「between」と「among」はどちらも「〜の間」という意味を持つ英語の前置詞ですが、使い方には明確な違いがあります。基本的に「between」は2つのものの間、「among」は3つ以上のものの間で使われることが多いですが、実際の使い分けはそれほど単純ではありません。
この記事では、「between」と「among」の違いと正しい使い方を詳しく解説し、初学者でも理解しやすい例文をたくさん紹介します。英語の前置詞は難しいと感じるかもしれませんが、この記事を参考に、自信を持って使い分けられるようになりましょう。
betweenとamongの基本的な違い

「between」と「among」はどちらも「〜の間」という意味を持つ前置詞ですが、使われる状況やニュアンスに違いがあります。
「between」は主に2つのものの間の関係を表すときに使われます。2つの物や人、場所などの間の位置や関係を示す場合に適しています。また、それぞれが明確に区別できる個別のものの間での関係を表現する際にも使われます。
一方、「among」は主に3つ以上のものの間、特にグループや集合の中での関係を表すときに使われます。個々の要素が明確に区別されていない集団の中での関係や位置を示す場合に適しています。
例えば、「The ball is between the two chairs」(ボールは2つの椅子の間にあります)では、2つの椅子という明確に区別された物の間の位置を表すために「between」を使います。対して、「The teacher walked among the students」(先生は生徒たちの間を歩き回りました)では、複数の生徒からなるグループの中での動きを表すために「among」を使います。
この「2つか3つ以上か」というルールは基本ですが、実際の使い方にはさまざまな例外や特別なケースがあります。以下で、それぞれの使い方について詳しく見ていきましょう。
betweenの使い方と例文
「between」は基本的に2つのものの間の関係を表しますが、さまざまな状況で使われます。ここでは、状況別に用法と例文を紹介します。
2つのものの間を表す基本的な使い方
「between」の最も基本的な使い方は、2つのものの間の空間的な位置や関係を表すことです。
例文
- The ball is between the two chairs.(ボールは2つの椅子の間にあります。)
- I sat between my mother and father.(私は母と父の間に座りました。)
- There is a small river between our house and the school.(私たちの家と学校の間には小さな川があります。)
場所や位置関係を表す使い方
「between」は地理的な位置関係を表すときにも使われます。
例文
- Japan is between China and the Pacific Ocean.(日本は中国と太平洋の間にあります。)
- The secret document is hidden between the pages of this book.(秘密の書類はこの本のページの間に隠されています。)
- There is a beautiful park between the library and the station.(図書館と駅の間には美しい公園があります。)
時間の範囲を表す使い方
「between」は時間の範囲を示すときにも使われます。
例文
- The meeting will be held between 2:00 and 4:00.(会議は2時から4時の間に行われます。)
- I usually do my homework between dinner and bedtime.(私は通常、夕食と就寝時間の間に宿題をします。)
- The museum is open between Monday and Friday.(博物館は月曜日から金曜日の間開いています。)
選択や比較を表す使い方
「between」は選択肢の間での選択や比較を表すときにも使われます。
例文
- I couldn’t choose between the red shirt and the blue shirt.(赤いシャツと青いシャツのどちらを選ぶか決められませんでした。)
- What is the difference between a cat and a dog?(猫と犬の違いは何ですか。)
- You must choose between studying hard and failing the test.(一生懸命勉強するかテストに失敗するか、どちらかを選ばなければなりません。)
その他のbetweenの特別な使い方
「between」には他にも特別な使い方があります。
例文
- There is a good relationship between our two countries.(私たちの2つの国の間には良い関係があります。)
- Let’s keep this secret between you and me.(この秘密は君と私の間だけにしておこう。)
- The work was divided between the four students.(その仕事は4人の学生の間で分けられました。)
最後の例文のように、「between」は3つ以上のものの間でも、それぞれが個別に扱われる場合には使われることがあります。これは一般的な「2つのもの」というルールの例外です。
amongの使い方と例文
「among」は主に3つ以上のものの間、特にグループや集合の中での関係を表すときに使われます。ここでは、状況別に用法と例文を紹介します。
3つ以上のグループ内での関係を表す基本的な使い方
「among」の最も基本的な使い方は、3つ以上のものからなるグループ内での関係や位置を表すことです。
例文
- The teacher walked among the students.(先生は生徒たちの間を歩きました。)
- The lost key must be somewhere among these things.(なくした鍵はこれらのものの中のどこかにあるはずです。)
- There were many famous actors among the guests.(ゲストの中には多くの有名な俳優がいました。)
「〜の中の一つ」を表す使い方
「among」はグループの中の一部や一員であることを示すときにも使われます。
例文
- English is among the most widely spoken languages in the world.(英語は世界で最も広く話されている言語の一つです。)
