「英語で『できる』を表現するには、どうすればいいの?」「”can”と”be able to”の違いがわからない」と悩んでいませんか?どちらも「〜できる」という意味を持ちますが、実は使う場面や状況によって適切な選択が異なります。
英語の文法を学ぶ際、似たような表現の違いを理解することは非常に重要です。この記事では、「can」と「be able to」の違いと使い分けについて、初心者にもわかりやすく解説します。中学英語レベルの例文を交えながら、それぞれの使い方を詳しく見ていきましょう。
「can」と「be able to」の基本的な意味

「can」と「be able to」はどちらも「〜できる」「〜する能力がある」という意味を持ちます。基本的には同じような場面で使うことができますが、微妙なニュアンスや使える状況に違いがあります。
「can」は助動詞で、シンプルで使いやすい表現です。日常会話でよく使われ、カジュアルな印象を与えます。一方、「be able to」はbe動詞と形容詞、不定詞の組み合わせでできており、やや堅い印象を与えることがあります。
例文
- I can swim.(私は泳げます)
- I am able to swim.(私は泳ぐことができます)
上記の例文はどちらも同じ意味を持ちますが、「can」の方がシンプルで日常的な表現、「be able to」の方がやや丁寧で正式な表現という違いがあります。
「can」の基本的な使い方
「can」は主に以下の3つの意味で使われます。それぞれの使い方を例文で見てみましょう。
能力を表す
「can」は最も基本的に、ある人やものが持つ能力や技術を表します。
例文
- My brother can play the guitar.(私の兄はギターを弾くことができます)
- She can speak three languages.(彼女は3つの言語を話すことができます)
- I can run fast.(私は速く走ることができます)
許可を表す
「can」は「〜してもよい」という許可を表す場合にも使われます。
例文
- You can use my pen.(私のペンを使ってもいいですよ)
- Can I open the window?(窓を開けてもいいですか?)
- Students can leave after finishing the test.(生徒はテストを終えたら帰ってもいいです)
可能性を表す
「can」は「〜することが可能だ」「〜しうる」という可能性を表す場合にも使われます。
例文
- It can be very cold in winter.(冬はとても寒くなることがあります)
- The weather can change quickly in the mountains.(山では天気が急に変わることがあります)
- This road can be dangerous at night.(この道は夜には危険なことがあります)
「be able to」の基本的な使い方
次に「be able to」の基本的な使い方を見ていきましょう。
能力を表す(より正式な表現)
「be able to」も能力を表しますが、「can」よりも正式な印象を与えます。
ビジネスの場面や公式な書類などでよく使われます。
例文
- Students are able to use the library on weekends.(生徒は週末に図書館を利用することができます)
- She is able to solve difficult math problems.(彼女は難しい数学の問題を解くことができます)
- Are you able to attend the meeting tomorrow?(明日の会議に出席できますか?)
特定の状況での一時的な能力
「be able to」は特に、特定の状況や一時的な能力を強調したい場合に使われます。
例文
- After practicing every day, I am now able to swim 50 meters.(毎日練習した結果、今は50メートル泳げるようになりました)
- With your help, we were able to finish the project on time.(あなたの助けのおかげで、プロジェクトを期限内に終えることができました)
- Will you be able to visit us next weekend?(来週末、私たちを訪ねることができますか?)
より具体的な達成を表す
「be able to」は特定の障害や困難を乗り越えて何かを達成した場合によく使われます。
例文
- Finally, I was able to solve the puzzle.(ついに、パズルを解くことができました)
- After many attempts, she was able to pass the test.(何度も挑戦した後、彼女はテストに合格することができました)
- Are you able to see the mountain from your window?(あなたの窓から山が見えますか?)
