「annoy」は主に他動詞として使われる英単語で、「イライラさせる」「悩ます」「困らせる」といった意味を持ちます。日常会話でよく使われるこの単語は、誰かや何かに対して不快感や煩わしさを感じさせる状況を表現する時に便利です。名詞形は「annoyance」で、形容詞形には「annoying」と「annoyed」があります。
これらの違いを理解することで、より正確に自分の気持ちを英語で表現できるようになります。
annoyとは?イライラさせる英語表現の基本

「annoy」は主に「誰かをイライラさせる」「困らせる」「悩ます」という意味を持つ他動詞です。古フランス語の「enoier(いらだたせる・溺れる)」が語源で、中英語の「anoien(いらだたせる・害する)」を経て現代の「annoy」になりました。
この単語は、相手に対して軽度から中程度の不快感を与える行為や状況を表します。深刻な害や重大な問題というよりも、日常生活で感じる小さな煩わしさを表現するのに適しています。発音は/əˈnɔɪ/で、カタカナでは「アノイ」または「アナイ」と読みます。
annoyの基本的な用法
「annoy」は他動詞なので、必ず目的語を伴って使います。一般的な構文は「Subject + annoy + Object(主語+annoy+目的語)」となります。主語には人だけでなく、物事や状況も来ることができます。
例文
- The noise annoys me.(その騒音は私をイライラさせます。)
- My brother annoys me when he takes my things.(兄は私の物を取るとき、私をイライラさせます。)
- Waiting for the bus in the rain annoyed her.(雨の中バスを待つことで彼女はイライラしました。)
annoyの時制と活用
「annoy」の活用形は以下のとおりです。
- 原形:annoy
- 三人称単数現在形:annoys
- 過去形・過去分詞形:annoyed
- 現在分詞形:annoying
これらの活用形を使うことで、さまざまな時制で「イライラさせる」状況を表現できます。
annoyの使い方と実践的な例文
「annoy」は日常会話でよく使われる表現です。イライラする状況や人についての感情を伝える際に役立ちます。ここでは、実際の会話で使える例文を紹介します。
例文
- His loud music annoys me.(彼の大きな音楽は私をイライラさせます。)
- Does it annoy you when people are late?(人が遅刻するとイライラしますか。)
- The constant noise from the street annoyed us all night.(通りからの絶え間ない騒音は一晩中私たちをイライラさせました。)
- Please stop tapping your pen. It annoys everyone.(ペンをカチカチするのをやめてください。みんながイライラします。)
「annoy」は現在形だけでなく、過去形や未来形、現在完了形などでも使えます。
例文
- The mosquitoes annoyed us during the camping trip.(蚊は私たちをキャンプ旅行中にイライラさせました。)
- This problem will annoy you if you don’t fix it soon.(この問題を早く解決しないと、あなたをイライラさせるでしょう。)
- His behavior has annoyed me for years.(彼の行動は何年も私をイライラさせてきました。)
日常的な状況での使い方
学校や職場、家庭など、さまざまな場面で「annoy」を使った表現が役立ちます。
例文
- The teacher gets annoyed when students don’t do their homework.(先生は生徒が宿題をしないとイライラします。)
- My little sister annoys me by following me everywhere.(妹はどこにでもついてくるので私をイライラさせます。)
- Loud noises annoy my dog.(大きな音は私の犬をイライラさせます。)
- It annoys me when the bus is late.(バスが遅れると私はイライラします。)
annoyを使った便利なフレーズ
日常会話でよく使われる「annoy」を含むフレーズをいくつか紹介します。
例文
- Don’t annoy me.(私をイライラさせないで。)
- I’m sorry to annoy you, but…(イライラさせてすみませんが…)
- What annoys you the most?(何が一番あなたをイライラさせますか。)
- It’s starting to annoy me.(それは私をイライラさせ始めています。)
annoyの活用形とその意味の違い
「annoy」には「annoyed」と「annoying」という重要な活用形があります。これらは形容詞としても使われますが、意味に違いがあるので注意が必要です。
annoyed(イライラしている人)
「annoyed」は、イライラしている「状態」や「感情」を表します。主に「be annoyed」「feel annoyed」「get annoyed」などの形で使われます。
例文
- I am annoyed with him.(私は彼にイライラしています。)
- She felt annoyed when he arrived late.(彼が遅れて到着したとき、彼女はイライラしました。)
- My parents get annoyed when I don’t clean my room.(私が部屋を掃除しないと、両親はイライラします。)
