英語で「買う」「購入する」という行為を表現するとき、多くの人はシンプルに「buy」という単語だけを思い浮かべるかもしれません。しかし実際には、英語には「買う」という行為を表す様々な単語があり、状況や文脈によって適切に使い分けることで、より正確かつ豊かな表現が可能になります。
本記事では、「買う・購入」を表す英単語の違いや特徴、適切な使い分け方について、わかりやすい例文とともに詳しく解説していきます。この記事を読むことで、あなたの英語表現の幅が広がり、より自然な英語でのコミュニケーションができるようになるでしょう。
「買う・購入」を表す英単語

「買う・購入」を表す英単語は多数存在しますが、主なものとして以下が挙げられます。それぞれニュアンスや使用場面が異なりますので、適切に使い分けることが大切です。
「買う・購入」を表す英単語
- buy(バイ):最も一般的な「買う」を表す動詞
- purchase(パーチェス):より正式な「購入する」という表現
- acquire(アクワイア):「獲得する」「入手する」という意味
- obtain(オブテイン):「入手する」「手に入れる」という意味
- procure(プロキュア):「調達する」という意味で特に努力して入手する場合
- shop for(ショップ フォー):「(〜を求めて)買い物をする」
- get(ゲット):カジュアルな「手に入れる」という表現
- invest in(インベスト イン):「投資する」という意味を含む表現
- pick up(ピック アップ):気軽に「買う」「手に入れる」
- snap up(スナップ アップ):「すばやく買う」「即決で購入する」
これらの単語は、使用状況やニュアンスによって使い分けることで、より適切な表現が可能になります。次のセクションでは、それぞれの単語について詳しく解説していきます。
「買う・購入」を表す英単語の発音・意味・特徴と使い分け【例文あり】
「買う・購入」に関する英単語は場面や文脈によって使い分けが重要です。それぞれの単語について、詳しく見ていきましょう。
buy(バイ)
意味と特徴
buyは最も基本的かつ一般的な「買う」を意味する動詞です。日常会話で頻繁に使われ、大小を問わずあらゆる買い物の場面で使用できます。過去形・過去分詞形はboughtとなり、発音が大きく変化する点に注意が必要です。形式的な場面でも日常会話でも使える万能な表現です。また、物理的な商品だけでなく、サービスやデジタルコンテンツの購入にも使用されます。
使い分けのポイント
buyは最も汎用性が高く、ほとんどの「購入」の場面で使用できます。特に日常的な会話や一般的な買い物の状況では、最も自然な選択肢となります。ただし、非常に正式な文書や、特殊な調達プロセスを表現したい場合は、他の単語が適している場合もあります。動詞としてだけでなく、「a good buy(お買い得品)」のように名詞としても使用できます。
例文
- I need to buy some milk on the way home.(帰り道に牛乳を買う必要があります。)
- She bought a new car last month.(彼女は先月新しい車を買いました。)
- We are planning to buy a house next year.(私たちは来年家を買う予定です。)
purchase(パーチェス)
意味と特徴
purchaseはbuyの同義語ですが、より形式的で公式な表現です。ビジネスの場面や正式な文書でよく使用されます。特に高価なものや重要な取引を表現する際に適しています。名詞としても使用でき、「購入品」や「購入行為」を意味します。発音は/ˈpɜːtʃəs/(英国)または/ˈpɝːtʃəs/(米国)です。
使い分けのポイント
purchaseは特にビジネス文脈や公式文書、法的な場面で好まれます。高額な買い物や重要な取引を表現する際に使うと、より洗練された印象を与えることができます。買い物の行為そのものを強調したい場合にも適しています。日常会話では少し硬い印象を与えるため、カジュアルな場面ではbuyを使う方が自然です。
例文
- We have decided to purchase new equipment for the office.(私たちはオフィス用の新しい設備を購入することに決めました。)
- Please keep your receipt as proof of purchase.(購入の証明として領収書を保管してください。)
- She purchased tickets for the concert online.(彼女はオンラインでコンサートのチケットを購入しました。)
acquire(アクワイア)
意味と特徴
acquireは単に「買う」という意味を超えて、「獲得する」「入手する」というより広い意味を持ちます。物を購入するだけでなく、スキルや知識の習得、会社や資産の取得など、様々な文脈で使用されます。発音は/əˈkwaɪər/で、正式な場面やビジネス用語としてよく使われます。特に努力や過程を経て何かを手に入れる場合に適しています。
使い分けのポイント
acquireは単なる購入行為よりも、所有権や権利の獲得、特に企業の買収や資産の取得などを表現する際に適しています。また、スキルや知識、習慣などの非物質的なものを「獲得する」場合にも使われます。購入以外の方法で入手する場合(例:相続、贈与)にも使用できる点が特徴です。日常的な買い物よりも、より重要または長期的な獲得を表現するのに適しています。
例文
