「across」は英語で主に前置詞として使われる単語で、「横切って」「渡って」という基本的な意味を持っています。また、副詞としても使われることがあり、英語の基本的な表現として重要な言葉です。
この記事では、「across」の意味やさまざまな使い方を、中学英語レベルのわかりやすい例文を交えて解説します。正しい使い方を身につけて、英語表現の幅を広げていきましょう。
acrossとは?基本的な意味と使われ方

「across」は英語の前置詞・副詞として使われる言葉で、基本的なイメージは「横切って」「渡って」です。a+cross(十字に)という語源から生まれた言葉で、何かを横断するような動きや位置関係を表現する際に使われます。
「across」は主に以下のような意味で使われます。
- 横切って、渡って(道や川などを横断する動作)
- 向こう側に、向かい側に(場所や位置の関係)
- 一面に広がって、全体に(広がりを示す)
- 交差して、またがって(物が交差する状態)
「across」は日常会話や文章でよく使われる基本的な英単語ですので、その使い分けをしっかり理解しておくことが大切です。英語初学者の方にとっても重要な言葉なので、例文を通して使い方を覚えていきましょう。
acrossの主な使い方①:横切って、渡って
「across」の最も基本的な使い方は「横切って」「渡って」という意味です。道路や川、広場などを横断する動作を表すときに使います。
例文
- I walked across the street.(私は道路を横切りました。)
- She ran across the park.(彼女は公園を走って横切りました。)
- The boy swam across the river.(少年は川を泳いで渡りました。)
- We drove across the bridge.(私たちは橋を車で渡りました。)
ここでは「across」は「ある場所の一方の端から反対側の端まで横切る」という意味で使われています。何かを「横切る」「渡る」という動作を表現したいときには、「across」を使うと自然な英語表現になります。
道や場所を横切る表現
日常生活でよく使われるのが、道や広場などを横切る表現です。
例文
- The cat ran across the road.(猫は道路を走って横切りました。)
- The children walked across the playground.(子どもたちは校庭を歩いて横切りました。)
- Be careful when you go across this busy street.(この混雑した通りを渡るときは気をつけてください。)
- I need to get across this field before dark.(暗くなる前にこの野原を横切る必要があります。)
このように「across」は平面的な場所を横切る動作を表現するのに適しています。特に「横から横へ」と横断するイメージの動きを表すのに使われます。
川や海などを渡る表現
水域を渡る際にも「across」がよく使われます。
例文
- We sailed across the lake.(私たちは湖を船で渡りました。)
- They swam across the pool.(彼らはプールを泳いで渡りました。)
- The boat took us across the bay.(ボートは私たちを湾の向こう側へ連れていきました。)
- Birds fly across the ocean.(鳥は海を飛んで渡ります。)
水域を渡る場合は、水面という平面を横切るイメージで「across」が使われることが多いです。川や湖、プールなど、水面を横断する動作を表すときに適した表現です。
acrossの主な使い方②:向こう側に、向かい側に
「across」のもう一つの重要な使い方は「向こう側に」「向かい側に」という位置関係を表す意味です。
例文
- The library is across the street from the school.(図書館は学校の通りを挟んだ向かい側にあります。)
- I can see my friend’s house across the river.(川の向こう側に友達の家が見えます。)
- There is a beautiful park across the road.(道路の向こう側に美しい公園があります。)
- The post office is across from the bank.(郵便局は銀行の向かい側にあります。)
このように「across」は、何かを挟んで反対側にあるという位置関係を表現するときに使います。特に「across from」という表現は「~の向かい側に」という意味でよく使われます。
位置関係を表す表現
位置関係を説明する際の「across」の使い方はとても便利です。
例文
- My friend lives across the hall.(友達は廊下の向かい側に住んでいます。)
- The restaurant is across from the movie theater.(レストランは映画館の向かい側にあります。)
- I can see mountains across the valley.(谷の向こう側に山々が見えます。)
- She sat across the table from me.(彼女は私の向かい側のテーブルに座りました。)
特に「across from」という表現は、「~の向かい側に」「~と向かい合って」という意味を表し、位置関係を説明するときによく使われる表現です。
acrossの主な使い方③:一面に渡って、全体に
「across」はまた、「一面に渡って」「全体に広がって」という意味でも使われます。
例文
