英語の前置詞「at」「in」「on」は、日本語ではどれも「~に」「~で」と訳されることが多く、初学者にとって使い分けが難しいものです。これらの前置詞は場所や時間を表す際によく使われますが、それぞれ微妙なニュアンスの違いがあります。
この記事では、「at」「in」「on」の基本的な意味の違いから実践的な使い方まで、わかりやすく解説します。中学英語レベルの例文も多数紹介するので、英語学習の参考にしてください。
「at」「in」「on」の基本的な意味と違い

「at」「in」「on」はそれぞれ異なる空間概念を表現する前置詞です。初めて英語を学ぶ方にとって、これらの違いを理解することは非常に重要です。
「at」は主に特定の地点や位置を示します。例えば、待ち合わせ場所や小さな施設などを指すときに使います。「in」は囲まれた空間や領域の中にあることを表します。部屋や建物、国など、ある範囲の中に存在することを示すときに使用します。「on」は表面との接触や、線上の位置関係を示します。何かの上に乗っている状態や、道路上の位置などを表現するときに適しています。
これらの前置詞は時間を表す際にも使われ、それぞれ異なる時間の捉え方を示します。「at」は時刻など点としての時間、「in」は月や年など期間を持つ時間、「on」は特定の日や日付を表すときに使います。
「at」の使い方と例文
「at」は基本的に「点」としての位置や場所を示す前置詞です。特定の地点、小さな場所、正確な位置を表すときに使われます。日本語で「~の場所で」「~地点で」というニュアンスに近いでしょう。
場所を表す「at」の使い方
「at」は特定の位置や小さな場所を表すときに使います。特に待ち合わせ場所や小規模な施設、建物を指す場合に適しています。
例文
- I’m waiting at the bus stop.(私はバス停で待っています。)
- We will meet at the station.(私たちは駅で会います。)
- She works at a small company.(彼女は小さな会社で働いています。)
- My brother is at school now.(私の兄は今学校にいます。)
- Let’s eat lunch at this restaurant.(このレストランで昼食を食べましょう。)
時間を表す「at」の使い方
「at」は特定の時刻や時間の一点を表すときに使います。時計の針が指す時間を示す場合に適しています。
例文
- The meeting starts at 9:00.(会議は9時に始まります。)
- I go to bed at midnight.(私は真夜中に寝ます。)
- She arrived at noon.(彼女は正午に到着しました。)
- We have dinner at 7:00 every day.(私たちは毎日7時に夕食を食べます。)
- The store opens at 10:00 in the morning.(その店は朝10時に開店します。)
その他の「at」の使い方
「at」は活動や状態、スキルのレベルなどを表すときにも使われます。
例文
- He is good at playing soccer.(彼はサッカーが上手です。)
- The children are at play in the garden.(子どもたちは庭で遊んでいます。)
- I’m not surprised at the news.(私はそのニュースに驚いていません。)
- She is at work now.(彼女は今仕事中です。)
- Look at that beautiful bird!(あの美しい鳥を見てください!)
「in」の使い方と例文
「in」は「中・内部」を表す前置詞です。何かに囲まれた空間や範囲の中にあることを示します。日本語で「~の中に」「~の内部に」というニュアンスです。
場所を表す「in」の使い方
「in」は建物や部屋の中、国や都市など面積を持つ場所を表すときに使います。内部や範囲の中にあることを示します。
例文
- There are many books in my room.(私の部屋にはたくさんの本があります。)
- She lives in Tokyo.(彼女は東京に住んでいます。)
- My father works in a big hospital.(私の父は大きな病院で働いています。)
- We study English in our classroom.(私たちは教室で英語を勉強します。)
- The cat is sleeping in the box.(猫は箱の中で寝ています。)
時間を表す「in」の使い方
「in」は年、月、季節など、ある程度の期間を持つ時間を表すときに使います。また、「~の後に」という未来の時間を示す場合にも使われます。
例文
- I was born in 2010.(私は2010年に生まれました。)
- Cherry blossoms bloom in April.(桜は4月に咲きます。)
- We go skiing in winter.(私たちは冬にスキーに行きます。)
- The train will arrive in ten minutes.(電車は10分後に到着します。)
- I’ll finish my homework in an hour.(1時間以内に宿題を終わらせます。)
その他の「in」の使い方
「in」は言語や状態、形式などを表すときにも使われます。
例文
- This book is written in English.(この本は英語で書かれています。)
- She answered in a loud voice.(彼女は大きな声で答えました。)
- The children are in good health.(子どもたちは健康状態が良いです。)
- Please write your name in ink.(名前をインクで書いてください。)
- He is interested in science.(彼は科学に興味があります。)
「on」の使い方と例文
「on」は「表面・接触」を表す前置詞です。何かの表面や上にあること、接触していることを示します。日本語で「~の上に」「~の表面に」というニュアンスです。
場所を表す「on」の使い方
「on」は表面との接触を示す場合に使います。また、通り、道路、階などの線状の場所や特定のフロアを指すときにも使われます。
例文
- The book is on the table.(本はテーブルの上にあります。)
- There is a picture on the wall.(壁に絵があります。)
- My house is on Main Street.(私の家はメインストリートにあります。)
- We live on the third floor.(私たちは3階に住んでいます。)
- The children are playing on the grass.(子どもたちは芝生の上で遊んでいます。)
時間を表す「on」の使い方
「on」は特定の日や日付、曜日を表すときに使います。
例文
- My birthday is on May 5th.(私の誕生日は5月5日です。)
- We have a math test on Monday.(月曜日に数学のテストがあります。)
