althoughとthoughとeven thoughは英語学習者がよく混同する接続詞です。すべて「~だけれども」という意味を持ちますが、使い方やニュアンスに微妙な違いがあります。
この記事では、これら3つの接続詞の違いや適切な使い分け方について、わかりやすく解説します。英語初心者の方でも理解できる例文も多数紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
althoughとthoughとeven thoughの基本的な意味

althoughとthoughとeven thoughはすべて、日本語で「~にもかかわらず」「~だけれども」などと訳される逆接の接続詞です。これらは、二つの相反する事実や状況を結びつける役割を果たします。基本的な意味は似ていますが、使われる文脈やニュアンスに違いがあります。
例えば、「雨が降っているけれど、私たちは外出します」という文を英語で表現すると、以下のようになります。
例文
- Although it is raining, we will go out.
- Though it is raining, we will go out.
- Even though it is raining, we will go out.
これらの接続詞は文の冒頭に置かれることが多く、主節との間にコンマが必要です。今から、それぞれの接続詞の特徴と使い方について詳しく見ていきましょう。
althoughの意味と使い方
althoughは「~にもかかわらず」「~だけれども」という意味で、後に続く内容と対比的な関係にあることを示します。althoughは比較的フォーマルな表現で、ビジネスや学術的な文書などでよく使われます。
althoughの基本的な使い方
althoughの基本的な構文は以下のようになります。
- Although + 従属節, 主節.
- 主節 + although + 従属節.
例文
- Although I am busy, I will help you.(忙しいですが、手伝います)
- Although she is young, she is very wise.(彼女は若いですが、とても賢明です)
- I went to school although I was sick.(病気でしたが、学校に行きました)
althoughは主に文章の書き言葉やフォーマルな場面で使われることが多いです。althoughを文頭に置くと、その後に続く内容を強調する効果があります。
thoughの意味と使い方
thoughもalthoughと同様に「~にもかかわらず」「~だけれども」という意味の接続詞です。thoughはalthoughよりもカジュアルな印象があり、日常会話や友達との会話でよく使われます。
thoughの基本的な使い方
thoughは以下のような使い方ができます。
- Though + 従属節, 主節.
- 主節 + though + 従属節.
- 主節. 副詞としてのthough(文末に置かれる)
例文
- Though it was raining, we went for a walk.(雨が降っていましたが、散歩に出かけました)
- I like this movie though it is very long.(とても長い映画ですが、気に入っています)
- It’s expensive. I’ll buy it, though.(高いです。でも、買います)
thoughの大きな特徴は、文末に副詞として使うことができる点です。この場合、「でも」「それでも」という意味になります。これはalthoughにはない用法です。
even thoughの意味と使い方
even thoughは「たとえ~であっても」「それでも~」という意味で、althoughやthoughよりも強い対比を表します。予想や期待に反する状況を強調したい場合に使われ、より驚きや対照を強調する効果があります。
even thoughの基本的な使い方
even thoughの基本的な構文は以下のようになります。
- Even though + 従属節, 主節.
- 主節 + even though + 従属節.
