「Butter someone up」という英語のイディオムを聞いたことがありますか?直訳すると「誰かにバターを塗る」ですが、実際の意味はまったく異なります。このフレーズは日常会話でよく使われる表現ですが、英語を学び始めたばかりの方には馴染みがないかもしれません。
この記事では、「Butter someone up」の意味や使い方、実際の例文を通して分かりやすく解説します。英語でのコミュニケーションの幅を広げるために、ぜひこのイディオムをマスターしましょう。
「Butter someone up」の基本的な意味

「Butter someone up」は「お世辞を言って相手の機嫌を取る」「おだてる」「ゴマをする」という意味のイディオムです。直訳すると「誰かにバターを塗る」となりますが、実際には「自分の望むものを得るために、相手に過剰に褒めたり、優しくしたりする行為」を表します。パンにたっぷりとバターを塗るように、相手に対して厚く褒め言葉を「塗りつける」というイメージから生まれた表現です。
このイディオムは日本語の「お世辞を言う」や「ゴマをする」に近い意味を持ちますが、英語圏では必ずしも否定的なニュアンスだけでなく、時にはユーモアを含んで使われることもあります。相手の機嫌を取る目的で褒めるという行為を比喩的に表現した言葉です。
イディオムの語源
このイディオムの起源は諸説ありますが、最も一般的な説明は「パンやトーストにバターを豊富に塗るように、相手に褒め言葉を惜しみなく与える」というイメージから来ています。
バターのように滑らかに相手の機嫌を取るという比喩表現です。18世紀頃から使われ始めたとされ、現在でも日常会話やビジネスシーンでよく耳にする表現の一つです。
「Butter someone up」の使い方
このイディオムは様々な状況で使うことができます。ここでは代表的な使い方を紹介します。
「Butter someone up」は一般的に現在進行形や過去形で使われることが多いです。「He is buttering up his boss」(彼は上司にゴマをすっている)や「She buttered up her parents before asking for money」(彼女はお金を求める前に両親の機嫌を取った)のように使います。
このフレーズは自分自身や第三者の行動について説明する際に使われますが、「I am going to butter you up」(これからあなたにゴマすりするよ)のように冗談めかして使うこともあります。
肯定的な使い方と否定的な使い方
「Butter someone up」は状況によって肯定的にも否定的にも使われます。友人同士の会話では冗談めかして軽い意味で使われることもありますが、ビジネスの場では少し否定的なニュアンスを帯びる場合が多いです。
肯定的な例
- He always butters up his grandmother when he visits her.
(彼はおばあちゃんを訪ねる時、いつも優しく接する)
否定的な例
- Don’t trust him, he’s just buttering you up to get a promotion.
(彼を信用しないで、昇進目的であなたにゴマをすっているだけだから)
「Butter someone up」を使った例文
ここでは、中学生レベルの英語で理解できる簡単な例文を紹介します。これらの例文を通して、実際の使い方を確認しましょう。
例文
- Tom buttered up his teacher before asking for extra time.
(トムは追加時間をお願いする前に先生にお世辞を言った) - My sister always butters up our parents when she wants something.
(姉は何かが欲しい時、いつも両親の機嫌を取ります) - He is buttering me up. I think he wants to borrow my bike.
(彼は私にゴマをすっている。自転車を借りたいんだと思う) - The sales clerk was buttering up all the customers.
(販売員はすべてのお客さんにおべっかを使っていた) - I noticed that you are buttering up your boss lately.
(最近あなたが上司にゴマをすっているのに気づいたよ)
日常会話での例文
例文
- She buttered up her brother to use his computer.
(彼女は兄のコンピューターを使うために兄の機嫌を取った) - We need to butter up the coach to get more play time.
(もっと試合に出るためにはコーチの機嫌を取る必要がある) - Don’t butter me up! Just tell me what you want.
(お世辞は言わないで!何が欲しいのか言ってください)
「Butter someone up」のニュアンスと注意点
このイディオムを使う際には、いくつか注意すべき点があります。「Butter someone up」は相手によっては操作的で不誠実に聞こえる場合があります。特にビジネスの場では、過度なお世辞は逆効果になることもあるので注意が必要です。
また文化によっては、お世辞や過剰な褒め言葉は不自然に感じられることがあります。相手との関係性や状況に応じて適切に使いましょう。
類似表現
「Butter someone up」と似た意味を持つ英語表現には以下のようなものがあります。
- Sweet-talk someone(甘い言葉で口説く)
- Flatter someone(おだてる)
- Soft-soap someone(おだてて説得する)
- Brown-nose someone(ゴマをする、おべっかを使う)
これらの表現もそれぞれニュアンスが異なりますので、状況に応じて使い分けると良いでしょう。
「Butter someone up」に関するよくある質問
ここでは、「Butter someone up」に関してよく寄せられる質問とその回答をご紹介します。
- 「Butter someone up」は必ず否定的な意味で使われますか?
-
いいえ、必ずしも否定的な意味だけではありません。状況や話し手の意図によって、冗談めかして使われることもあれば、単に「優しく接する」といった比較的ニュートラルな意味で使われることもあります。ただし、多くの場合、何かを得るための手段として使われるため、やや打算的なニュアンスを含むことが多いです。
- 「Butter someone up」は日常会話でよく使われますか?
-
はい、このイディオムは日常会話でかなり一般的に使われています。特にアメリカやイギリスなどの英語圏では、友人同士の会話やビジネスシーンなど様々な状況で耳にする表現です。カジュアルな会話から少しフォーマルな場面まで幅広く使われています。
- 「Butter someone up」を丁寧な表現に言い換えるとどうなりますか?
-
より丁寧な言い方としては、「He’s being extra nice to her」(彼は彼女に特別に優しくしている)や「She’s trying to get on his good side」(彼女は彼の機嫌を取ろうとしている)などの表現が使われます。状況によっては「He’s complimenting her a lot」(彼は彼女をたくさん褒めている)というシンプルな言い方もあります。
まとめ

「Butter someone up」について詳しく解説してきました。最後に重要なポイントをまとめておきましょう。
- 「Butter someone up」は「お世辞を言って機嫌を取る」「おだてる」「ゴマをする」という意味のイディオムである。
- 語源は「パンにバターを厚く塗る」というイメージから、相手に褒め言葉を惜しみなく与えることを比喩している。
- このイディオムは現在進行形や過去形で使われることが多い。
- 状況によって肯定的にも否定的にも使われるが、多くの場合は何かを得るための手段を表す。
- 日常会話やビジネスシーンなど様々な場面で使われる一般的な表現である。
- 文化や状況によっては不自然に感じられることもあるため、使う場面に注意が必要である。
- 類似表現として「sweet-talk」「flatter」「soft-soap」などがある。
これらのポイントを理解して、ぜひ日常会話の中で「Butter someone up」を使ってみてください。英語表現の幅が広がり、より自然な英会話ができるようになるでしょう。