「after all」は英語学習者にとって非常に便利な表現ですが、その使い方やニュアンスを完全に理解することは簡単ではありません。
この記事では、英語初心者の方でも「after all」を適切に使えるように、基本的な意味からさまざまな使い方まで詳しく解説します。例文も多く紹介するので、実践的な理解が深まるでしょう。
「after all」の基本的な意味

「after all」は英語でよく使われる表現で、状況によって異なる意味を持ちます。直訳すると「すべての後に」となりますが、実際の使い方はもっと複雑です。基本的には「結局のところ」「やはり」「考えてみれば」「それでも」といった意味で使われています。
様々な状況や事実を考慮した後に出てくる結論や気づきを示すときに使うことが多いです。また、最初の予想や期待と異なる結果になった場合にも使います。中学英語レベルの単語を使って「after all」の使い方を身につけていきましょう。
「結局のところ、やはり」という意味
最も一般的な用法は「結局のところ」「やはり」という意味です。何かを迷ったり考えたりした末の結論を示すときに使います。
例文
- I decided to buy the blue shirt after all.(結局のところ、私は青いシャツを買うことにしました。)
- We need to study hard after all.(やはり私たちは一生懸命勉強する必要があります。)
- She is my best friend after all.(やはり彼女は私の一番の友達です。)
- He couldn’t come to the party after all.(結局、彼はパーティーに来ることができませんでした。)
- The test was easy after all.(結局、そのテストは簡単でした。)
「考えてみれば」という意味
何かを思い出したり、改めて考え直したりした結果として出てくる認識を示すときには「考えてみれば」「思い返せば」という意味で使います。
例文
- He is only a child after all.(考えてみれば、彼はまだ子供に過ぎません。)
- She worked very hard, after all.(思い返せば、彼女はとても一生懸命働きました。)
- This book is for beginners after all.(考えてみれば、この本は初心者向けです。)
- We had a good time after all.(思い返せば、私たちは楽しい時間を過ごしました。)
- It’s not surprising after all. He always helps people.(考えてみれば驚くことではありません。彼はいつも人を助けるのですから。)
「それでも」という意味
「それでも」「にもかかわらず」という逆接の意味でも使われます。何か障害や問題があったにもかかわらず、最終的には良い結果になったときに使います。
例文
- It was raining, but we enjoyed our trip after all.(雨が降っていましたが、それでも旅行を楽しみました。)
- The task was difficult, but I finished it after all.(その課題は難しかったですが、それでも私はそれを終えました。)
- I failed the test, but I feel happy after all.(テストには失敗しましたが、それでも私は幸せを感じています。)
- He was angry at first, but he helped me after all.(彼は最初怒っていましたが、それでも私を助けてくれました。)
- We had many problems, but the project succeeded after all.(多くの問題がありましたが、それでもプロジェクトは成功しました。)
「after all」の文中での位置による違い
「after all」は文の中での位置によって微妙にニュアンスが変わります。文頭、文中、文末のそれぞれの使い方を見ていきましょう。
文頭で使う場合
文頭で使う場合は、前に述べた内容を踏まえて結論を述べるときや、新たな視点を導入するときに使います。この場合、「結局のところ」「考えてみれば」という意味合いが強くなります。
例文
- After all, he is still a child.(結局のところ、彼はまだ子供です。)
- After all, we need to eat to live.(やはり、私たちは生きるために食べる必要があります。)
- After all, practice makes perfect.(結局のところ、練習が完璧を作ります。)
- After all, health is more important than money.(考えてみれば、健康はお金より大切です。)
- After all, she tried her best.(結局のところ、彼女は最善を尽くしました。)
文頭で使う場合は、カンマで区切るのが一般的です。また、前の文脈を受けて「だから」「そういうわけで」という意味合いを持つこともあります。
文中で使う場合
文中で使う場合は、文の流れの中で追加の説明や理由を述べるときに使います。前後にカンマを置くことが多いです。
例文
- She is, after all, my sister.(彼女は、結局のところ、私の姉です。)
- This book is, after all, written for beginners.(この本は、やはり、初心者向けに書かれています。)
- We should, after all, respect our parents.(私たちは、やはり、両親を尊重すべきです。)
- The test was, after all, not so difficult.(そのテストは、考えてみれば、そんなに難しくありませんでした。)