例文
- Even though it was raining heavily, we went for a walk.(大雨が降っていたにもかかわらず、散歩に行きました)
- Even though he is only ten, he can speak three languages.(彼はまだ10歳なのに、3か国語を話すことができます)
- I still love her even though she broke my heart.(彼女に傷つけられたけれど、それでも彼女を愛しています)
even thoughはthoughよりも強調の度合いが高く、より意外性や対比を強調したい場合に選ばれます。何か予想外のことが起きた場合や、普通なら期待できない結果が生じた場合に使います。
althoughとthoughとeven thoughの違いと使い分け
フォーマル度の違い
3つの接続詞のフォーマル度を比較すると、以下のようになります。
- although: 最もフォーマル。正式な文書やビジネス場面で適切。
- though: カジュアル。日常会話や友達とのコミュニケーションで使いやすい。
- even though: 中間的なフォーマル度。強調したい場合に使われる。
強調の度合いの違い
強調の度合いは次のとおりです。
- although: 標準的な逆接。
- though: althoughと同程度の逆接。
- even though: 最も強い逆接。予想外の結果や驚きを強調する。
例文で比較してみましょう。
例文
- Although it rained, we enjoyed our trip.(雨が降ったけれど、旅行を楽しみました)
- Though it rained, we enjoyed our trip.(雨が降ったけれど、旅行を楽しみました)
- Even though it rained heavily all day, we enjoyed our trip.(一日中大雨が降ったにもかかわらず、旅行を楽しみました)
3つ目の例文では、「大雨が降り続いた」という状況でも「旅行を楽しんだ」という意外性が強調されています。このように、even thoughは状況がより極端であることを示します。
althoughとthoughとeven thoughの位置による使い方の違い
文頭での使い方
althoughもthoughもeven thoughも文頭に置くことができます。この場合、従属節を導入し、通常はコンマで区切られます。
例文
- Although I like coffee, I prefer tea in the morning.(コーヒーは好きですが、朝はお茶の方が好きです)
- Though she was tired, she finished her work.(彼女は疲れていましたが、仕事を終えました)
- Even though he is rich, he lives simply.(彼は裕福なのに、質素な生活をしています)
文中での使い方
althoughとthoughは文中に置くこともできます。この場合、コンマは必要ありません。
例文
- She went to the party although she was not invited.(彼女は招待されていなかったのに、パーティーに行きました)
- He decided to help though he was busy.(彼は忙しかったのに、手伝うことにしました)
even thoughも文中で使うことはできますが、文頭で使われることが多いです。
文末での使い方
thoughは副詞として文末に置くこともできますが、althoughとeven thoughにはこの用法はありません。
例文
- I don’t like this restaurant. The desserts are good, though.(このレストランは好きではありません。でも、デザートはおいしいです)
- It’s expensive. I’ll buy it, though.(高いです。でも買います)
文末のthoughは、前に述べた内容に対して軽い譲歩や対比を表します。この使い方は口語でとても一般的です。
althoughとthoughとeven thoughの口語と文語での使い分け
会話での使い分け
日常会話では、thoughが最も自然で使いやすいです。特に文末の副詞としてのthoughは会話でよく使われます。
例文
- “I didn’t pass the test.” “You studied hard, though.”(「テストに合格しなかった」「でも、一生懸命勉強したよね」)
- “It’s raining.” “We can still go to the movies, though.”(「雨が降っているよ」「でも映画には行けるよ」)
even thoughも会話で使われ、特に強調したい場合に選ばれます。
例文
- “Even though I told him not to, he went out in the rain.”(「行かないように言ったのに、彼は雨の中出かけました」)
althoughは会話でも使われますが、やや硬い印象を与えることがあります。
文章での使い分け
フォーマルな文章やアカデミックな文脈では、althoughが最も適切です。
例文
- Although several studies have been conducted, no conclusive evidence has been found.(いくつかの研究が行われているものの、決定的な証拠は見つかっていません)
thoughも文章で使われますが、よりカジュアルな文脈に適しています。even thoughは意外性や対比を強調したい場合に使われます。
althoughとthoughとeven thoughの類似表現との違い
althoughとthoughとeven thoughに加えて、似たような意味を持つ表現がいくつかあります。ここでは、それらとの違いを説明します。
however(しかしながら)
however は接続副詞で、文と文をつなぐ役割をします。althoughのような従属接続詞とは異なり、独立した2つの文をつなぎます。
例文
- It was raining. However, we still went out.(雨が降っていました。しかし、それでも私たちは外出しました)
この場合、althoughを使うと、
例文
- Although it was raining, we still went out.(雨が降っていたけれど、それでも私たちは外出しました)
but(しかし)
butは等位接続詞で、対等な関係にある節や語句を結びます。
例文
- It was cold, but I went swimming.(寒かったですが、泳ぎに行きました)
althoughを使うと、
例文
- Although it was cold, I went swimming.(寒かったけれど、泳ぎに行きました)
butはalthoughほどフォーマルではなく、日常会話で頻繁に使われます。
despite / in spite of(〜にもかかわらず)
despite と in spite of は前置詞句で、名詞や動名詞を伴います。
例文
- Despite the rain, we had a picnic.(雨にもかかわらず、ピクニックをしました)
- In spite of his age, he runs every day.(彼の年齢にもかかわらず、毎日走っています)
althoughを使うと、
例文
- Although it was raining, we had a picnic.(雨が降っていたけれど、ピクニックをしました)
- Although he is old, he runs every day.(彼は年をとっているけれど、毎日走っています)
despiteとin spite ofは名詞や動名詞を伴うのに対し、although, though, even thoughは節(主語と動詞を含む)を伴う点が大きな違いです。
「although」と「though」と「even though」の使い分け練習問題
ここでは、althoughとthoughとeven thoughの使い分けを練習する問題を20問用意しました。適切な接続詞を選んで文を完成させてください。
- __________ it was raining, the children played outside.
