「be willing to」は英語でよく使われる表現の一つで、日本語ではしばしば「喜んで~する」と訳されることがありますが、実はその本当の意味はもう少し微妙なニュアンスを含んでいます。
この記事では「be willing to」の正確な意味から文法的な使い方、実際の会話での応用まで、例文を交えながら詳しく解説していきます。
「be willing to」の基本的な意味
「be willing to」の基本的な意味は「~する意思がある」「~してもかまわない」「~するのをいとわない」です。
多くの人は「喜んで~する」と理解していますが、実際には必ずしも積極的に何かをしたいという意味ではなく、「もし必要なら」「求められれば」という条件付きで何かをする意思があることを示します。
例文
- I am willing to help you with your homework.
(あなたの宿題を手伝ってもかまいませんよ。) - She is willing to work overtime if necessary.
(必要であれば、彼女は残業してもかまわないと言っています。) - They are willing to negotiate the price.
(彼らは価格交渉に応じる用意があります。)
これらの例文からわかるように、「be willing to」は「やりたい」というよりも、「要請や必要があれば応じる」というニュアンスが強いのです。
「be willing to」の文法と構造
「be willing to」の基本的な文法構造は「主語 + be動詞 + willing + to + 動詞の原形」です。
例文
- I am willing to try new foods.
(新しい食べ物を試してもかまいません。) - He is willing to drive us to the airport.
(彼は私たちを空港まで車で送ってもかまわないと言っています。) - We are willing to consider your proposal.
(あなたの提案を検討する用意があります。)
時制によって be動詞は変化します。
- 現在形:I am willing to help.(手伝う意思があります。)
- 過去形:She was willing to compromise.(彼女は妥協する意思がありました。)
- 未来形:They will be willing to participate next time.(彼らは次回参加する意思があるでしょう。)
- 現在完了形:He has been willing to assist us since day one.(彼は初日から私たちを援助する意思がありました。)

「be willing to」のニュアンスと使い方
「be willing to」には微妙なニュアンスがあり、単に「喜んで~する」と訳すと誤解を招くことがあります。
この表現が持つニュアンスをより詳しく見ていきましょう。
条件付きの意思表示
「be willing to」はしばしば条件付きの意思表示として使われます。
「if(もし~なら)」という条件節を伴うことが多いです。
例文
- I’m willing to help you if you ask nicely.
(あなたが丁寧に頼むなら、手伝ってもいいですよ。) - She’s willing to work on weekends if the pay is good.
(給料がよければ、彼女は週末に働くことも厭わないでしょう。) - If you’re willing to wait until tomorrow, I can give you a better price.
(明日まで待ってもいいなら、もっと良い価格を提示できます。)
消極的な同意や妥協
「be willing to」は時に、あまり気が乗らないけれども応じるという消極的な同意や妥協を表現することがあります。
例文
- After much discussion, he was finally willing to accept our terms.
(長い議論の末、彼はようやく私たちの条件を受け入れる意思を示しました。) - I’m willing to watch that movie even though it’s not my favorite genre.
(お気に入りのジャンルではありませんが、その映画を見てもいいです。) - She was willing to take a pay cut to keep her job.
(彼女は仕事を維持するために給料の削減を受け入れる意思がありました。)
相手を安心させる表現
「be willing to」は、相手が心配していることに対して「それでもいいですよ」と安心させる表現としても使われます。
例文
- Don’t worry, I’m willing to wait for you.
(心配しないで、あなたを待ってもいいですよ。) - He’s willing to teach beginners, so don’t hesitate to join the class.
(彼は初心者を教える意思があるので、遠慮なくクラスに参加してください。) - We’re willing to accommodate your dietary restrictions.
(あなたの食事制限に対応する用意があります。)
「be willing to」と類似表現の違い
「be willing to」と似た表現にはいくつかありますが、それぞれ微妙にニュアンスが異なります。
「be ready to」との違い
「be ready to」は「~する準備ができている」という意味で、より積極的で前向きなニュアンスがあります。
例文
- I am willing to help you move.
(引っ越しを手伝ってもいいですよ。)- 求められれば応じるという意味 - I am ready to help you move.
(引っ越しを手伝う準備ができています。)- より積極的な姿勢
「be eager to」との違い
「be eager to」は「~することを熱望している」「~したくてたまらない」という強い意欲を表します。
例文
- I am willing to learn Spanish.
(スペイン語を学んでもいいです。)- 必要なら学ぶ意思がある - I am eager to learn Spanish.
(スペイン語を学びたくてたまりません。)- 強い意欲がある
「would be happy to」との違い
「would be happy to」は「喜んで~します」という、より積極的で喜びを示す表現です。
例文
- I am willing to drive you to the station.
(駅まで車で送ってもいいですよ。)- 消極的な同意 - I would be happy to drive you to the station.
(喜んで駅まで車で送りますよ。)- より積極的で喜びを表す
「be willing to」を使った会話例
会話例1:仕事の依頼
例文
- A: Can you stay late tonight to finish the project?
(今夜遅くまで残ってプロジェクトを終わらせられますか?) - B: I’m willing to stay for an hour or two, but I have plans later tonight.
(1、2時間なら残ってもいいですが、今夜後ほど予定があります。) - A: That would be great. We just need to finish the presentation slides.
(それは助かります。プレゼンテーションのスライドを仕上げるだけなので。)
会話例2:旅行の計画
例文
- A: Would you consider changing our travel dates to get a cheaper flight?
(もっと安いフライトを利用するために旅行日程を変更することを検討してもらえますか?) - B: I’m willing to travel on weekdays if it saves us money, but I can’t leave before the 15th.
(お金が節約できるなら平日に旅行してもいいですが、15日より前には出発できません。) - A: That works. There’s a good deal on the 16th.
(それなら大丈夫です。16日にお得な便があります。)
「be willing to」使用時の注意点
否定形の使い方
「be willing to」の否定形は「not be willing to」で、「~する意思がない」「~したくない」という意味になります。
例文
- He is not willing to compromise on quality.
(彼は品質に関して妥協する意思がありません。) - I’m not willing to pay more than $50 for this.
(これに50ドル以上払う気はありません。) - They were not willing to accept our terms.
(彼らは私たちの条件を受け入れる意思がありませんでした。)
質問形での使い方
質問形では、相手の意思や許容範囲を尋ねるのに使われます。
例文
- Are you willing to relocate for this job?
(このの仕事のために引っ越す意思はありますか?) - How much are you willing to pay for this service?
(このサービスにいくら払う用意がありますか?) - Would you be willing to help us with this project?
(このプロジェクトを手伝っていただけますか?)
まとめ:「be willing to」の使い方のポイント

「be willing to」は英語で「~する意思がある」「~してもかまわない」という意味を持つ便利な表現です。
この表現の主なポイントをまとめると、
- 基本的な意味は「求められれば~する意思がある」で、必ずしも積極的な意欲を示すわけではありません。
- 文法構造は「主語 + be動詞 + willing + to + 動詞の原形」です。
- 条件付きの同意、消極的な妥協、相手を安心させる表現などに使われます。
- 「be ready to」「be eager to」「would be happy to」など類似表現と比べると、より消極的で条件付きのニュアンスがあります。
- 否定形や質問形でも頻繁に使われ、様々な場面で活用できます。
「be willing to」のニュアンスを理解することで、英語でより正確に自分の意思や態度を表現できるようになります。
単に「喜んで~する」と訳すのではなく、この表現が持つ微妙なニュアンスを把握して、適切に使いこなしましょう。