日常会話から公式文書まで、「選ぶ」という行為は私たちの生活に欠かせないものです。英語では「選ぶ・選択する」という意味を持つ単語がいくつか存在し、それぞれ微妙なニュアンスの違いがあります。適切な単語を選ぶことで、より正確に自分の意図を伝えることができます。
本記事では、「choose」「select」「pick」「opt」「decide」など、「選ぶ・選択」を表す英単語の意味や使い分けについて詳しく解説します。例文も豊富に紹介しますので、英語学習者の方々は、これらの単語を正しく使い分けるための参考にしてください。
「選ぶ・選択」を表す英単語

英語で「選ぶ・選択する」という意味を持つ主な単語には以下のものがあります。これらの単語はすべて「選択する」という基本的な意味を持ちますが、使われる状況やニュアンスが異なります。
「選ぶ・選択」を表す英単語
- choose(チューズ):選ぶ、選択する(一般的に広く使われる)
- select(セレクト):選ぶ、選択する(慎重に考えて選ぶニュアンス)
- pick(ピック):選ぶ、選び取る(比較的素早く選ぶ)
- opt(オプト):選ぶ、選択する(特に選択肢から意識的に選ぶ)
- decide(ディサイド):決める、決定する(選択を通じて決定する)
- elect(イレクト):選出する(特に投票などで選ぶ)
- prefer(プリファー):好む、より好む(比較して選ぶ)
- go for(ゴー・フォー):~を選ぶ(特に口語で使われる)
これらの単語を適切に使い分けることで、より豊かな英語表現が可能になります。次のセクションでは、各単語の特徴や使い方について詳しく見ていきましょう。
「選ぶ・選択」を表す英単語の発音・意味・特徴と使い分け【例文あり】
それぞれの英単語について、発音、意味、特徴、使い分けのポイント、そして例文を紹介します。これにより、各単語の違いをより明確に理解することができるでしょう。
choose(チューズ)
意味と特徴
「choose」は「選ぶ・選択する」を表す最も一般的な単語です。複数の選択肢の中から自分の判断や好みに基づいて選ぶという意味を持ちます。重要な決断や熟考を伴う選択によく使われます。「choose」は他の選択を表す単語よりも幅広い状況で使えるため、迷ったら「choose」を使うと良いでしょう。過去形は「chose」、過去分詞は「chosen」と不規則変化します。
使い分けのポイント
「choose」は比較的慎重な選択を意味し、考えや判断を伴うプロセスを含みます。日常的な選択から人生の重要な決断まで、幅広い場面で使用されます。「choose to do」(〜することを選ぶ)といった形でもよく使われます。
例文
- I will choose a book to read this weekend.(今週末に読む本を選びます。)
- Please choose one of these three colors.(これら3色の中から1つ選んでください。)
- She chose to study abroad last year.(彼女は昨年、留学することを選びました。)
select(セレクト)
意味と特徴
「select」は「慎重に選ぶ」というニュアンスが強い単語です。特定の基準や目的に基づいて、品質やふさわしさを考慮しながら選択することを意味します。「choose」よりもフォーマルな印象があり、ビジネスや公式の場でよく使われます。選択プロセスにおいて、より精密さや専門性を示唆することが多いです。
使い分けのポイント
「select」は特に品質や適合性を重視する選択の場面で使います。また、特定の職務や地位に人を選ぶ場合にもよく用いられます。「select from」(〜から選ぶ)という形でよく使われます。「select」は形容詞としても使用でき、その場合は「厳選された、上質な」という意味になります。
例文
- The teacher selected five students for the special program.(先生は特別プログラムのために5人の生徒を選びました。)
- We need to select the best ingredients for this recipe.(このレシピには最高の材料を選ぶ必要があります。)
- She selected a blue dress from her wardrobe.(彼女はクローゼットから青いドレスを選びました。)
pick(ピック)
意味と特徴
「pick」は比較的素早い、あまり深く考えずに行う選択を表します。直感的な選択や、物理的に何かを取る行為にも使われます。カジュアルな印象があり、日常会話でよく使われる単語です。果物や花を摘むといった意味もあります。
使い分けのポイント
「pick」は特に迅速または自発的な選択に適しています。選択に長い熟考が不要な場合や、物を物理的に選んで取る場合に使います。「pick up」(拾う、迎えに行く)、「pick out」(選び出す)など、前置詞と組み合わせた表現も多いです。
例文
- Let’s pick a movie to watch tonight.(今夜見る映画を選びましょう。)
- He picked a flower from the garden.(彼は庭から花を一輪摘みました。)
- Can you pick a color for your new bag?(新しいバッグの色を選べますか?)
