「appreciate」は英語で動詞として使われる単語で、「感謝する」「評価する」「理解する」「価値を認める」「値上がりする」など、複数の意味を持っています。
日常会話からビジネスシーンまで幅広く活用される重要な表現ですので、その多様な使い方をマスターしておくと英語力が大きく向上します。
appreciateとは?語源と基本的な意味

「appreciate」は、ラテン語が語源となっている英単語です。語源をたどると、「ad(〜へ)」と「pretium(価値、値段)」という要素に分解され、「〜の方向へ価値をつける、値段をつける」という原義から派生しました。現代の英語では、この基本的な概念から発展して、複数の意味で使われています。
「appreciate」の核となる意味は「価値を正しく認識する」ということです。この中心的な概念から、感謝する、評価する、理解する、値上がりするといった様々な意味に広がっています。英語初学者にとっては多くの意味を持つため混乱しやすいかもしれませんが、文脈によって適切な意味を選ぶことができるようになると、表現の幅が広がります。
「appreciate」は他動詞なので、必ず目的語を伴って使います。「〜を感謝する」「〜を評価する」のように使用します。
appreciateの5つの主な意味と使い方
「appreciate」という単語には主に5つの意味があります。それぞれの意味と使い方を例文とともに詳しく見ていきましょう。初学者でも理解しやすいように、中学英語レベルの簡単な例文を用意しました。
「感謝する」としてのappreciate
最もよく知られている「appreciate」の意味は「感謝する」です。誰かの行為やサポートに対して感謝の気持ちを表す時に使います。「Thank you」よりも丁寧で、少しフォーマルな印象を与えることがあります。
例文
- I appreciate your help. (あなたの助けに感謝します。)
- We appreciate your support. (あなたの支援に感謝します。)
- I really appreciate your time. (あなたの時間を割いてくれて本当に感謝します。)
「評価する」としてのappreciate
「appreciate」には「評価する」という意味もあります。何かや誰かの良さを認識し、その価値を高く評価する際に使われます。
例文
- She appreciates good music. (彼女は良い音楽を評価します。)
- We appreciate your hard work. (私たちはあなたの努力を高く評価しています。)
- Many people appreciate his art. (多くの人が彼の芸術を評価しています。)
「理解する」としてのappreciate
「appreciate」は「理解する」「認識する」という意味でも使われます。これは、状況の複雑さや問題の重要性を正確に把握することを意味します。
例文
- I appreciate the difficulty. (その難しさを理解しています。)
- Do you appreciate how important this is? (これがどれほど重要か理解していますか。)
- He doesn’t appreciate the problem. (彼はその問題を理解していません。)
「価値を認める」としてのappreciate
「価値を認める」という意味も「appreciate」の重要な用法です。物事の真の価値や意義を認識することを表します。
例文
- I appreciate nature. (自然の価値を認めています。)
- She appreciates simple things. (彼女はシンプルなものの価値を認めています。)
- We need to appreciate what we have. (私たちは自分たちが持つものの価値を認める必要があります。)
「値上がりする」としてのappreciate
経済や金融の文脈では、「appreciate」は「値段が上がる」「価値が高まる」という意味で使われます。これは通貨、不動産、株式などの価値上昇を表す時に用いられます。
例文
- The house appreciated in value. (その家は価値が上がりました。)
- These coins will appreciate over time. (これらのコインは時間とともに価値が上がるでしょう。)
- The yen appreciated against the dollar. (円はドルに対して価値が上がりました。)
appreciateの文法と表現パターン
「appreciate」を正しく使いこなすためには、その文法的な特徴と一般的な表現パターンを理解することが重要です。ここでは基本的な文法と、よく使われる表現パターンを紹介します。
「appreciate」は他動詞なので、必ず目的語を伴います。基本的な文型は以下の通りです。
主語 + appreciate + 目的語
目的語には名詞、代名詞、動名詞、that節などが来ることができます。
例文
- I appreciate your kindness. (あなたの親切に感謝します。)- 名詞を目的語にした例
- I appreciate it. (それに感謝します。)- 代名詞を目的語にした例
- I appreciate having friends. (友達がいることに感謝します。)- 動名詞を目的語にした例
- I appreciate that you came. (あなたが来てくれたことに感謝します。)- that節を目的語にした例
ここから、「appreciate」を使った一般的な表現パターンをいくつか紹介します。これらのパターンを覚えておくと、様々な場面で役立ちます。
I would appreciate it if you could…
「〜していただければ幸いです」という丁寧な依頼表現です。
例文
- I would appreciate it if you could help me. (手伝っていただければ幸いです。)
- I would appreciate it if you could wait. (待っていただければ幸いです。)
I really/greatly appreciate…
「本当に/大変感謝しています」という強調表現です。
例文
- I really appreciate your support. (あなたのサポートに本当に感謝しています。)
- We greatly appreciate your patience. (あなたの忍耐に大変感謝しています。)
Your help is greatly appreciated.