- The party will be held on Christmas Day.(パーティーはクリスマスの日に開催されます。)
- She arrived in Japan on New Year’s Day.(彼女は元日に日本に到着しました。)
- We go hiking on weekends.(私たちは週末にハイキングに行きます。)
交通手段を表す「on」の使い方
「on」は乗り物、特に公共交通機関を利用する場合によく使われます。
例文
- I go to school on the bus.(私はバスで学校に行きます。)
- Many people travel on trains every day.(多くの人が毎日電車で通勤しています。)
- We saw a movie on the airplane.(私たちは飛行機で映画を見ました。)
- She came on her bicycle.(彼女は自転車で来ました。)
- The children are on the school bus.(子どもたちはスクールバスに乗っています。)
その他の「on」の使い方
「on」はメディアやデバイス、主題などを表すときにも使われます。
例文
- I watched a funny video on YouTube.(YouTubeで面白い動画を見ました。)
- She was on the phone for an hour.(彼女は1時間電話をしていました。)
- There is an interesting program on TV tonight.(今夜テレビで面白い番組があります。)
- He’s working on a new project.(彼は新しいプロジェクトに取り組んでいます。)
- The teacher gave us a lecture on history.(先生は歴史について講義をしてくれました。)
「at」「in」「on」の使い分けポイント
それでは、「at」「in」「on」の使い分けを3つに分けて解説します。
場所を表す場合の使い分け
場所を表す場合の「at」「in」「on」の使い分けは、場所の大きさや捉え方によって異なります。
「at」は点として捉えられる特定の場所や位置を示します。小さな施設や正確な位置を表すときに使いましょう。例えば、「at the entrance(入口で)」「at the corner(角で)」などです。
「in」は面積や空間として捉えられる場所を示します。内部や囲まれた空間を表すときに使います。例えば、「in the room(部屋の中で)」「in Japan(日本で)」などです。
「on」は表面や線上の位置を示します。何かの上や接触している状態、道路や通りなどを表すときに使います。例えば、「on the desk(机の上に)」「on Fifth Avenue(五番街に)」などです。
時間を表す場合の使い分け
時間を表す場合も、時間の捉え方によって使い分けます。
「at」は時刻など、点としての時間を表します。「at 3:00(3時に)」「at noon(正午に)」などのように使います。
「in」は期間や範囲を持つ時間を表します。「in 2023(2023年に)」「in summer(夏に)」などと使います。また、「in 10 minutes(10分後に)」のように、現在から一定時間後を表す場合にも使います。
「on」は特定の日や日付を表します。「on Monday(月曜日に)」「on April 1st(4月1日に)」などと使います。
迷いやすい表現と対処法
初学者が特に迷いやすい表現として、以下のようなものがあります。
- 「学校で」:一般的に「at school」と言いますが、学校の中という意味では「in school」も使えます。
- 「会社で」:小さな会社なら「at the company」、大きな会社や内部を強調する場合は「in the company」と言います。
- 「駅で」:駅という場所を点として捉えるなら「at the station」、駅の構内という意味では「in the station」と言います。
迷った場合は、その場所を点として捉えるか、空間として捉えるか、表面として捉えるかを考えると良いでしょう。
場面別の「at」「in」「on」の使い方
ここでは、「at」「in」「on」を場面別に解説していきます。
住所や位置を表す場合
住所や位置を表す場合、それぞれの前置詞は次のように使い分けます。
「at」:正確な位置や住所番地
- I’ll meet you at 123 Main Street.(メインストリート123番でお会いしましょう。)
「in」:都市、地域、国など
- She lives in Osaka.(彼女は大阪に住んでいます。)
- My grandmother lives in the countryside.(私の祖母は田舎に住んでいます。)
「on」:通り、道路、特定のフロアなど
- Our office is on the second floor.(私たちのオフィスは2階にあります。)
- They live on Park Avenue.(彼らはパークアベニューに住んでいます。)
交通機関を表す場合
交通機関を表す場合の使い分けは次のとおりです。
「at」:駅や停留所など
- I’ll wait for you at the station.(駅であなたを待ちます。)
「in」:車やタクシーなど、閉じた乗り物
- We traveled in my father’s car.(私たちは父の車で旅行しました。)
- The baby is sleeping in the stroller.(赤ちゃんはベビーカーで寝ています。)
「on」:バス、電車、飛行機など公共交通機関
- I read books on the train.(電車で本を読みます。)
- We met on the bus yesterday.(昨日バスで会いました。)
学校や職場を表す場合
学校や職場を表す場合の使い分けは次のとおりです。
「at」:学校や職場を施設として捉える場合
- The children are at school now.(子どもたちは今学校にいます。)
- She works at a bank.(彼女は銀行で働いています。)
「in」:学校や職場の内部や範囲内を強調する場合
- The students are studying in the library.(生徒たちは図書館で勉強しています。)
- He spends most of his time in the office.(彼はほとんどの時間をオフィスで過ごします。)
「on」:特定のフロアや部署を表す場合
- The accounting department is on the fourth floor.(経理部は4階にあります。)
- She works on the sales team.(彼女は営業チームで働いています。)
「at」「in」「on」の使い分け練習問題
「at」「in」「on」の使い分けを身につけるために、以下の練習問題に挑戦してみましょう。適切な前置詞を選んで文を完成させてください。
- I’ll meet you _____ the station at 5:00.