- She went to work __________ she was sick.
- __________ he studied hard, he failed the test.
- I didn’t like the movie. The actor was good, __________.
- __________ I don’t have much money, I will buy this book.
- He helped me __________ he was very busy.
- __________ we left early, we arrived late.
- The food wasn’t very good. I ate it, __________.
- __________ she is only six years old, she can read difficult books.
- __________ it was expensive, I bought the car.
- It’s a small house. It’s comfortable, __________.
- __________ I invited him, he didn’t come to the party.
- __________ it snowed heavily, the school remained open.
- She doesn’t speak French well. She can communicate, __________.
- __________ he is rich, he lives in a small apartment.
- The problem was difficult. I solved it, __________.
- __________ I like dogs, I prefer cats.
- He went swimming __________ the water was very cold.
- __________ she practiced every day, she didn’t win the competition.
- I will go hiking tomorrow __________ the weather forecast says it might rain.
althoughとthoughとeven thoughに関するよくある質問
- althoughとthoughはどちらを使うべきですか?
-
althoughはよりフォーマルな場面や文章で使われ、thoughはカジュアルな会話や文章で使われることが多いです。意味に大きな違いはないので、場面に応じて使い分けるとよいでしょう。また、thoughは文末の副詞としても使えますが、althoughはその用法はありません。
- even thoughとalthoughの違いは何ですか?
-
even thoughはalthoughよりも強い対比や意外性を表します。「たとえ〜であっても」という意味で、予想や期待に反することを強調したい場合に使います。althoughが単に「〜だけれども」という逆接を表すのに対し、even thoughはその逆接関係がより意外性や驚きを伴うことを示します。
- thoughを文末に置く場合のルールはありますか?
-
thoughを文末に置く場合、「でも」「それでも」という意味の副詞として機能します。この用法は特にカジュアルな会話でよく使われます。文末のthoughの前にはカンマを置くことが一般的です。
- I don’t like sports. I enjoy watching soccer, though.(スポーツは好きじゃない。でもサッカーを見るのは楽しいよ)
- althoughとdespiteの違いは何ですか?
-
althoughは接続詞で、主語と動詞を含む節(従属節)を導きます。一方、despiteは前置詞で、名詞や動名詞を伴います。
- Although it was raining, we went out.(雨が降っていたけれど、外出した)
- Despite the rain, we went out.(雨にもかかわらず、外出した)
- althoughとbut を同時に使うことはできますか?
-
althoughとbutは同じ文の中で同時に使うことは一般的ではありません。両方とも逆接を表すため、重複して使うと冗長になります。次のような使い方は避けるべきです。
- Although it was raining, but we went out.(×)
正しくは以下のどちらかを選びます。
- Although it was raining, we went out.(○)
- It was raining, but we went out.(○)
まとめ

althoughとthoughとeven thoughについて学んできましたが、ここでポイントをまとめましょう。
- althoughとthoughとeven thoughはいずれも「〜だけれども」「〜にもかかわらず」という逆接を表す接続詞である
- althoughは最もフォーマルで、公式な文書やビジネスシーンに適している
- thoughはカジュアルで、日常会話や非公式な文章でよく使われる
- thoughは文末に副詞として使うこともでき、その場合「でも」「それでも」という意味になる
- even thoughは強い対比や意外性を表し、「たとえ〜であっても」という意味合いがある
- 文頭では3つとも使えるが、文末の副詞としてはthoughのみが使える
- despiteやin spite ofは前置詞で名詞や動名詞を伴うのに対し、although/though/even thoughは接続詞で節を伴う
- althoughとbutを同時に使うのは冗長なので避けるべき
これらの接続詞を適切に使い分けることで、より自然で表現力豊かな英語を話したり書いたりすることができます。日常会話や文章の中で意識して使ってみることで、徐々に使い分けが身についていくでしょう。