opt(オプト)
意味と特徴
「opt」は選択肢の中から意識的に選ぶことを意味します。特に「opt for」(〜を選ぶ)や「opt to do」(〜することを選ぶ)という形で使われることが多く、やや堅い表現です。自分の意思で選択することを強調する場合に適しています。
使い分けのポイント
「opt」は特に公式な選択や、重要な決断を意味する場合に使われます。また、何かを避けるために選択する「opt out」(選択しない、辞退する)という表現もよく使われます。「choose」や「select」よりも形式ばった表現で、特定の選択肢が与えられている状況でよく用いられます。
例文
- I opted for the vegetarian meal on the flight.(飛行機ではベジタリアン食を選びました。)
- Many students opt to study abroad.(多くの学生は留学することを選びます。)
- You can opt out of receiving our newsletter.(私たちのニュースレターの受け取りを辞退することができます。)
decide(ディサイド)
意味と特徴
「decide」は「決める、決定する」という意味で、選択のプロセスの結果として決断を下すことを表します。選択肢を検討した後の最終的な判断を意味することが多いです。「decide on」(〜に決める)や「decide to do」(〜することに決める)という形でよく使われます。
使い分けのポイント
「decide」は選ぶという行為より、最終的な決断に焦点を当てています。何かを選んだ結果として決定するという意味合いが強いです。「I can’t decide」(決められない)というように、決断の難しさを表現する場合にもよく使われます。
例文
- We decided on the blue walls for our kitchen.(キッチンの壁は青にすることに決めました。)
- Have you decided what to eat yet?(何を食べるか決めましたか?)
- She decided to go to college next year.(彼女は来年大学に行くことに決めました。)
elect(イレクト)
意味と特徴
「elect」は主に選挙や投票によって人を選ぶ場合に使われます。公職者や代表者を選出するというフォーマルな選択を表します。「elect someone as 〜」(誰かを〜として選出する)という形でよく使われます。
使い分けのポイント
「elect」は基本的に人を選ぶ場合に使われ、特に公式な選挙や投票のコンテキストで使われます。物を選ぶ場合には通常使用されません。また、「elect to do」(〜することを選ぶ)という形で、公式な決断を表現することもあります。
例文
- They elected him as the class president.(彼らは彼をクラス委員長に選出しました。)
- We will elect a new mayor next month.(来月、新しい市長を選出します。)
- She was elected to represent the students.(彼女は学生の代表として選出されました。)
prefer(プリファー)
意味と特徴
「prefer」は「好む、より好む」という意味で、複数の選択肢の中で何かをより好むという個人的な好みや傾向を表します。比較の要素が含まれており、「prefer A to B」(BよりもAを好む)という形でよく使われます。
使い分けのポイント
「prefer」は純粋な好みに基づく選択を表現する場合に使います。実際に選択行為を行ったかどうかより、心理的な好みに焦点があります。「would prefer to」(〜する方が良い)という形で、丁寧な希望や好みを表現することも多いです。
例文
- I prefer tea to coffee in the morning.(朝はコーヒーよりお茶の方が好きです。)
- She prefers reading books to watching TV.(彼女はテレビを見るより本を読む方が好きです。)
- Do you prefer the red one or the blue one?(赤いのと青いの、どちらが好きですか?)
go for(ゴー・フォー)
意味と特徴
「go for」は口語的な表現で、「〜を選ぶ」「〜を選択する」という意味で使われます。カジュアルな状況での選択を表し、特にレストランでの注文やショッピングの場面でよく使われます。
使い分けのポイント
「go for」は非常にカジュアルな表現で、友人との会話やリラックスした場面で使います。フォーマルな文書や公式の場では使わない方が良いでしょう。「I’ll go for〜」(〜にします)という形で、自分の選択を示す時によく使われます。
例文
- I think I’ll go for the chocolate cake.(チョコレートケーキにします。)
- She usually goes for bright colors.(彼女はたいてい明るい色を選びます。)
- Let’s go for the cheaper option.(安い方を選びましょう。)
「選ぶ・選択」を表す英単語の比較表
以下の表は、「選ぶ・選択」を表す主な英単語の特徴と使い分けをまとめたものです。
英単語 | フォーマル度 | 使用場面 | 選択プロセス | 特徴 |
---|---|---|---|---|
choose | 中 | 一般的で幅広い | 慎重に判断 | 最も一般的で汎用性が高い |
select | 高 | 公式・ビジネス | 基準に基づく慎重な選定 | 質や適合性を重視した選択 |
pick | 低 | 日常会話 | 素早い・直感的 | カジュアルで素早い選択 |
opt | 中〜高 | 公式な選択肢 | 意識的な決断 | 特に「opt for/out」の形で使用 |
decide | 中 | 判断・決断 | 選択の結果としての決定 | 最終判断に焦点 |
elect | 高 | 選挙・投票 | 公式な選出過程 | 主に人を選ぶ場合に使用 |
prefer | 中 | 好みの表現 | 比較に基づく | 個人的な好みを示す |
go for | 低 | 非常にカジュアル | 直感的・即時的 | 日常会話で使用 |
この表を参考に、状況や意図に合わせて適切な単語を選びましょう。
「選ぶ・選択」を表す英単語の使い分け練習問題
以下に「選ぶ・選択」を表す英単語の使い分けを練習するための問題を20問用意しました。最も適切な単語を括弧内に入れてください。
- I can’t _______ between the red dress and the blue one.
