「beg」は英語の動詞で、「懇願する」「請い求める」「頼む」などの意味を持ちます。通常の「ask(尋ねる・頼む)」よりも切実さや緊急性を含む表現で、何かを強く求める場面で使われます。
この記事では、英語初学者向けに「beg」の基本的な意味から実践的な使い方まで、例文を交えて分かりやすく解説していきます。
begとは?基本的な意味と使い方

「beg」は何かを切実に求めたり、熱心にお願いしたりする時に使う動詞です。日本語では「懇願する」「請い求める」「頼む」「せがむ」などの意味に相当します。「ask」が普通にお願いするニュアンスなのに対し、「beg」はより切実さや緊急性を含み、時に謙虚な姿勢でお願いする場合に使います。
「beg」の活用形は以下のとおりです。
- 原形:beg
- 三人称単数現在形:begs
- 過去形:begged
- 過去分詞形:begged
- 現在分詞形:begging
「beg」の基本的な文型としては、以下のパターンがあります。
- beg for + 名詞(~を懇願する)
He begged for food.(彼は食べ物を請い求めました。) - beg + 人 + to do(人に~するよう懇願する)
I begged my mother to let me go.(私は母に行かせてくれるよう懇願しました。) - beg + 人 + for + 名詞(人に~を懇願する)
She begged her father for money.(彼女は父親にお金を懇願しました。)
begの具体的な使い方と例文
「beg」はさまざまな状況で使うことができます。ここでは、具体的な使い方を例文とともに紹介します。
何かを懇願する場合
何かを強く求める場合は、「beg for + 名詞」の形を使います。
例文
- The dog begged for food.(犬は食べ物をねだりました。)
- The children begged for candy.(子どもたちはお菓子をねだりました。)
- He begged for help when he was in trouble.(彼は困っているときに助けを求めました。)
人に何かをするよう懇願する場合
誰かに何かをするよう強く頼む場合は、「beg + 人 + to do」の形を使います。
例文
- I begged him to stay with me.(私は彼に一緒にいてほしいと懇願しました。)
- She begged her parents to buy a new toy.(彼女は両親に新しいおもちゃを買ってほしいと懇願しました。)
- We begged the teacher not to give us homework.(私たちは先生に宿題を出さないでほしいと頼みました。)
許しや慈悲を請う場面
許しや慈悲を請う場合も「beg」がよく使われます。
例文
- He begged for forgiveness.(彼は許しを請いました。)
- The prisoner begged for mercy.(囚人は慈悲を求めました。)
- She begged her friend to forgive her.(彼女は友達に許してほしいと懇願しました。)
begを使った重要表現と熟語
「beg」を含むいくつかの重要な表現や熟語があります。日常会話でよく使われるものを紹介します。
「I beg your pardon」
「I beg your pardon」は非常によく使われる表現で、主に2つの意味があります。
例文
- 謝罪の表現として:「申し訳ありません」「失礼しました」
I beg your pardon for interrupting you.(お邪魔して申し訳ありません。) - 聞き返す表現として:「もう一度言っていただけますか?」「何とおっしゃいましたか?」
I beg your pardon, I didn’t hear what you said.(すみません、何とおっしゃいましたか?)
