「become」は英語の動詞であり、主に「〜になる」という意味を持ちます。状態や性質の変化を表す基本的な動詞で、英会話でも頻繁に使われる重要な単語です。日常会話から文学作品まで幅広く登場するため、英語学習の初期段階でマスターしておくと良いでしょう。
この記事では、「become」の意味や使い方、例文などを詳しく解説していきます。
「become」とは?基本的な意味と使い方

「become」は、ある状態から別の状態への変化を表す動詞です。「〜になる」「〜に変わる」という意味で使われ、人や物の状態変化を表現するときに欠かせない表現です。日本語の「なる」に近い意味を持ちますが、使い方には英語特有のルールがあります。
「become」の活用形は以下のようになります。
- 原形:become
- 過去形:became
- 過去分詞:become
- 現在分詞:becoming
「become」は不規則動詞であるため、過去形と過去分詞が規則的な「-ed」の形ではなく、特殊な形になることに注意が必要です。特に過去形は「became」と母音が変化する点を覚えておきましょう。
「become」は主に補語(主語を説明する言葉)を伴って使われます。補語には形容詞や名詞が来ることが多く、「主語 + become + 補語」という基本構造を持ちます。これは「主語が〜になる」という意味を表現します。
「become」の語源と歴史
「become」という単語は古英語の「becuman」に由来しています。この単語は「来る」「到達する」という意味を持っていましたが、時代とともに「ある状態に至る」という現在の意味に発展してきました。英語の長い歴史の中で、意味が少しずつ変化しながら現代まで使われ続けている単語です。
古代英語では具体的な「来る」という物理的な移動を表していましたが、中世英語になると抽象的な状態変化を表す現在の用法が確立されました。長い歴史を持つ単語であるため、英語圏の文学作品や格言など、多くの表現の中で見かけることができます。
「become」の活用と時制
「become」は様々な時制で使われます。現在形、過去形、未来形、現在完了形など、状況に応じて適切な形で活用します。特に注意したいのは過去形と過去分詞の形です。
- 現在形:I become (私はなる)
- 過去形:I became (私はなった)
- 未来形:I will become (私はなるだろう)
- 現在完了形:I have become (私はなってきた)
現在進行形の「becoming」は「〜になりつつある」という途中経過を表現できる便利な形です。例えば「The sky is becoming dark.(空が暗くなりつつある)」のように使います。
このように、変化の過程を表現したいときに役立ちます。
「become」の具体的な使い方と例文
「become」は日常会話でよく使われる表現です。具体的な使い方と例文を見ていきましょう。ここでは初学者にもわかりやすいように、中学校レベルの基本的な例文を紹介します。
例文
- He became a doctor last year.(彼は去年医者になりました)
- This road will become dangerous when it rains.(この道は雨が降ると危険になります)
- She became happy after hearing the good news.(彼女はよい知らせを聞いて幸せになりました)
- It has become cold recently.(最近寒くなってきました)
- The water became ice.(水が氷になりました)
「become」は特に人生の変化や自然現象、感情の変化などを表現するときによく使われます。例えば、職業の変化、天気の変化、気持ちの変化など、様々な場面で活用できます。
状態の変化を表す「become」
「become」は物理的・外見的な状態の変化を表現するときによく使われます。
例文
- The leaves become red in autumn.(葉は秋に赤くなります)
- The streets become crowded during rush hour.(通りは通勤時間中に混雑します)
- My clothes became wet in the rain.(私の服は雨で濡れてしまいました)
- Your face has become pale. Are you OK?(あなたの顔が青白くなっていますが、大丈夫ですか)
状態の変化を表す場合、「become + 形容詞」の形でよく使われます。天気、温度、色、形状など、目に見える変化を表現するのに適しています。
職業や役割の変化を表す「become」
「become」は人の職業や社会的役割の変化を表現するのにも使われます。
例文
- My brother became a teacher three years ago.(私の兄は3年前に教師になりました)
- She wants to become a singer in the future.(彼女は将来歌手になりたいと思っています)
- He became the captain of our soccer team.(彼は私たちのサッカーチームのキャプテンになりました)
- Many students become nervous before exams.(多くの生徒は試験前に緊張します)
職業や役割の変化を表す場合は、「become + 名詞」の形で使われることが多いです。この場合、冠詞(a/an/the)を適切につけることが重要です。
「become」の文法的な特徴と使い方
「become」には文法的に特徴的な使い方があります。ここでは、「become」を使う際の重要な文法ポイントを解説します。
「become」は連結動詞(linking verb)の一種で、主語と補語を結びつける役割を持ちます。補語として形容詞や名詞が来ることが多く、これらは主語の状態や特徴を表します。
例文
- The weather became cold.(天気が寒くなりました)← 補語が形容詞
- My sister became a nurse.(私の姉は看護師になりました)← 補語が名詞
