「All in good time」は英語のイディオムで、「いずれ良いタイミングで」「そのうち」「時が来れば」という意味を持ちます。焦らずに待てば、望む結果が自然と得られるという考え方を表す表現です。このフレーズは、何かを急かされている時や、結果がすぐに見えない状況で使われます。
本記事では、英語初学者向けにこの表現の意味や使い方、例文などを詳しく解説していきます。
「All in good time」の基本的な意味

「All in good time」は直訳すると「すべて良い時に」となりますが、実際には「焦らなくても、そのうちに」「時期が来れば」というニュアンスで使われます。物事には適切なタイミングがあり、急がなくても自然とその時が訪れるという考え方を示しています。
この表現は特に、何かを待っている人や焦っている人に対して、忍耐を促す時に使われることが多いです。相手に「焦らなくても大丈夫、適切な時期に望む結果が得られるよ」と伝える温かいメッセージが込められています。
日本語では「急がば回れ」や「焦りは禁物」といった考え方に近いかもしれませんが、より楽観的で、良い結果が訪れることを前提としている点が特徴的です。
「All in good time」が使われる状況
このフレーズは様々な状況で使用されますが、特に以下のような場面でよく見かけられます。
- 目標達成や夢の実現に焦りを感じている人を励ます時
- 子どもが大人のことを早くしたがる時に諭す場面
- 結果がすぐに出ない仕事や計画について話す時
- 人生の節目や重要なイベントについて焦っている人に対して
「All in good time」は単なる「待て」というよりも、「待つ価値がある」「良い結果が来るから心配しなくていい」という前向きなニュアンスを持っています。
「All in good time」の使い方のポイント
「All in good time」は様々なシチュエーションで活用できる便利な表現です。基本的には独立した文として使われることが多いですが、文の一部として組み込むこともできます。
このフレーズを使う際のポイントは、相手を励ましたり、安心させたりする温かい意図を込めることです。命令や叱責のトーンで使うと、本来の意味合いが伝わりにくくなってしまいます。
日常会話での使い方
日常会話では、友人や家族が何かに焦りを感じている時に、リラックスさせるために使います。
- 友人が就職活動に焦っている時
- 子どもが大人のことをしたがっている時
- 恋愛や結婚について焦っている人に対して
- 何か新しいスキルの習得に時間がかかっている時
会話の中では、相手の焦りを認めつつも、「All in good time」と言って、適切なタイミングが来ることを伝えるのが効果的です。
ビジネスシーンでの使い方
ビジネスの文脈でも、このフレーズは有用です。特にプロジェクトの進行や昇進、成果が出るまでに時間がかかるケースで使われます。
- チームメンバーが成果に焦りを感じている時
- クライアントが結果を急いでいる時
- キャリアアップについて相談されたとき
- 長期的なビジネス戦略について説明する時
ただし、ビジネスシーンではあまりに軽く使うと責任回避と受け取られる可能性もあるため、具体的な計画や見通しとセットで使うと効果的です。
「All in good time」の例文
ここでは、様々な状況での「All in good time」の使い方を例文で見ていきましょう。
基本的な使い方の例文
例文
- All in good time. There’s no need to rush things.(焦らなくても大丈夫。急ぐ必要はないよ。)
- Don’t worry about getting promoted. All in good time.(昇進のことは心配しないで。いずれ良いタイミングで実現するよ。)
- She’ll tell us the news all in good time.(彼女はそのうち私たちにニュースを教えてくれるよ。)
- Be patient. All in good time, you’ll understand why I made this decision.(辛抱強く待ってね。そのうち、なぜこの決断をしたのか分かるから。)
日常会話での例文
例文
- When will we arrive? All in good time, we’re not in a hurry.(いつ到着するの?焦らなくても、急いでいないから。)
- I want to be able to speak English fluently! All in good time, you’re making great progress.(英語を流暢に話せるようになりたい!焦らなくても大丈夫、あなたは素晴らしい進歩をしているよ。)
- Mom, when can I have my own smartphone? All in good time, sweetie. You’re still too young.(ママ、いつ自分のスマホを持てるの?そのうちね、あなた。まだ小さいから。)
- Will I ever find the right person to marry? All in good time. Focus on enjoying your life now.(結婚相手となる人に出会えるのかな?いずれ良いタイミングで。今は自分の生活を楽しむことに集中して。)
ビジネスシーンでの例文
例文
- When will our startup become profitable? All in good time. We’re building solid foundations now.(いつ私たちのスタートアップは収益を上げるようになりますか?そのうちです。今は強固な基盤を作っているところです。)
- I’ve been working here for three years but haven’t been promoted yet. All in good time. Your hard work is being noticed.(ここで3年働いているけどまだ昇進していません。焦らなくても大丈夫。あなたの頑張りは認識されています。)
- The client is asking when they’ll see the final product. Tell them all in good time, but we’ll provide a detailed timeline next week.(クライアントは最終製品をいつ見られるか尋ねています。そのうちとお伝えください。ただし、詳細なスケジュールは来週提供します。)
- Our marketing strategy hasn’t shown results yet. All in good time. These campaigns often take months to show their full impact.(マーケティング戦略がまだ結果を出していません。そのうち出るでしょう。こうしたキャンペーンは効果が完全に現れるまで数ヶ月かかることが多いです。)
「All in good time」と似た表現
「All in good time」と似たニュアンスを持つ表現はいくつかあります。これらの表現も覚えておくと、状況に応じて使い分けることができます。
英語での類似表現
In due time(しかるべき時に)
- The results of your application will be announced in due time.