- I am, after all, just a student.(私は、結局のところ、ただの学生です。)
文中で使う場合、「after all」の前後にカンマを入れることで、挿入句としての性格が強くなります。これにより、「念のために言っておくと」「言うまでもなく」というニュアンスが加わることもあります。
文末で使う場合
文末で使う場合は、文全体の結論や最終的な判断を述べるときに使います。この場合、「結局」「やはり」という意味合いが強くなります。
例文
- I decided to go to the park after all.(結局、私は公園に行くことにしました。)
- The movie wasn’t bad after all.(その映画は結局悪くありませんでした。)
- She couldn’t come after all.(彼女は結局来ることができませんでした。)
- We don’t need to worry after all.(私たちは結局心配する必要はありません。)
- I like this place after all.(やはり私はこの場所が好きです。)
文末で使う場合は、何か迷ったり考えたりした末の結論を示すことが多いです。「やっぱり」「思っていたのとは違って」というニュアンスを含むこともあります。
「after all」と似た表現の違い
英語には「after all」と似た意味を持つ表現がいくつかあります。それぞれの違いを理解することで、より適切な表現を選べるようになります。
「in the end」との違い
「in the end」も「結局」という意味ですが、「after all」とは少し違います。「in the end」は時間的な経過の後の最終結果を強調する表現です。一方、「after all」は事実や状況を考慮した上での結論を示します。
例文
- In the end, we decided not to go.(最終的に、私たちは行かないことに決めました。)
- After all, we decided not to go.(結局のところ、私たちは行かないことに決めました。)
「in the end」は長い時間や経過の後の結末を示すのに対し、「after all」は様々な要素を考慮した上での結論を示します。
例文
- I tried many times, but in the end, I gave up.(何度も試しましたが、最終的には諦めました。)
- I thought the test would be difficult, but it was easy after all.(テストは難しいと思っていましたが、結局簡単でした。)
「eventually」との違い
「eventually」は「最終的に」「いずれは」という意味で、時間がかかったあとの結果を示します。「after all」のような「考慮した結果」というニュアンスはありません。
例文
- I eventually found my keys.(最終的に鍵を見つけました。)
- After all, I found my keys in my pocket.(考えてみれば、鍵はポケットの中にありました。)
「eventually」は何か起こるまでに時間がかかることを強調しますが、「after all」はそのような時間的な要素よりも、状況や事実の考慮を強調します。
例文
- She eventually became a doctor.(彼女は最終的に医者になりました。)
- She became a doctor after all.(結局彼女は医者になりました。)
「finally」との違い
「finally」は「ついに」「やっと」という意味で、長く待ったり努力したりした後の達成を示します。「after all」のような「考えた結果」「やはり」というニュアンスはありません。
例文
- I finally finished my homework.(ついに宿題を終えました。)
- I finished my homework after all.(結局宿題を終えました。)
「finally」は長い待機や努力の末の達成を強調しますが、「after all」はそのようなプロセスよりも、最終的な事実や結論を強調します。
例文
- The train finally arrived.(電車がついに到着しました。)
- The train was late after all.(電車は結局遅れました。)
「at last」との違い
「at last」も「ついに」「やっと」という意味ですが、「finally」よりもさらに長い待機や苦労の末の達成感を強調します。「after all」とは使用場面が異なります。
例文
- At last, we reached the top of the mountain.(ついに山頂に着きました。)
- After all, the climb wasn’t so difficult.(結局、登山はそれほど難しくありませんでした。)
「at last」は長い間待ち望んでいたことが実現した喜びや安堵を表しますが、「after all」はそのような感情的な要素よりも、客観的な事実や結論を強調します。
例文
- At last, I met my favorite singer.(ついに好きな歌手に会えました。)
- He was kind after all.(彼は結局優しかったです。)
「after all」の使い方のコツ
「after all」を自然に使いこなすためのコツを紹介します。日常会話や文章でどのように使えばよいか、また使用する際の注意点などを見ていきましょう。
会話での使い方
会話の中で「after all」を使うと、自然な英語表現になります。特に意見を述べるときや、何かを再考したときに使うと効果的です。
例えば、友達との会話では次のように使えます。
例文
- A: Should we go to the beach tomorrow?