annoying(イライラさせるもの)
「annoying」は、イライラさせる「もの」や「人」を表します。イライラの対象を表現する形容詞です。
例文
- That is an annoying noise.(あれはイライラする騒音です。)
- He asks annoying questions all the time.(彼はいつもイライラする質問をします。)
- Waiting in long lines is annoying.(長い列で待つことはイライラします。)
annoyed と annoying の重要な違い
この2つの形容詞の違いを理解することは非常に重要です。次の例文を比較してみましょう。
例文
- He is annoyed.(彼はイライラしています。)- 彼自身がイライラしている状態
- He is annoying.(彼はイライラさせます。)- 彼が他の人をイライラさせる存在である
この違いを間違えると、全く異なる意味になってしまうので注意しましょう。
annoyと類似表現の違い
英語には「イライラする」「煩わしい」を表す単語がいくつかあります。ここでは「annoy」に似た表現との違いを見ていきましょう。
annoyとirritateの違い
「irritate」は「annoy」よりも少し強い表現で、「苛立たせる」「怒らせる」というニュアンスがあります。また、身体的な刺激による不快感も表します。
例文
- The smoke irritates my eyes.(煙が私の目を刺激します。)
- His attitude irritates me more than it annoys me.(彼の態度は私をイライラさせるというより怒らせます。)
annoyとbotherの違い
「bother」は「面倒をかける」「邪魔をする」というニュアンスで、相手の時間や注意を奪うような行為を表します。
例文
- Sorry to bother you, but can I ask a question?(お邪魔して申し訳ありませんが、質問してもいいですか。)
- Don’t bother him while he’s working.(彼が仕事をしている間は邪魔しないでください。)
annoyとdisturbの違い
「disturb」は「邪魔をする」「妨げる」という意味で、平和や秩序を乱すニュアンスがあります。
例文
- Please don’t disturb me when I’m studying.(勉強しているときに邪魔しないでください。)
- The loud party disturbed our sleep.(騒がしいパーティーは私たちの睡眠を妨げました。)
annoyの前置詞との組み合わせ
「annoy」を使う際、イライラの対象や理由を表現するために様々な前置詞と組み合わせることができます。
annoy with(〜でイライラさせる)
「with」を使うと、イライラさせる道具や方法を示すことができます。
例文
- He annoys me with his constant questions.(彼は絶え間ない質問で私をイライラさせます。)
- She annoyed her brother with loud music.(彼女は大きな音楽で兄をイライラさせました。)
annoy by(〜することでイライラさせる)
「by」を使うと、イライラさせる行動を示すことができます。
例文
- He annoys everyone by talking during the movie.(彼は映画中に話すことでみんなをイライラさせます。)
- The cat annoyed me by scratching the furniture.(猫は家具を引っかくことで私をイライラさせました。)
annoy at/about(〜についてイライラする)
「at」や「about」を使うと、イライラの対象となる事柄を示すことができます。
例文
- I was annoyed at his rude behavior.(私は彼の失礼な行動にイライラしました。)
- She gets annoyed about small things.(彼女は小さなことでイライラします。)
annoyのよくある間違いと注意点
「annoy」を使う際によくある間違いと注意点をいくつか紹介します。
annoyed と annoying の混同
先ほども説明しましたが、最も一般的な間違いは「annoyed(イライラしている状態)」と「annoying(イライラさせるもの)」を混同することです。
誤:He is annoying with the noise.
正:He is annoyed with the noise. (彼はその騒音にイライラしています。)
誤:The noise is annoyed.
正:The noise is annoying. (その騒音はイライラさせます。)
前置詞の誤用
「annoyed」を使う際の前置詞の選択も間違いやすいポイントです。
誤:I am annoyed from his behavior.
正:I am annoyed by/with his behavior. (私は彼の行動にイライラしています。)
誤:She is annoyed to me.
正:She is annoyed with me. (彼女は私にイライラしています。)
時制の間違い
「annoy」の時制の使い方も注意が必要です。
誤:His behavior annoying me yesterday.
正:His behavior annoyed me yesterday. (彼の行動は昨日私をイライラさせました。)
誤:I am annoy when people are late.
