英語で「選ぶ」という動作を表現する場合、choose、select、pickという3つの単語がよく使われます。これらは同じ「選ぶ」という意味を持ちながらも、使う場面やニュアンスに違いがあります。英語初学者にとって、どの単語を使えばよいか迷うことも多いのではないでしょうか。
この記事では、それぞれの単語の意味の違いや適切な使い分け方について、わかりやすく解説していきます。
choose・select・pickの基本的な違い

これら3つの単語はすべて「選ぶ」という意味を持ちますが、選ぶ際の状況や方法によって使い分けます。基本的な違いを簡単にまとめると次のようになります。
chooseは「自分の判断や好みで選ぶ」という意味合いが強く、最も一般的に使われる表現です。意思決定を伴う選択の場面で広く用いられます。selectは「慎重に、注意深く選ぶ」というニュアンスがあり、複数の選択肢から最も適切なものを選ぶ際に使われます。フォーマルな印象を与える表現です。一方、pickは「直感的に選ぶ」「手に取って選ぶ」という意味合いがあり、カジュアルな場面でよく使われる表現です。
それぞれの単語について、さらに詳しく見ていきましょう。
chooseの意味と使い方
chooseは「選ぶ」を表す単語の中で最も一般的に使われるもので、自分の意思や好みに基づいて選択することを表します。選択肢の中から自分にとって最適なものを選ぶ際に使用されます。
例文
- I choose the blue pen. (私は青いペンを選びます。)
- She chose a book about animals. (彼女は動物についての本を選びました。)
- Please choose one of these gifts. (これらのプレゼントから1つ選んでください。)
chooseは不規則動詞で、過去形はchose、過去分詞はchosenとなることに注意してください。日常会話でもビジネスシーンでも幅広く使える表現です。
selectの意味と使い方
selectは「選び出す」「選抜する」という意味で、複数の候補の中から特に慎重に、または特定の基準に基づいて選ぶ場合に使われます。chooseよりもフォーマルな印象を与える表現です。
例文
- Please select your language. (言語を選択してください。)
- The teacher selected five students for the contest. (先生はコンテストのために5人の生徒を選びました。)
- They selected the best player in the team. (彼らはチーム内で最高の選手を選びました。)
selectはコンピュータの操作や公式な選出の場面でよく使われます。また、受動態で「選ばれる」という形でも頻繁に用いられます(例:He was selected as the captain.「彼はキャプテンに選ばれました。」)。
pickの意味と使い方
pickは「(手で)つまむ」「摘む」という動作から派生した「選ぶ」の意味で、直感的または気軽に選ぶ場合に使われます。カジュアルな表現であり、特に深い考えなしに選ぶ場合や軽い選択の際に適しています。
例文
- Pick a card from the deck. (山札からカードを1枚選んでください。)
- She picked some flowers in the garden. (彼女は庭で花をいくつか摘みました。)
- I will pick you up at 7:00. (7時にあなたを迎えに行きます。)
pickには他にも「拾う」「摘む」などの意味があり、「pick up(拾い上げる、迎えに行く)」のような句動詞としても使われます。日常会話ではchooseよりもカジュアルな印象です。
choose・select・pickの日常会話での使い分け
日常の会話では、これら3つの単語をどのように使い分ければよいのでしょうか。状況や場面によって適切な表現が変わります。
日常会話では、chooseとpickが頻繁に使われます。特に重要な選択や意思決定を伴う場合はchooseを、軽い選択や直感的な選択の場合はpickを使うことが多いです。一方、selectは少しフォーマルな印象を与えるため、日常会話では比較的使用頻度が低くなります。
例えば、レストランでメニューを選ぶ場合、「I’ll choose the pasta.(パスタにします。)」とも「I’ll pick the pasta.(パスタにします。)」とも言えますが、chooseの方がより意思決定の要素が強く、pickの方がよりカジュアルな印象を与えます。
chooseが適している場面
chooseは特に意思決定や熟考の末の選択を表現する場合に適しています。重要な選択や、自分の好みや判断が関わる選択の場合、chooseを使うとよいでしょう。
例文
- I can’t choose between these two books. (この2冊の本のどちらにするか決められません。)
- She chose to stay at home instead of going out. (彼女は外出する代わりに家にいることを選びました。)
- You need to choose what you want to do in the future. (将来何をしたいのか選ぶ必要があります。)
「選ぶ」という一般的な意味ではchooseが最も汎用性が高く、多くの場面で使えます。
selectが適している場面
selectは、慎重さや正確さが求められる選択、または公式な文脈での選択を表現する場合に適しています。特定の基準に基づいた選択や、複数の候補から最適なものを選び出す場合に使うとよいでしょう。
例文
- Please select one option from the menu. (メニューからオプションを1つ選択してください。)
- The committee selected three finalists for the award. (委員会は賞のために3人の最終候補者を選びました。)
- He was selected to represent his school in the competition. (彼は競技会で学校を代表するために選ばれました。)
コンピュータの設定画面や公式な選考過程を説明する場合などに、selectを使うことが多いです。
pickが適している場面
pickは、カジュアルな選択や直感的な選択、物理的に手で取る選択などを表現する場合に適しています。特に深い意味のない選択や、気軽な選択の場合にpickを使うとよいでしょう。
例文
- Pick any card you want. (好きなカードを選んでください。)
- She picked the red pen from the box. (彼女は箱から赤いペンを選びました。)
- Can you pick a movie for tonight? (今夜の映画を選んでくれる?)