受動態を使った表現で、「あなたの助けに大変感謝しています」という意味です。
例文
- Your cooperation is greatly appreciated. (あなたの協力に大変感謝しています。)
- Your feedback is greatly appreciated. (あなたのフィードバックに大変感謝しています。)
It is appreciated.
シンプルな受動態表現で、「感謝しています」という意味です。
例文
- Your help is appreciated. (あなたの助けに感謝しています。)
- A prompt reply is appreciated. (迅速な返信に感謝します。)
appreciateと似た表現の違い
「appreciate」に似た表現との違いを理解することで、より適切に使い分けられるようになります。ここでは「Thank you」「value」「acknowledge」との違いを説明します。
appreciate vs. Thank you
「appreciate」と「Thank you」はどちらも感謝を表す表現ですが、使い方やニュアンスに違いがあります。
違いのポイント | Thank you | appreciate |
---|---|---|
対象 | 主に「人」に対して使う | 「行為」や「物事」に対して使う |
フォーマル度 | カジュアルからフォーマルまで | より丁寧でフォーマル |
感謝の深さ | 一般的な感謝 | より深い感謝や評価の意味を含む |
例文
- Thank you for your help. (手伝ってくれてありがとう。)
- I appreciate your help. (あなたの助けに感謝します。)
また、「Thank you, I appreciate it.」のように両方を組み合わせることで、より強い感謝の気持ちを表すこともできます。
appreciate vs. value
「appreciate」と「value」はどちらも「価値を認める」という意味を持ちますが、ニュアンスが異なります。
value | appreciate |
---|---|
重要性や有用性を強調 | 価値を認識することに加え、評価や感謝の意味を含む |
例文
- I value your opinion. (あなたの意見を重視しています。)
- I appreciate your opinion. (あなたの意見に価値を見出し、感謝しています。)
appreciate vs. acknowledge
「appreciate」と「acknowledge」も似た意味を持ちますが、使い方が異なります。
acknowledge | appreciate |
---|---|
認める、承認する、受け取ったことを知らせる | 価値を認め、評価し、感謝する |
例文
- I acknowledge your email. (あなたのメールを受け取りました。)
- I appreciate your email. (あなたのメールに感謝します。)
appreciateのよくある間違いと注意点
「appreciate」を使う際によくある間違いと注意点をいくつか紹介します。これらを避けることで、より自然な英語表現が可能になります。
forを使ってしまう
「Thank you for」と混同して、「appreciate」の後に「for」を使ってしまうのはよくある間違いです。
誤:I appreciate for your help.
正:I appreciate your help.
人を直接目的語にする
「appreciate」は行為や物事に対して使うものであり、人を直接目的語にするのは一般的ではありません。
誤:I appreciate you.
正:I appreciate what you did. (あなたのしたことに感謝します。)
ただし、「I appreciate you coming.」(あなたが来てくれたことに感謝します。)のように、人+動名詞の形では使えます。
進行形で使う
「appreciate」は状態を表す動詞なので、通常は進行形(〜ing形)では使いません。
誤:I am appreciating your help.
正:I appreciate your help.
「appreciate it if」の時制に注意
「I would appreciate it if you could…」は丁寧な依頼表現ですが、時制に注意が必要です。
誤:I would appreciate it if you will help me.
