「afford」は英語で主に動詞として使われる単語で、「(金銭的・時間的に)余裕がある」「提供する」などの意味を持ちます。日常会話でもビジネスシーンでもよく使われる重要な単語です。
この記事では「afford」の意味と使い方について、英語初学者の方にも分かりやすく、豊富な例文を交えながら解説していきます。
「afford」とは?基本的な意味と使い方

「afford」は、主に「(お金や時間などの)余裕がある」という意味で使われる動詞です。特に「〜する余裕がある」「〜する経済力がある」という意味合いで使われることが多く、日常会話で頻出する表現です。また、「提供する」「与える」「もたらす」といった意味もあります。
「afford」を使う際の基本的な文型は「主語 + can/can’t afford + to不定詞」です。「〜する余裕がある/ない」という表現を作ることができます。また、「主語 + afford + 人 + もの」という形で「人にものを提供する」という意味で使うこともあります。
例えば、次のような例文が考えられます。
例文
- I can’t afford to buy a new computer.(私は新しいコンピュータを買う余裕がありません)
- The museum affords visitors a wonderful experience.(その博物館は訪問者に素晴らしい体験を提供します)
このように、「afford」は日常生活のさまざまな場面で使われる便利な動詞です。次のセクションでは、「afford」の主な意味と例文について詳しく見ていきましょう。
「afford」の主な意味と例文
「afford」には大きく分けて3つの主な意味があります。それぞれの意味と使い方について、分かりやすい例文と共に解説します。
「経済的・時間的余裕がある」という意味での使い方
最も一般的な使い方は「(お金や時間などの)余裕がある」という意味です。特に「can afford」「cannot afford(can’t afford)」という形で使われることが多いです。
例文
- I can afford this book.(私はこの本を買う余裕があります)
- She can’t afford to go abroad this year.(彼女は今年、海外に行く余裕がありません)
- We can’t afford to waste time.(私たちは時間を無駄にする余裕がありません)
- Can you afford to buy a new car?(あなたは新しい車を買う余裕がありますか)
- They couldn’t afford the house they wanted.(彼らは欲しかった家を買う余裕がありませんでした)
- My parents could afford to send me to a good school.(私の両親は私を良い学校に送る余裕がありました)
この用法では、単に金銭的な余裕だけでなく、時間や労力などの余裕も表現できる点が特徴です。「〜する余裕がある」という日本語表現に近いニュアンスを持っています。
「提供する、与える」という意味での使い方
「afford」の二つ目の意味は「提供する」「与える」です。この意味では「主語 + afford + 人 + もの」という構文で使われることが多いです。
例文
- This park affords people a place to relax.(この公園は人々にリラックスする場所を提供しています)
- The tower affords visitors a beautiful view.(その塔は訪問者に美しい景色を提供しています)
- Reading books affords us knowledge.(本を読むことは私たちに知識を与えてくれます)
- The mountain affords hikers many challenges.(その山はハイカーに多くの挑戦を提供します)
- Good education affords children better opportunities.(良い教育は子どもたちにより良い機会を提供します)
この用法は少し堅い表現で、日常会話よりも書き言葉や formal な場面で使われることが多いです。
「可能にする、もたらす」という意味での使い方
三つ目の意味は「可能にする」「もたらす」です。この意味でも「〜を提供する」と似ていますが、より抽象的な概念に対して使われることが多いです。
例文
- The new system affords greater efficiency.(新しいシステムはより高い効率性をもたらします)
- This position affords me the chance to learn new skills.(この地位は私に新しいスキルを学ぶ機会をもたらします)
- The window affords a view of the garden.(その窓からは庭の景色が見えます)
- The situation afforded him an opportunity to show his leadership.(その状況は彼にリーダーシップを示す機会をもたらしました)
- Technology affords us many conveniences.(テクノロジーは私たちに多くの便利さをもたらします)
この用法も比較的フォーマルな場面で使われることが多く、ビジネス文書や学術的な文脈でよく見られます。
「afford」の語源と歴史
「afford」という単語の語源は古英語の「geforðian」にさかのぼります。この言葉は「前進する」「達成する」という意味を持っていました。中世英語を経て、現代の「余裕がある」「提供する」といった意味に変化していきました。
16世紀頃から「経済的余裕がある」という現代的な用法が登場し始め、18世紀頃には現在の主要な意味で広く使われるようになりました。
「afford」の語源を理解することで、なぜこの単語が「余裕がある」と「提供する」という一見異なる意味を持つのかが分かります。「前に進む能力がある」という原義から、「(何かをする)能力や余裕がある」という意味と、「(何かを)前に出す・提供する」という意味の両方が派生したのです。
