「彼に部屋を掃除させる」「息子に宿題をやらせる」「髪を切ってもらう」など、人に何かをさせたり、何かをしてもらったりする表現は日常会話でもよく使いますよね。
英語にも同じように「~させる」「~してもらう」という意味を表す動詞があり、これを「使役動詞」と呼びます。
この記事では、英語の文法で重要な4種類の使役動詞(make、let、have、get)について、その意味や使い方、使い分けのポイントを初心者にも分かりやすく解説します。
例文や一覧表も用意しましたので、英語学習の参考にしてください。
使役動詞とは?基本的な意味と役割

使役動詞とは、「人や物に何かをさせる」「人に何かをしてもらう」という意味を表す動詞のことです。英語では主に4種類の使役動詞(make、let、have、get)が使われ、それぞれ異なるニュアンスを持っています。
使役動詞を使うと、「私が直接何かをする」のではなく、「誰かに何かをさせる」という状況を表現できます。
例えば、「I cleaned my room.(私は自分の部屋を掃除した)」と「I made my brother clean my room.(私は弟に自分の部屋を掃除させた)」では、掃除をしたのは前者では「私」、後者では「弟」という違いがあります。
使役動詞は日常会話でもよく使われ、英語でのコミュニケーションを豊かにする重要な表現です。
4種類の使役動詞とその意味の違い
英語の使役動詞には、make、let、have、getの4種類があります。それぞれに固有の意味やニュアンスがあるので、使い分けることが大切です。
まずは基本的な意味の違いを理解しましょう。
makeの意味と使い方
makeは「強制的に~させる」という意味の使役動詞です。
相手の意思に関係なく、強制的に何かをさせるときに使います。使役動詞の中で最も強制力が強い表現です。
基本構文:make + 人 + 動詞の原形
例文
- My mother made me clean my room.(母は私に部屋を掃除するよう強制した)
- The teacher made us study hard for the test.(先生は私たちにテストのために一生懸命勉強するよう強制した)
- His joke made everyone laugh.(彼のジョークは皆を笑わせた)
3つ目の例文のように、無生物(物や出来事)が主語になることもあります。この場合、「~が~を~させる」という訳になります。
letの意味と使い方
letは「~を許可する」「~させてあげる」という意味の使役動詞です。相手が望んでいることを許可する、許すときに使います。
使役動詞の中で最も強制力が弱い表現です。
基本構文:let + 人 + 動詞の原形
例文
- My parents let me go to the party.(両親は私がパーティーに行くことを許可してくれた)
- Please let me try it once more.(もう一度やらせてください)
- The teacher let us leave early.(先生は私たちが早く帰ることを許可してくれた)
letは「許可する」という意味なので、相手がやりたいことをさせる場合に使います。
haveの意味と使い方
haveは「~にさせる」「~してもらう」という意味の使役動詞です。主に以下の2つのニュアンスで使われます。
- 人に仕事や義務として何かをさせる
- 専門家やサービス業者に何かをしてもらう
基本構文1:have + 人 + 動詞の原形
基本構文2:have + 物 + 過去分詞
例文
- I had my brother carry my bag.(弟に私のバッグを運ばせた)
- The manager had her assistant send the email.(マネージャーは秘書にメールを送らせた)
- I had my hair cut yesterday.(昨日髪を切ってもらった)
- She had her car repaired last week.(彼女は先週車を修理してもらった)
2つ目の構文(have + 物 + 過去分詞)は特にサービスを受ける場面でよく使われます。
getの意味と使い方
getは「~するよう説得する」「何とかして~させる」という意味の使役動詞です。
相手を説得したり、なだめたりして何かをさせる場合に使います。
基本構文1:get + 人 + to + 動詞の原形
基本構文2:get + 物 + 過去分詞
例文
- I got my friend to help me with my homework.(友達に説得して宿題を手伝ってもらった)
- She got her parents to buy her a new phone.(彼女は両親を説得して新しい電話を買ってもらった)
- He got his shoes cleaned.(彼は靴をきれいにしてもらった)
- We got our house painted last month.(先月家のペンキを塗ってもらった)
getの場合、人を目的語にするときはto不定詞を使うことに注意しましょう。
使役動詞の一覧表と用法比較
4種類の使役動詞の意味と用法を一覧表でまとめました。使い分けの参考にしてください。
| 使役動詞 | 基本的な意味 | 構文 | 強制力の強さ | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|
| make | 強制的に~させる | make + 人 + 動詞の原形 | 最も強い | 強制的に何かをさせる |
| let | ~を許可する | let + 人 + 動詞の原形 | 最も弱い | 相手が望むことを許す |
| have | ~させる、~してもらう | have + 人 + 動詞の原形 have + 物 + 過去分詞 | 中程度 | 義務として何かをさせる、サービスを受ける |
| get | 説得して~させる | get + 人 + to + 動詞の原形 get + 物 + 過去分詞 | 中程度 | 説得して何かをさせる、サービスを受ける |
各使役動詞には強制力の強さに違いがあり、状況に応じて適切な使役動詞を選ぶことが大切です。
また、have と get は「~してもらう」という意味で使うことができ、haveの方がやや正式な表現、getの方がカジュアルな表現とされています。
使役動詞の具体的な使い方
ここでは、使役動詞の具体的な使い方を場面別に解説します。
人に何かをさせる場合
人に何かをさせる場合は、make、let、have、getを使います。状況によって適切な使役動詞を選びましょう。
- make:強制的に何かをさせる
例:The teacher made the students clean the classroom.(先生は生徒たちに教室を掃除させた) - let:許可を与えて何かをさせる
