「chase」は英語の動詞と名詞として使われる単語で、基本的に「追いかける」「追跡する」という意味を持ちます。日常会話でよく使われる基本的な単語でありながら、様々なシチュエーションで活用できる表現です。
この記事では「chase」の意味や使い方、例文などを英語初学者にも分かりやすく解説していきます。
chaseとは?基本的な意味と定義

「chase」は主に「追いかける」「追跡する」という意味を持つ英単語です。物理的に何かを追いかける場合だけでなく、目標や夢を追い求めるという抽象的な意味でも使われます。また、名詞として「追跡」「追求」という意味でも使用されます。
英語の「chase」という単語は、ラテン語の「captare(捕まえる)」から派生したもので、フランス語を経て英語に取り入れられました。「catch(捕まえる)」と同じ語源を持つことから、「追いかけて捕まえようとする」というニュアンスが含まれています。
発音は「チェイス」で、カタカナ語としても「カーチェイス」(car chase:車での追跡シーン)などの形で日本語に入っています。「ch」は「チ」の音、「a」は「エイ」の音、「se」は「ス」の音になります。アクセントは前半の「チェイ」の部分に置かれます。
動詞としての基本的な意味
動詞としての「chase」は、主に以下のような意味で使われます。
- 追いかける、追跡する(人や動物、物を捕まえようとして)
- 追い求める(目標や夢など)
- 追い払う(chase away/offの形で)
- 異性につきまとう、言い寄る(口語表現)
名詞としての基本的な意味
名詞としての「chase」は、主に以下のような意味で使われます。
- 追跡、追求
- 追いかけっこ
- 狩猟(特にキツネ狩り)
- 障害物競走(競馬)
chaseの様々な使い方と例文
「chase」は日常的によく使われる単語で、様々な状況で活用できます。ここでは「chase」の主な使い方と、それぞれの例文を紹介します。
物理的に追いかける意味の「chase」
最も基本的な使い方は、物理的に誰かや何かを追いかけるという意味です。人や動物、物を捕まえようとして追いかける場合に使います。
例文
- The dog chased the cat.(犬が猫を追いかけた。)
- The police chased the thief.(警察は泥棒を追いかけた。)
- She chased the bus but missed it.(彼女はバスを追いかけたが乗り遅れた。)
この使い方は、中学校で学ぶ基本的な英単語として非常に重要です。特に過去形の「chased」の形でよく使われます。
目標や夢を追い求める意味の「chase」
抽象的な意味として、目標や夢、成功などを追い求める場合にも「chase」を使います。この場合、継続的な努力や熱意を表現します。
例文
- He is chasing his dream to become a doctor.(彼は医者になるという夢を追い求めている。)
- Many people chase money all their lives.(多くの人は一生お金を追い求める。)
- She chased success in the music industry.(彼女は音楽業界での成功を追い求めた。)
この使い方は、単に物理的に追いかけるというよりも、目標に向かって努力するというニュアンスを含みます。
「chase away/off」の使い方(追い払う)
「chase」に「away」や「off」などの副詞を組み合わせると、「追い払う」「追い出す」という意味になります。
例文
- The farmer chased the birds away from his field.(農夫は鳥たちを畑から追い払った。)
- We chased off the stray dogs.(私たちは野良犬たちを追い払った。)
- She chased away her bad thoughts.(彼女は悪い考えを追い払った。)
この表現は、何かを遠ざけたり、離れさせたりする意味で使います。
名詞としての「chase」の使い方
「chase」は名詞としても使われ、「追跡」「追求」などの意味を持ちます。
例文
- The police gave chase to the suspect.(警察は容疑者を追跡した。)
- After a long chase, they finally caught the thief.(長い追跡の末、彼らはついに泥棒を捕まえた。)
- I enjoy the thrill of the chase.(私は追いかける興奮を楽しむ。)
名詞として使う場合、しばしば「give chase(追跡を始める)」といった表現で使われます。
chaseを使った慣用表現と例文
「chase」を含む慣用表現はいくつかあります。これらは日常会話やビジネスシーンでよく使われるので、覚えておくと便利です。
「cut to the chase」(本題に入る)
「cut to the chase」は「本題に入る」「要点を言う」という意味の慣用表現です。無駄な前置きを省いて重要なことを直接言いたいときに使います。
この表現は、古い映画では退屈な会話シーンの後に刺激的な追跡シーンが続くことが多かったことに由来します。
例文
- Let’s cut to the chase. We need more money for this project.(本題に入りましょう。このプロジェクトにはもっとお金が必要です。)
- I don’t have much time, so cut to the chase.(時間がないので、要点だけ言ってください。)
「give chase」(追跡を始める)
「give chase」は「追跡を始める」「追いかける」という意味の表現です。特に警察や救助隊が犯人や逃げた動物などを追いかける場合によく使われます。
例文
- When the thief ran, the police gave chase.(泥棒が走り出すと、警察は追跡を開始した。)
- The dog escaped and we gave chase.(犬が逃げ出し、私たちは追いかけた。)
「chase one’s tail」(堂々巡りする)
