「along」は英語において前置詞と副詞の両方の役割を持つ単語です。基本的な意味は「〜に沿って」や「一緒に」などですが、実際には様々な使い方があり、日本人学習者が混乱しやすい表現の一つでもあります。
この記事では、「along」の意味や正しい使い方について、中学英語レベルの例文を交えながら詳しく解説していきます。
alongとは?基本的な意味と用法

「along」は英語で頻繁に使われる単語ですが、前置詞と副詞という二つの品詞を持っており、それぞれ異なる使い方をします。基本的には「〜に沿って」という意味で使われることが多いですが、文脈によって様々な意味を持ちます。
前置詞としての「along」は、何かの線や道に沿った位置や動きを示す際に使われます。例えば、道路や川、海岸線などに沿って移動する時によく使います。一方、副詞としての「along」は、前方への移動や誰かと一緒に行動することを表します。
「along」の発音は「アロング」で、アクセントは後ろの「ロング」の部分に置かれます。英語学習の初期段階で習う単語ですが、その多様な用法を理解するには少し時間がかかるかもしれません。
alongの前置詞としての使い方
前置詞としての「along」は、主に物理的な線や経路に沿った動きや位置を表現する際に使われます。以下では、具体的な使い方と例文を見ていきましょう。
〜に沿って、〜伝いに
これが「along」の最も基本的な用法です。道路や川、海岸線などに沿って動いたり、何かが存在したりする様子を表します。
例文
- We walked along the river yesterday. (私たちは昨日川に沿って歩きました。)
- There are many trees along the street. (その通りに沿って多くの木があります。)
- The dog ran along the fence. (その犬はフェンスに沿って走りました。)
- Let’s drive along the coast this weekend. (今週末は海岸沿いをドライブしましょう。)
この用法では、「along」の後には通常、道や川などの細長いものを表す名詞が来ます。
〜の途中で、〜の間に
「along」は「途中」や「間」という意味でも使われます。道や旅の途中で何かが起こったり、何かが存在したりする場合に用います。
例文
- I met my teacher along the way to school. (学校への途中で先生に会いました。)
- There is a post office somewhere along this road. (この道のどこかに郵便局があります。)
- She lost her key along the way home. (彼女は帰り道の途中で鍵をなくしました。)
- We stopped at a small cafe along the journey. (旅の途中で小さなカフェに立ち寄りました。)
「along the way」は「途中で」という意味の定型表現としてよく使われます。
〜に従って、〜の線に沿って
「along」はまた、ある方針や考え方に沿っているという抽象的な意味でも使われます。
例文
- We should think along these lines. (私たちはこのような考え方に沿って考えるべきです。)
- The teacher asked us to write an essay along the theme of environment. (先生は環境というテーマに沿ってエッセイを書くよう求めました。)
- He explained the problem along the same lines as before. (彼は前と同じ考え方に沿って問題を説明しました。)
- The company is developing new products along the guidelines. (その会社はガイドラインに沿って新製品を開発しています。)
「along the lines of」という表現は「〜のような」という意味でよく使われます。
alongの副詞としての使い方
「along」は副詞としても使われ、その場合は名詞を伴わずに単独で使用されます。以下では、副詞としての主な用法を見ていきましょう。
前方へ、進んで
「along」は「前方へ」「先へ」という意味で、進行を促す場面でよく使われます。
例文
- Please move along. The bus is crowded. (どうぞ前へ進んでください。バスは混んでいます。)
- Come along! We’ll be late for the movie. (さあ、来てください!映画に遅れますよ。)
- The children walked along the path, laughing happily. (子どもたちは道を歩きながら、楽しそうに笑っていました。)
- The story moves along at a good pace. (その物語は良いペースで進んでいきます。)
一緒に、随伴して
「along」は「一緒に」という意味でも使われ、誰かや何かを同伴する場合に用います。
例文
- You can bring your friend along to the party. (パーティーに友達を連れてきてもいいですよ。)
- I’ll take my notebook along when I go to the library. (図書館に行くときはノートを持っていきます。)
- Can I come along with you to the store? (あなたと一緒に店に行ってもいいですか?)
