「Add fuel to the fire」は英語のイディオム(慣用句)で、すでに悪化している状況をさらに悪くする行為を表現する言葉です。日本語の「火に油を注ぐ」とほぼ同じ意味を持っています。このフレーズは日常会話からビジネスシーンまで幅広く使われる表現で、英語を学ぶ上で知っておくと非常に役立ちます。
本記事では、このイディオムの意味や使い方を例文とともにわかりやすく解説していきます。
「Add fuel to the fire」の基本的な意味

「Add fuel to the fire」は文字通りには「火に燃料を加える」という意味ですが、実際には「すでに問題がある状況をさらに悪化させる」という意味で使われます。火が燃えている所に燃料を追加するとさらに激しく燃え上がるように、問題や対立、怒りなどの悪い状況をさらに悪化させることを表現しています。
この表現は「pour oil on the fire(火に油を注ぐ)」や「fan the flames(炎をあおる)」などとも似た意味を持ちます。どれも基本的には「状況を悪化させる」という否定的なニュアンスで使われることが多いです。
「Add fuel to the fire」の由来
このイディオムの起源は古く、火を使って料理や暖房をしていた時代から、火をさらに強くするために燃料を加えるという行為が比喩的に使われるようになったと考えられています。
火のように燃え上がる感情や対立を表現するのに適した言葉として長年使われてきました。
「Add fuel to the fire」の使い方
「Add fuel to the fire」は様々な場面で使われますが、主に以下のような状況で用いられます。
- 対立や論争がすでに存在する状況で、それをさらに悪化させるような発言や行動をした時
- すでに怒っている人をさらに怒らせるような何かをした時
- 悪い状況をさらに悪くするような選択をした時
この表現は通常、望ましくない結果をもたらす行動について語る際に使われます。何か問題がすでに起きていて、それに対して誰かが状況を改善するどころか、むしろ悪化させる行動をとった場合に「add fuel to the fire」と表現します。
日常会話での使い方
日常会話では、友人間のケンカや家族の対立、学校でのトラブルなど、様々な場面でこの表現が使われます。
例えば、友達同士がケンカしている時に、別の友達が余計なことを言ってケンカを大きくしてしまった場合などに使えます。
ビジネスシーンでの使い方
職場でも、この表現はよく使われます。例えば、部署間の対立がある中で、誰かが相手部署の悪口を言ってさらに状況を悪化させた場合などに使うことができます。
また、クレーム対応で、すでに怒っている顧客に対して不適切な対応をして状況を悪化させた時などにも使えます。
「Add fuel to the fire」の例文
「Add fuel to the fire」を使った例文を見ていきましょう。
英語初学者でも理解しやすいように、中学英語レベルの文で説明します。
簡単な例文
例文
- His comment added fuel to the fire. The situation got worse.
(彼のコメントは火に油を注ぐ結果となった。状況はさらに悪化した。) - Please don’t add fuel to the fire. They are already angry.
(火に油を注がないでください。彼らはすでに怒っています。) - The teacher’s words added fuel to the fire, and the students became more upset.
(先生の言葉は火に油を注ぎ、生徒たちはさらに動揺した。) - When two people are fighting, it’s not good to add fuel to the fire.
(二人が喧嘩しているとき、火に油を注ぐのは良くない。) - My sister added fuel to the fire by telling my parents about my bad test.
(妹は私の悪いテスト結果を両親に話して火に油を注いだ。)
状況別の例文
家族の場面での例
- Tom and his brother were fighting. Their mother added fuel to the fire by saying Tom was always causing trouble.
(トムと兄弟が喧嘩していた。母親はトムがいつもトラブルを起こしていると言って火に油を注いだ。)
学校での例
- The students were already nervous about the test. The teacher added fuel to the fire by saying it would be very difficult.
(生徒たちはすでにテストについて緊張していた。先生はそれが非常に難しいだろうと言って火に油を注いだ。)
友人関係での例
- Ken was upset with me. My friend added fuel to the fire by telling him I said bad things about him.
(ケンは私に対して動揺していた。私の友達は私が彼について悪口を言ったと伝えて火に油を注いだ。)
「Add fuel to the fire」の類似表現
「Add fuel to the fire」以外にも、同じような意味を持つ英語表現がいくつかあります。また、日本語にも類似した表現があります。
「Add fuel to the fire」と類似した英語表現
- Pour oil on the flames/fire
「火に油を注ぐ」という意味で、「add fuel to the fire」とほぼ同じ意味です。 - Fan the flames
「炎をあおる」という意味で、やはり状況を悪化させる行為を表します。 - Make matters worse
「事態を悪化させる」という、より直接的な表現です。 - Rub salt in the wound
「傷口に塩を擦り込む」という意味で、すでに痛みを感じている人にさらに痛みを与える行為を表します。
「Add fuel to the fire」に対応する日本語表現
英語の「Add fuel to the fire」に対応する日本語表現としては、以下のようなものがあります。
- 火に油を注ぐ
英語とほぼ同じ表現で、意味も同じです。 - 油を注ぎ込む
上記の短縮版で、状況を悪化させる行為を表します。 - 火に油を注ぐような真似をする
行為を具体的に表現した言い方です。
「Add fuel to the fire」に関するよくある質問
- 「Add fuel to the fire」はポジティブな意味で使うことはありますか?
-
基本的には、このイディオムはネガティブな状況を描写するために使われます。しかし、まれに「情熱や興奮をさらに高める」というやや前向きな文脈で使われることもあります。ただし、初学者は主にネガティブな文脈での使い方を覚えておくとよいでしょう。
- 「Add fuel to the fire」と「Add insult to injury」の違いは何ですか?
-
「Add fuel to the fire」は状況全体を悪化させる行為を指しますが、「Add insult to injury(侮辱を怪我に追加する)」は、すでに傷ついている人にさらに精神的な傷を与えるという意味です。両方とも状況を悪化させる表現ですが、後者はより個人的な傷つきに焦点を当てています。
- 「Add fuel to the fire」はどんな場面で避けるべきですか?
-
人間関係を良好に保ちたい場面や、問題解決を目指している場面では、実際に「火に油を注ぐ」行為を避けるべきです。また、フォーマルなビジネス文書では、より直接的で明確な表現を使った方が良い場合もあります。
まとめ

「Add fuel to the fire」についての主なポイントは以下の通りです。
- 「Add fuel to the fire」は「すでに悪い状況をさらに悪化させる」という意味のイディオムである。
- 直訳すると「火に燃料を加える」だが、日本語の「火に油を注ぐ」に相当する。
- 対立、論争、怒りなどの否定的な状況が悪化する場面で使われる。
- 日常会話からビジネスシーンまで幅広く使用される。
- 類似表現として「pour oil on the flames」「fan the flames」などがある。
- 基本的にはネガティブな文脈で使われるが、まれに熱意や興奮を高めるポジティブな意味で使われることもある。
- 英語学習者にとって知っておくと便利な表現である。
このイディオムを適切に使えるようになれば、英語でのコミュニケーション能力がさらに向上するでしょう。状況をよく理解して、効果的に使ってみてください。