- My brother was born _____ 2008.
- There is a beautiful painting _____ the wall.
- We have English class _____ Monday.
- She put her bag _____ the table.
- He lives _____ a small apartment.
- The meeting will start _____ noon.
- I saw a cute cat _____ my way to school.
- My birthday is _____ July.
- The children are playing _____ the park.
- We will have a test _____ next Friday.
- She wrote a message _____ a piece of paper.
- My father works _____ a hospital.
- I go to school _____ the bus every day.
- We went hiking _____ the mountains.
- The movie starts _____ 7:30 p.m.
- There are many stars _____ the sky.
- I’ll call you _____ the morning.
- My sister studies _____ a university in Tokyo.
- Let’s meet _____ the entrance of the museum.
「at」「in」「on」に関するよくある質問
- 「at the station」と「in the station」の違いは何ですか?
-
「at the station」は駅という場所・地点を表し、待ち合わせや位置を示す場合に使います。一方、「in the station」は駅の内部や構内にいることを強調する場合に使います。例えば「I’ll meet you at the station.(駅で会いましょう)」と「There are many shops in the station.(駅の中にはたくさんの店があります)」のような使い分けができます。
- 「at school」と「in school」はどう違いますか?
-
「at school」は「学校にいる」という状態を表し、家にいないことを意味します。「in school」は学校の建物の中にいることや、学生として在学中であることを強調します。「My son is at school now.(息子は今学校にいます)」と「Students should be quiet in school.(生徒は学校の中では静かにすべきです)」のように使い分けます。
- 時間を表す「in」と「within」の違いは何ですか?
-
「in」は「~後に」という意味で、ある時点から一定時間後に何かが起こることを表します。「within」は「~以内に」という意味で、ある期間内のいつかの時点で起こることを表します。例えば、「The train will arrive in 10 minutes.(電車は10分後に到着します)」と「Please finish your homework within three days.(3日以内に宿題を終わらせてください)」のように使い分けます。
- 「on time」と「in time」の違いは何ですか?
-
「on time」は「時間通りに」という意味で、予定された正確な時間に何かが行われることを表します。「in time」は「間に合って」という意味で、ある出来事が起こる前に十分な余裕をもって間に合うことを表します。「The train arrived on time.(電車は時間通りに到着しました)」と「We arrived in time for the movie.(映画に間に合うように到着しました)」のように使い分けます。
- メディアを表す場合の「on」と「in」の違いは?
-
メディアを表す場合、「on」はテレビ、ラジオ、インターネットなど、情報が表示される媒体を表し、「in」は本、雑誌、新聞など、情報が含まれる媒体を表します。「I saw an interesting program on TV.(テレビで面白い番組を見ました)」と「I read an article in the newspaper.(新聞で記事を読みました)」のように使い分けます。
まとめ

英語の前置詞「at」「in」「on」は、場所や時間を表す際に頻繁に使われますが、それぞれ異なるニュアンスを持っています。この記事の内容を簡潔にまとめると、
- 「at」は点としての位置や場所、正確な時刻を表します。
- 小さな施設、特定の位置、正確な時刻に使います。
- 例:at the station, at 3:00, at the entrance
- 「in」は範囲や空間の中、期間を表します。
- 建物内部、国や都市、月・年・季節に使います。
- 例:in the room, in Japan, in 2023, in summer
- 「on」は表面や接触、特定の日や曜日を表します。
- 表面、線状の場所、特定の日付や曜日、公共交通機関に使います。
- 例:on the table, on Main Street, on Monday, on the bus
- 使い分けのポイント
- 場所の大きさや捉え方により選択します。
- 時間の単位や捉え方に注目します。
- 公共交通機関には基本的に「on」、車などの閉じた私的な乗り物には「in」を使います。
英語の前置詞は日本語に直訳しづらい部分がありますが、基本的な概念を理解し、多くの例文に触れることで徐々に感覚がつかめてきます。この記事が「at」「in」「on」の使い分けの参考になれば幸いです。