- The news spread across the country.(そのニュースは国中に広まりました。)
- Stars were scattered across the sky.(星が空一面に散らばっていました。)
- The paint spilled across the floor.(ペンキが床一面にこぼれました。)
- There are stores across the town.(町中に店があります。)
このように広い範囲や面積全体に何かが広がっているというイメージを表現するときに「across」が使われます。全体的な広がりや分布を表す場合に適した表現です。
広がりや分布を表す表現
何かが広範囲に広がっているイメージを伝えるときの「across」の使い方です。
例文
- Flowers bloom across the field in spring.(春には花が野原一面に咲きます。)
- The disease spread across Europe.(その病気はヨーロッパ全域に広まりました。)
- She has friends across the country.(彼女は全国に友達がいます。)
- Information can travel across the world in seconds.(情報は数秒で世界中を駆け巡ることができます。)
このように面的な広がりや分布を表現するときに「across」が適しています。「throughout」(~中に)という言葉と似た意味合いで使われることもあります。
acrossの主な使い方④:交差して、またがって
「across」はさらに「交差して」「またがって」という意味でも使われます。
例文
- She sat with her arms across her chest.(彼女は胸の前で腕を組んで座っていました。)
- He drew a line across the page.(彼は紙の上に線を引きました。)
- The belt goes across your waist.(ベルトは腰に巻きます。)
- There was a deep crack across the pavement.(舗装道路に深い亀裂が入っていました。)
このように物と物が交差する様子や、何かがある物の上を横切って延びているという状態を表すときに「across」が使われます。
物が交差する表現
物と物が交差したり、またがったりしている状態を表すときの「across」の使い方です。
例文
- The teacher wrote words across the blackboard.(先生は黒板いっぱいに言葉を書きました。)
- Put a bandage across the wound.(傷口に包帯を貼りなさい。)
- He placed the stick across the hole.(彼は穴の上に棒を置きました。)
- The bridge stretches across the canyon.(橋は峡谷を横断して延びています。)
このような物理的に何かが別の物の上を横切っているイメージを表すときに「across」が適切です。
acrossとthroughの違い
英語学習で混乱しやすいのが「across」と「through」の違いです。どちらも「横切る」という意味があるため、使い分けが難しいと感じる方もいるでしょう。
例文
- I walked across the grass.(私は芝生を歩いて横切りました。)
- I walked through the grass.(私は草むらを通り抜けました。)
この二つの文はどちらも「草を通り抜けた」という意味ですが、イメージが異なります。「across」は平面的(二次元的)な見方をする場合に使われ、「through」は立体的(三次元的)な見方をする場合に使われます。
例文
- I ran across the street.(私は道路を走って横切りました。)- 道路は平面的な場所
- I walked through the tunnel.(私はトンネルを歩いて通り抜けました。)- トンネルは立体的な空間
このように「across」は平面的なものを表面上で横切るイメージ、「through」は空間の中を通り抜けるイメージがあります。
平面と立体の違い
「across」と「through」の違いをより詳しく見ていきましょう。
例文
- I walked across the field.(私は野原を歩いて横切りました。)- 野原は平らな表面
- I walked through the forest.(私は森を歩いて通り抜けました。)- 森は木々が立ち並ぶ立体的空間
- The cat jumped across the puddle.(猫は水たまりを飛び越えました。)- 水たまりは平面的
- The cat went through the small hole.(猫は小さな穴を通り抜けました。)- 穴は内部がある立体的なもの
これらの例から分かるように、「across」は表面上を横切るイメージ、「through」は内部や空間を通り抜けるイメージがあります。
芝生の丈が低く平面的に見える場合は「across」、草が高く立体的に見える場合は「through」が使われる傾向があります。
acrossを使った熟語・表現
「across」はいくつかの熟語や慣用表現でも使われます。これらの表現を知ることで、より自然な英語表現ができるようになります。
例文
- across the board(全体にわたって、一律に)
- The company gave a 5% raise across the board.(会社は全社員に一律5%の昇給を与えました。)
- come across(偶然出会う、発見する)