- The company acquired three smaller firms last year.(その会社は昨年3つの小さな企業を買収しました。)
- He has acquired a taste for fine wine.(彼は高級ワインの味わいを理解するようになりました。)
- I acquired this painting at an auction.(私はこの絵をオークションで手に入れました。)
obtain(オブテイン)
意味と特徴
obtainは「入手する」「手に入れる」という意味で、特に何らかの努力や要求によって物を得ることを表します。購入だけでなく、申請や生産、交換などによって入手する場合にも使われます。やや形式的な表現で、発音は/əbˈteɪn/です。科学的文脈や公式文書でよく使用されます。
使い分けのポイント
obtainは単に「買う」よりも、何らかの手続きや努力を経て入手するニュアンスが強いです。特に許可や証明書、情報などの無形のものを手に入れる際によく使われます。また、実験や調査で結果を「得る」場合にも適しています。購入以外の方法で何かを入手する場合に幅広く使える点が特徴です。一般的な買い物の文脈ではあまり使われません。
例文
- You need to obtain a visa before traveling to that country.(その国に旅行する前にビザを取得する必要があります。)
- We obtained these materials from a local supplier.(私たちはこれらの材料を地元の業者から入手しました。)
- It is difficult to obtain tickets for the popular show.(その人気のショーのチケットを入手するのは難しいです。)
procure(プロキュア)
意味と特徴
procureは「調達する」「入手する」という意味で、特に努力や苦労をして物を手に入れる場合に使われます。発音は/prəˈkjʊər/(英国)または/prəˈkjʊr/(米国)です。非常に形式的な表現で、特にビジネスや調達の専門的な文脈で使用されます。一般的には入手が困難なもの、または特別な過程を経て入手するものに対して使われます。
使い分けのポイント
procureは特に専門的または商業的な文脈で、計画的に物資やサービスを入手する場合に使われます。政府機関や企業の調達部門がよく使用するため、「procurement(調達)」という名詞形もビジネス用語として定着しています。日常会話ではほとんど使用されず、使うと非常に堅苦しい印象を与えることがあります。特に入手が難しいものや、特別なルートを通じて入手する場合に適しています。
例文
- The hospital needs to procure medical supplies.(病院は医療用品を調達する必要があります。)
- It was difficult to procure the rare materials for the project.(そのプロジェクトのためのレアな材料を調達するのは難しかったです。)
- They managed to procure funding for the research.(彼らはその研究のための資金調達に成功しました。)
shop for(ショップ フォー)
意味と特徴
shop forは「〜を求めて買い物をする」という意味で、購入する行為そのものよりも、買い物をするプロセスに焦点を当てています。発音は/ʃɒp fɔː/(英国)または/ʃɑːp fɔːr/(米国)です。日常会話でよく使われ、特に選択肢を比較したり探したりする買い物の過程を表現するのに適しています。
使い分けのポイント
shop forは実際に購入したかどうかよりも、買い物をする過程を強調したい場合に使います。複数の店を回ったり、オンラインで調べたりして商品を探す行為を表現するのに適しています。また、「I’m just shopping(ただ見ているだけです)」のように、必ずしも購入を前提としない場合にも使用できます。特に服やプレゼントなど、選択肢を比較検討する買い物に適しています。
例文
- I need to shop for a birthday present for my brother.(兄の誕生日プレゼントを探しに買い物に行く必要があります。)
- We spent the weekend shopping for furniture.(私たちは週末に家具を探して過ごしました。)
- She likes to shop for clothes online.(彼女はオンラインで服を買い物するのが好きです。)
get(ゲット)
意味と特徴
getは非常に汎用性の高い動詞で、「手に入れる」「買う」という意味でもカジュアルに使用されます。発音は/ɡet/で、過去形・過去分詞形はgotです。非常にカジュアルな表現で、日常会話で頻繁に使われます。buyより軽い印象を与え、特に小さな買い物や日用品の購入などによく使われます。
使い分けのポイント
getは非常にカジュアルな表現なので、友人との会話や日常的な買い物の場面で自然に使えます。特に重要ではない日用品や、ついでに買うようなものを表現するのに適しています。ただし、正式な文書やビジネスの場面では避けた方が良いでしょう。また、「get me a coffee(コーヒーを買ってきて)」のように、他の人に買ってきてもらう依頼の際にもよく使われます。
例文
- Can you get some bread on your way home?(帰りに少しパンを買ってきてくれる?)