このように、語源を知ることは単語の理解を深め、記憶にも役立ちます。
「afford」を使った便利な表現
「afford」を使った便利な表現やフレーズをいくつか紹介します。これらの表現を覚えておくと、英語での表現の幅が広がります。
「afford to do」の使い方
「afford to do」は「〜する余裕がある」という意味で、最も一般的な「afford」の使い方です。
例文
- I can’t afford to miss this chance.(私はこのチャンスを逃す余裕がありません)
- She can afford to take a vacation now.(彼女は今休暇を取る余裕があります)
- We cannot afford to ignore this problem.(私たちはこの問題を無視する余裕がありません)
- Can you afford to spend so much money?(そんなにお金を使う余裕がありますか)
- They could afford to buy a bigger house after the promotion.(昇進後、彼らはより大きな家を買う余裕ができました)
この表現は経済的な余裕だけでなく、時間や精神的な余裕についても使えます。
「can’t afford to」の使い方
「can’t afford to」は特に重要な表現で、「〜する余裕がない」「〜するわけにはいかない」という意味です。これは単に経済的な理由だけでなく、リスクが高すぎるなどの理由で「避けるべき」という意味合いも含みます。
例文
- We can’t afford to make any mistakes on this project.(このプロジェクトでは間違いを犯す余裕がありません)
- I can’t afford to be late for the interview.(面接に遅刻するわけにはいきません)
- The company can’t afford to lose any more customers.(その会社はこれ以上顧客を失う余裕がありません)
- You can’t afford to waste your talents.(あなたは自分の才能を無駄にする余裕がありません)
- We can’t afford to wait any longer.(私たちはこれ以上待つ余裕がありません)
この表現は「絶対に〜してはいけない」という強い警告や注意を表すニュアンスがあります。
「afford someone something」の構文
「afford someone something」は「誰かに何かを提供する」という意味の構文です。
例文
- This job affords me a good income.(この仕事は私に良い収入をもたらします)
- The hill affords hikers a wonderful view.(その丘はハイカーに素晴らしい景色を提供します)
- The program affords students many opportunities.(そのプログラムは学生に多くの機会を提供します)
- His position affords him certain privileges.(彼の地位は彼に特定の特権を与えています)
- The new policy will afford workers better protection.(新しい方針は労働者により良い保護を提供するでしょう)
この構文はやや堅い表現で、ビジネスや学術的な文脈で使われることが多いです。
「afford」のよくある間違いと注意点
「afford」を使う際によくある間違いと注意点を紹介します。これらのポイントを押さえておくことで、より自然な英語表現ができるようになります。
「afford」の後の動詞は常に不定詞を使う
「afford」の後に動詞を続ける場合は、必ず不定詞(to + 動詞の原形)を使います。この点を間違えると不自然な英語になるので注意しましょう。
正しい例
I can’t afford to buy it.(私はそれを買う余裕がありません)
間違った例
I can’t afford buying it.(×)
「afford」に「できる」という意味はない
「afford」は「〜する余裕がある」という意味であり、単純に「〜できる」という能力を表す言葉ではありません。能力を表す場合は「can」や「be able to」を使います。
例えば、
例文
- I can’t afford to travel abroad.(私は海外旅行する余裕がありません)← 経済的・時間的余裕
- I can’t speak Spanish.(私はスペイン語を話せません)← 能力
「not afford to do」と「can’t afford to do」の違い
「not afford to do」と「can’t afford to do」は基本的に同じ意味ですが、「can’t afford to do」の方が一般的です。特別な強調がない限り、「can’t afford to do」を使うのが自然です。
例文
- I can’t afford to pay for the tickets.(私はそのチケットを払う余裕がありません)
※ I do not afford to pay for the tickets. とは通常言いません
過去形での使い方に注意
過去の状況を表す場合、「afforded」という過去形を使いますが、「could afford」や「couldn’t afford」という表現も非常に一般的です。
例文
- I couldn’t afford a car when I was a student.(学生の頃、私は車を買う余裕がありませんでした)
- The view afforded me great pleasure.(その景色は私に大きな喜びをもたらしました)
「afford」を使った慣用表現
