「Blow hot and cold」という英語表現を聞いたことがありますか?字面だけ見ると「熱く吹いたり冷たく吹いたりする」という意味ですが、実際にはもっと興味深い意味を持っています。
この記事では、この表現の意味や使い方、由来などを初心者にも分かりやすく解説します。簡単な例文も交えながら、この便利な英語表現をマスターしましょう。
「Blow hot and cold」の基本的な意味

「Blow hot and cold」は「気持ちや意見をコロコロ変える」「優柔不断である」「一貫性がない」という意味の英語表現です。ある時は賛成、ある時は反対というように、立場や考えが頻繁に変わる様子を表しています。日本語では「気まぐれである」「浮き沈みが激しい」といった表現が近いでしょう。
日常会話でよく使われる表現で、特に人の態度や決断が安定せず、変わりやすい状況を描写する時に役立ちます。例えば、友人が新しい趣味について今日は熱心に語るのに、明日には全く興味を示さないような場合に使えます。
基本的な例文
例文
- My friend blows hot and cold about his new hobby.(友達は新しい趣味に対して気分がコロコロ変わります。)
- She blows hot and cold about going to the party.(彼女はパーティーに行くことについて気持ちがコロコロ変わります。)
- Tom blows hot and cold about his school work.(トムは学校の勉強に対して熱心だったり無関心だったりします。)
「Blow hot and cold」の由来
この表現の面白いところは、その由来にあります。「Blow hot and cold」はイソップ寓話の『人間と森の神サテュロス』に基づいています。
この寓話では、寒い冬の日に人間が自分の冷たい手を温めるために息を吹きかけていました。その後、その同じ人間が熱い食べ物を冷ますためにも息を吹きかけました。これを見た森の神サテュロスは「同じ口から熱い息も冷たい息も出せる人間は信用できない」と言って、人間との付き合いをやめてしまいました。
この寓話から、「同じことに対して態度をコロコロ変える人」を描写する表現として「Blow hot and cold」が生まれたのです。
由来に関連した例文
例文
- In the story, the forest god did not like people who blow hot and cold.(その物語では、森の神は気まぐれな人間が好きではありませんでした。)
- Just like in Aesop’s fable, many people do not trust those who blow hot and cold.(イソップ童話のように、多くの人は優柔不断な人を信用しません。)
「Blow hot and cold」の様々な表現形式
この表現には複数のバリエーションがあります。状況や好みによって異なる形で使うことができます。
「blow hot and cold」の基本形
最も一般的な形は「blow hot and cold」です。これは通常、aboutやoverなどの前置詞と共に使われ、「〜について気まぐれである」という意味を表します。
例文
- He always blows hot and cold about his future plans.(彼はいつも将来の計画について気持ちがコロコロ変わります。)
- The team blows hot and cold over the new project.(そのチームは新しいプロジェクトについて一貫性がありません。)
「be hot and cold」の形
「be動詞 + hot and cold」の形でも使われます。この場合は、主に人の性格や態度の特徴として表現します。
例文
- My sister is hot and cold with her friends.(私の姉は友達に対して態度がコロコロ変わります。)
- You are hot and cold about your study.(あなたは勉強に対して熱心だったり無関心だったりします。)
「run hot and cold」の形
「run hot and cold」という形も一般的です。これは「気分や感情が上下する」というニュアンスが強い表現です。
例文
- His feelings for her run hot and cold.(彼の彼女に対する気持ちは浮き沈みが激しいです。)
- The weather runs hot and cold in spring.(春の天気は暑かったり寒かったりと変わりやすいです。)
日常会話での「Blow hot and cold」の使い方
この表現は日常会話やビジネスの場でどのように使われるのでしょうか。いくつかの具体的な状況を見てみましょう。
友人関係での使用例
友人の態度や気分が変わりやすい場合、この表現が役立ちます。
例文