「become」は自動詞であり、目的語を直接取ることはありません。「彼を医者にした」という他動詞的な意味で使いたい場合は、「make」や「turn」などの他の動詞を使う必要があります。
また、「become」の後ろに動詞が続く場合は、通常「to + 動詞の原形(不定詞)」の形になります。
例文
- It has become difficult to find good books.(良い本を見つけるのが難しくなってきました)
「become」と一緒に使われる表現
「become」は特定の前置詞や表現と組み合わせて使われることがあります。
例文
- become of:「〜はどうなったか」
What became of your old bike?(あなたの古い自転車はどうなりましたか) - become aware of:「〜に気づく」
I became aware of the problem yesterday.(私は昨日その問題に気づきました) - become interested in:「〜に興味を持つようになる」
She became interested in music last year.(彼女は去年音楽に興味を持ち始めました) - become used to:「〜に慣れる」
I became used to getting up early.(私は早起きすることに慣れました)
このような定型表現は、日常会話でよく使われるので覚えておくと便利です。これらの表現を使うことで、より自然な英語表現ができるようになります。
「become」の否定形と疑問形
「become」の否定形は、助動詞「do」を使って作ります。ただし、時制によって形が変わります。
例文
- 現在形の否定:do not (don’t) become
Children don’t become adults overnight.(子どもは一晩で大人になるわけではありません) - 過去形の否定:did not (didn’t) become
He didn’t become angry even when I made a mistake.(私がミスをしても彼は怒りませんでした)
疑問形も同様に、助動詞「do」を文頭に置いて作ります。
例文
- 現在形の疑問:Do you become tired after exercise?(運動の後、疲れますか)
- 過去形の疑問:Did she become a doctor?(彼女は医者になりましたか)
be動詞のように主語と動詞を入れ替えるのではなく、必ず助動詞を使うことを覚えておきましょう。
「become」と似た表現の違い
英語には「become」と似た意味を持つ動詞がいくつかあります。ここでは、「become」と類似表現の違いを解説します。
「become」と「get」の違い
「get」も「〜になる」という意味で使われますが、「become」よりもカジュアルな表現です。また、「get」は変化のスピードが比較的速い場合や一時的な変化を表すことが多いです。
例文
- She became famous after the movie.(彼女はその映画の後、有名になりました)← 段階的な変化
- She got angry when I was late.(私が遅れたとき彼女は怒りました)← 急な感情の変化
初学者にとっては、フォーマルな場面では「become」、カジュアルな場面では「get」を使うと覚えておくと良いでしょう。
「become」と「turn」「grow」の違い
「turn」は特に色や外見の変化に使われることが多く、比較的急激な変化を表します。
例文
- The leaves turned yellow in autumn.(葉は秋に黄色くなりました)
「grow」は徐々に成長したり発達したりする場合に使われます。
例文
- The tree grew tall over the years.(その木は年々高くなりました)
これらの動詞はそれぞれニュアンスが異なるため、状況に応じて適切な表現を選ぶことが大切です。
例えば、年齢を重ねて徐々に賢くなる場合は「grow wise」、突然の変化で顔が赤くなる場合は「turn red」というように使い分けます。
「become」のよくある間違いと注意点
英語学習者が「become」を使う際によく間違える点について解説します。これらの注意点を押さえることで、より自然な英語表現ができるようになります。
文法的な間違い
- 前置詞の誤用:「become」の後に直接前置詞をつけない
❌ He became to a doctor.
⭕ He became a doctor. - 動詞の形の誤り:「become」の後に動詞を置く場合は不定詞を使う
❌ She became study English hard.
⭕ She became eager to study English hard. - 過去形の間違い:不規則動詞であることを忘れない
❌ He becomed a teacher.
⭕ He became a teacher. - 冠詞の省略:名詞の前の冠詞を忘れない
❌ She became doctor.
⭕ She became a doctor.
これらの間違いは、日本語と英語の構造の違いから生じることが多いです。特に、日本語には冠詞がないため、「a/an/the」の使い方に注意が必要です。
意味の混同
- 「make」との混同:「become」は自分自身の変化、「make」は他者を変化させる
❌ This experience became me strong.
⭕ This experience made me strong.
⭕ I became strong through this experience. - 「be」との混同:「become」は変化、「be」は状態を表す
❌ I become a student now.(今、学生になりつつある意味になる)
⭕ I am a student now.(今、学生である) - 「become of」の誤用:「〜はどうなったか」という意味であることを忘れない
❌ What became your plan?
⭕ What became of your plan?