- My brother is among the best players in his soccer team.(私の兄は彼のサッカーチームの中で最も優れた選手の一人です。)
- This book is among my favorites.(この本は私のお気に入りの一つです。)
分配や分担を表す使い方
「among」はグループ内での分配や分担を表すときにも使われます。
例文
- The teacher divided the snacks among all the students.(先生は全生徒の間でおやつを分けました。)
- We shared the work among five people.(私たちは5人の間で仕事を分担しました。)
- The money was distributed among the members of the club.(お金はクラブのメンバーの間で分配されました。)
その他のamongの特別な使い方
「among」には他にも特別な使い方があります。
例文
- There is a debate among scientists about this theory.(この理論について科学者の間で議論があります。)
- Among other things, we need to buy bread and milk.(とりわけ、私たちはパンと牛乳を買う必要があります。)
- She felt comfortable among her friends.(彼女は友達の中にいると快適に感じました。)
「among other things」(とりわけ、特に)のような慣用表現もあります。
betweenとamongの例外的な使い方
一般的なルールでは「between」は2つのもの、「among」は3つ以上のものに使うとされていますが、実際にはさまざまな例外があります。
3つ以上でもbetweenを使うケース
個々の要素が明確に区別されている場合、3つ以上のものであっても「between」が使われることがあります。
例文
- The peace treaty was signed between Japan, America, and Russia.(平和条約は日本、アメリカ、ロシアの間で締結されました。)
- We need to choose between apples, oranges, and bananas.(りんご、オレンジ、バナナの中から選ぶ必要があります。)
- There is a clear difference between English, French, and German.(英語、フランス語、ドイツ語の間には明確な違いがあります。)
これらの例では、それぞれの国や言語、果物が個別の存在として明確に区別されているため、「between」が使われています。
グループでもamongでなくbetweenを使うケース
一方、グループでも、二項対立的な関係(二つのグループ間)を表す場合には「between」が使われます。
例文
- There is a big difference between Japanese students and American students.(日本の学生とアメリカの学生の間には大きな違いがあります。)
- The war between the two countries lasted for ten years.(両国間の戦争は10年続きました。)
- Let’s divide the work between our team and your team.(私たちのチームとあなたたちのチームの間で仕事を分けましょう。)
これらの例では、複数の人からなるグループであっても、2つのグループ間の関係を表すために「between」が使われています。
「between」と「among」の類似表現との違い
「between」と「among」以外にも、「〜の間」という意味を持つ表現がいくつかあります。ここでは、それらとの違いを説明します。
in the middle ofとの違い
「in the middle of」は「〜の真ん中に」という意味です。「between」が2つのものの間を表すのに対し、「in the middle of」は何かの中心や真ん中を指します。
例文
- There is a table in the middle of the room.(部屋の真ん中にテーブルがあります。)
- The island is located in the middle of the lake.(その島は湖の真ん中に位置しています。)
- He stood in the middle of the crowd.(彼は群衆の真ん中に立っていました。)
amidst/amidとの違い
「amidst」または「amid」は「〜の真っただ中に」という意味で、周囲に何かが取り囲んでいる状態を表します。「among」よりも「囲まれている」というニュアンスが強いです。
例文
- The house stands amidst beautiful trees.(その家は美しい木々に囲まれて建っています。)
- We found peace amid the chaos.(私たちは混沌の中に平和を見出しました。)
- She lived amidst the mountains all her life.(彼女は一生を山々の中で暮らしました。)
「amidst/amid」は文学的な表現で、日常会話よりも書き言葉で使われることが多いです。
withinとの違い
「within」は「〜の内部に」「〜の範囲内で」という意味です。「between」や「among」が位置関係を表すのに対し、「within」は境界や範囲の内側にあることを強調します。
例文
- The concert will start within an hour.(コンサートは1時間以内に始まります。)
- Please stay within the park boundaries.(公園の境界内にとどまってください。)
- The answer can be found within this book.(答えはこの本の中に見つけることができます。)
「between」と「among」の使い分け練習問題
ここでは、「between」と「among」の使い分けを練習するための問題を20問用意しました。適切な前置詞(between または among)を選んで文を完成させてください。
- The small town is located ______ two mountains.