正:I would appreciate it if you could help me. (手伝っていただければ幸いです。)
発音の間違い
「appreciate」は発音が難しい単語の一つです。
正しい発音は「アプリーシエイト」に近いですが、「アプレシエイト」と発音してしまう人も多いです。
appreciateの実践的な使い方
「appreciate」の実践的な使い方を、日常会話、ビジネスシーン、メールやメッセージなど場面別に紹介します。
日常会話での使い方
日常会話では、友人や家族に対する感謝を表すために「appreciate」を使うことができます。ただし、「Thank you」よりも少しフォーマルな印象を与えることがあるので、親しい間柄では「Thanks」や「Thank you」の方が自然な場合もあります。
例文
- I really appreciate you listening to me. (私の話を聞いてくれて本当にありがとう。)
- I appreciate your patience. (あなたの忍耐に感謝します。)
- We appreciate you coming to our party. (私たちのパーティーに来てくれてありがとう。)
ビジネスシーンでの使い方
ビジネスシーンでは「appreciate」はとても便利な表現です。丁寧さと専門性を示すことができ、感謝や評価を適切に伝えることができます。
例文
- We greatly appreciate your business. (お取引を大変ありがとうございます。)
- I would appreciate your feedback. (あなたのフィードバックをいただければ幸いです。)
- The team appreciates your leadership. (チームはあなたのリーダーシップを評価しています。)
メールやメッセージでの使い方
メールやメッセージでは、感謝の気持ちを表現したり、丁寧な依頼をしたりするのに「appreciate」が役立ちます。
例文
- I appreciate your quick response. (迅速なご返信ありがとうございます。)
- I would appreciate it if you could send me the file. (ファイルをお送りいただければ幸いです。)
- Your assistance is greatly appreciated. (あなたの支援に大変感謝しています。)
appreciateに関する問題
以下に「appreciate」の使い方に関する問題を10問用意しました。それぞれの空欄に適切な形の「appreciate」を入れてみましょう。
- I really _______ your help yesterday.
- She _______ good music and often goes to concerts.
- We would _______ it if you could reply by tomorrow.
- His artwork is highly _______ in many countries.
- I don’t think you _______ how difficult this task is.
- The house has _______ in value over the last five years.
- Your cooperation is greatly _______.
- I _______ that you came to visit me in the hospital.
- He didn’t _______ her comments about his work.
- We _______ you taking the time to meet with us.
appreciateに関するよくある質問
ここでは「appreciate」についてよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
- 「appreciate」と「Thank you」の違いは何ですか?
-
どちらも感謝を表す表現ですが、「Thank you」は主に人に対して使い、「appreciate」は行為や物事に対して使います。また、「appreciate」はより丁寧でフォーマルな印象を与えることが多く、単なる感謝だけでなく、価値を認めるというニュアンスも含みます。
- 「I would appreciate it if you could…」はどういう意味ですか?
-
これは丁寧な依頼表現で、「〜していただければ幸いです」という意味です。例えば「I would appreciate it if you could help me.」は「手伝っていただければ幸いです」という意味になります。
- 「appreciate」はどの時制でも使えますか?
-
はい、「appreciate」は現在形、過去形、未来形など様々な時制で使用できます。ただし、状態を表す動詞なので、通常は進行形(〜ing形)では使いません。
- 「appreciate」の後に前置詞「for」は使えますか?
-
一般的には「appreciate」の後に「for」は使いません。「Thank you for〜」と混同しないように注意しましょう。正しくは「I appreciate your help.」のように直接目的語を置きます。
- ビジネスメールで「appreciate」を使うのは適切ですか?
-
はい、「appreciate」はビジネスメールで非常に適切な表現です。丁寧さと専門性を示すことができます。「I appreciate your prompt response.」(迅速なご返信に感謝します)のような表現はビジネスコミュニケーションでよく使われます。
- 「appreciate」の語源は何ですか?
-
「appreciate」はラテン語が語源で、「ad(〜へ)」と「pretium(価値、値段)」から成り、「〜の方向へ価値をつける」という原義があります。
- 日本語で「appreciate」に対応する言葉は何ですか?
-
文脈によって「感謝する」「評価する」「理解する」「価値を認める」「値上がりする」など様々に訳されます。一語で完全に対応する日本語はありません。
まとめ

この記事では、英語の「appreciate」の意味と使い方について詳しく解説しました。「appreciate」は「感謝する」「評価する」「理解する」「価値を認める」「値上がりする」など多様な意味を持つ重要な英単語です。
正しく使えるようになると、日常会話からビジネスシーンまで様々な場面でコミュニケーションの幅が広がります。以下に、この記事のポイントをまとめます。
- 「appreciate」の基本的な意味は「価値を認める」である
- 主な意味は「感謝する」「評価する」「理解する」「価値を認める」「値上がりする」の5つ
- 「appreciate」は他動詞なので、必ず目的語を伴う
- 「Thank you」と違い、「appreciate」は行為や物事に対して使う
- ビジネスシーンでは丁寧な表現として頻繁に使われる
- 「I would appreciate it if you could…」は丁寧な依頼表現として使える
- 「appreciate」の後に「for」は使わない
- 「appreciate」は状態を表す動詞なので、通常は進行形にしない
「appreciate」は英語学習者にとって非常に便利な表現です。様々な意味と使い方を理解し、適切に使い分けることで、より自然で豊かな英語表現が可能になります。
この記事で紹介した例文や使い方を参考に、ぜひ日常会話やビジネスシーンで活用してみてください。