これらの混同を避けるには、それぞれの単語の基本的な意味と用法をしっかり理解することが大切です。特に「become」は「変化」を表す動詞であることを念頭に置いて使いましょう。
「become」の実用的な例文表現集
日常生活で使える「become」の実用的な例文を紹介します。これらの例文を参考に、実際の会話で「become」を使ってみましょう。
例文
- The sky became dark before the storm.(嵐の前に空が暗くなりました)
- I became interested in English when I was ten.(10歳の時に英語に興味を持ち始めました)
- This book has become very popular among teenagers.(この本は10代の若者の間でとても人気になりました)
- Our friendship became stronger after that trip.(あの旅行の後、私たちの友情はより強くなりました)
- It will become easier if you practice every day.(毎日練習すれば、もっと簡単になるでしょう)
- My grandfather became weak after his illness.(祖父は病気の後、弱くなりました)
- The problem became clear when we discussed it.(私たちがそれについて話し合った時、問題が明らかになりました)
- She became the youngest winner of the contest.(彼女はそのコンテストの最年少優勝者になりました)
これらの例文は日常的な場面で使えるものばかりです。「become」を使って、状態や感情の変化、成長などを表現できることがわかります。
「become」に関する問題
ここでは「become」の使い方を確認するための問題を10問用意しました。自分の理解度をチェックしてみましょう。
- My brother ( ) a doctor three years ago.
- The weather ( ) colder in winter.
- What ( ) of your old bicycle?
- She wants to ( ) a teacher in the future.
- The sky ( ) dark. I think it will rain soon.
- After studying hard, I ( ) able to speak English better.
- The water ( ) ice when the temperature drops below zero.
- My mother ( ) angry when I broke her favorite cup.
- This town has ( ) famous for its beautiful flowers.
- When did you ( ) interested in music?
これらの問題は「become」の基本的な使い方を確認するものです。時制や形態に注意して、適切な形を選ぶことが重要です。
特に過去形が「became」になることや、疑問文での使い方に注意しましょう。
「become」に関する表現の比較表
以下の表は「become」と類似表現の比較をまとめたものです。それぞれの表現の特徴を理解して、適切に使い分けられるようにしましょう。
動詞 | 基本的な意味 | 特徴 | 例文 |
---|---|---|---|
become | 〜になる | 段階的な変化、比較的フォーマル | He became a doctor.(彼は医者になりました) |
get | 〜になる | カジュアル、急な変化に使いやすい | She got angry.(彼女は怒りました) |
turn | 〜に変わる | 色や外見の変化によく使う | His hair turned gray.(彼の髪は灰色になりました) |
grow | 〜になっていく | 徐々に成長・発展する変化に使う | The children grew tall.(子どもたちは背が高くなりました) |
この表からわかるように、似たような意味を持つ動詞でも、使われる状況やニュアンスが異なります。英語を学ぶ際には、これらの違いを理解して適切に使い分けることが大切です。
「become」に関するよくある質問
ここでは、「become」に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
- 「become」と「be」の違いは何ですか?
-
「become」は状態の変化を表す動詞で「〜になる」という意味を持ちますが、「be」は単に「〜である」という状態を表します。「become」は変化のプロセスに焦点を当てますが、「be」は現在の状態を表現します。
- He is a doctor.(彼は医者です)← 現在の状態
- He became a doctor.(彼は医者になりました)← 変化を表現
- 「become」の発音のコツはありますか?
-
「become」の発音は「ビカム」に近いです。最初の「be-」は弱く発音し、アクセントは「-come」の部分に置きます。「-come」の「o」は短く発音します。正しい発音を身につけるには、ネイティブスピーカーの発音を聞いて練習するのが効果的です。
- 「become」は前置詞とともに使うことがありますか?
-
「become」自体は前置詞を直接取りませんが、「become of」「become aware of」「become interested in」など、特定の表現の中では前置詞とともに使われることがあります。これらは慣用表現として覚えておくと便利です。
- 「become」の否定形はどのように作りますか?
-
「become」の否定形は助動詞「do」を使って作ります。例えば、「He does not become angry easily.(彼はめったに怒りません)」のように表現します。過去形の場合は「did not become」となります。
- 「become」を使った慣用表現はありますか?
-
よく使われる慣用表現としては以下のようなものがあります。
- What has become of…?(〜はどうなりましたか)
- become a thing of the past(過去のものになる)
- become oneself again(元の自分に戻る)
- become accustomed to(〜に慣れる)
まとめ

この記事では、英語の基本動詞「become」について詳しく解説しました。「become」は「〜になる」という意味を持ち、状態や性質の変化を表現する重要な動詞です。
様々な場面で使われる基本的な表現なので、英語学習の早い段階でマスターしておくと良いでしょう。「become」の主なポイントをまとめると、
- 「become」は「〜になる」という状態や性質の変化を表す動詞である
- 不規則動詞で、過去形は「became」、過去分詞は「become」となる
- 「become + 形容詞/名詞」の形で使われることが多い
- 「become」は連結動詞であり、主語と補語をつなぐ役割を持つ
- 「get」「turn」「grow」など類似表現と使い分けることが重要である
- 「become of」「become interested in」など特定の表現として使われることもある
- 否定形・疑問形は助動詞「do」を使って作る
「become」は日常会話でも頻繁に使われる基本的な動詞です。この記事で紹介した例文や表現を参考に、実際の会話の中で積極的に使ってみてください。使いこなせるようになれば、英語での表現の幅が広がるでしょう。
英語学習の中で、「become」のような基本動詞をしっかりと理解することは、英語力向上の大きな一歩となります。