「afford」を含む慣用表現や決まり文句をいくつか紹介します。これらの表現を覚えておくと、より自然な英語が話せるようになります。
「can ill afford」
「can ill afford」は「とても〜する余裕がない」「決して〜するべきでない」という意味の表現です。「can’t afford」よりもさらに強い否定のニュアンスがあります。
例文
- The company can ill afford another scandal.(その会社はもう一つのスキャンダルに決して耐えられない)
- We can ill afford to lose any more time.(私たちはこれ以上時間を失う余裕が全くない)
- Our country can ill afford to ignore climate change.(私たちの国は気候変動を無視する余裕が全くない)
「afford the luxury of」
「afford the luxury of」は「〜する贅沢ができる」という意味の表現です。何か特別なことや余分なことをする余裕があることを表します。
例文
- I can’t afford the luxury of taking a day off.(私は休日を取る贅沢はできません)
- When you’re the boss, you can afford the luxury of flexible hours.(あなたが上司なら、フレキシブルな時間を持つ贅沢ができます)
- Rich people can afford the luxury of hiring housekeepers.(裕福な人々は家政婦を雇う贅沢ができます)
「afford to be」
「afford to be」は「〜である余裕がある」という意味で、特に否定形で使われることが多い表現です。
例文
- We can’t afford to be careless with this project.(このプロジェクトでは不注意である余裕はありません)
- I can’t afford to be late again.(私はもう一度遅刻する余裕がありません)
- The team can’t afford to be complacent after their recent victory.(チームは最近の勝利の後に自己満足している余裕はありません)
- You can’t afford to be choosy in this job market.(この就職市場では選り好みしている余裕はありません)
「afford」の関連語と類義語
「afford」に関連する単語や類義語を知っておくと、より豊かな表現ができるようになります。ここでは主な関連語と類義語を紹介します。
「afford」の類義語
「afford」には以下のような類義語があります。それぞれニュアンスが異なるので、状況に応じて使い分けることが大切です。
単語 | 意味 | 例文 |
---|---|---|
provide | 提供する | The company provides good benefits to employees.(その会社は従業員に良い福利厚生を提供しています) |
supply | 供給する | The store supplies fresh vegetables daily.(その店は毎日新鮮な野菜を供給しています) |
offer | 申し出る、提供する | The hotel offers free breakfast.(そのホテルは無料の朝食を提供しています) |
manage | なんとか〜する | I managed to save enough money for the trip.(私は旅行のために十分なお金を貯めることができました) |
be able to | 〜することができる | I am able to speak three languages.(私は3つの言語を話すことができます) |
「affordable」という形容詞
「afford」から派生した形容詞「affordable」は「手頃な価格の」「買える」という意味で使われます。
例文
- This restaurant serves affordable meals.(このレストランは手頃な価格の食事を提供しています)
- We need more affordable housing in this city.(この町にはもっと手頃な価格の住宅が必要です)
- Is healthcare affordable in your country?(あなたの国では医療費は手頃ですか)
- The new model is more affordable than the previous one.(新しいモデルは以前のものよりも手頃な価格です)
- The company aims to make their products affordable for everyone.(その会社は製品を誰にとっても手頃な価格にすることを目指しています)
「affordability」という名詞
「affordability」は「afford」から派生した名詞で、「手頃さ」「余裕」を意味します。
例文
- The affordability of housing is a major issue in big cities.(住宅の手頃さは大都市での主要な問題です)
- We need to consider the affordability of healthcare for all citizens.(すべての市民のための医療の手頃さを考慮する必要があります)
- The company focuses on the affordability of their products.(その会社は製品の手頃さに焦点を当てています)
「afford」に関する問題
ここでは「afford」の理解度を確認するための問題を10問用意しました。各問題に取り組んで、理解を深めましょう。
- I can’t ( ) to buy a new car this year.