B: But it might rain.
A: It’s summer after all. I think it will be fine.
(A:明日、ビーチに行きますか?
B:でも雨が降るかもしれません。
A:結局夏ですからね。大丈夫だと思います。) - A: Are you worried about the test?
B: Not really. I studied hard after all.
(A:テストのことを心配していますか?
B:そんなに。結局のところ一生懸命勉強しましたから。)
会話では、相手の意見に対して「でも考えてみれば」「やはり」という意味で使うことが多いです。また、自分の考えが変わったことを示す場合にも使えます。
例文
- A: Do you like this restaurant?
B: I didn’t at first, but I like it after all.
(A:このレストラン好きですか?
B:最初は好きではなかったですが、結局好きになりました。)
文章での使い方
文章の中で「after all」を使うと、論理的なつながりを作ることができます。特に、議論の中で結論を述べるときや、反論するときに効果的です。
例文
- Many people think studying English is difficult. After all, it has different grammar from Japanese.(多くの人は英語の勉強は難しいと考えています。結局のところ、日本語とは文法が異なるからです。)
- We should save money for the future. After all, we never know what will happen tomorrow.(将来のためにお金を貯めるべきです。結局のところ、明日何が起こるかわからないからです。)
文章では、「after all」を使って前述の内容を補強したり、新たな視点を導入したりすることができます。また、意外な結論を示す場合にも使えます。
例文
- The new smartphone is expensive. It has many good features, after all.(新しいスマートフォンは高価です。結局のところ、多くの良い機能を持っていますからね。)
- I was worried about the interview. But it went well after all.(面接について心配していました。しかし結局うまくいきました。)
使う際の注意点
「after all」を使う際にはいくつか注意点があります。ニュアンスを間違えると、意図しないメッセージを伝えてしまう可能性があります。
「after all」は「だから」という意味ではありません。因果関係を示す場合は「so」「therefore」などを使いましょう。
例文
- 誤った例:I’m tired, after all I will go to bed early.
- 正しい例:I’m tired, so I will go to bed early.
(私は疲れています、だから早く寝ます。)
「all after」という語順にしないよう注意しましょう。
例文
- 誤った例:All after, it was a good day.
- 正しい例:After all, it was a good day.
(結局のところ、良い一日でした。)
「after all」の後に理由を続ける場合は、適切な接続詞を使いましょう。
例文
- After all, because we are friends, I will help you.
(結局のところ、私たちは友達なので、あなたを助けます。)
文脈によって意味が変わることを理解しましょう。
例文
- I bought this book after all.
(文脈A:迷った末に)結局この本を買いました。
(文脈B:反対されたけど)それでもこの本を買いました。
「after all」に関するよくある質問
「after all」に関してよく質問される内容について回答します。英語初学者の方が疑問に思いやすいポイントを解説します。
- 「after all」は文頭と文末どちらで使うのが正しい?
-
「after all」は文頭、文中、文末のどの位置でも使うことができます。それぞれ微妙にニュアンスが異なりますが、どれが「正しい」ということはありません。文脈や伝えたい意図に応じて使い分けましょう。
- After all, we are family.(結局のところ、私たちは家族です。)
- We are, after all, family.(私たちは、やはり、家族です。)
- We are family after all.(私たちは結局家族です。)
ただし、文頭で使う場合はカンマを置き、文中で使う場合は前後にカンマを置くのが一般的です。
- 「after all」と「in the end」の違いは?
