英語を学んでいる時に、「and」「but」「because」など小さくても重要な単語をよく目にするのではないでしょうか。これらは「接続詞」と呼ばれ、文と文、語と語をスムーズにつなげる役割を持っています。日本語では「そして」「しかし」「なぜなら」にあたる言葉です。
接続詞を適切に使えると、英語の文章が格段に読みやすくなり、表現力も広がります。
この記事では、英語初学者の方でも理解できるよう、接続詞の基本から応用まで、具体的な例文を交えてわかりやすく解説します。英語の文法で重要な接続詞をマスターして、より自然な英語表現ができるようになりましょう。
接続詞とは？英語の文章をつなぐ重要な役割
接続詞とは、単語と単語、句と句、節と節をつなぐ働きをする言葉です。英語では、複数の情報を一つの文章にまとめたり、文と文の関係性を示したりする時に欠かせない要素となります。
例えば、以下の短い文章を見てみましょう。
例文
- 「I was tired. I went to bed early.」（私は疲れていた。私は早く寝た。）
これを接続詞「so」を使ってつなげると、
例文
- 「I was tired, so I went to bed early.」（私は疲れていたので、早く寝た。）
となり、二つの文の因果関係が明確になります。
このように接続詞を使うことで、文と文の関係性を示し、より自然で理解しやすい文章になるのです。
英語の接続詞は大きく分けて3種類あります。
- 等位接続詞：文法的に同じレベルの要素をつなぐ（and, but, or など）
- 従属接続詞：主節に従属節をつなげる（because, when, if など）
- 相関接続詞：二つの接続詞がペアで使われる（both…and, either…or など）
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
等位接続詞：同じレベルの要素をつなぐ
等位接続詞は、文法的に同等の関係にある要素同士をつなぐ接続詞です。「等位」という名前の通り、つながれる要素は同じ「位」にあることが特徴です。
代表的なものとして「and」「but」「or」などがあります。
等位接続詞「FANBOYS」の7種類
英語の等位接続詞は、「FANBOYS」という頭字語で覚えることができます。
それぞれの文字は以下の接続詞を表しています：
| 接続詞 | 意味 | 文中での役割 |
|---|---|---|
| For | 〜だから（理由） | 先行する内容の理由を述べる |
| And | そして（追加） | 情報を追加する |
| Nor | 〜もまた〜ない（否定の追加） | 否定の情報を追加する |
| But | しかし（対比） | 逆接や対比を示す |
| Or | または（選択） | 選択肢を示す |
| Yet | それでも（逆接） | 予想と反する結果を示す |
| So | だから（結果） | 結果や帰結を示す |
等位接続詞の使い方と例文
等位接続詞は、単語、句、節など同じ文法的要素をつなぐことができます。
それぞれの等位接続詞の使い方を例文で見てみましょう。
for（〜だから）- 理由を示す
「for」は理由を述べる時に使いますが、現代の日常会話ではあまり使われず、やや文語的な表現です。
例文
- I couldn’t sleep last night, for I was worried about the test.
（昨夜眠れなかった、テストのことが心配だったからだ。）
and（そして）- 追加を示す
「and」は最も一般的な接続詞の一つで、情報を追加したり、同時に起こる出来事を示したりします。
例文
- I like dogs and cats.（私は犬と猫が好きです。）
- She studied hard and passed the exam.（彼女は一生懸命勉強して、試験に合格しました。）
nor（〜もまた〜ない）- 否定の追加
「nor」は否定の情報を追加する時に使います。通常、前の文も否定形になります。
例文
- I don’t like math, nor do I enjoy science.