a) afford
b) affording
c) affords
d) afforded - This mountain ( ) hikers a beautiful view.
a) affords
b) afford
c) affording
d) afforded - We ( ) afford to waste time on this project.
a) can’t
b) don’t
c) aren’t
d) haven’t - She couldn’t ( ) a vacation last year.
a) afford to take
b) afford taking
c) affording to take
d) affording take - The company can ill ( ) another financial loss.
a) afford
b) affords
c) affording
d) to afford - This window ( ) a good view of the garden.
a) affords
b) afford
c) is affording
d) was afford - Can you ( ) to buy such expensive clothes?
a) afford
b) affording
c) afforded
d) affords - The new policy will ( ) workers better protection.
a) afford
b) affords
c) afforded
d) affording - I cannot ( ) to miss this opportunity.
a) afford
b) affording
c) afforded
d) affords - These houses are not ( ) for most people.
a) affordable
b) affording
c) afforded
d) afford
「afford」に関するよくある質問
ここでは「afford」に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
- 「afford」と「be able to」の違いは何ですか?
-
「afford」は主に経済的・時間的な「余裕」を表し、「be able to」は能力や可能性を表します。
- I can’t afford to buy a car.(私は車を買う余裕がありません)← 経済的余裕がない
- I’m not able to drive a car.(私は車を運転することができません)← 運転する能力がない
- 「afford」を使った丁寧な断り方はありますか?
-
「I can’t afford to」を使うと、丁寧に断ることができます。
- I’m sorry, but I can’t afford to take on any more work right now.(申し訳ありませんが、今はこれ以上仕事を引き受ける余裕がありません)
- I can’t afford to spend that much time on this project.(このプロジェクトにそれほど多くの時間を費やす余裕がありません)
- 「afford」は形式ばった表現ですか?
-
「can/can’t afford to do」の形は日常会話でも頻繁に使われる一般的な表現です。一方、「afford someone something」(誰かに何かを提供する)の用法は少し形式ばった印象があり、フォーマルな文脈で使われることが多いです。
- 「afford」の発音のコツはありますか?
-
「afford」の発音は「アフォード」に近く、強勢は2音節目の「ford」にあります。「r」の音に注意して発音しましょう。アメリカ英語では特に「r」の音が強調されます。
- 「affordable」と「cheap」の違いは何ですか?
-
「affordable」は「手頃な価格の」という意味で、品質と価格のバランスが良いことを示します。一方、「cheap」は「安い」という意味ですが、時に品質が劣るというネガティブなニュアンスを含むことがあります。
- This is an affordable smartphone with good features.(これは良い機能を持つ手頃な価格のスマートフォンです)
- This is a cheap plastic toy.(これは安いプラスチックのおもちゃです)
まとめ

この記事では、英語の動詞「afford」の意味と使い方について詳しく解説しました。「afford」は日常会話でもビジネスシーンでも頻繁に使われる重要な単語で、主に「余裕がある」「提供する」「もたらす」という意味を持ちます。
英語学習において「afford」をマスターすることは、自分の状況や限界を適切に表現するために非常に役立ちます。特に「can’t afford to」という表現は、「〜する余裕がない」という日常的によく使う表現を自然に英語で言えるようになります。
ここで学んだポイントをまとめると、
- 「afford」は主に「(お金や時間などの)余裕がある」という意味で使われる
- 基本的な文型は「主語 + can/can’t afford + to不定詞」
- 「提供する」「もたらす」という意味もある
- 「afford」の後の動詞は必ず不定詞(to + 動詞の原形)を使う
- 「affordable」(手頃な価格の)という形容詞形もよく使われる
- 「can ill afford」「afford the luxury of」などの慣用表現もある
- 「afford」と「be able to」は異なる意味を持つ
「afford」を適切に使いこなせるようになれば、英語でのコミュニケーション能力が大きく向上するでしょう。この記事で紹介した例文や表現を参考に、ぜひ実際の会話の中で「afford」を使ってみてください。
正しく使いこなせるようになれば、より自然で豊かな英語表現ができるようになります。