「Call the shots」は英語圏でよく使われるイディオムの一つです。日本語では「采配を振る」「決定権を持つ」「指揮をとる」といった意味で使われます。このフレーズは英語のビジネスシーンや日常会話でもよく登場するため、覚えておくと非常に便利です。
今回は「Call the shots」の意味や使い方を例文とともに詳しく解説していきます。
「Call the shots」の基本的な意味

「Call the shots」は直訳すると「ショットを呼ぶ」となりますが、実際には「決定権を持つ」「指示を出す立場にある」「采配を振るう」という意味で使われます。この表現は、誰がグループやプロジェクトの中で最終的な決断を下す権限を持っているのかを示す時によく使われます。
この表現の起源は軍隊にあります。射撃訓練で指揮官が兵士に対して「どの的を撃つか」指示を出したことから生まれたと言われています。そこから転じて、集団やプロジェクトで指揮を執る人を表現するようになりました。
日常生活での意味
日常会話では、家庭や友人グループなど、様々な場面で誰が決定権を持っているかを表現する際に使われます。例えば、家族内で誰が最終決定を下すかという文脈で使われることがあります。
ビジネスでの意味
ビジネスの世界では、誰がプロジェクトの最終判断をするのか、誰が責任者なのかを明確にする時に使われます。会社の意思決定構造を理解する上で重要な表現と言えるでしょう。
「Call the shots」の使い方
このイディオムは通常、「誰かが (Someone) calls the shots」という形で使われます。「誰が決定権を持っているか」「誰が指揮を執っているか」という文脈で使うことが多いです。
基本的な文型
最も一般的な使い方は以下のような形です。
- [人] + calls the shots
- Who calls the shots?(誰が決定権を持っているの?)
- [人] + is calling the shots([人]が指揮を執っている)
強調表現
より強い表現にしたい場合は、「call all the shots」という形が使われることもあります。これは「すべての決定権を持つ」「完全に采配を振るう」というニュアンスになります。
「Call the shots」の例文
実際の会話での使い方を見てみましょう。以下に日常会話やビジネスシーンでの例文を紹介します。
日常会話での例文
例文
- In our house, my mom calls the shots when it comes to family vacations.(私たちの家では、家族旅行に関しては母が決定権を持っています。)
- Who calls the shots in your friend group when you plan weekend activities?(週末の活動を計画する時、あなたの友達グループでは誰が采配を振るいますか?)
- Even though I’m the older brother, my sister calls the shots at family gatherings.(兄である私ですが、家族の集まりでは妹が仕切っています。)
ビジネスシーンでの例文
例文
- The CEO calls the shots on all major financial decisions.(CEOがすべての重要な財務決定について決定権を持っています。)
- In this project, Mr. Sato calls the shots, so we need his approval before proceeding.(このプロジェクトでは佐藤さんが采配を振るっているので、進める前に彼の承認が必要です。)
- The board of directors calls the shots regarding the company’s long-term strategy.(取締役会が会社の長期戦略に関して最終決定を下します。)
「Call the shots」の類似表現と使い分け
「Call the shots」に似た表現はいくつかありますが、微妙なニュアンスの違いがあります。それぞれの使い分けを理解しておきましょう。
「Be in charge」との違い
「Be in charge」は「担当している」「責任者である」という意味で、日常的な責任や役割を表現します。一方、「Call the shots」はより権限や決定力の強さを強調する表現です。
例文
- Be in charge: I’m in charge of organizing the files.(私はファイルの整理を担当しています。)
- Call the shots: As the team leader, she calls the shots on project deadlines.(チームリーダーとして、彼女はプロジェクトの期限について決定権を持っています。)
「Have the final say」との比較
「Have the final say」は「最終決定権を持つ」という意味で、「Call the shots」に非常に近い表現です。
しかし、「Call the shots」は継続的な権限を示すことが多いのに対し、「Have the final say」は特定の決定についての権限を示すことが多いです。
例文
- Although we all give input, the director has the final say.(私たち全員が意見を出しますが、最終決定は監督が行います。)
「Call the shots」に関するよくある質問
- 「Call the shots」は否定文でも使えますか?
-
はい、「doesn’t call the shots」のように否定形でも使えます。例えば「He doesn’t call the shots in this department; the manager does.」(彼はこの部署で決定権を持っていません。マネージャーが持っています。)のように使います。
- 「Call the shots」はフォーマルな場面でも使えますか?
-
このイディオムは口語表現ですが、ビジネスシーンでも比較的よく使われます。ただし、非常にフォーマルな文書や公式な場では、「make the decisions」「have authority」などのより堅い表現を使うとよいでしょう。
- 「Shot」を複数形にして「Call the shot」と言うこともありますか?
-
基本的には「Call the shots」と複数形で使われることが一般的です。「Call the shot」という単数形はあまり使われません。
まとめ

「Call the shots」についての重要なポイントを以下にまとめます。
- 「采配を振る」「決定権を持つ」「指揮をとる」という意味を持つイディオム
- 元々は軍隊の射撃訓練から生まれた表現
- 基本的には「[人] + calls the shots」の形で使われる
- 強調する場合は「call all the shots」という形も使える
- 日常会話からビジネスシーンまで幅広く使われる表現
- 否定形や疑問形でも使うことができる
- 口語表現だが、ビジネスシーンでも比較的よく使われる
この表現をマスターして、英語でのコミュニケーションの幅を広げてみましょう。ビジネスシーンや日常会話で決定権や権限について話す際に、ぜひ活用してみてください。