「Bread and butter(ブレッド・アンド・バター)」は英語のイディオムで、単に「パンとバター」という食べ物だけでなく、より深い意味を持っています。このフレーズは日常会話やビジネスの場でよく使われ、英語学習者にとって知っておくと役立つ表現です。
本記事では、この表現の意味や使い方を初心者にもわかりやすく解説し、実用的な例文も紹介していきます。
「Bread and butter」の基本的な意味

「Bread and butter」は直訳すると「パンとバター」ですが、イディオムとしては「生活の糧」「基本的な収入源」「生活の基盤」という意味で使われます。昔から、パンとバターは西洋の食生活における基本的な食べ物であったことから、「生きていくために最も必要なもの」という意味合いが生まれました。
また、「基本中の基本」「不可欠な要素」といった意味でも使われることがあります。私たちの生活やビジネスにおいて、欠かせない基礎的な部分を表す時に用いられるのです。
「Bread and butter」の語源と歴史的背景
このイディオムの起源は、西洋社会の食文化に深く根ざしています。中世ヨーロッパでは、パンとバターは貧富を問わず日々の食事に欠かせない基本的な食物でした。特に労働者階級の人々にとって、パンとバターは一日の活力を得るための主要な栄養源であり、生きるために必要不可欠なものでした。
時代が進むにつれて、この「日々の生活に欠かせないもの」という概念が比喩的に使われるようになり、現在のイディオムとして定着しました。
「Bread and butter」の様々な使われ方
このイディオムは主に以下のような状況で使われます。
- 仕事や収入源について話す時
- ビジネスの中核となる製品やサービスを指す時
- 何かの基本的な要素や原則を表現する時
- 感謝の気持ちを伝える時(特にイギリス英語)
特に、「That job is my bread and butter.(その仕事が私の生活の糧だ)」のように、主な収入源を表現する時によく使われます。
「Bread and butter」の一般的な使い方
日常会話からビジネスシーンまで、この表現は様々な状況で使うことができます。ここでは具体的な使い方を見ていきましょう。
日常生活での使用例
日常会話では、主に「生活の糧」や「基本的なもの」という意味で使われます。例えば、
例文
- Teaching English is my bread and butter.(英語を教えることが私の生活の糧です。)
- Photography is her bread and butter, but she also enjoys painting.(写真撮影が彼女の生活の糧ですが、絵を描くことも楽しんでいます。)
- These skills are the bread and butter of daily communication.(これらのスキルは日常コミュニケーションの基本です。)
ビジネスシーンでの使用例
ビジネスの文脈では、会社や事業の中核を表現する時に使われます。
例文
- Small business customers are the bread and butter of our company.(中小企業の顧客が私たちの会社の主要な収入源です。)
- The bread and butter of our business is selling office supplies.(私たちの事業の中核はオフィス用品の販売です。)
- This product line has been our bread and butter for ten years.(この製品ラインは10年間私たちの主力商品でした。)
「Bread and butter」を使った例文と解説
ここでは、実際に「bread and butter」を使った例文を難易度別に紹介します。
初級レベルの例文
例文
- Teaching is my bread and butter.(教えることが私の生活の糧です。)
- This small shop is our bread and butter.(この小さな店が私たちの生活の糧です。)
- Reading and writing are the bread and butter of education.(読み書きは教育の基本です。)
- Soccer is his bread and butter.(サッカーが彼の生活の糧です。)
- We need to focus on our bread and butter business.(私たちは主力事業に集中する必要があります。)
日常会話での実用例文
例文
- The tourism industry is the bread and butter of this island.(観光業はこの島の主要な収入源です。)
- These local customers are our bread and butter.(これらの地元客が私たちの主な顧客です。)
- Learning vocabulary is the bread and butter of language study.(語彙学習は語学勉強の基本です。)
- That TV show was her bread and butter for many years.(そのテレビ番組が彼女の長年の収入源でした。)
- His bread and butter comes from working at the factory.(彼の生活の糧は工場での仕事から得ています。)
「Bread and butter」と似た表現
「Bread and butter」に似た意味を持つ表現はいくつかあります。これらを知ることで、表現の幅を広げることができます。
類義表現との比較
Bread and butter vs Livelihood
- Bread and butter is teaching English.(生活の糧は英語を教えることです。)
- Teaching English is my livelihood.(英語を教えることが私の生計です。)
Bread and butter vs Staple
- Rice is the bread and butter of Asian cuisine.(米はアジア料理の基本です。)
- Rice is a staple in Asian cuisine.(米はアジア料理の主食です。)
Bread and butter vs Bread winner
- This job is my bread and butter.(この仕事が私の生活の糧です。)
- I am the bread winner in my family.(私は家族の稼ぎ手です。)
「Bread and butter」を使う際の注意点
このイディオムは基本的にはカジュアルな表現ですが、ビジネスの場でも使うことができます。ただし、非常にフォーマルな文書や演説では、より正式な表現(例:「primary source of income」「essential element」など)を使うことが望ましいでしょう。
また、イギリス英語では「bread and butter」と言って感謝の気持ちを表すこともあります。例えば、誰かの家に招待されて夕食をご馳走になった時に「Thank you for the bread and butter」と言うことがあります。これは「ご馳走様でした」という意味です。
「Bread and butter」に関するよくある質問
- 「Bread and butter」は直訳するとどういう意味ですか?
-
直訳すると「パンとバター」という意味ですが、イディオムとしては「生活の糧」「主な収入源」「基本的な要素」などを意味します。
- 「Bread and butter」は日本語でどう表現できますか?
-
日本語では「糧」「生活の糧」「生活の基盤」「主な収入源」「看板商品」「基本中の基本」などと訳されることが多いです。文脈によって最適な訳し方は変わります。
- ビジネスの場面で「Bread and butter」はどう使いますか?
-
ビジネスでは「主力商品」「中核事業」「主要な顧客層」などを表す時に使います。例えば「Our bread and butter is the smartphone market」(私たちの主力市場はスマートフォン市場です)などと使います。
- 「Bread and butter」の類義語はありますか?
-
「livelihood」(生計)、「staple」(主食、主要なもの)、「mainstay」(主力、支え)などが類似した意味を持ちます。また「meat and potatoes」(基本的なもの)も似たニュアンスで使われることがあります。
まとめ

「Bread and butter」は英語でよく使われるイディオムで、日常会話からビジネスシーンまで幅広く活用できる便利な表現です。基本的には「生活の糧」や「基本的な要素」を意味し、自分の主な収入源や事業の中核について話す際に使うことができます。
以下にこの記事のポイントをまとめます。
- 「Bread and butter」は「生活の糧」「主な収入源」「基本的な要素」を意味するイディオム
- 語源は西洋の食文化における「パンとバター」の基本的な位置づけに由来する
- 日常会話では「生活の糧」、ビジネスでは「主力商品・サービス」の意味で使われることが多い
- 「This job is my bread and butter」(この仕事が私の生活の糧です)のように使う
- 類似表現に「livelihood」「staple」「mainstay」などがある
- イギリス英語では感謝の意味でも使われることがある
このイディオムをマスターすれば、英語での表現の幅が広がります。日常会話やビジネスでの会話に取り入れて、より自然な英語を話せるようになりましょう。
英語学習において、こうしたイディオムを理解し使いこなせるようになることは、単に単語や文法を覚えるだけでなく、より深く英語を理解することにつながります。