「at stake」は英語で非常によく使われる表現の一つで、日本語では主に「危機に瀕して」「賭けられている」「リスクがある」などと訳されます。
この表現は、何かが失われる可能性がある状況や、成功と失敗の分岐点にある状態を強調する際に使われます。
この記事では「at stake」の基本的な意味から実際の使い方、語源や関連表現まで、例文を交えながら詳しく解説していきます。
「at stake」の基本的な意味
「at stake」は、何かが危険にさらされている、または成功するか失敗するかが決まる重要な状況を表すフレーズです。
特に、価値のあるもの(お金、名誉、仕事、命など)が失われる可能性がある場合に使われます。
「リスクがある」「危機に瀕している」
「at stake」は、何かが失われる可能性がある状況を指します。
この意味では、「危機に瀕している」「リスクがある」と訳されます。
例文
- Thousands of jobs are at stake due to the company’s financial troubles.
(その会社の財政問題のために何千もの職が危機に瀕しています。) - The future of the project is at stake if we don’t secure funding.
(資金を確保しなければ、そのプロジェクトの未来は危機に瀕しています。) - Lives are at stake in this rescue mission.(この救助任務では命が危険にさらされています。)
「賭けられている」「勝負がかかっている」
この意味では、「賭けられている」「勝負がかかっている」というニュアンスがあります。
特に競争や試合などで結果が重要な場合に使われます。
例文
- The championship title is at stake in tonight’s game.
(今夜の試合ではチャンピオンシップのタイトルが賭けられています。) - There’s a lot of money at stake in this poker game.
(このポーカーゲームには多額のお金が賭けられています。) - National pride is at stake in the upcoming match against England.
(イングランドとの次の試合では国家の誇りが賭けられています。)
「重要な問題として議論されている」
「at stake」はまた、「議論されている重要な問題」を指す場合にも使われます。
この場合、「問題として議論されている」「注目されている」というニュアンスがあります。
例文
- What’s at stake in these negotiations is the future of international trade.
(これらの交渉で議論されているのは国際貿易の未来です。) - Few voters understand the issues at stake in this election.
(この選挙で議論されている問題を理解している有権者はほとんどいません。) - At stake is the success or failure of the new policy.
(新しい政策の成功または失敗が議論されています。)
「at stake」の語源と由来
「at stake」の語源は、中世ヨーロッパで行われた賭け事や競技から来ています。「stake」はもともと「杭」や「柱」を意味しましたが、賭け事では「賭け金」を指すようになりました。人々は賭け金を杭(stake)に固定し、それを競技や戦いの結果によって勝者が得るという形式でした。
この背景から、「at stake」という表現は「賭けられているもの」や「危険にさらされているもの」を指すようになりました。
シェイクスピアもこのフレーズを使用しており、その作品『Troilus and Cressida』では「I see my reputation is at stake」(私の評判が危機に瀕している)というセリフがあります。このように、「at stake」は歴史的にも文学的にも深い意味を持つ表現です。
「at stake」の文法と構造
「at stake」は副詞句として機能し、主語や動詞を修飾します。
通常は文末で使われることが多いですが、強調したい場合には文頭にも置くことができます。
文末で使用する場合
例文
- The team’s reputation is at stake after their poor performance last season.
(チームの評判は昨シーズンの悪い成績後、危機に瀕しています。) - There’s too much money at stake to take unnecessary risks.
(不必要なリスクを取るにはあまりにも多くのお金が賭けられています。)
文頭で使用する場合
例文
- At stake are the lives of thousands of refugees.
(危機に瀕しているのは何千もの難民の命です。) - At stake is the company’s ability to compete in the global market.
(議論されているのは、その会社が世界市場で競争する能力です。)
「at stake」を含む一般的な表現
「a lot at stake」(多くが賭けられている)
この表現は、「多くの重要なものが危険にさらされている」というニュアンスを持ちます。
例文
- There’s a lot at stake in this business deal.
(このビジネス取引には多くが賭けられています。) - With so much at stake, we need to be very careful about our decisions.
(これほど多くが賭けられているので、私たちは決断について非常に慎重になる必要があります。)
「everything at stake」(すべてが賭けられている)
このフレーズは、「全てを失う可能性」がある状況を強調します。
例文
- He bet everything he had at stake in the poker game and lost it all.
(彼はポーカーゲームで持っていた全てを賭けて、それを全て失いました。) - The company’s future is everything at stake in this merger negotiation.
(その会社の未来は、この合併交渉で全て賭けられています。)
「at risk」と「at stake」の違い
「at risk」と「at stake」は似た意味を持ちますが、ニュアンスには違いがあります。
「at risk」
「at risk」は単純に「危険な状態」「リスクがある」という意味です。より広範囲で使われる表現です。
例文
- Many species are at risk due to climate change.
(気候変動によって多くの種が危険な状態です。) - His health is at risk because of his poor diet and lack of exercise.
(彼の健康は悪い食生活と運動不足によって危険な状態です。)
「at stake」
一方、「at stake」は単なるリスク以上に、「価値あるもの」が失われる可能性や、「勝負」がかかっている状況を強調します。
例文
- The success of the entire project is at stake if we miss this deadline.
(この締め切りを逃せば、プロジェクト全体の成功が危機に瀕します。)
「at stake」を使った会話例
会話例1:ビジネスミーティング
例文
- A: We need to finalize the contract by tomorrow.
(明日までに契約を確定する必要があります。) - B: I understand, but there’s a lot at stake here, so we need to review every detail carefully.
(わかっています。しかしここには多くが賭けられているので、全ての詳細を慎重に確認する必要があります。) - A: You’re right. Let’s schedule another meeting later today for a thorough review.
(その通りですね。今日後で徹底的な確認のための会議を予定しましょう。)
会話例2:スポーツイベント
例文
- A: Are you nervous about tonight’s game?
(今夜の試合について緊張していますか?) - B: Definitely! The championship title is at stake, and everyone expects us to win.
(間違いなく!チャンピオンシップタイトルが賭けられていて、みんな私たちが勝つことを期待しています。) - A: Well, just play your best and focus on the game itself. You can do it!
(まあ、自分のベストを尽くして試合そのものに集中してください。あなたならできますよ!)
まとめ:「at stake」の使い方ポイント

「at stake」は英語で非常によく使われる表現で、「価値あるもの」が失われる可能性や重要な状況を強調する際に役立ちます。
この表現について理解しておきたいポイントは以下の通りです。
- 基本的な意味は「危機に瀕して」「賭けられている」「リスクがある」です。
- 文末や文頭で使用でき、特定の対象や状況を強調します。
- 主な用法として、「逃走中」「社会全体」「無任所」などがあります。
- 「a lot at stake」や「everything at stake」など強調表現も頻繁に使われます。
- 「at risk」と比較すると、「価値あるもの」や「勝負」が関わっているニュアンスがあります。
ニュース記事やビジネス会話などでもよく登場するフレーズなので、この表現をマスターすれば英語力向上につながります。
ぜひ日常会話や正式な場面で活用してみてください!