-
「after all」と「in the end」は似ていますが、ニュアンスが異なります。
- 「after all」は「考えてみれば」「やはり」という意味合いが強く、状況や事実を考慮した上での結論を示します。
- 「in the end」は「最終的に」という時間的な経過の後の結果を強調します。
- In the end, we decided to cancel the trip because of the bad weather.(最終的に、天候不良のため旅行をキャンセルすることにしました。)
- After all, we couldn’t go on the trip because it was raining heavily.(結局のところ、激しい雨が降っていたため旅行に行くことができませんでした。)
「in the end」は何か長いプロセスや考慮の末の結論を示しますが、「after all」はそのプロセスよりも、事実や状況の考慮から導かれる結論を示します。
- 「after all」は反語表現?
-
「after all」自体は反語表現ではありませんが、反語的な文脈で使われることがあります。特に、予想や期待に反する結果を示すときに使うと、反語的なニュアンスを持つことがあります。
- I thought he was mean, but he is kind after all.(彼は意地悪だと思っていましたが、結局優しかったです。)
- The exam wasn’t difficult after all.(試験は結局難しくありませんでした。)
これらの例では、最初の予想や期待とは異なる結果になったことを示しています。しかし、「after all」自体が反語を表すわけではなく、文脈によって反語的なニュアンスになることがあるだけです。
- 「after all」はフォーマルな表現?
-
「after all」はフォーマル、インフォーマルどちらの場面でも使える表現です。日常会話でも使えますし、ビジネスやアカデミックな文章でも使えます。ただし、非常にフォーマルな文書では「ultimately」や「in conclusion」などの表現が選ばれることもあります。
例文(インフォーマル)
- I think I’ll have ice cream after all.(やっぱりアイスクリームを食べようと思います。)
例文(フォーマル)
- After all, the evidence suggests that this theory is correct.(結局のところ、証拠はこの理論が正しいことを示唆しています。)
どちらの場面でも自然に使える表現ですが、文脈や全体の文体に合わせて使うとよいでしょう。
- 「after all」の否定形はある?
-
「after all」自体の直接的な否定形はありません。しかし、「not after all」という形で、「結局~ない」という意味で使うことができます。
- I didn’t go to the party after all.(結局パーティーには行きませんでした。)
- He wasn’t angry after all.(彼は結局怒っていませんでした。)
これは「after all」自体を否定しているのではなく、文全体の意味を「結局~ない」としているだけです。「after all」の意味(結局のところ)自体は変わりません。
「not … after all」という構造では、「最初思っていたのとは違って」というニュアンスを持ちます。
- I thought it would rain, but it didn’t rain after all.(雨が降ると思っていましたが、結局雨は降りませんでした。)
- We thought he was guilty, but he wasn’t guilty after all.(彼は有罪だと思っていましたが、結局有罪ではありませんでした。)
まとめ

この記事では「after all」の意味と使い方について詳しく解説しました。ポイントをまとめると以下のようになります。
- 「after all」の基本的な意味は「結局のところ」「やはり」「考えてみれば」「それでも」など。
- 文頭、文中、文末のどの位置でも使えるが、それぞれ微妙にニュアンスが異なる。
- 「in the end」「eventually」「finally」「at last」「ultimately」など類似表現とのニュアンスの違いを理解することが大切。
- 会話では意見を述べるときや再考したときに使うと効果的。
- 文章では論理的なつながりを作るのに役立つ。
- 因果関係を示す「だから」の意味では使わない。
- 文脈によって意味が変わることがある。
- フォーマル、インフォーマルどちらの場面でも使える。
- 「not … after all」の形で「結局~ない」という意味で使える。
「after all」は日常英会話でよく使われる便利な表現です。この記事で紹介した意味や使い方を理解して、ぜひ積極的に使ってみてください。最初は使い方が難しく感じるかもしれませんが、練習するうちに自然に使えるようになるでしょう。結局のところ(after all)、英語の上達には実際に使ってみることが一番大切です。