- She brought her little brother along to the park. (彼女は公園に弟を連れてきました。)
ここへ、そこへ(到着を示す)
口語表現では、「along」は「ここに」「そこに」という意味で、人や物の到着を表すこともあります。
例文
- The bus should be along soon. (バスはすぐに来るはずです。)
- I’ll be along at about 7 o’clock. (7時ごろに行きます。)
- When will your parents be along? (あなたの両親はいつ来ますか?)
- The mailman comes along at the same time every day. (郵便配達人は毎日同じ時間に来ます。)
alongの熟語表現
「along」は様々な熟語表現でも使われます。以下では、代表的な熟語とその意味、使い方を説明します。
along with(〜と一緒に、〜に加えて)
「along with」は「〜と一緒に」「〜に加えて」という意味の複合前置詞です。「together with」と同じような意味で使われます。
例文
- I went to the movie along with my friends. (私は友達と一緒に映画に行きました。)
- She sent a letter along with a small gift. (彼女は小さな贈り物と一緒に手紙を送りました。)
- Along with English, I’m also studying science. (英語に加えて、私は科学も勉強しています。)
- The new computer comes along with free software. (その新しいコンピュータは無料のソフトウェアが付いてきます。)
「along with」のあとには名詞や代名詞が来ます。
get along(うまくやっていく、進展する)
「get along」は「暮らす」「進展する」という意味の熟語表現です。特に人間関係では「仲良くする」という意味になります。
例文
- How are you getting along with your new job? (新しい仕事はどうですか?)
- The children get along well with each other. (子供たちはお互いに仲良くしています。)
- I’m getting along fine with my studies. (勉強は順調です。)
- He doesn’t get along with his brother. (彼は兄弟と仲良くしていません。)
「get along with」の形で「〜と仲良くする」という意味によく使われます。
come along(やって来る、参加する)
「come along」は「やって来る」「参加する」という意味の熟語です。
例文
- Why don’t you come along to the party tonight? (今夜のパーティーに参加しませんか?)
- The bus comes along every thirty minutes. (バスは30分ごとに来ます。)
- When did this problem come along? (この問題はいつ発生しましたか?)
- Her health is coming along well after the surgery. (手術後、彼女の健康状態は順調に回復しています。)
all along(ずっと、最初から)
「all along」は「ずっと」「最初から」という意味の表現です。
例文
- I knew the truth all along. (私はずっと真実を知っていました。)
- He was lying to us all along. (彼はずっと私たちに嘘をついていました。)
- She suspected him all along. (彼女は最初から彼を疑っていました。)
- The answer was there all along, but we couldn’t see it. (答えはずっとそこにありましたが、私たちには見えませんでした。)
alongの使い方のポイント
「along」を正しく使うためには、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。
ここでは、その使い方のコツについて説明します。
前置詞と副詞の区別
「along」が前置詞として使われる場合は、必ずその後に名詞(または名詞相当語句)が来ます。
一方、副詞として使われる場合は、単独で使われるか、他の前置詞(例:with)と組み合わせて使われます。
例文
- 前置詞の例:Let’s walk along the beach. (浜辺に沿って歩きましょう。)
- 副詞の例:Come along now. (さあ、来てください。)
この区別を理解することで、「along」の使い方がより明確になります。
「along」と「on」の違い
日本語では両方とも「〜に沿って」と訳されることがありますが、「along」と「on」には使い方に違いがあります。
「along」は細長いものに沿った動きや位置を表すのに対し、「on」は表面上の位置を表します。
例文
- We walked along the river.(川に沿って歩きました。)- 川に沿った動き
- The book is on the table.(本はテーブルの上にあります。)- テーブルという表面上の位置
「along」と「beside」の違い
「along」と「beside」も混同されることがありますが、「along」は細長いものに沿った動きや位置を表すのに対し、「beside」は「〜のそばに」「〜の横に」という意味で、物理的な隣接を表します。
例文
- Trees grow along the river.(木々が川に沿って生えています。)
- She sat beside me on the bench.(彼女はベンチで私の隣に座りました。)
alongのよくある間違いと注意点
英語学習者が「along」を使う際によく陥る間違いや、注意すべきポイントについて説明します。
「国道沿い」などの表現での誤用
日本語で「〜沿い」と言う場合、必ずしも英語では「along」を使うわけではありません。
特に、「国道沿いに家がある」などの表現では、「along」ではなく「on」を使うのが一般的です。
間違い:My house is along the highway.