「chase one’s tail」は「無駄な努力をする」「同じところを堂々巡りする」という意味の慣用表現です。自分の尾を追いかける犬の姿から来た表現で、進展のない状況を表します。
例文
- We’ve been chasing our tails with this problem for weeks.(私たちはこの問題で何週間も堂々巡りしている。)
- Stop chasing your tail and try a new approach.(無駄な努力をやめて、新しいアプローチを試してみなさい。)
chaseと似た意味を持つ単語との違い
「chase」に似た意味を持つ英単語はいくつかありますが、それぞれニュアンスが異なります。ここでは代表的な類義語との違いを解説します。
「chase」と「follow」の違い
「follow」は「ついていく」「後に続く」という意味で、必ずしも捕まえる目的はありません。一方、「chase」は捕まえようとする意図や急いで追いかけるニュアンスがあります。
例文
- I followed my friend to the store.(私は友達についてお店に行った。)- 単に後について行っただけ
- I chased my friend to the store.(私は友達を追いかけてお店まで行った。)- 捕まえようとして急いで追いかけた
「follow」は指示や例に「従う」という意味でも使われますが、「chase」にはそのような意味はありません。
「chase」と「pursue」の違い
「pursue」は「追求する」「追い求める」という意味で、「chase」よりも正式な言い方です。
「pursue」は長期的な目標や理想を追い求める場合に使われることが多く、物理的な追跡よりも抽象的なものに使われる傾向があります。
例文
- The police chased the criminal.(警察は犯人を追いかけた。)- 物理的な追跡
- She pursued her interest in music.(彼女は音楽への関心を追求した。)- 抽象的な追求、長期的な取り組み
「pursue」は「chase」よりもフォーマルな表現で、学術的な文章や公式な場面で使われることが多いです。
chaseの活用形と基本的な文法
「chase」の活用形と基本的な文法について説明します。英語の規則動詞として、以下のように活用します。
形式 | 活用形 |
---|---|
原形 | chase |
三人称単数現在形 | chases |
過去形 | chased |
過去分詞形 | chased |
現在分詞 | chasing |
「chase」を使った基本的な文型としては、以下のようなものがあります。
主語 + chase + 目的語(誰かを追いかける)
- The cat chases the mouse.(猫はネズミを追いかける。)
主語 + chase + 目的語 + 前置詞句(どこかへ/どこかで追いかける)
- He chased her through the park.(彼は公園を通って彼女を追いかけた。)
主語 + chase + 目的語 + 副詞(どのように追いかける)
- The police chased the thief quickly.(警察は泥棒を素早く追いかけた。)
主語 + chase + away/off + 目的語(追い払う)
- We chased away the birds.(私たちは鳥たちを追い払った。)
主語 + give + chase + to + 目的語(追跡を始める)
- The guard gave chase to the robber.(警備員は強盗を追跡し始めた。)
chaseのよくある間違いと注意点
英語学習者が「chase」を使う際によく間違える点や注意すべき点をいくつか紹介します。
発音の間違い
「chase」の発音を「チャセ」や「ケース」と間違えることがあります。正しくは「チェイス」(/tʃeɪs/)です。「ch」は「チ」の音で、「a」は「エイ」の音になることに注意しましょう。
また、似た発音の「choice(選択)」や「cheese(チーズ)」と混同しないようにすることも大切です。
類語との混同
「chase」と「follow」、「pursue」などの類語を混同して使うケースがよくあります。「chase」は特に急いで追いかける、捕まえようとするニュアンスがあることを覚えておきましょう。
例文
- I want to follow his example.(彼の模範に倣いたい。)- 「chase」ではなく「follow」が適切
- She is pursuing a career in medicine.(彼女は医学分野でのキャリアを追求している。)- 長期的な目標なので「pursue」が適切
前置詞の使い方
「chase」を使う際、どの前置詞を使うべきか迷うことがあります。基本的に直接目的語をとりますが、方向を示す場合は適切な前置詞が必要です。
- chase someone/something(誰か/何かを追いかける)- 前置詞なし
- chase after someone/something(誰か/何かの後を追いかける)
- chase someone/something away/off(誰か/何かを追い払う)
- chase someone/something into/out of somewhere(誰か/何かをどこかへ/どこかから追いやる)
例文
- The dog chased the cat up the tree.(犬は猫を追いかけて木の上へ追いやった。)
- We chased the birds away from our garden.(私たちは鳥たちを庭から追い払った。)
慣用表現の誤用
「chase」を含む慣用表現を使う際は、正確な形を覚えることが重要です。
特に「cut to the chase」は「get to the chase」や「jump to the chase」などと間違えられることがあります。
chaseに関する問題
ここでは「chase」の理解度を確認するための問題を10問用意しました。それぞれの問題に対して、適切な答えを選んでください。
- The cat __ the mouse all around the house.
