amongは英語で前置詞として使われる単語で、主に「〜の中で」「〜の間に」「〜に囲まれて」などの意味を持っています。日本人学習者にとって、似た意味を持つbetweenとの区別が難しいことがありますが、
この記事では、amongの基本的な意味から使い方、例文まで詳しく解説していきます。英語初学者の方でも理解しやすいように、中学英語レベルの例文を多く取り入れていきますので、ぜひ参考にしてください。
amongとは?意味と基本的な使い方

amongは「〜の中で」「〜の間に」「〜に囲まれて」という意味を持つ英語の前置詞です。基本的なイメージとしては、「複数のものに囲まれている状態」を表します。集合体やグループの中にあることを示す時に使われ、対象が曖昧で不特定な場合に適しています。日本語では「〜の中で」と訳されることが多いですが、単に中にあるというだけでなく、複数のものに囲まれている状態を示すのがamongの特徴です。
以下、例文とともにamongの使い方を見ていきましょう。
例文
- She was the best singer among the contestants.
(彼女は参加者の中で最高の歌手だった。) - There is a lot of talent among the students.
(学生たちの中にはたくさんの才能がある。) - The cabin is hidden among the trees.
(その小屋は木々に囲まれている。)
amongの発音と語源
amongの発音は「アマング」または「アモング」と日本語では表現されますが、実際の英語の発音では最後の「g」はあまり強く発音せず、「アモン」に近い音になります。
語源は古英語の「onmang」から来ており、「混ざる」という意味を持つ言葉から派生しています。
amongの主な使い方
amongには主に3つの使い方があります。「〜の中で」という意味で使う場合、「〜に囲まれて」という状況を表す場合、そして「〜の間で」と広がりを示す場合です。
それぞれの使い方について、わかりやすい例文とともに解説していきます。
「〜の中で」の意味での使い方
「〜の中で」という意味でamongを使うときは、特定のグループやカテゴリの中での選択や比較を表現します。例えば、
例文
- He was chosen among many applicants.
(彼は多くの応募者の中から選ばれた。) - My daughter is among the best students in her class.
(私の娘は、クラスの中で最も優秀な生徒の一人です。) - This book is popular among young readers.
(この本は若い読者の間で人気があります。)
「〜に囲まれて」の意味での使い方
物理的に複数のものに囲まれている状態を表現するときにもamongは使われます。
例文
- The house stands among tall trees.
(その家は高い木々に囲まれて立っています。) - I found a beautiful flower among the weeds.
(雑草の中で美しい花を見つけました。) - He lives among the mountains.
(彼は山々に囲まれて暮らしています。)
「〜の間で」の意味での使い方
人や物事が全体に広がっていることを表現する場合にもamongは使われます。
例文
- The news spread quickly among the villagers.
(そのニュースは村人の間で急速に広まった。) - There is a custom among the people in this town.
(この町の人々の間には習慣があります。) - Peace and harmony exist among the members of this community.
(この地域のメンバーの間には平和と調和があります。)
amongと似ている表現「between」との違い
「〜の間に」という意味を持つ表現として、amongと混同されやすいのがbetweenです。一般的に「betweenは2つのもの、amongは3つ以上のもの」という説明がされることがありますが、これは完全に正確とは言えません。
実際の使い分けは対象の捉え方によって異なります。amongとbetweenの違いを詳しく見ていきましょう。
対象の捉え方による違い
betweenは対象がはっきりと区別され、個々のものが意識されている場合に使います。
一方、amongは対象が集合体として捉えられ、個々のものが曖昧な場合に使います。
Between
- The ball is between the two boxes.
(ボールは2つの箱の間にあります。) - The meeting is between Monday and Friday.
(会議は月曜日と金曜日の間です。)
Among
- The ball is among many toys.
(ボールはたくさんのおもちゃの中にあります。) - The meeting is among other activities this week.