(あなたの応募結果はしかるべき時に発表されます。)
When the time is right(適切な時が来たら)
- You’ll know when the time is right to make your decision.
(決断するのに適切な時が来たら、あなたは分かるでしょう。)
In the fullness of time(時間の経過とともに)
- In the fullness of time, you’ll see that this was the right choice.
(時間が経てば、これが正しい選択だったことが分かるでしょう。)
Patience is a virtue(忍耐は美徳)
- Patience is a virtue. Good things come to those who wait.
(忍耐は美徳です。待つ人には良いことがやってきます。)
Rome wasn’t built in a day(ローマは一日にして成らず)
- Learning a language takes time. Remember, Rome wasn’t built in a day.
(言語の習得には時間がかかります。ローマは一日にして成らずですよ。)
日本語での類似表現
「All in good time」に近い日本語の表現としては、以下のようなものがあります。
- 「急がば回れ」
- 「焦りは禁物」
- 「時期が来れば」
- 「そのうち分かる」
- 「すべて良い時に」
ただし、完全に同じニュアンスを持つ日本語表現はないため、状況に応じて適切な言い回しを選ぶことが重要です。
「All in good time」に関するよくある質問
- 「All in good time」は失礼な表現になることはありますか?
-
状況や言い方によっては失礼に聞こえることがあります。特に相手が真剣に心配している問題に対して軽く「All in good time」と言うと、問題を軽視しているように受け取られる可能性があります。また、具体的な期限や計画が必要な状況でこの表現だけを使うと、責任回避していると思われることもあります。相手の気持ちに寄り添いながら使用することが大切です。
- 「All in good time」は文の最初と最後どちらで使うのが一般的ですか?
-
このフレーズは文の最初でも最後でも使えますが、独立した返答として使われることが最も一般的です。質問に対して「All in good time.」とだけ答えることもあります。文中で使う場合は、「You’ll see the results all in good time.(そのうち結果が見えてくるよ)」のように組み込むこともできます。状況によって使い分けるとよいでしょう。
- 「All in good time」はフォーマルな場面でも使えますか?
-
「All in good time」はややカジュアルな表現ですが、ビジネスシーンを含むフォーマルな場面でも使用できます。ただし、公式な文書やきわめてフォーマルな場では、「in due course」や「in due time」といったより格式高い表現を選ぶことが適切な場合もあります。相手との関係性や場の雰囲気を考慮して判断しましょう。
- 「All in good time」はどのような文化的背景がありますか?
-
この表現は西洋の「時間」に対する哲学的見方を反映しています。時間には自然な流れがあり、事物には適切なタイミングがあるという考え方です。せっかちな現代社会においても、この表現は「急がずとも良いものはいずれ手に入る」という忍耐と楽観主義の価値観を伝えています。様々な文化で同様の概念が存在しており、普遍的な知恵と言えるでしょう。
まとめ

「All in good time」について解説してきました。このイディオムの重要なポイントをまとめると、
- 「All in good time」は「いずれ良いタイミングで」「そのうち」「時が来れば」という意味
- 物事には適切な時期があり、焦らなくても良い結果が得られるという考え方を示す
- 相手を励ましたり安心させたりする温かいニュアンスを持つ
- 日常会話でもビジネスシーンでも、相手の焦りを和らげるために使われる
- 「In due time」「When the time is right」など類似表現も状況に応じて使い分けると効果的
- 使い方によっては問題を軽視しているように聞こえることがあるため、相手の気持ちに配慮することが大切
英語学習において、こうしたイディオムを理解し適切に使えるようになることは、より自然なコミュニケーションのために重要です。
「All in good time」をマスターして、焦りがちな状況で冷静さと楽観性を伝えられるようになりましょう。