | イライラさせる、迷惑をかける | 高い | 低い |
aggravate | 悪化させる、怒らせる | 中程度 | 中程度 |
acerbateに関する問題
ここでは「acerbate」の理解度をチェックするための問題を10問用意しました。それぞれの問題に挑戦して、この単語の理解を深めましょう。
- 次の文の空欄に適切な単語を入れなさい:The harsh criticism only served to __ his anger.
- 「acerbate」の正しい発音記号はどれですか?
a) /əˈsɜːr.beɪt/
b) /əˈkɜːr.beɪt/
c) /æˈsɜːr.beɪt/
d) /æˈkɜːr.beɪt/ - 「acerbate」の品詞として正しいものはどれですか?
a) 名詞のみ
b) 動詞のみ
c) 形容詞のみ
d) 動詞と形容詞 - 「acerbate」の現在分詞の形はどれですか?
a) acerbated
b) acerbating
c) acerbates
d) acerbant - 次の英文を和訳しなさい:His rude comments acerbated the tense atmosphere.
- 「acerbate」の対義語として最も適切なものはどれですか?
a) worsen
b) irritate
c) alleviate
d) aggravate - 次の和文を英訳しなさい:「彼女の批判的な態度は状況を悪化させただけだった。」
- 「acerbate」と「exacerbate」の違いを最もよく説明しているのはどれですか?
a) 全く同じ意味で互換性がある
b) 「acerbate」は感情に、「exacerbate」は状況に使う
c) 「exacerbate」の方がより一般的に使われる
d) 「acerbate」は医学用語、「exacerbate」は一般用語 - 次の文の中で「acerbate」が正しく使われているのはどれですか?
a) The good news acerbated her mood.
b) The situation acerbated quickly.
c) The medicine acerbated his symptoms.
d) She acerbated very angry. - 「acerbate」の語源となったラテン語の意味は何ですか?
a) 甘い
b) 苦い
c) 塩辛い
d) 辛い
acerbateに関するよくある質問
ここでは「acerbate」に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
- 「acerbate」と「exacerbate」はどう違いますか?
-
「acerbate」と「exacerbate」は非常に似た意味を持ちますが、使用頻度やニュアンスに違いがあります。「exacerbate」の方がより一般的に使われ、特に医学や科学の文脈で「既存の問題や症状を悪化させる」という意味でよく使われます。一方、「acerbate」は比較的使用頻度が低く、特に感情や対人関係において「イライラさせる」「怒らせる」というニュアンスが強い傾向があります。
- 「acerbate」は日常会話で使えますか?
-
「acerbate」はどちらかというとフォーマルな単語であり、日常的な会話ではあまり使われません。カジュアルな会話では、同じ意味を表す「make worse」「irritate」「annoy」などのより一般的な表現が好まれます。ビジネスシーンや学術的な文脈、文学作品などでは適切に使用できます。
- 「acerbate」の名詞形はありますか?
-
「acerbate」の一般的な名詞形は「acerbation」です。ただし、この名詞形も非常に使用頻度が低いです。より一般的に使われる関連名詞としては「acerbity」(辛辣さ、苦さ)があります。
- 「acerbate」は形容詞としても使えますか?
-
はい、「acerbate」は稀に形容詞としても使われることがあり、その場合は「苦々しい」「辛辣な」という意味を持ちます。ただし、形容詞としての使用は非常に稀で、一般的には「acerbic」という関連形容詞の方がよく使われます。
- 「acerbate」の語源は何ですか?
-
「acerbate」はラテン語の「acerbātus」に由来し、これは「acerbō」(苦くする)の過去分詞形です。さらに遡ると、「acerbus」(苦い)というラテン語に行き着きます。この語源からも分かるように、元々は物理的な「苦さ」を表す言葉から、感情や状況の「苦さ」を表す言葉へと意味が拡張されました。
- 「acerbate」は医学用語ですか?
-
「acerbate」自体は特に医学用語ではありませんが、医学的な文脈で症状や疾患の悪化を表現するために使われることはあります。ただし、医学の文脈では関連単語の「exacerbate」の方がより一般的に使用されます。
まとめ

この記事では、英単語「acerbate」の意味、使い方、例文などについて詳しく解説してきました。「acerbate」は主に「悪化させる」「イライラさせる」という意味を持つ動詞で、ラテン語に由来する少しフォーマルな単語です。
以下に、この記事で学んだ主なポイントをまとめます。
- 「acerbate」は主に他動詞として使われ、状況や感情を悪化させるという意味を持つ
- 発音は「アサーベイト」(アメリカ英語)または「アサベイト」(イギリス英語)
- ラテン語の「acerbus」(苦い)に由来する
- 類似単語の「exacerbate」より使用頻度は低いが、特に感情面での悪化を表現する際に使われる
- 形容詞としても稀に使われ、その場合は「苦々しい」という意味を持つ
- 日常会話よりも、フォーマルな文脈や文学作品などで見かけることが多い
- 類義語には「irritate」「exacerbate」「aggravate」などがある
- 対義語には「alleviate」「soothe」「calm」などがある
「acerbate」は頻繁に使われる単語ではありませんが、英語の表現の幅を広げるために知っておくと役立つ単語です。特に、感情や対立の悪化を的確に表現したい場合に便利です。
英語学習の過程で、このような少し難易度の高い単語も少しずつ取り入れていくことで、より豊かな英語表現が可能になります。