(会議は今週の他の活動の中の一つです。)
数による違いは誤解
「betweenは2つ、amongは3つ以上」という説明は簡易的な区別方法として便利ですが、実際には対象の数だけで決まるわけではありません。例えば、3つ以上の対象でも、それぞれが明確に区別されている場合はbetweenを使うことがあります。
例文
- Switzerland is situated between France, Italy, Austria and Germany.
(スイスはフランス、イタリア、オーストリア、ドイツの間に位置しています。)
この例では4つの国が明示されていますが、betweenが使われています。これは、それぞれの国がはっきりと区別されて意識されているためです。
一方で、対象が2つでも集合体として捉えられる場合は、amongを使うこともあります。
例文
- The friendship among the two families has lasted for generations.
(2つの家族の間の友情は何世代にもわたって続いています。)
ただし、この用法はやや特殊で、通常2つの対象の場合はbetweenを使うのが一般的です。
amongを使った熟語や表現
amongは単独で使われるだけでなく、いくつかの熟語や定型表現の中でも使われます。ここでは、よく使われるamongを含む表現をいくつか紹介します。
これらの表現を覚えておくと、英語でのコミュニケーションがより豊かになります。
among other things(その他のことの中で)
「とりわけ」「特に」「他にも」という意味で使われる表現です。
例文
- She likes music, art, and sports, among other things.
(彼女は音楽、芸術、スポーツなど、他にもいろいろなものが好きです。) - I need to buy bread, milk, and eggs, among other things.
(パン、牛乳、卵など、他にもいろいろなものを買う必要があります。)
among friends(友人たちの間で)
「友人同士で」「仲間内で」という意味で使われます。
例文
- You can speak freely among friends.
(友達の間では自由に話せます。) - This is a common joke among friends.
(これは友達の間でよくある冗談です。)
among the best(最高の部類に入る)
「最高の一つ」「トップクラスの」という意味で使われます。
例文
- This restaurant is among the best in the city.
(このレストランは市内で最高級の一つです。) - She is among the best students in her school.
(彼女は学校で最優秀の生徒の一人です。)
amongのよくある間違いと注意点
英語学習者がamongを使う際によく陥る間違いや、注意すべきポイントについて解説します。特に日本人学習者にとっては、betweenとの区別や、正しい使い方の理解が難しいことがあります。
ここでは、よくある間違いと、注意すべきポイントを紹介します。
数による区別の誤解
最もよくある誤解は「betweenは2つの対象、amongは3つ以上の対象」という単純な区別です。前述のように、この区別は完全に正確ではありません。
実際の使い分けは、対象が個別に意識されているか(between)、集合体として捉えられているか(among)によります。
誤った理解
- Three people shared the money between them.(3人だからamongを使うべき)
正しい使用
- Three people shared the money among them.
ただし、3人がそれぞれ明確に区別されて意識されている場合は、betweenも使えます。
例文
- The money was divided between John, Mary, and Tom.
前置詞としての正しい使い方
amongは前置詞なので、後ろには名詞または代名詞が来ます。動詞や形容詞は直接後ろに置くことはできません。
誤った使用
- She is popular among sing.(動詞が直接続いている)
正しい使用
- She is popular among singers.(名詞が続いている)
また、amongの後には必ず複数形または集合名詞が来るのが一般的です。
誤った使用
- This book is famous among student.(単数形)
正しい使用
- This book is famous among students.(複数形)
betweenとの混同
amongとbetweenは意味が似ているため、混同されやすいです。
特に、物理的な位置関係を表す場合は注意が必要です。
誤った使用
- The small village is among two mountains.(2つの山の間にあるため、betweenを使うべき)
正しい使用
- The small village is between two mountains.
誤った使用
- I found my keys between all these books.(多数の本の中にあるため、amongを使うべき)
正しい使用
- I found my keys among all these books.
amongに関する問題
ここでは、amongの使い方を確認するための問題を10問用意しました。各問題では、文中の空欄に入る適切な前置詞(amongまたはbetween)を選んでください。解答と解説は問題の後にまとめて記載しています。
これらの問題を解くことで、amongの使い方への理解を深めることができます。
- The cat is hiding _ the bushes.
- The agreement was made _ Japan and America.