- After much thought, she _______ to study abroad.
- Please _______ the correct answer from the options below.
- Which dessert would you _______: cake or ice cream?
- He _______ to take the train instead of the bus.
- The committee will _______ a new president next week.
- I usually _______ tea over coffee in the morning.
- If you had to _______ one, which would it be?
- She quickly _______ a book from the shelf.
- I think I’ll _______ the steak for dinner.
- They _______ to stay at home rather than go out.
- You can _______ any seat you like.
- The students were asked to _______ their favorite subject.
- We need to _______ who will lead the project.
- He _______ to ignore the negative comments.
- The voters will _______ a mayor next month.
- I would _______ not to answer that question.
- She _______ the most expensive item in the store.
- I always _______ the window seat on airplanes.
- When given a choice, he tends to _______ spicy food.
「選ぶ・選択」を表す英単語に関するよくある質問
- 「choose」と「select」の違いは何ですか?
-
「choose」は最も一般的に使われる「選ぶ」という意味の単語で、日常的な場面から重要な決断まで幅広く使えます。一方「select」は、より慎重で、特定の基準に基づいた選択を意味します。「select」の方がやや公式な印象があり、品質や適合性を考慮した選択に使われることが多いです。例えば、「Choose a color you like」(好きな色を選んでください)と「The committee selected the best candidates」(委員会は最良の候補者を選出した)という使い方の違いがあります。
- 「pick」は常に「拾う」という意味ですか?
-
いいえ、「pick」には「拾う」という意味もありますが、「選ぶ・選択する」という意味でも頻繁に使われます。「pick」が「選ぶ」という意味で使われる場合、比較的素早く、直感的な選択を表すことが多いです。また、物理的に何かを選んで取る行為にも使われます。例えば「Pick a card」(カードを一枚選んでください)や「She picked a flower」(彼女は花を一輪摘んだ)という使い方をします。「拾う」という意味では主に「pick up」という形で使われます。
- 「opt」はどのような場面で使うのが適切ですか?
-
「opt」は選択肢が明確に提示されている状況で、意識的に選択することを表す場合に適しています。特に「opt for」(〜を選ぶ)や「opt out」(辞退する)という形で使われることが多いです。公式な選択や重要な決断を表す場合に使用され、カジュアルな日常会話ではあまり使われません。例えば、「I opted for the standard package instead of the premium one」(プレミアムパッケージではなく標準パッケージを選びました)のように使います。
- 「decide」は選ぶことと同じ意味ですか?
-
「decide」は厳密には「決める・決定する」という意味ですが、選択肢から一つを選んだ結果として決定するという文脈で使われることが多いです。「choose」が選択のプロセスを強調するのに対し、「decide」は最終的な判断や決断に焦点を当てています。「decide on」(〜に決める)や「decide to do」(〜することに決める)という形でよく使われます。例えば「After looking at all options, I decided on the red car」(すべての選択肢を見た後、赤い車に決めました)のように使います。
- 「prefer」は実際に選んだことを意味しますか?
-
「prefer」は実際の選択行為よりも、個人的な好みや傾向を表します。「AよりもBの方が好き」という比較の要素が含まれていることが多いです。実際に選択したかどうかは文脈によります。例えば「I prefer tea to coffee」(コーヒーよりお茶が好きです)は好みを表していますが、実際にその時お茶を選んだかどうかは示していません。一方で「What do you prefer for lunch?」(昼食は何が良いですか?)という質問に対する答えは、実際の選択につながることが多いです。
まとめ

「選ぶ・選択する」は日常生活のあらゆる場面で必要とされる行為です。英語ではこれを表現するために、「choose」「select」「pick」「opt」「decide」など、様々な単語が存在します。これらは基本的に同じ「選ぶ」という意味を持ちますが、使われる状況やニュアンスが異なります。
「choose」は最も一般的で汎用性が高く、様々な状況で使えます。「select」はより慎重で公式な選択を表し、「pick」はより直感的で素早い選択に使われます。「opt」は選択肢からの意識的な選択を強調し、「decide」は選択の結果としての決定に焦点を当てています。また、「elect」は主に選挙や投票での選出、「prefer」は個人的な好みによる選択、「go for」はカジュアルな場面での選択を表します。
状況や意図に合わせて、これらの単語を適切に使い分けることで、より正確に自分の考えを英語で表現することができます。英語学習の際には、例文を通してそれぞれの単語の使い方を理解し、実際のコミュニケーションに活かしていきましょう。