例:My mother let me watch TV after I finished my homework.(母は宿題を終えた後にテレビを見ることを許してくれた) - have:義務として何かをさせる
例:The boss had his secretary type the letter.(上司は秘書に手紙をタイプさせた) - get:説得して何かをさせる
例:I got my brother to wash the dishes.(弟を説得して皿を洗わせた)
サービスを受ける場合
サービスを受ける場合は、主にhaveとgetを使います。
- have + 物 + 過去分詞:正式な表現
例:I had my shoes repaired.(靴を修理してもらった) - get + 物 + 過去分詞:カジュアルな表現
例:She got her dress made by a famous designer.(彼女は有名なデザイナーにドレスを作ってもらった)
これらの表現は特に美容院、修理店、クリーニング店などのサービスを受ける場面でよく使われます。
受動態と使役動詞
使役動詞makeを受動態で使う場合は、特別な形になるので注意が必要です。
- 能動態:Someone made me do it.(誰かが私にそれをするよう強制した)
- 受動態:I was made to do it.(私はそれをするよう強制された)
makeの受動態では、to不定詞を使うことに注意しましょう。
日常会話での使役動詞の使い方
使役動詞は日常会話でもよく使われます。場面別に具体的な使い方を見てみましょう。
家庭での使役動詞の使い方
家庭では、家族に何かをさせたり、サービスを受けたりする場面で使役動詞がよく使われます。
例文
- I made my son clean his room.(息子に部屋を掃除させた)
- My parents don’t let me stay out late.(両親は私が遅くまで外出することを許してくれない)
- I had my husband cook dinner last night.(昨夜は夫に夕食を作ってもらった)
- She got her children to help with the housework.(彼女は子供たちに家事を手伝わせた)
学校・職場での使役動詞の使い方
学校や職場では、指示を出したり、任務を与えたりする場面で使役動詞がよく使われます。
例文
- The teacher made us write an essay.(先生は私たちにエッセイを書かせた)
- The principal let the students go home early.(校長先生は生徒たちが早く帰宅することを許可した)
- The manager had her team prepare the report.(マネージャーはチームにレポートを準備させた)
- He got his colleagues to support his idea.(彼は同僚たちに自分のアイデアを支持してもらうよう説得した)
サービスを受ける場面での使役動詞の使い方
美容院、修理店、クリーニング店などでサービスを受ける場面では、特にhaveとgetがよく使われます。
例文
- I had my watch fixed yesterday.(昨日時計を修理してもらった)
- She had her nails done at the salon.(彼女はサロンで爪をきれいにしてもらった)
- We got our house cleaned by a professional cleaner.(専門のクリーナーに家を掃除してもらった)
- He got his suit dry-cleaned for the wedding.(彼は結婚式のためにスーツをドライクリーニングに出した)
英語の使役動詞に関する練習問題
以下の問題を解いて、使役動詞の理解を深めましょう。4種類の使役動詞のいずれかを入れて下さい。
また、必要に応じて過去形などに変化させて下さい。
- My mother _______ me clean my room yesterday. (強制的に)
- The teacher _______ the students leave early. (許可した)
- I _______ my dog take a bath last week. (強制的に)
- She _______ her friend _______ help her with the project. (説得して)
- We _______ our house painted last month. (してもらった)
- The boss _______ his secretary type the letter. (させた)
- The police didn’t _______ us enter the building. (許可しなかった)
- I _______ my hair cut yesterday. (してもらった)
- The movie _______ everyone cry. (させた)
- Can you _______ your brother _______ lend me his bike? (説得して)
- My parents don’t _______ me stay out late. (許可しない)
- He _______ his car repaired after the accident. (してもらった)
- The coach _______ the team practice for hours. (強制的に)
- She couldn’t _______ her son _______ eat vegetables. (説得して)
- We _______ a professional cleaner clean our house. (してもらった)
- The doctor _______ the patient rest for a week. (させた)
- My friend _______ me _______ go to the party with her. (説得して)
- The sun _______ the snow melt. (させた)
- I _______ my watch fixed at the shop. (してもらった)
- The mother _______ her children do their homework before playing games. (強制的に)
使役動詞に関するよくある質問
使役動詞について、よくある質問とその回答をまとめました。
- makeとgetの違いは何ですか?