正しい:My house is on the highway. (私の家は国道沿いにあります。)
これは、「沿い」という言葉が日本語と英語で少し異なるイメージを持つためです。英語の「along」は動きや延長を強調するのに対し、「on」は位置や状態を示します。
文法の誤り:主語と動詞の一致
「along with」を使う文では、主語と動詞の一致に注意が必要です。「along with」の後に複数形の名詞が来ても、動詞は「along with」の前の名詞(つまり主語)に一致させます。
間違い:The teacher along with the students are going on a trip.
正しい:The teacher along with the students is going on a trip. (先生は生徒たちと一緒に旅行に行きます。)
ここでは「teacher」が主語なので、動詞は「is」を使います。
熟語の誤用
「along」を含む熟語表現は多いですが、それぞれの意味や用法を混同しないように注意しましょう。例えば、「get along」と「come along」はよく混同されます。
間違い:I hope you get along to the party tonight. (今夜のパーティーに来てほしい。)
正しい:I hope you come along to the party tonight.
「get along」は「うまくやっていく」という意味であり、「来る」という意味では「come along」を使います。
発音の誤り
「along」の発音も注意が必要です。「a」は弱く発音し、アクセントは「long」の部分に置きます。
正しい発音:アロング(/əlɔ́ːŋ/)
alongの様々な例文
「along」の使い方をより理解するために、様々な文脈での例文を見てみましょう。
前置詞としての例文
例文
- Many shops are located along the main street. (多くの店がメインストリートに沿って位置しています。)
- We planted flowers along the path to our house. (家への道に沿って花を植えました。)
- The police officers stood along the parade route. (警察官たちはパレードのルートに沿って立っていました。)
- There are many interesting places to visit along the way. (途中には訪れるべき興味深い場所がたくさんあります。)
- I lost my wallet somewhere along the way to school. (学校への途中のどこかで財布をなくしました。)
- They built their house along the same design as their neighbors. (彼らは隣人と同じデザインに沿って家を建てました。)
副詞としての例文
例文
- Please move along. Don’t block the entrance. (どうぞ前に進んでください。入口をふさがないでください。)
- The story moves along quickly. (その物語は速く進みます。)
- Bring your sister along to the party. (パーティーに妹を連れてきてください。)
- I’ll be along after I finish my work. (仕事が終わったら行きます。)
- Come along now. We don’t want to be late. (さあ、来てください。遅れたくありません。)
- The bus should be along in about ten minutes. (バスは約10分後に来るはずです。)
熟語表現の例文
例文
- I went to the park along with my dog. (私は犬と一緒に公園に行きました。)
- She received a letter along with a small package. (彼女は小さな小包と一緒に手紙を受け取りました。)
- How are you getting along with your studies? (勉強はどうですか?)
- The children get along well together. (子どもたちは一緒にうまくやっています。)
- Why don’t you come along to the meeting? (会議に参加しませんか?)
- The project is coming along nicely. (プロジェクトは順調に進んでいます。)
- I knew he was lying all along. (彼が嘘をついていることをずっと知っていました。)
- She had the answer all along. (彼女はずっと答えを持っていました。)
alongの使用頻度と重要性
「along」は日常英語で頻繁に使われる表現であり、基本的な英語力を身につける上で重要な単語です。特に、場所や方向を表現する際や、人間関係について話す際によく使われます。
中学校の英語では、前置詞としての基本的な使い方(「〜に沿って」)が主に教えられますが、実際の英語ではより幅広い意味や熟語表現で使われています。
以下の表は、「along」を含む主な表現とその使用頻度を示しています。
表現 | 意味 | 使用頻度 |
---|---|---|
along the [名詞] | 〜に沿って | 非常に高い |
along with | 〜と一緒に | 高い |
get along | うまくやっていく | 高い |
come along | やって来る、参加する | 中程度 |
all along | ずっと、最初から | 中程度 |
move along | 前に進む | 中程度 |
bring/take along | 連れて行く、持って行く | 中程度 |
along the lines of | 〜のような | やや低い |
go along with | 〜に同意する | やや低い |
これらの表現を覚えておくと、英語でのコミュニケーションがよりスムーズになります。
alongに関する問題
以下では、前置詞「along」を中心とした10問の問題を出題します。問題を解いた後、解答セクションで答え合わせをしてください。
「along」以外の前置詞や副詞が正解となるケースもあります。
- We walked ( ) the river for about an hour and enjoyed the beautiful scenery.