- I came across an old photo album yesterday.(昨日古いフォトアルバムを見つけました。)
- get across(理解させる、伝える)
- The teacher tried to get the idea across to the students.(先生は生徒たちにその考えを理解させようとしました。)
- put across(説明する、伝える)
- She put her point across very clearly.(彼女は自分の要点をとても明確に説明しました。)
これらの熟語表現は、日常会話でよく使われるので覚えておくと便利です。「across」の基本的な意味から少し派生していますが、使われる頻度が高い表現です。
日常会話でよく使う表現
日常会話の中で頻繁に使われる「across」を含む表現をいくつか見てみましょう。
例文
- I ran across my old friend at the mall.(モールで偶然古い友人に出会いました。)
- This message should get across to everyone.(このメッセージはみんなに伝わるべきです。)
- The news spread across social media quickly.(そのニュースはソーシャルメディアですぐに広まりました。)
- We need to communicate across cultures.(私たちは文化を超えてコミュニケーションを取る必要があります。)
これらの表現は、基本的な「横切る」「渡る」という意味から派生していますが、日常的によく使われる表現です。
acrossのよくある間違いと注意点
「across」を使う際によくある間違いや注意点をいくつか紹介します。これらの点に注意することで、より自然な英語表現ができるようになります。
「across」と「cross」の混同
「across」(前置詞・副詞)と「cross」(動詞)を混同しないように注意しましょう。
誤:I will across the street.
正:I will cross the street.(私は道路を横断します。)
「cross」は動詞で「横断する」という意味です。一方「across」は前置詞または副詞であり、単独で動詞としては使えません。
「across from」と「in front of」の違い
「across from」(向かい側に)と「in front of」(前に)を混同しないように注意しましょう。
例文
- The bank is across from the post office.(銀行は郵便局の向かい側にあります。)- 通りなどを挟んで反対側にある
- The car is in front of the house.(車は家の前にあります。)- 同じ側の前方にある
「across from」は何かを挟んで反対側にあることを示し、「in front of」は同じ側の前方にあることを示します。
「through」との使い分け
前述の通り、「across」と「through」の使い分けは重要です。
誤:I walked through the street.(通常は不自然)
正:I walked across the street.(私は道路を横切りました。)
誤:I swam across the tunnel.(通常は不自然)
正:I swam through the tunnel.(私はトンネルを泳いで通り抜けました。)
平面的なものには「across」、立体的なものには「through」を使うのが基本です。
「across」と「over」の違い
「across」と「over」も混同されやすい前置詞です。
例文
- The cat jumped across the stream.(猫は小川を飛び越えました。)- 横方向への移動を強調
- The cat jumped over the fence.(猫はフェンスを飛び越えました。)- 上下方向への移動を強調
「across」は横方向への移動、「over」は上を越える動きを強調する傾向があります。両方使える場合もありますが、イメージが若干異なります。
acrossに関する問題
「across」は英語で「横切る」「向こう側に」「広範囲にわたって」などの意味を持つ単語です。この見出しでは、英語学習者が「across」の使い方を理解し、関連する語彙や表現を学べるような問題を作成します。
- Fill in the blank: The children ran ______ the street to catch the ice cream truck.
(A) across
(B) along
(C) through
(D) over - Fill in the blank: He spread the news ______ the town quickly.
(A) across
(B) between
(C) among
(D) through - Choose the correct word: The bridge goes ______ the river, connecting both sides.
(A) across
(B) over
(C) under
(D) beside - Fill in the blank: She walked ______ the park, enjoying the spring flowers.
(A) across
(B) through
(C) around
(D) beside - Choose the correct word: The message was shared ______ multiple social media platforms.
