「By the skin of your teeth」という英語表現を聞いたことがありますか?この表現は英語のネイティブスピーカーがよく使うイディオムで、「ギリギリで」「かろうじて」「間一髪で」という意味を持っています。
この記事では、この表現の意味や使い方、簡単な例文などを英語初学者にもわかりやすく解説していきます。
「By the skin of your teeth」の基本的な意味

「By the skin of your teeth」は、何かをするのに「ほんのわずかな差で成功する」や「あと少しで失敗するところだった」という場面で使われる表現です。直訳すると「歯の皮の差で」となりますが、実際には歯に皮はないので、「非常に小さな差で」というニュアンスになります。日本語では「首の皮一枚つながる」に近い意味合いを持っています。
この表現は、試験に辛うじて合格したときや、飛行機にギリギリ間に合ったときなど、「あと少しで失敗するところだった」という状況を表現するのに最適です。
直訳と実際の意味
「By the skin of your teeth」を直訳すると「あなたの歯の皮によって」となります。しかし実際の意味は「非常に小さな差で」「かろうじて」という意味です。
歯の皮というのは非常に薄いものをイメージさせるため、「ほんのわずかな差」を強調する表現になっています。
「By the skin of your teeth」の語源と歴史
この表現は聖書のヨブ記19章20節に由来します。英語の聖書(欽定訳)では「I am escaped with the skin of my teeth」(私は歯の皮だけで逃げ延びた)という一節があります。この文は、ヨブという人物が非常に困難な状況から何とか脱出したことを表現したものです。
現代では、何かに成功したり失敗から逃れたりする際に、それがほんのわずかな差だった場合に「by the skin of one’s teeth」という表現が使われるようになりました。
聖書に登場する「By the skin of your teeth」
聖書の中では、この表現はヨブの苦難を描写するために使われています。ヨブは多くの困難に直面し、ほとんど何も残らないほどの状態になりましたが、かろうじて命だけは助かったという意味でこの表現が使われました。
そこから徐々に現代の用法へと発展してきました。
「By the skin of your teeth」の使い方と例文
この表現は主に「by the skin of my/your/his/her/their teeth」のように使います。何かに成功したり、危険から逃れたりする場面で、それがギリギリだったことを強調したいときに使用します。
以下に簡単な例文をいくつか紹介します。
例文
- I passed the test by the skin of my teeth.(私はテストにギリギリで合格した。)
- She caught the bus by the skin of her teeth.(彼女はバスにかろうじて間に合った。)
- We won the game by the skin of our teeth.(私たちはその試合をかろうじて勝った。)
- He finished his homework by the skin of his teeth.(彼は宿題をギリギリで終わらせた。)
日常会話での使い方
この表現は日常会話でよく使われます。特に何かに挑戦して、ほんのわずかな差で成功したときに使うことが多いです。
例文
- A: How was your math exam?(数学のテストはどうだった?)
- B: I passed by the skin of my teeth. It was so difficult.(ギリギリで合格したよ。すごく難しかった。)
例文
- A: Did you catch the train?(電車に間に合った?)
- B: Yes, but by the skin of my teeth. I had to run really fast.(うん、でもギリギリだったよ。本当に速く走らなきゃいけなかった。)
中学生でも使える簡単な例文
中学生レベルの英語でも、この表現を使った簡単な文を作ることができます。
例文
- I got to school by the skin of my teeth.(私はかろうじて学校に間に合った。)
- Tom finished his lunch by the skin of his teeth.(トムはギリギリでお昼ごはんを食べ終えた。)
- We won the race by the skin of our teeth.(私たちはかろうじてレースに勝った。)
- She answered the question by the skin of her teeth.(彼女はかろうじてその質問に答えた。)
「By the skin of your teeth」の類似表現
英語には「By the skin of your teeth」と似た意味を持つ表現がいくつかあります。ここではそれらの表現を紹介します。
例文
- narrow escape(間一髪の脱出)
例:That was a narrow escape.(それは間一髪の脱出だった。) - with difficulty(困難を伴って、やっとのことで)
例:I finished the task with difficulty.(私は困難を伴ってその課題を終えた。) - just barely(ほんのわずかに、かろうじて)
例:I just barely passed the test.(私はかろうじてテストに合格した。)
日本語での類似表現
日本語にも似たような意味を持つ表現がいくつかあります。
- 「首の皮一枚つながる」
- 「危うく~するところだった」
- 「間一髪で」
- 「すんでのところで」
これらの表現も、「By the skin of your teeth」と同じように、ギリギリの状況を表現する際に使われます。
「By the skin of your teeth」に関するよくある質問
この表現についてよく聞かれる質問をいくつか紹介します。
- 「By the skin of your teeth」はフォーマルな場面でも使える?
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この表現はカジュアルな会話でよく使われますが、フォーマルな文書やビジネスの場面ではあまり適切ではありません。フォーマルな状況では「narrowly」や「by a narrow margin」などの表現を使うほうが良いでしょう。
- 「By the skin of your teeth」の発音のコツは?
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この表現を発音する際のポイントは「teeth」の発音です。「ティース」と発音します。「th」の音は舌を軽く上の前歯の裏に当てて息を出す音です。また、「skin」は「スキン」と発音します。全体として「バイ・ザ・スキン・オブ・ユア・ティース」となります。
- この表現は他の言語にも同じような表現がある?
-
多くの言語には似たような表現があります。たとえば、フランス語では「de justesse」(かろうじて)、スペイン語では「por los pelos」(髪の毛一本で)などがあります。それぞれの言語で「ギリギリ」を表す独特の表現があるのは興味深いことです。
まとめ

この記事では「By the skin of your teeth」の意味と使い方について解説しました。ポイントをまとめると、
- 「By the skin of your teeth」は「ギリギリで」「かろうじて」「間一髪で」という意味を持つ表現。
- 聖書のヨブ記に由来する古い表現。
- 何かに成功したり危険から逃れたりする際に、それがほんのわずかな差だったことを強調するときに使用。
- 日常会話ではよく使われるが、フォーマルな場面ではあまり適さない。
- 類似表現には「narrow escape」「with difficulty」「just barely」などがある。
- 日本語では「首の皮一枚つながる」「間一髪で」などの表現に近い。
この表現を覚えておくと、英語での会話の幅が広がります。「ギリギリ」という状況を的確に表現できる便利なフレーズなので、ぜひ日常会話で使ってみてください。