（私は数学が好きではないし、科学も楽しんでいません。）
but（しかし）- 対比を示す
「but」は対比や逆接を示す時に使います。前の内容と反対または予想と異なる内容をつなげます。
例文
- She is small but strong.（彼女は小柄だが、強い。）
- I wanted to go to the park, but it started to rain.（公園に行きたかったが、雨が降り始めた。）
or（または）- 選択を示す
「or」は選択肢を提示する時に使います。
例文
- Would you like tea or coffee?（紅茶とコーヒーのどちらがいいですか？）
- We can go to the movies or stay at home.（映画に行くか、家にいるかできます。）
yet（それでも）- 逆接を示す
「yet」は「but」と似ていますが、より強い対比を示します。予想と反する結果を強調する時に使います。
例文
- He studied all night, yet he failed the test.（彼は一晩中勉強したのに、テストに失敗した。）
so（だから）- 結果を示す
「so」は原因と結果の関係を示す時に使います。
例文
- It was raining, so we stayed home.（雨が降っていたので、私たちは家にいました。）
- She was hungry, so she ate a sandwich.（彼女はお腹が空いていたので、サンドイッチを食べました。）
従属接続詞：主節に従属節をつなげる
従属接続詞は、主節（メインの文）に従属節（補足情報を提供する文）をつなげる役割を果たします。従属接続詞で始まる節は、それだけでは完全な文として成立せず、主節に依存しています。
従属接続詞は、その意味によって以下のようにいくつかのグループに分けることができます。
時を表す従属接続詞
時間的な関係を示す従属接続詞です。
| 接続詞 | 意味 | 例文 |
|---|---|---|
| When | 〜する時、〜した時 | I was watching TV when my friend called. |
| While | 〜している間 | I listened to music while I was doing my homework. |
| Before | 〜する前に | Please wash your hands before you eat dinner. |
| After | 〜した後に | She went to bed after she finished her work. |
| Since | 〜して以来 | I have been studying English since I was ten years old. |
| Until | 〜するまで | Wait here until I come back. |
| As | 〜するにつれて | The weather got colder as winter approached. |
例文
- When I arrived home, my dog was very happy.（家に着いた時、私の犬はとても喜んでいました。）
- I will call you after I finish my homework.（宿題を終えた後にあなたに電話します。）
理由を表す従属接続詞
原因や理由を示す従属接続詞です。
| 接続詞 | 意味 | 例文 |
|---|---|---|
| Because | 〜だから | I stayed home because I was sick. |
| Since | 〜なので | Since it was raining, we canceled the picnic. |
| As | 〜なので | As I was tired, I went to bed early. |
例文
- She didn’t go to school because she was sick.（彼女は病気だったので学校に行きませんでした。）
- Since you are here, we can start the meeting.（あなたがここにいるので、会議を始められます。）
条件を表す従属接続詞
条件や仮定を示す従属接続詞です。
| 接続詞 | 意味 | 例文 |
|---|---|---|
| If | もし〜なら | If it rains tomorrow, we will stay at home. |
| Unless | 〜でない限り | You will fail unless you study harder. |
| As long as | 〜である限り | You can use my car as long as you drive carefully. |
| Provided that | 〜を条件として | I’ll lend you the money provided that you pay me back next week. |
例文
- If it rains tomorrow, we will cancel the trip.（明日雨が降れば、旅行は中止します。）
- You can’t go out unless you finish your homework.（宿題を終えない限り、外出できません。）
譲歩を表す従属接続詞
逆説や譲歩を示す従属接続詞です。
| 接続詞 | 意味 | 例文 |
|---|---|---|
| Although | 〜だけれども | Although it was raining, we went for a walk. |
| Though | 〜だけれども | Though he was tired, he continued working. |
| Even though | たとえ〜であっても | Even though it was expensive, I bought it. |
例文
- Although I studied hard, I failed the test.（一生懸命勉強したけれど、テストに失敗しました。）
- She went to work even though she was sick.（彼女は病気だったにもかかわらず、仕事に行きました。）
目的を表す従属接続詞
目的や意図を示す従属接続詞です。
| 接続詞 | 意味 | 例文 |
|---|---|---|
| So that | 〜するために | I’ll speak slowly so that you can understand me. |
| In order that | 〜するために | He works hard in order that his family can live well. |
例文
- I saved money so that I could buy a new bike.（新しい自転車を買うためにお金を貯めました。）
- She spoke clearly in order that everyone could understand.（彼女は皆が理解できるようにはっきりと話しました。）
相関接続詞：ペアで使う接続詞
相関接続詞は、二つの接続詞がペアで使われ、文の中の対応する部分を強調したり、選択肢を示したりします。
主な相関接続詞の種類と使い方
| 相関接続詞 | 意味 | 例文 |
|---|---|---|
| Both … and … | 〜も〜も | Both my mother and my father are teachers. |
| Either … or … | 〜か〜のどちらか | You can either stay here or come with us. |
| Neither … nor … | 〜も〜もどちらもない | She speaks neither English nor French. |