(A) across
(B) between
(C) among
(D) over - Fill in the blank: He looked ______ the room but couldn’t find his keys.
(A) across
(B) around
(C) through
(D) over - Choose the correct word: The boat sailed ______ the lake during sunset.
(A) across
(B) along
(C) through
(D) beside - Fill in the blank: The cat jumped ______ the fence to chase a bird.
(A) over
(B) across
(C) under
(D) around - Choose the correct word: She traveled ______ Europe last summer, visiting many countries.
(A) across
(B) through
(C) around
(D) beside - Fill in the blank: He threw the ball ______ the yard to his friend on the other side.
(A) across
(B) over
(C) through
(D) under
これらの問題は、「across」の意味や使い方だけでなく、関連する英単語や表現も学べるよう設計されています。ぜひ挑戦してみてください。
acrossに関するよくある質問
ここでは「across」に関するよくある質問とその回答をまとめました。
- 「across」と「cross」の違いは何ですか?
-
「across」は前置詞または副詞で、「~を横切って」「~の向こう側に」という意味です。一方「cross」は主に動詞で「横断する」という意味です。
- I walked across the park.(私は公園を歩いて横切りました。)- across は前置詞
- I crossed the park.(私は公園を横断しました。)- cross は動詞
- 「across from」と「in front of」はどう違いますか?
-
「across from」は「~の向かい側に」という意味で、通常は道路や川などを挟んだ反対側を指します。一方「in front of」は「~の前に」という意味で、同じ側の前方を指します。
- The bank is across from the post office.(銀行は郵便局の向かい側にあります。)
- The car is in front of the house.(車は家の前にあります。)
- 「across」は副詞としても使えますか?
-
はい、「across」は前置詞だけでなく副詞としても使えます。副詞として使われる場合は、目的語を取らずに「横切って」「向こう側に」という意味を表します。
- The river is wide, but we managed to swim across.(川は広かったけれど、私たちは何とか泳いで渡りました。)
- The bridge was broken, so we couldn’t get across.(橋が壊れていたので、私たちは渡ることができませんでした。)
- 「across」と「through」はどのように使い分けますか?
-
「across」は平面的な場所や表面を横切る場合に使い、「through」は立体的な空間や内部を通過する場合に使います。
- I walked across the field.(私は野原を歩いて横切りました。)- 野原は平面的
- I walked through the forest.(私は森を歩いて通り抜けました。)- 森は立体的
- 「come across」と「find」の違いは何ですか?
-
「come across」は「偶然出会う」「思いがけず発見する」というニュアンスがあり、意図せず何かを見つけた場合に使います。一方「find」はより一般的な「見つける」という意味で、意図的に探していた場合にも使えます。
- I came across an old photo while cleaning.(掃除中に古い写真を偶然見つけました。)- 偶然の発見
- I found the book I was looking for.(探していた本を見つけました。)- 意図的な発見
まとめ

この記事では「across」の意味と使い方について詳しく解説しました。「across」は英語の基本的な前置詞で、「横切って」「渡って」「向こう側に」「一面に渡って」などの意味があり、日常会話や文章でよく使われる表現です。
以下に「across」についての重要なポイントをまとめます。
- 「across」は主に前置詞として使われ、基本的に「横切って」「渡って」の意味を持つ
- 道路や川などを横断する動作を表す場合に使う
- 何かを挟んで「向こう側に」という位置関係を表す場合にも使う
- 「一面に渡って」「全体に」という広がりを表現する場合にも適している
- 「交差して」「またがって」という状態を表すこともできる
- 「through」との違いは、「across」は平面的な移動、「through」は立体的な通過を表す
- 「across」を含む熟語表現(across the board, come across など)を覚えておくと便利
- 「across」(前置詞・副詞)と「cross」(動詞)を混同しないよう注意が必要
英語の前置詞は日本語に直訳するのが難しく、使い方を理解するには多くの例文に触れることが大切です。この記事で紹介した例文を参考に、自分でも「across」を使った文を作ってみてください。
実際に使うことで、より自然な英語表現ができるようになります。