- There are many smart students ______ my classmates.
- She couldn’t decide ______ the red dress and the blue one.
- The money was divided equally ______ all the club members.
- Let’s keep this secret ______ ourselves.
- The difference ______ Japanese and English is very big.
- The teacher walked ______ the desks to check students’ work.
- I have to choose ______ three different colleges.
- The relationship ______ those countries has improved.
- He found his lost key ______ the papers on his desk.
- The meeting will be held ______ 2 PM and 4 PM.
- She is very popular ______ her friends.
- The treaty was signed ______ Japan, America, and China.
- My birthday is ______ May and July.
- The prize was shared ______ the five winners.
- There was a heated discussion ______ the two professors.
- ______ other things, we need to buy some milk.
- The differences ______ these three languages are interesting.
- He sat ______ his brother and sister.
- The village is hidden ______ the mountains.
「between」と「among」に関するよくある質問
ここでは、「between」と「among」に関してよく寄せられる質問に答えます。
- 「between」は常に2つのものにしか使えないのですか?
-
いいえ、「between」は基本的には2つのものの間で使われますが、3つ以上のものであっても、それぞれが個別に区別できる場合には使われることがあります。例えば、「We need to choose between apples, oranges, and bananas.」(私たちはりんご、オレンジ、バナナの中から選ぶ必要があります。)のように使います。
- 「among」と「amongst」の違いは何ですか?
-
「among」と「amongst」は意味的には同じです。「amongst」はより古風で、主にイギリス英語で使われる傾向がありますが、現代では「among」の方が一般的です。アメリカ英語では「among」がほとんど使われます。
- 「between you and I」と言うのは正しいですか?
-
いいえ、文法的には「between you and me」が正しいです。「between」は前置詞なので、その後には目的格(me, him, her, us, them)が来るべきです。しかし、口語では「between you and I」という表現も時々聞かれます。
- 「between each」という表現は正しいですか?
-
いいえ、「between each」は文法的に正しくありません。「between」は2つ以上のものの間の関係を表すので、単数形の「each」とは組み合わせることができません。代わりに「between all of them」や「between each pair」などと言います。
- 「between」と「among」以外に「〜の間」を表す表現はありますか?
-
はい、いくつかあります。「in the middle of」(〜の真ん中に)、「amid/amidst」(〜の真っただ中に)、「within」(〜の内部に)などが「〜の間」に近い意味を持ちます。それぞれニュアンスが異なりますので、状況に応じて使い分けるとよいでしょう。
まとめ

この記事では、「between」と「among」の意味の違いと使い分けについて詳しく解説しました。ポイントをまとめると以下のようになります。
- 「between」は主に2つのものの間の関係を表す。
- 「among」は主に3つ以上のもの、特にグループや集合の中での関係を表す。
- 「between」は明確に区別できる個別のものの間で使う傾向がある。
- 「among」はグループ内での関係や位置を表すことが多い。
- 3つ以上のものでも、それぞれが個別に区別される場合には「between」が使われることがある。
- 時間や範囲、選択肢を表す場合には一般的に「between」を使う。
- グループ内での分配や「〜の中の一つ」を表す場合には「among」が適している。
- 「amidst/amid」や「in the middle of」、「within」など、類似した表現もあり、状況に応じて使い分ける。
初学者にとって「between」と「among」の違いは紛らわしいかもしれませんが、基本的なルールと例外を理解し、多くの例文に触れることで、徐々に自然な使い分けができるようになるでしょう。この記事で紹介した練習問題も、理解度をチェックするのに役立てていただければ幸いです。