主語による使い分け
「can」と「be able to」の使い分けは、文の主語によっても影響を受けます。
人(生物)が主語の場合
人や動物などの生物が主語の場合は、「can」と「be able to」のどちらも使うことができます。
例文
- My dog can fetch a ball.(私の犬はボールを持ってくることができます)
- My dog is able to fetch a ball.(私の犬はボールを持ってくる能力があります)
モノ・事が主語の場合
基本的に、物や概念が主語の場合は「can」が適しています。
「be able to」は主に人や生物の能力を表すのに使われるためです。
例文
- This computer can process data quickly.(このコンピュータはデータを素早く処理できます)
- ❌ This computer is able to process data quickly.(不自然な表現)
- Solar energy can provide electricity for homes.(太陽エネルギーは家庭に電気を供給できます)
- ❌ Solar energy is able to provide electricity for homes.(不自然な表現)
時制による使い分け
「can」と「be able to」の大きな違いの一つは、使える時制の範囲です。
現在形での使い分け
現在形では、両方とも使うことができます。しかし、「can」の方がよりカジュアルで一般的です。
例文
- I can swim very well.(私はとても上手に泳げます)
- I am able to swim very well.(私はとても上手に泳ぐことができます)
過去形での使い分け
過去形では重要な違いがあります。「can」の過去形は「could」ですが、「could」は主に「一般的な能力」を表します。
一方、「was/were able to」は「特定の状況で成功した」という意味合いが強くなります。
例文
- When I was young, I could swim well.(若い頃、私は上手に泳げました)[一般的な能力]
- Yesterday, I was able to swim across the river.(昨日、川を泳いで渡ることができました)[特定の成功]
特に否定文の場合は注意が必要です。
例文
- I couldn’t find my keys yesterday.(昨日、鍵が見つけられませんでした)
- I wasn’t able to find my keys yesterday.(昨日、鍵を見つけることができませんでした)
これらはほぼ同じ意味で使えます。
未来形での使い分け
未来形の表現では大きな違いがあります。
「will can」という表現は存在しないため、未来の能力を表す場合は「will be able to」を使う必要があります。
例文
- After this course, you will be able to speak basic English.(このコース後、あなたは基礎的な英語を話せるようになるでしょう)
- ❌ After this course, you will can speak basic English.(文法的に不正確)
文の形による使い分け
「can」と「be able to」は文の形式によっても使い分けが必要です。
助動詞と一緒に使う場合
他の助動詞(must, should, might など)と一緒に使う場合は、「be able to」を使う必要があります。
助動詞を重ねて使うことはできないためです。
例文
- You must be able to swim to join the team.(チームに参加するには泳げなければなりません)
- ❌ You must can swim to join the team.(文法的に不正確)
不定詞として使う場合
不定詞(to + 動詞の原形)の形で使う場合も、「be able to」を使います。
例文
- I want to be able to speak English fluently.(流暢に英語を話せるようになりたいです)
- ❌ I want to can speak English fluently.(文法的に不正確)
完了形で使う場合
完了形(have + 過去分詞)で使う場合も「be able to」を使います。
例文
- I have been able to sleep better since I started exercising.(運動を始めてから、よく眠れるようになりました)
- ❌ I have can sleep better since I started exercising.(文法的に不正確)
「can」と「be able to」の使い分けのポイント
ここまで見てきた内容をまとめると、以下のようなポイントで使い分けることができます。
「can」を使うべき場面
- 日常会話で一般的な能力を表す場合
- 許可や可能性を表す場合
- モノや概念が主語の場合
- シンプルでカジュアルな表現を好む場合
例文
- Can you help me with my homework?(宿題を手伝ってくれますか?)
- Water can freeze at 0 degrees Celsius.(水は0度で凍ることがあります)
「be able to」を使うべき場面
- 未来の能力を表す場合(will be able to)
- 他の助動詞と一緒に使う場合(must be able to)
- 特定の状況での成功を強調する場合(was able to)
- 完了形で表現する場合(have been able to)
- より正式な表現が必要な場合
例文
- After taking lessons, I will be able to play the piano.(レッスンを受けた後、ピアノを弾けるようになるでしょう)
- You should be able to find the station easily.(簡単に駅を見つけられるはずです)
「can」と「be able to」の使い分け一覧表
以下の表で、「can」と「be able to」の使い分けを簡単にまとめてみました。
状況 | can | be able to | 例文 |
---|---|---|---|
現在の一般的な能力 | ◯ | ◯ | I can swim. / I am able to swim. |
過去の一般的な能力 | ◯ (could) | △ | When I was young, I could swim well. |
過去の特定の成功 | △ | ◯ | Yesterday, I was able to finish the race. |
未来の能力 | × | ◯ | Next year, I will be able to drive a car. |
他の助動詞と共に | × | ◯ | You must be able to speak English for this job. |
不定詞として | × | ◯ | I want to be able to play the guitar. |
完了形として | × | ◯ | I have been able to solve the problem. |