また、驚きや不快感を表す場合にも使われることがあります。
例文
- I beg your pardon! That’s not true.(何ですって!それは事実ではありません。)
「beg to differ」
「beg to differ」は「異議を唱える」「意見が違う」という意味の丁寧な表現です。相手の意見に反対するときに使います。
例文
- I beg to differ with your opinion.(あなたの意見には異議があります。)
「beg the question」
「beg the question」は「疑問を投げかける」「問題を提起する」という意味で使われます。
例文
- This begs the question of who will be responsible.(これは誰が責任を取るべきかという疑問を投げかけます。)
begの応用的な使い方と例文
ここでは、「beg」をさまざまな状況で使った応用例文を紹介します。
例文
- The homeless man was begging on the street.(ホームレスの男性は通りで物乞いをしていました。)
- She begged with tears in her eyes.(彼女は涙を浮かべて懇願しました。)
- Please, I beg you to listen to me.(どうか、私の話を聞いてください。)
- The children begged their father to take them to the park.(子どもたちは公園に連れて行ってほしいと父親に懇願しました。)
- We are begging for your support in this difficult time.(この困難な時期にあなたの支援をお願いします。)
begの形式別用法一覧
「beg」の様々な形式とその用法を表にまとめました。
形式 | 用法 | 例文 |
---|---|---|
beg for + 名詞 | 何かを懇願する | She begged for help.(彼女は助けを求めました。) |
beg + 人 + to do | 人に~するよう懇願する | I begged him to wait.(私は彼に待つよう懇願しました。) |
beg + 人 + for + 名詞 | 人に~を懇願する | He begged his friend for money.(彼は友達にお金を懇願しました。) |
beg + 人 + not to do | 人に~しないよう懇願する | We begged her not to go.(私たちは彼女に行かないでほしいと懇願しました。) |
be begging | 懇願している状態 | The dog was begging for food.(犬は食べ物をねだっていました。) |
begのよくある間違いと注意点
「beg」を使う際によく見られる間違いや注意点を解説します。
「bag」との混同
「beg(懇願する)」と「bag(バッグ、袋)」は発音が似ているため、混同されることがあります。「beg」は動詞で何かを懇願する意味ですが、「bag」は主に名詞として使われ、時に「袋に入れる」という動詞の意味もあります。
誤:He bagged for food.(彼は食べ物を袋に入れました。)
正:He begged for food.(彼は食べ物を懇願しました。)
「beg」と「ask」の使い分け
「beg」と「ask」はどちらも「お願いする」という意味がありますが、ニュアンスが異なります。「ask」は単に質問したり、依頼したりする一般的な言葉です。一方、「beg」は切実さや緊急性を含み、より強く懇願する場合に使います。
例文
- I asked him for a pen.(私は彼にペンを借りました。)- 普通に頼む場合
- I begged him for help.(私は彼に助けを懇願しました。)- 切実に頼む場合
前置詞の使い方に注意
「beg」を使う際の前置詞の使い方に注意が必要です。
- 「beg for + 名詞」:何かを懇願する
例:She begged for mercy.(彼女は慈悲を求めました。) - 「beg + 人 + for + 名詞」:人に何かを懇願する
例:He begged his parents for money.(彼は両親にお金を懇願しました。) - 「beg + 人 + to do」:人に何かをするよう懇願する
例:We begged them to stay.(私たちは彼らに残るよう懇願しました。)
フォーマルな場面での使用
「beg」は状況によってはやや切迫した印象を与えることがあります。ビジネスなどのフォーマルな場面では、「I would kindly request…」「I would appreciate if…」などの表現の方が適切な場合もあります。
ただし、「I beg your pardon」「I beg to differ」などの定型表現はフォーマルな場面でも問題なく使えます。
begの場面別実用表現
「beg」を使った場面別の実用的な表現を紹介します。
日常会話で使える表現
例文
- I beg you to keep this a secret.(これを秘密にしておいてくださいとお願いします。)
- Please don’t go, I beg you.(どうか行かないでください、お願いします。)
- The children begged for one more story before bed.(子どもたちは寝る前にもう一つお話をしてほしいとせがみました。)
謝罪の場面での表現
例文
- I beg your forgiveness for my mistake.(私の間違いをどうか許してください。)
- She begged him to forgive her for lying.(彼女は嘘をついたことを許してほしいと彼に懇願しました。)
助けを求める場面での表現
例文
- We are begging for your help in this difficult situation.(この困難な状況であなたの助けを求めています。)
- He begged the doctor to save his wife’s life.(彼は医師に妻の命を救ってほしいと懇願しました。)
反対意見を述べる場面での表現
例文
- I beg to differ with your assessment of the situation.(状況に対するあなたの評価には異議があります。)
- With all due respect, I beg to disagree.(敬意を表しつつも、私は異議を唱えたいと思います。)
begに関する問題
英語学習の理解度をチェックするために、「beg」に関する問題を解いてみましょう。以下の10問にチャレンジしてください。
- 「I _ you to help me with my homework.」の空欄に入る適切な単語は?
a) beg
b) bag
c) bug
d) big - 「He _ for mercy when he was caught.」の空欄に入る適切な単語は?
a) begged
b) begs
c) begging
d) to beg - 次の文の日本語訳として正しいものはどれですか?
「The dog begged for food.」
a) 犬は食べ物を探しました。
b) 犬は食べ物をねだりました。
c) 犬は食べ物を運びました。
d) 犬は食べ物を隠しました。 - 「beg」の現在分詞形は?
a) beged
b) beging
c) begging
d) beggen - 次の和文を英訳するとき、適切なものはどれですか?