a) chased
b) followed
c) pursued
d) ran - The police gave __ when they saw the thief.
a) follow
b) chase
c) pursue
d) run - Let’s cut to the __ and discuss the main issue.
a) point
b) chase
c) topic
d) matter - She is __ her dream of becoming a famous singer.
a) chasing
b) following
c) running
d) walking - The dog __ away the cats from our garden.
a) chased
b) followed
c) pursued
d) ran - After a long __, the police finally caught the criminal.
a) follow
b) chase
c) pursuit
d) run - We’ve been chasing our __ trying to solve this problem.
a) minds
b) heads
c) tails
d) thoughts - The children love to __ butterflies in the park.
a) chase
b) follow
c) pursue
d) catch - The thrill of the __ is what makes hunting exciting.
a) follow
b) chase
c) hunt
d) game - Don’t waste your time __ unattainable goals.
a) chasing
b) following
c) pursuing
d) seeking
「chase」に関するよくある質問
ここでは「chase」に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
- 「chase」と「hunt」の違いは何ですか?
-
「chase」は単に追いかけることを意味し、必ずしも捕まえることが目的ではありません。一方、「hunt」は特に動物を捕まえたり殺したりする目的で探し求めることを指します。「hunt」には計画的で組織的なニュアンスがあり、「chase」は即時的な追跡を表します。
- 「chase」を使った他の慣用表現はありますか?
-
はい、「chase rainbows」(実現不可能な夢を追い求める)、「chase after the wind」(無駄な努力をする)、「chase one’s own tail」(堂々巡りする)、「wild goose chase」(無駄な探索)などがあります。
- 「chase」はビジネス英語でも使われますか?
-
はい、ビジネス英語でも使われます。特に「chase up」という表現で「(返事や支払いなどを)催促する」という意味で使われることがあります。例えば「I need to chase up that invoice」(あの請求書の支払いを催促する必要がある)のように使います。
- 「chase」の名詞形はどのように使いますか?
-
名詞としての「chase」は「追跡」「追求」を意味し、「a chase」(ある追跡)や「the chase」(その追跡、あるいは狩猟一般)のように使います。「give chase」(追跡を始める)という表現もよく使われます。
- 「chase」と「race」の違いは何ですか?
-
「chase」は誰かや何かを「追いかける」ことを意味しますが、「race」は「競争する」「競走する」ことを意味します。「chase」は追い手と追われるものとの関係がありますが、「race」は参加者が同じ目標に向かって競い合うことを表します。
まとめ

この記事では、英語の「chase」という単語について詳しく解説してきました。「chase」は「追いかける」「追跡する」「追い求める」など、様々な意味で使われる重要な英単語です。
日常会話からビジネス英語まで幅広く活用できる表現であり、慣用句としても多く使われています。以下に、この記事のポイントをリストにしてまとめます。
- 「chase」は主に「追いかける」「追跡する」という意味の動詞。
- 名詞としても使われ、「追跡」「追求」を意味する。
- 「chase」の語源はラテン語の「captare(捕まえる)」から。
- 発音は「チェイス」(/tʃeɪs/)。
- 物理的な追跡だけでなく、目標や夢を追い求めるという抽象的な意味でも使われる。
- 「chase away/off」で「追い払う」という意味になる。
- 「cut to the chase」(本題に入る)、「give chase」(追跡を始める)、「chase one’s tail」(堂々巡りする)などの慣用表現がある。
- 「follow」(ついていく)や「pursue」(追求する)などの類語と区別して使うことが重要。
- ビジネス英語では「chase up」(催促する)という形でも使われる。
英語学習においては、単語の基本的な意味だけでなく、様々な使われ方や慣用表現も理解することが重要です。「chase」のような基本的な動詞でも、使い方によって様々なニュアンスを表現できることを覚えておきましょう。
ぜひ日常会話やライティングで積極的に使ってみてください。