- I got a new phone yesterday.(昨日新しい電話を買いました。)
- Let’s get tickets for the movie.(映画のチケットを買いましょう。)
invest in(インベスト イン)
意味と特徴
invest inは単に「買う」ではなく、「投資する」というニュアンスを含む表現です。発音は/ɪnˈvest ɪn/です。将来的な価値や利益を期待して、お金や時間、労力をかけて何かを購入する場合に使われます。特に高価なもの、長期間使用するもの、価値が上がる可能性のあるものを購入する際に適しています。
使い分けのポイント
invest inは単なる消費ではなく、将来的な見返りや価値を期待している場合に使います。例えば、不動産、高級家具、高品質の道具、教育などへの支出を表現するのに適しています。「これは無駄遣いではなく、価値のある買い物だ」というニュアンスを伝えたい場合に効果的です。また、株式や債券などの本来の投資商品だけでなく、日常的な物の購入にも使えるところが特徴です。
例文
- We decided to invest in a good quality sofa.(私たちは良い品質のソファに投資することにしました。)
- It’s time to invest in a new computer.(新しいコンピュータを買う時期です。)
- He invested in some art pieces for his collection.(彼はコレクション用にいくつかの美術品に投資しました。)
pick up(ピック アップ)
意味と特徴
pick upは「(気軽に)買う」「入手する」という意味で使われることがあります。発音は/pɪk ʌp/です。カジュアルな表現で、特に小さなものやついでに買うようなものの購入を表現する際に適しています。「手に取る」という元の意味から派生して、気軽に買うニュアンスがあります。
使い分けのポイント
pick upは特に計画していなかったものや、ついでに買うようなカジュアルな買い物に適しています。また、実際に店に行って商品を「ピックアップする(受け取る)」というニュアンスもあるため、オンラインで注文したものを店舗で受け取る場合にも使います。日常会話で頻繁に使われますが、正式な文書では避けた方が良いでしょう。小さな買い物や日用品の購入に特に適しています。
例文
- I’ll pick up some milk on my way home.(帰りに牛乳を買ってきます。)
- Can you pick up the package from the post office?(郵便局から小包を受け取ってくれますか?)
- She picked up a beautiful scarf at the market.(彼女は市場で美しいスカーフを買いました。)
snap up(スナップ アップ)
意味と特徴
snap upは「すばやく買う」「即決で購入する」という意味の表現です。発音は/snæp ʌp/です。特に良い機会や特売品、限定品などをすぐに購入するという行動を表します。「素早く捕まえる」というイメージから来ており、購入の即決性や機敏さを強調しています。
使い分けのポイント
snap upは特に限定品や特別価格の商品、人気商品など、すぐに売り切れそうなものを購入する場合に使います。「良い機会を逃さない」というニュアンスがあります。また、不動産市場などで、好条件の物件をすぐに確保するような場合にも使用されます。カジュアルな表現ですが、ビジネスニュースなどでも「投資家がその株をsnap upした」というような使われ方をします。
例文
- Fans snapped up all the concert tickets in just one hour.(ファンたちはコンサートのチケットをわずか1時間ですべて買い占めました。)
- She snapped up the dress when she saw it was 50% off.(彼女はそのドレスが50%オフだと知るとすぐに購入しました。)
- Investors are snapping up properties in that area.(投資家たちはその地域の不動産を次々と購入しています。)
「買う・購入」を表す英単語の比較表
以下の表は、「買う・購入」を表す英単語のニュアンスや使用場面を比較したものです。それぞれの単語の特徴を理解して、適切な場面で使い分けられるようにしましょう。
英単語 | フォーマル度 | 主な使用場面 | 特徴 |
---|---|---|---|
buy | 中 | 日常会話、一般的な買い物 | 最も一般的で汎用性が高い |
purchase | 高 | ビジネス、公式文書 | 正式な場面や高価なものの購入に適している |
acquire | 高 | ビジネス、資産取得 | 買う以外の方法での入手も含む広い意味 |
obtain | 高 | 公式文書、科学的文脈 | 手続きや努力を経て入手するニュアンス |
procure | 非常に高 | 調達業務、専門的文脈 | 特に専門的な調達プロセスを表す |
shop for | 低〜中 | 日常会話 | 買い物をするプロセスに焦点 |
get | 低 | カジュアルな会話 | 非常にカジュアルで日常的な買い物に適している |
invest in | 中〜高 | 資産、高価品の購入 | 将来的な価値や利益を期待した購入 |
pick up | 低 | カジュアルな会話 | 気軽に、ついでに買うニュアンス |
snap up | 低〜中 | 限定品、特売品の購入 | すばやく、即決で購入するニュアンス |
「買う・購入」を表す英単語の使い分け練習問題
以下は「買う・購入」を表す英単語の使い分けを練習するための問題です。それぞれの状況に最も適した単語を選んでみましょう。
- I need to __ some groceries for dinner tonight.
- She decided to __ a new laptop for her work.