-
makeは「強制的に~させる」という意味で、相手の意思に関係なく何かをさせるときに使います。一方、getは「説得して~させる」という意味で、相手を説得して何かをさせるときに使います。
また、構文も異なり、makeは「make + 人 + 動詞の原形」、getは「get + 人 + to + 動詞の原形」となります。
- I made my brother wash the dishes.(弟に皿を洗うよう強制した)
- I got my brother to wash the dishes.(弟を説得して皿を洗わせた)
- haveとgetの「~してもらう」用法の違いは何ですか?
-
haveもgetも「~してもらう」という意味でサービスを受ける場面で使いますが、haveの方がやや正式な表現で、getの方がカジュアルな表現とされています。
構文はどちらも同じで「have/get + 物 + 過去分詞」になります。
- I had my hair cut.(髪を切ってもらった)[やや正式]
- I got my hair cut.(髪を切ってもらった)[カジュアル]
- 使役動詞の過去形はどのように使いますか?
-
使役動詞の過去形は、使役動詞自体を過去形にします。後ろに続く動詞の形は変わりません。
- She made him study yesterday.(彼女は昨日彼に勉強するよう強制した)
- My parents let me go to the party last week.(両親は先週私がパーティーに行くことを許してくれた)
- I had my car washed last month.(先月車を洗ってもらった)
- They got their friend to help them move furniture.(彼らは友達に家具の移動を手伝ってもらうよう説得した)
- 使役動詞と不定詞の違いは何ですか?
-
使役動詞は「人に何かをさせる」という意味を表しますが、不定詞は「~するために」「~したい」などの目的や願望を表します。
使役動詞は人や物に行動を起こさせることに重点がありますが、不定詞は行動の目的や理由に重点があります。
- I made him clean the room.(彼に部屋を掃除させた)[使役動詞]
- I went to the store to buy milk.(牛乳を買うために店に行った)[不定詞]
- 使役動詞の否定形はどのように作りますか?
-
使役動詞の否定形は、使役動詞の前にnotを置きます(または短縮形を使います)。
- I didn’t make him clean the room.(彼に部屋を掃除させなかった)
- She doesn’t let her children watch TV on weekdays.(彼女は平日に子供たちがテレビを見ることを許さない)
- We haven’t had our car repaired yet.(まだ車を修理してもらっていない)
- They didn’t get their friend to help them.(彼らは友達に手伝ってもらうよう説得しなかった)
まとめ

この記事では、英語の文法で重要な4種類の使役動詞(make、let、have、get)について解説しました。
使役動詞は「人に何かをさせる」「何かをしてもらう」という意味を表す重要な表現です。
- make:強制的に~させる(make + 人 + 動詞の原形)
- let:~を許可する、させてあげる(let + 人 + 動詞の原形)
- have:~にさせる、~してもらう(have + 人 + 動詞の原形、have + 物 + 過去分詞)
- get:説得して~させる(get + 人 + to + 動詞の原形、get + 物 + 過去分詞)
これらの使役動詞は、それぞれ強制力の強さやニュアンスが異なります。状況に応じて適切な使役動詞を選ぶことで、より自然で正確な英語表現ができるようになります。
特に初学者の方は、使役動詞の基本構文をしっかり覚え、例文をもとに練習することをおすすめします。日常会話でもよく使われる表現なので、積極的に使ってみましょう。
使役動詞をマスターすれば、英語でのコミュニケーション能力がさらに向上します。この記事が皆さんの英語学習の役に立てば幸いです。