- My friend Kenta blows hot and cold about playing soccer.(友達のケンタはサッカーをすることに対して気分がコロコロ変わります。)
- I never know what to expect because she blows hot and cold.(彼女は気まぐれなので、何を期待していいか分かりません。)
学校生活での使用例
勉強や部活動に対する態度が変わりやすい場面でも使えます。
例文
- Many students blow hot and cold about English study.(多くの生徒は英語の勉強に対して熱心だったり無関心だったりします。)
- Our teacher says we should not blow hot and cold about our goals.(先生は目標に対して優柔不断になるべきではないと言っています。)
ビジネスシーンでの使用例
ビジネスの文脈でも、態度や決断が一貫しない状況を描写するのに使われます。
例文
- The client blows hot and cold about the new design.(クライアントは新しいデザインについて意見がコロコロ変わります。)
- Our manager often blows hot and cold about deadlines.(マネージャーはよく締め切りについて態度がコロコロ変わります。)
「Blow hot and cold」の類似表現
「Blow hot and cold」と似た意味を持つ他の英語表現もいくつかあります。これらを知っておくと、表現の幅が広がります。
「Change one’s mind」(考えを変える)
これは単純に「考えを変える」という意味ですが、頻繁に変える場合には「keep changing one’s mind」と表現することで「Blow hot and cold」に近い意味になります。
例文
- He keeps changing his mind about what to eat.(彼は何を食べるか考えをコロコロ変えます。)
「Be wishy-washy」(優柔不断である)
これも「決断力がなく、意見がはっきりしない」という意味で使われます。
例文
- Don’t be so wishy-washy about your choice.(あなたの選択についてそんなに優柔不断にならないで。)
「Flip-flop」(意見をころころ変える)
特に意見や立場が180度変わるような場合に使われます。
例文
- The politician flip-flops on important issues.(その政治家は重要な問題について立場をコロコロ変えます。)
「Blow hot and cold」に関するよくある質問
- 「Blow hot and cold」は否定的な意味ですか?
-
基本的にはやや否定的なニュアンスを持つ表現です。一貫性がない、決断力がない、信頼性に欠けるという含みがあるためです。ただ、文脈によっては単に「気分の浮き沈みが激しい」という中立的な描写として使われることもあります。
- 日本語で「Blow hot and cold」に最も近い表現は何ですか?
-
「気分屋」「優柔不断」「浮き沈みが激しい」「気持ちがコロコロ変わる」などが近い表現でしょう。状況によって最適な訳し方は変わります。
- 「Blow hot and cold」を丁寧な表現で言い換えるには?
-
より丁寧に、または婉曲的に表現したい場合は、「be inconsistent in one’s opinions」(意見に一貫性がない)や「have fluctuating feelings」(気持ちが変動する)などと言い換えることができます。
- この表現は現代でもよく使われますか?
-
はい、現代の英語でも日常会話やビジネスシーンでよく使われる表現です。特に人の態度や決断の一貫性について話す際に便利な表現として定着しています。
まとめ

「Blow hot and cold」は英語で「気持ちや意見をコロコロ変える」「優柔不断である」という意味の便利な表現です。イソップ寓話に由来するこの表現は、様々な場面で使うことができます。
以下に、この記事のポイントをまとめます。
- 「Blow hot and cold」は「気持ちや意見がコロコロ変わる」という意味の英語表現
- 由来はイソップ寓話の『人間と森の神サテュロス』から
- 「blow hot and cold」「be hot and cold」「run hot and cold」など複数の形式がある
- 友人関係、学校生活、ビジネスシーンなど様々な場面で使える
- 「change one’s mind」「be wishy-washy」「flip-flop」など類似表現も存在する
英語の表現は文化的背景や歴史的背景を持つものが多く、「Blow hot and cold」もその一つです。この表現を使いこなせるようになれば、英語でのコミュニケーションの幅が広がるでしょう。
ぜひ日常会話の中で使ってみてください。