「彼女は両親に新しい自転車を買ってほしいと懇願しました。」
a) She begged her parents buying a new bicycle.
b) She begged her parents to buy a new bicycle.
c) She begged to her parents for buying a new bicycle.
d) She begged for her parents to buying a new bicycle. - 「I beg your pardon」の意味として適切でないものはどれですか?
a) 申し訳ありません。
b) もう一度言っていただけますか?
c) あなたを許します。
d) 失礼しました。 - 次の文の意味として正しいものはどれですか?
「He begged to differ with her opinion.」
a) 彼は彼女の意見に同意しました。
b) 彼は彼女の意見に異議を唱えました。
c) 彼は彼女に意見を求めました。
d) 彼は彼女に意見の違いを説明しました。 - 「The children were _ for candy.」の空欄に入る適切な単語は?
a) beging
b) begged
c) begs
d) begging - 次の文の日本語訳として正しいものはどれですか?
「I beg to differ.」
a) 私は異議があります。
b) 私は違いを見つけました。
c) 私は違いを求めます。
d) 私は違いに気づきました。 - 「beg」の過去形は?
a) beged
b) bag
c) begged
d) beggen
「beg」に関するよくある質問
「beg」に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
- 「beg」と「ask」の違いは何ですか?
-
「beg」と「ask」はどちらも「頼む」という意味を持ちますが、ニュアンスが異なります。「ask」は単に質問したり、依頼したりする一般的な言葉で、特別な感情を含みません。一方、「beg」はより切実さや緊急性を含み、強く懇願する場合に使います。「ask」が普通のお願いなら、「beg」は切実に頼み込むイメージです。
- 「I beg your pardon」はどのような状況で使いますか?
-
「I beg your pardon」には主に3つの使い方があります。一つは謝罪の表現として「申し訳ありません」「失礼しました」という意味で使います。二つ目は、相手の言ったことが聞き取れなかった時に「もう一度言っていただけますか?」という意味で使います。三つ目は、驚きや不快感を表す時に「何ですって!」というニュアンスで使うことがあります。
- 「beg to differ」とはどういう意味ですか?
-
「beg to differ」は「異議を唱える」「意見が違う」という意味の丁寧な表現です。相手の意見に礼儀正しく反対の意思を示す時に使います。例えば「I beg to differ with your assessment(あなたの評価には異議があります)」のように使います。
- 「beg」を使った他の表現はありますか?
-
「beg」を使った表現はいくつかあります。例えば、
- 「beg the question」:疑問を投げかける
- 「beg for mercy」:慈悲を求める
- 「go begging」:利用されずに残る、望まれない
- 「beg off」:(約束などを)断る、辞退する
- 「beg」はフォーマルな場面でも使えますか?
-
「beg」は丁寧な表現として使うことができますが、使い方によってはやや切迫した印象を与えることもあります。ビジネスなどのフォーマルな場面では、「I would kindly request…」「I would appreciate if…」などの表現が好まれることも多いです。ただし、「I beg your pardon」「I beg to differ」などの定型表現はフォーマルな場面でも適切に使うことができます。
まとめ

この記事では、英語の「beg」の意味と使い方について詳しく解説しました。「beg」は「懇願する」「請い求める」「頼む」などの意味を持つ動詞で、通常の「ask」よりも切実さや緊急性を含むニュアンスがあります。
ここで学んだポイントをまとめましょう。
- 「beg」は「懇願する」「請い求める」「頼む」などの意味を持つ動詞です
- 基本的な文型として「beg for + 名詞」「beg + 人 + to do」などがあります
- 重要な表現として「I beg your pardon」「beg to differ」「beg the question」などがあります
- 「beg」と「bag」の混同に注意しましょう
- 「beg」は「ask」よりも切実さや緊急性を含む表現です
- 状況によって適切な前置詞を使い分けることが重要です
- フォーマルな場面では、表現に注意が必要な場合があります
英語学習において、ニュアンスの違いを理解することは非常に重要です。「beg」のような単語は、ただ意味を覚えるだけでなく、実際の使い方や文脈を理解することで、より自然な英語表現ができるようになります。この記事がみなさんの英語学習の助けになれば幸いです。