- She strolled ( ) the street, admiring the colorful shop windows.
- As we drove ( ) the coast, we could see several lighthouses in the distance.
- The children came ( ) with an interesting solution to the problem.
- Our renovation project is coming ( ) nicely, and should be finished next month.
- The small dog ran ( ) the road without looking for cars.
- Everyone in the car was singing ( ) to the radio.
- I’ll bring my cousin ( ) to the family reunion tomorrow.
- Beautiful old oak trees were planted ( ) both sides of the main boulevard.
- After some discussion, we decided to go ( ) with the marketing team’s proposal.
前置詞「along」は主に「〜に沿って」「〜の方向に」「〜と一緒に」などの意味で使われます。問題4と問題6では「along」ではなく、それぞれ「up」と「across」が正解となっています。特に「come up with」は「思いつく」という意味の慣用表現であり、「across」は「横切って」という意味で使われます。
「along」の使い方を理解することで、英語での位置関係や進行状況、同意や同行の表現がより正確になります。
「along」に関するよくある質問
ここでは、「along」に関してよく質問される内容とその回答をまとめました。
- 「along」と「through」の違いは何ですか?
-
「along」は細長いものの端から端へ、または表面に沿って移動することを表しますが、「through」は何かの中を通過することを表します。
- We walked along the river. (川に沿って歩きました。)
- We walked through the forest. (森の中を通って歩きました。)
- 「along with」と「together with」の違いは何ですか?
-
基本的に同じ意味(「〜と一緒に」)で、多くの場合は互換的に使えます。ただし、「along with」はより口語的で、また「〜に加えて」というニュアンスが強い場合もあります。
- I’ll go to the party along with my friends. (友達と一緒にパーティーに行きます。)
- I’ll go to the party together with my friends. (友達と一緒にパーティーに行きます。)
- 「get along」はどのような状況で使いますか?
-
「get along」は主に人間関係でうまくやっていることを表します。また、一般的な進行状況を尋ねる場合にも使われます。
- How do you get along with your new boss? (新しい上司とはうまくやっていますか?)
- How are you getting along with your project? (プロジェクトはどうですか?)
- 「all along」はどんな意味ですか?
-
「all along」は「ずっと」「最初から」という意味の副詞句です。何かが継続的に、または最初から存在したことを強調します。
- I knew the truth all along. (私はずっと真実を知っていました。)
- The answer was there all along. (答えはずっとそこにありました。)
- 「come along」と「go along」の違いは何ですか?
-
「come along」は話し手の方向へ移動することを、「go along」は話し手から離れる方向へ移動することを表します。また、「come along」は「参加する」という意味でもよく使われます。
- Come along with me to the store. (一緒に店に来てください。)
- Go along this road until you reach the bridge. (橋に着くまでこの道を進んでください。)
- 「along the way」はどのような意味ですか?
-
「along the way」は「途中で」「行く途中で」という意味の表現です。物理的な旅や過程、または比喩的な意味で使われます。
- We stopped at a cafe along the way. (途中でカフェに立ち寄りました。)
- You’ll learn many things along the way. (その過程で多くのことを学ぶでしょう。)
まとめ

この記事では、英語の「along」の基本的な意味から応用まで、詳しく解説してきました。「along」は前置詞と副詞の両方の役割を持ち、様々な文脈で使われる重要な単語です。正しく使えるようになることで、英語表現の幅が広がります。
以下に、この記事のポイントをまとめます。
- 「along」は前置詞と副詞の両方として機能する
- 前置詞としての主な意味は「〜に沿って」「〜の途中で」「〜に従って」
- 副詞としての主な意味は「前方へ」「一緒に」「ここへ/そこへ」
- 「along with(〜と一緒に)」「get along(うまくやっていく)」「come along(やって来る、参加する)」「all along(ずっと)」などの熟語表現がある
- 「along」と「on」、「along」と「beside」など、似た意味を持つ表現との違いを理解することが重要
- 「国道沿い」などの表現では「along」ではなく「on」を使うことが多い
- 「along with」を使う文では、動詞は主語に一致させる
「along」は基本的な英単語ですが、その多様な使い方を理解し、適切に使えるようになることで、より自然な英語表現が可能になります。
この記事で紹介した例文や熟語表現を参考にしながら、実際の会話や文章の中で積極的に使ってみてください。