モノが主語の場合 | ◯ | × | This car can go very fast. |
英語のcanとbe able toに関する練習問題
以下の問題を解いて、「can」と「be able to」の使い分けを練習してみましょう。
- 次の文の空欄に適切な表現(can または be able to)を入れなさい
I _____ swim very well. - 次の文の空欄に適切な表現を入れなさい
After taking lessons, I _____ speak better English. - 次の文の空欄に適切な表現を入れなさい
When I was a child, I _____ run very fast. - 次の文の空欄に適切な表現を入れなさい
Despite the heavy rain, we _____ reach the station on time. - 次の文の空欄に適切な表現を入れなさい
You must _____ drive a car to get this job. - 次の文の空欄に適切な表現を入れなさい
I want to _____ play the piano someday. - 次の文の空欄に適切な表現を入れなさい
This computer _____ process large files quickly. - 次の文の空欄に適切な表現を入れなさい
Since I started exercising, I have _____ sleep better. - 次の文の空欄に適切な表現を入れなさい
_____ you help me with my homework? - 次の文の空欄に適切な表現を入れなさい
I didn’t _____ find my keys yesterday. - 次の文を「be able to」を使って書きかえなさい
I can speak English. - 次の文を「can」を使って書きかえなさい(可能な場合のみ)
I will be able to swim after taking lessons. - 次の日本語を英語にしなさい(canを使って)
「私は速く走ることができます。」 - 次の日本語を英語にしなさい(be able toを使って)
「彼女は来週会議に出席できるでしょう。」 - 次の日本語を英語にしなさい(couldを使って)
「子供の頃、私はピアノを弾くことができました。」 - 次の日本語を英語にしなさい(was able toを使って)
「昨日、私はついに難しい問題を解くことができました。」 - 次の文の誤りを修正しなさい
I will can speak English after studying hard. - 次の文の誤りを修正しなさい
This book is able to help you learn English. - 次の文で使われている「can」または「be able to」が適切かどうか判断し、不適切な場合は修正しなさい
After the surgery, she could walk again. - 次の文で使われている「can」または「be able to」が適切かどうか判断し、不適切な場合は修正しなさい
I must can finish this work today.
「can」と「be able to」に関するよくある質問
- 「can」と「be able to」の最も基本的な違いは何ですか?
-
最も基本的な違いは、「can」は助動詞で、現在と過去(could)の形しかないのに対し、「be able to」はすべての時制で使えることです。また、「can」の方がよりカジュアルで日常会話で頻繁に使われ、「be able to」はよりフォーマルな表現として、または特定の文法的制約がある場合に使われます。
- 過去の能力を表す場合、「could」と「was/were able to」はどう使い分けるべきですか?
-
「could」は過去の一般的な能力や習慣的にできたことを表す場合に使います(例:When I was young, I could swim well.)。一方、「was/were able to」は特定の状況で困難を乗り越えて成功したことを強調する場合に使います(例:Despite the strong current, I was able to swim across the river.)。
- 「be able to」を使うべき主な場面は何ですか?
-
「be able to」を使うべき主な場面は以下の通りです。
- 未来の能力を表す場合(will be able to)
- 他の助動詞と一緒に使う場合(must be able to)
- 不定詞として使う場合(to be able to)
- 完了形で使う場合(have been able to)
- 特定の状況での成功を強調する場合(was able to)
- よりフォーマルな表現が必要な場合
- 物や概念が主語の場合、「be able to」は使えないのですか?
-
基本的に、物や概念が主語の場合は「can」を使うのが自然です。「be able to」は主に人や生物の能力を表す場合に使われます。例えば、「This computer can process data quickly」は自然ですが、「This computer is able to process data quickly」はあまり自然ではありません。
- 日常会話では、どちらを使うのが一般的ですか?
-
日常会話では「can」(過去形は「could」)の方が一般的です。「be able to」はより正式な場面や、特定の文法的理由で「can」が使えない場合に使われることが多いです。カジュアルな会話では、「be able to」を使うと少し堅苦しい印象を与えることがあります。
まとめ

この記事では、英語の「can」と「be able to」の違いと使い分けについて詳しく解説しました。
以下に重要なポイントをまとめます。
- 基本的な意味:どちらも「〜できる」という能力を表しますが、「can」はよりカジュアルで日常的、「be able to」はよりフォーマルな印象を与えます。
- 時制による違い
- 現在形:両方使用可能(I can swim. / I am able to swim.)
- 過去形:「could」は一般的な能力、「was/were able to」は特定の成功を強調
- 未来形:「will be able to」のみ使用可能(「will can」は不可)
- 文法的制約
- 他の助動詞と共に使う場合:「be able to」のみ(must be able to)
- 不定詞として使う場合:「be able to」のみ(to be able to)
- 完了形として使う場合:「be able to」のみ(have been able to)
- 主語による違い
- 人が主語:両方使用可能
- モノが主語:基本的に「can」を使用
- 状況による使い分け
- 日常会話や一般的な能力:「can」が自然
- 特定の成功や達成:「be able to」がより適切
- 正式な場面:「be able to」がより適切
「can」と「be able to」の使い分けを理解することで、より自然で正確な英語表現ができるようになります。まずは基本的な使い分けを覚え、実際の会話や文章の中で練習してみましょう。
時間とともに、自然と適切な表現が選べるようになるでしょう。