日常会話では、カジュアルなニュアンスを出したい場合にpickを使うことが多いです。
choose・select・pickのビジネスシーンでの使い分け
ビジネスの場面では、より適切で正確な表現が求められます。状況に応じて3つの単語を使い分けることが重要です。
ビジネスシーンでは、chooseとselectが主に使われます。特にselectは公式な文書やプレゼンテーション、メールなどでよく使われる表現です。一方、pickはカジュアルなニュアンスがあるため、正式なビジネス文書ではあまり使われず、同僚との日常会話などの場面に限られることが多いです。
ビジネスでのchooseの使い方
ビジネスシーンでのchooseは、意思決定や選択のプロセスを表現する場合に使われます。会社や組織の決断、個人の選択などを表す場合に適しています。
例文
- Our company chose a new supplier last year. (私たちの会社は昨年新しい供給業者を選びました。)
- We need to choose the best approach for this project. (このプロジェクトに最適なアプローチを選ぶ必要があります。)
- The manager chose five employees for the training program. (マネージャーはトレーニングプログラムのために5人の従業員を選びました。)
ビジネスでの重要な選択や決断を表現する場合は、chooseが適しています。
ビジネスでのselectの使い方
ビジネスシーンではselectがよく使われます。フォーマルで慎重なニュアンスがあり、特に公式な選考過程や選別を表現する場合に適しています。
例文
- We have selected three candidates for the interview. (面接のために3人の候補者を選びました。)
- Please select the appropriate option in the form. (フォームで適切なオプションを選択してください。)
- The products were carefully selected by our team. (製品は私たちのチームによって慎重に選ばれました。)
公式な文書やプレゼンテーション、メールなどでは、selectを使うとプロフェッショナルな印象を与えることができます。
ビジネスでのpickの使い方
pickはカジュアルな表現のため、正式なビジネス文書ではあまり使われません。しかし、同僚との会話や非公式な場面では使われることもあります。
例文
- Let’s pick a date for our next meeting. (次の会議の日を選びましょう。)
- I picked John to lead the project because of his experience. (ジョンの経験があるので、彼にプロジェクトをリードしてもらうことにしました。)
- Can you pick up these documents from the printer? (プリンターからこれらの書類を取ってきてくれますか?)
ビジネスシーンでpickを使う場合は、カジュアルすぎない場面かどうかを判断することが重要です。
choose・select・pickと類似表現の違い
「選ぶ」を表す単語は、choose、select、pick以外にもいくつかあります。ここでは、これらの単語と他の類似表現との違いについて見ていきましょう。
英語には「選ぶ」に関連する様々な表現があります。それぞれの表現には微妙なニュアンスの違いがあり、状況によって適切な表現を選ぶことが大切です。
electとの違い
electは「選挙で選ぶ」「投票によって選出する」という特定の文脈で使われる単語です。主に政治的な選挙や、組織の代表者を選ぶ場合などに使われます。
例文
- They elected him as class president. (彼らは彼をクラス会長に選出しました。)
- The country will elect a new president next year. (その国は来年新しい大統領を選出します。)
- She was elected to lead the committee. (彼女は委員会を率いるために選出されました。)
electはchoose、select、pickよりも使用範囲が限定されており、特に投票や選挙による選出の場面で使われます。
decideとの違い
decideは「決める」「決定する」という意味で、選択の結果としての決定を表します。choose、select、pickが選択の行為自体に焦点を当てているのに対し、decideは意思決定や結論に焦点があります。
例文
- I decided to study French next year. (来年フランス語を勉強することに決めました。)
- Have you decided what to eat? (何を食べるか決めましたか?)