- The company plans to __ several smaller firms this year.
- It took him months to __ the necessary documents.
- We had to __ rare materials from overseas for the project.
- They spent the afternoon __ clothes at the mall.
- Can you __ me a ticket for the concert?
- He wants to __ in real estate to grow his wealth.
- I’ll __ some snacks on my way home.
- The limited edition sneakers sold out quickly; fans tried to __ them as soon as they were released.
- The museum managed to __ a valuable painting at the auction.
- She went to the store to __ some milk and eggs.
- He tried to __ the latest smartphone, but it was out of stock everywhere.
- The government needs to __ vaccines for the population.
- She decided to __ a new car after her old one broke down.
- The collector was able to __ a rare coin for his collection.
- We should __ around for the best price before making a decision.
- He __ a new phone online because it was cheaper than in stores.
- The company will __ new equipment to improve productivity.
- She managed to __ a ticket for the sold-out show at the last minute.
「買う・購入」を表す英単語に関するよくある質問
- 「buy」と「purchase」の違いは何ですか?
-
「buy」と「purchase」は基本的に同じ「買う」という意味ですが、「purchase」はより正式な表現です。日常会話では「buy」が一般的に使われるのに対し、「purchase」はビジネスの場面や公式文書、高価なものの購入を表現する際によく使用されます。例えば、「I bought a coffee(コーヒーを買った)」は自然ですが、「I purchased a coffee」と言うと少し大げさに聞こえるかもしれません。一方で、「The company purchased new equipment(会社は新しい設備を購入した)」のような文脈では「purchase」が自然です。
- 「acquire」はどんな場面で使うのが適切ですか?
-
「acquire」は単に「買う」という意味を超えて、「獲得する」「入手する」という広い意味を持ちます。特に会社の買収(acquisition)や資産の取得、スキルや知識の習得など、単なる購入以上の意味を持つ場合に適しています。例えば、「The company acquired its competitor(その会社はライバル企業を買収した)」や「She has acquired excellent language skills(彼女は優れた言語スキルを身につけた)」のように使います。購入以外の方法(相続、贈与など)で入手する場合にも使用できます。
- カジュアルな会話で「買う」を表現するには、どの単語が最適ですか?
-
カジュアルな会話では「buy」が最も一般的ですが、状況によっては「get」や「pick up」もよく使われます。特に小さなものやついでに買うようなものには「I’ll get some bread(パンを買ってくる)」や「Can you pick up some milk?(牛乳を買ってきてくれる?)」のような表現が自然です。友人との会話ではこれらの表現が最も自然で、堅苦しさを感じさせません。
- ビジネス文書で「買う」を表現するには、どの単語が適切ですか?
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ビジネス文書や正式な場面では「purchase」「acquire」「procure」などがより適切です。特に「purchase」は最も一般的なビジネス用語で、「The company purchased new equipment(会社は新しい設備を購入した)」のように使います。大きな取引や企業買収の場合は「acquire」が使われ、特定の材料や資源の調達については「procure」が使われることが多いです。文脈や業界によって好まれる表現が異なる場合もあります。
- 「invest in」と単に「buy」と言う場合の違いは何ですか?
-
「invest in」には、単に「買う」という意味を超えて、将来的な価値や利益を期待しているというニュアンスがあります。例えば、「I bought a laptop(ノートパソコンを買った)」と言うと単なる購入行為ですが、「I invested in a high-quality laptop(高品質のノートパソコンに投資した)」と言うと、長期的な使用価値や将来的なパフォーマンスを考慮した購入であることが強調されます。特に高価なもの、長期間使用するもの、価値が上がる可能性のあるものに対して使うと効果的です。
まとめ

英語で「買う・購入」を表現する方法は多岐にわたり、状況に応じて適切な単語を選ぶことでより正確なニュアンスを伝えることができます。日常会話では「buy」や「get」のようなカジュアルな表現が自然である一方、ビジネスの場面では「purchase」や「acquire」などのより正式な表現が適しています。
「買う」という単純な行為も、その目的や状況によって「shop for(探して買う)」、「invest in(投資する)」、「snap up(即決で買う)」など異なる表現が可能です。これらの表現を使い分けることで、英語での表現の幅が広がり、より自然なコミュニケーションが可能になります。
また、「obtain(入手する)」や「procure(調達する)」のような単語は、単に「買う」という意味を超えて、入手のプロセスや状況に焦点を当てた表現です。これらの違いを理解することで、よりニュアンスの豊かな英語表現が可能になります。
この記事で紹介した様々な「買う・購入」を表す英単語を状況に応じて使い分けることで、あなたの英語表現はより豊かで正確なものになるでしょう。日常会話からビジネスシーンまで、適切な単語選びで自信を持ってコミュニケーションを取れるようになることを願っています。