正:I am annoyed when people are late. (人が遅れると私はイライラします。)
annoyに関する問題
ここでは「annoy」の理解度を確認するための問題を10問用意しました。それぞれの問題に取り組んでみましょう。
- The noise from next door ( ) me last night.
a) annoyed
b) annoying
c) annoys
d) annoy - She is ( ) by his constant talking.
a) annoying
b) annoyed
c) annoys
d) annoy - I find his behavior very ( ).
a) annoyed
b) annoys
c) annoying
d) annoy - Please stop ( ) your sister.
a) annoyed
b) annoying
c) annoys
d) annoying - The teacher gets ( ) when students don’t listen.
a) annoying
b) annoys
c) annoyed
d) annoy - What ( ) you the most about your job?
a) annoys
b) annoying
c) annoyed
d) annoy - He is an ( ) person to work with.
a) annoyed
b) annoys
c) annoying
d) annoy - They were ( ) ( ) the noise from the party.
a) annoyed by
b) annoying with
c) annoys at
d) annoyed annoying - It ( ) me when people interrupt me.
a) annoying
b) annoyed
c) annoys
d) annoy - She has been ( ) me all day with her questions.
a) annoying
b) annoyed
c) annoys
d) annoy
「annoy」に関するよくある質問
ここでは「annoy」に関してよく寄せられる質問に答えていきます。
- 「annoy」と「irritate」の違いは何ですか?
-
「annoy」は一般的に軽度から中程度のイライラや不快感を表します。一方「irritate」は少し強い表現で、より強いイライラや怒りに近い感情を表します。また「irritate」は皮膚や目などの物理的な刺激による不快感にも使われます。
- 「annoyed」と「annoying」の使い分けはどうすればいいですか?
-
「annoyed」は「イライラしている状態や感情」を表し、主に人の気持ちを描写します。
- I am annoyed.(私はイライラしています。)
「annoying」は「イライラさせるもの・こと・人」を表します。
- This noise is annoying.(この騒音はイライラさせます。)
- 「annoy」はどのような場面で使うのが適切ですか?
-
「annoy」は日常生活の軽いイライラを表現するのに適しています。職場や学校、家庭での小さな不満や煩わしさを伝える際に使います。ただし、深刻な怒りや強い不満を表現する場合は、「anger」「infuriate」などのより強い表現を使う方が適切です。
- 「annoy」の丁寧な言い方はありますか?
-
直接「You annoy me(あなたは私をイライラさせる)」と言うのは少し失礼に聞こえることがあります。より丁寧に伝えたい場合は次のような表現が使えます。
- I find it a bit frustrating when…(…するとき少し困ります)
- It bothers me a little when…(…するとき少し気になります)
- I would appreciate it if you could…(…していただけると助かります)
- 「annoy」の名詞形はどのように使いますか?
-
「annoy」の名詞形は「annoyance」で、「煩わしさ」「不快」「迷惑」を意味します。
- To my annoyance, he arrived late again.(私のイライラすることに、彼はまた遅れて到着しました。)
- She expressed her annoyance at the situation.(彼女はその状況に対する不満を表明しました。)
- 子供に「annoy」を説明するにはどうすればいいですか?
-
子供には「annoy」を「イライラさせる」「困らせる」といった言葉で説明するとよいでしょう。例えば「When you make noise while your sister is studying, it annoys her(お姉さんが勉強しているときに騒ぐとお姉さんをイライラさせるよ)」のように具体的な例を挙げて説明するとわかりやすいでしょう。
まとめ

この記事では、英語表現「annoy」の意味と使い方について詳しく解説しました。「annoy」は日常会話でよく使われる便利な表現で、何かや誰かに対して感じる軽度から中程度のイライラや煩わしさを表現する際に役立ちます。
特に重要なのは「annoyed(イライラしている状態)」と「annoying(イライラさせるもの)」の違いを理解することで、これらを混同すると全く異なる意味になってしまいます。
記事のポイントをまとめると、
- 「annoy」は主に他動詞で「イライラさせる」「悩ます」「困らせる」という意味を持つ。
- 「annoyed」はイライラしている人の状態や感情を表す。
- 「annoying」はイライラさせる対象(人・もの・こと)を表す。
- 「annoy」に似た表現には「irritate」「bother」「disturb」などがあり、それぞれニュアンスが異なる。
- イライラの対象や理由を表すために「with」「by」「at」「about」などの前置詞と組み合わせて使う。
- 一般的な間違いとして「annoyed」と「annoying」の混同、前置詞の誤用、時制の間違いがある。
「annoy」とその関連表現を適切に使いこなせるようになれば、あなたの英語表現の幅が広がるでしょう。日常会話で起こるさまざまな「イライラする」状況を的確に表現できるようになり、より自然な英語でコミュニケーションが取れるようになります。
ぜひ会話の中で積極的に使ってみてください。