- There was a heated discussion _ the members of the committee.
- She found a beautiful shell _ many pebbles on the beach.
- The secret remains _ you and me.
- Our school is located _ a park and a river.
- This custom is common _ people in rural areas.
- The differences _ the two versions are significant.
- The treasure is buried somewhere _ these old trees.
- The conflict _ the three countries has been resolved.
amongに関するよくある質問
ここではamongの使い方についてよく寄せられる質問とその回答をまとめました。これらの質問と回答を通じて、amongの使い方への理解をさらに深めることができます。
- amongとbetweenの違いは単純に数の違いだけですか?
-
いいえ、単純に数だけの問題ではありません。伝統的に「betweenは2つ、amongは3つ以上」と教えられることが多いですが、実際の使い分けは対象の捉え方によります。betweenは対象が個別に明確に意識されている場合、amongは対象が集合体として曖昧に捉えられている場合に使います。3つ以上の対象でも、それぞれが明確に区別されているならbetweenを使うことがあります。
- amongの後には必ず複数形の名詞が来ますか?
-
基本的にはその通りです。amongは複数のものの中にあることを示すため、後ろには複数形の名詞または集合名詞が来るのが一般的です。ただし、”people”や”furniture”のような集合名詞(形は単数でも意味的に複数を表す)の場合は、単数形でもamongの後に使うことができます。
- fromとamongの組み合わせはよく使われますか?
-
はい、”from among”(〜の中から)という表現はよく使われます。これは、集団の中から特定のものや人を選ぶ場合によく使われる表現です。例えば、
- She was selected from among hundreds of applicants.(彼女は何百人もの応募者の中から選ばれました。)
- amongとamidの違いは何ですか?
-
amongとamidはどちらも「〜の中で」という意味を持ちますが、若干ニュアンスが異なります。amongは複数の個別の対象の中にあることを示すのに対し、amidはより詩的な表現で、周囲の環境や状況に囲まれていることを強調します。
例えば、
- We found peace among friends.(友達の間で平和を見つけました。)
- We found peace amid the chaos.(混沌の中で平和を見つけました。)
amidは特に抽象的な概念や状況を表す場合によく使われます。
- amongを使った英語の表現で日常的によく使われるものはありますか?
-
はい、日常会話でよく使われるamongを含む表現にはいくつかあります。
- among other things(〜など、他にも)
- among friends(友達の間で)
- among the best(最高の一つ)
- from among(〜の中から)
- common among(〜の間で一般的)
これらの表現は英語のニュアンスを豊かにし、自然な英語表現に役立ちます。
まとめ

この記事では、英語の前置詞「among」の意味と使い方について詳しく解説してきました。amongは「〜の中で」「〜の間に」「〜に囲まれて」という基本的な意味を持ち、複数のものの中にあることや、集合体の一部であることを示す際に使われます。
特に「between」との違いを理解することが、amongを正しく使うためのポイントになります。以下に、この記事の重要なポイントをまとめます。
- amongは前置詞で、「〜の中で」「〜の間に」「〜に囲まれて」の意味を持つ
- amongの基本イメージは「複数のものに囲まれている状態」
- 「〜の中で」の使い方では、特定のグループ内での選択や比較を表現する
- 「〜に囲まれて」の使い方では、物理的に複数のものに囲まれた状態を表す
- 「〜の間で」の使い方では、人や事物が全体に広がっていることを表現する
- betweenとの主な違いは、対象の捉え方による(個別か集合体か)
- 「betweenは2つ、amongは3つ以上」という区別は完全に正確ではない
- amongを含む便利な表現として「among other things」「among friends」「among the best」などがある
- amongの後には基本的に複数形の名詞または集合名詞が来る
- 「from among」(〜の中から)は非常によく使われる表現である
英語の前置詞の使い方はネイティブスピーカーでも間違えることがあるほど、微妙なニュアンスの違いがあります。本記事で解説したポイントを理解し、例文を参考にしながら、実際の会話や文章でamongを使ってみてください。
練習を重ねることで、自然なamongの使用ができるようになるでしょう。