- We need to decide on a plan soon. (すぐに計画を決める必要があります。)
decideは選択した後の決定や判断を表現する場合に使われ、choose、select、pickは選択する行為そのものを表します。
その他の類似表現
他にも「選ぶ」に関連する表現がいくつかあります。それぞれに微妙なニュアンスの違いがあるので、状況に応じて適切な表現を使い分けることが大切です。
例文
- opt for: (いくつかの選択肢から)〜を選ぶ、〜を選択する
例文: We opted for the cheaper hotel. (私たちはより安いホテルを選びました。) - go for: (カジュアルな表現で)〜を選ぶ、〜にする
例文: I’ll go for the chicken sandwich. (チキンサンドイッチにします。) - make a choice: 選択をする
例文: You need to make a choice before tomorrow. (明日までに選択をする必要があります。)
これらの表現も状況に応じて使い分けると、より自然な英語表現ができるようになります。
choose・select・pickの使い分け練習問題
ここでは、choose、select、pickの適切な使い分けを練習するための問題を20問用意しました。最も適切な単語を選んでください。
- Please (choose / select / pick) one answer from the list.
- I can’t (choose / select / pick) between these two books.
- The teacher (chose / selected / picked) five students for the team.
- Can you (choose / select / pick) up my bag for me?
- They (chose / selected / picked) the best player in the game.
- I (chose / selected / picked) the red apple from the basket.
- You need to (choose / select / pick) a topic for your essay.
- The company (chose / selected / picked) ten people for the interview.
- (Choose / Select / Pick) any card from the deck.
- We (chose / selected / picked) this restaurant because it has good food.
- Please (choose / select / pick) your language preference.
- He was (chosen / selected / picked) as the team captain.
- I (chose / selected / picked) the first option without thinking.
- The committee carefully (chose / selected / picked) three finalists.
- Can you help me (choose / select / pick) a gift for my mother?
- She (chose / selected / picked) blue for her bedroom walls.
- The system will randomly (choose / select / pick) five winners.
- I (chose / selected / picked) to study English instead of French.
- Please (choose / select / pick) a date for our next meeting.
- He (chose / selected / picked) her from many candidates.
choose・select・pickに関するよくある質問
ここでは、choose、select、pickに関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
- chooseとselectはどう違いますか?
-
chooseは自分の判断や好みに基づいて選ぶ一般的な表現です。一方、selectはより慎重に、または特定の基準に基づいて選ぶフォーマルな表現です。chooseが主観的な選択を表すのに対し、selectはより客観的で慎重な選択を表します。
- selectとpickはどう違いますか?
-
selectは慎重に、基準に基づいて選ぶフォーマルな表現です。一方、pickは直感的に、または手で取って選ぶカジュアルな表現です。selectがフォーマルな場面で使われるのに対し、pickは日常会話や軽い選択の場面で使われます。
- chooseとpickはどう違いますか?
-
chooseは意思決定を伴う選択を表し、自分の判断や好みに基づく選択に使われます。一方、pickは直感的な選択や、手で取って選ぶ動作を表し、よりカジュアルなニュアンスがあります。chooseの方が重要な選択に、pickの方が軽い選択に適しています。
- ビジネスで使うならどの単語が適切ですか?
-
ビジネスシーンではchooseとselectが主に使われます。特に公式な文書やプレゼンテーション、メールなどではselectがよく使われ、プロフェッショナルな印象を与えます。一方、pickはカジュアルなニュアンスがあるため、正式なビジネス文書ではあまり使われません。
- これらの単語の受動態はどのように使いますか?
-
特にselectは受動態でよく使われます(例:He was selected for the team.「彼はチームに選ばれました」)。chooseも受動態で使うことができます(例:She was chosen as the representative.「彼女は代表として選ばれました」)。pickは比較的受動態で使われることが少ないですが、可能です(例:The apples were picked from the tree.「りんごは木から摘まれました」)。
まとめ

この記事では、choose、select、pickの意味の違いと使い分けについて解説してきました。ポイントをまとめると、
- chooseは最も一般的な「選ぶ」の表現で、自分の判断や好みに基づく選択に使われる。
- selectはフォーマルで慎重な選択を表し、特に公式な場面やビジネスシーンで使われる。
- pickはカジュアルで直感的な選択を表し、日常会話や軽い選択で使われる。
- electは特に選挙や投票による選出に使われる特殊な表現。
- decideは選択の結果としての決定に焦点がある。
- 状況や場面に応じて適切な表現を選ぶことが重要。
- ビジネスシーンではchooseとselectが主に使われ、pickはカジュアルな場面に限られる。
- 類似表現(opt for、go forなど)も状況に応じて使い分けるとより自然な英語表現ができる。
これらの違いを理解し、適切に使い分けることで、より自然で正確な英語表現ができるようになります。日常会話からビジネスシーンまで、様々な場面で活用してみてください。