| Not only … but also … | 〜だけでなく〜も | He is not only smart but also kind. |
| Whether … or … | 〜であろうと〜であろうと | I’ll go whether it rains or shines. |
| As … as … | 〜と同じくらい〜 | She is as tall as her brother. |
例文
- Both my sister and my brother like playing tennis.（私の姉も兄もテニスをするのが好きです。）
- You can either go by bus or take a taxi.（バスで行くか、タクシーに乗るかどちらかできます。）
- He is not only good at math but also good at science.（彼は数学が得意なだけでなく、科学も得意です。）
接続詞の使い分けのコツ
英語の接続詞を正しく使いこなすためのいくつかのコツを紹介します。
文の意味に合った接続詞を選ぶ
文と文の関係性をしっかり考えて、適切な接続詞を選びましょう。
- 追加情報を加えたい → and
- 対比や逆接を示したい → but, yet, although
- 選択肢を示したい → or, either…or
- 因果関係を示したい → because, so
- 条件を示したい → if, unless
等位接続詞と従属接続詞の違いを理解する
等位接続詞は同等の要素をつなぐのに対し、従属接続詞は主節に従属節をつなげます。
この違いを理解することで、より正確に接続詞を使い分けることができます。
例文
- 等位接続詞：「I like dogs, but I prefer cats.」（私は犬が好きだが、猫の方が好きだ。）
- 従属接続詞：「Although I like dogs, I prefer cats.」（犬は好きだが、猫の方が好きだ。）
カンマの使い方を覚える
接続詞を使う際のカンマの使い方も重要です。
- 等位接続詞が文と文をつなぐ場合は、通常、接続詞の前にカンマを置きます。
例：「It was cold, so I wore a jacket.」 - 従属接続詞が文の始めにある場合は、従属節の後にカンマを置きます。
例：「Because it was cold, I wore a jacket.」 - 従属接続詞が文の中間にある場合は、通常カンマは必要ありません。
例：「I wore a jacket because it was cold.」
英語の接続詞に関する練習問題20選
英語の接続詞は、単語、フレーズ、または文を接続して関係性を示す重要な要素です。
以下の問題で様々な接続詞の使い方を学びましょう。
- 次の文の空欄に適切な接続詞を入れなさい
I was tired, _____ I went to bed early. - 次の二つの文を適切な接続詞で結びなさい
It was raining heavily. We decided to stay at home. - 次の接続詞の意味の違いを説明しなさい
because / since - 次の文の空欄に適切な接続詞を入れなさい
I will call you _____ I arrive at the airport. - 次の二つの文を「しかし」という意味を表す接続詞を使って結びなさい
He studied hard. He failed the exam. - 次の文の空欄に適切な接続詞を入れなさい
You can either go by bus _____ take a taxi. - 次の文の空欄に適切な接続詞を入れなさい（条件を表す）
_____ it rains tomorrow, we will cancel the picnic. - 次の二つの文を「〜する前に」という意味を表す接続詞を使って結びなさい
Please call me. You leave the office. - 次の文の空欄に適切な接続詞を入れなさい（目的を表す）
She works hard _____ she can save money. - 次の文の空欄に適切な接続詞を入れなさい（譲歩を表す）
_____ he is rich, he lives simply. - 次の二つの文を「〜ので」という結果を表す接続詞を使って結びなさい
The road was icy. We drove carefully. - 次の文の空欄に適切な接続詞を入れなさい（対比を表す）
_____ my sister likes pop music, I prefer classical music. - 次の文の誤った接続詞を訂正しなさい
She didn’t go to school because she wasn’t sick. - 次の二つの文を「〜するとすぐに」という意味を表す接続詞を使って結びなさい
I finished my homework. I went out to play. - 次の文の空欄に適切な接続詞を入れなさい（選択を表す）
I don’t know _____ to go to the beach or to the mountains. - 次の接続詞の使い分けを説明しなさい
if / whether - 次の二つの文を「〜しない限り」という意味を表す接続詞を使って結びなさい
You won’t improve your English. You practice every day. - 次の文の空欄に適切な接続詞を入れなさい（時間の順序を表す）
Please finish your dinner _____ you watch TV. - 次の文の空欄に適切な接続詞を入れなさい（原因と結果を表す）
She didn’t study, _____ she failed the exam. - 次の二つの文を「〜であろうと〜であろうと」という意味を表す接続詞を使って結びなさい
It may rain. It may be sunny. We will go hiking anyway.
これらの問題を通して、英語の接続詞の様々な用法を学ぶことができます。接続詞は文と文をつなげ、論理的な関係を示す重要な役割を果たします。
時間、理由、条件、対比など、様々な関係を正確に表現できるようになれば、より複雑で豊かな英語表現が可能になります。
接続詞に関するよくある質問
- 等位接続詞と従属接続詞の違いは何ですか？
-
等位接続詞は文法的に同じレベルの要素（単語と単語、句と句、節と節）をつなぎます。例えば「and」「but」「or」などです。従属接続詞は主節に従属節をつなげ、時間、理由、条件などの関係を示します。例えば「because」「when」「if」などです。最大の違いは、従属接続詞で始まる節は単独で文として成立しないことです。
- 「so」と「because」の違いは何ですか？
-
「so」は結果を示し、「because」は理由を示します。「so」は等位接続詞で、「because」は従属接続詞です。
- 「I was tired, so I went to bed early.」（私は疲れていたので、早く寝ました。）- 「so」は結果を示しています。
- 「I went to bed early because I was tired.」（疲れていたので早く寝ました。）- 「because」は理由を示しています。
- 「although」と「but」はどう使い分けますか？
-
「although」は従属接続詞で、「but」は等位接続詞です。「although」は従属節を導入し、「〜だけれども」という意味を持ちます。「but」は対等な二つの節をつなぎ、「しかし」という意味を持ちます。
- 「Although it was raining, we went for a walk.」（雨が降っていたにもかかわらず、散歩に行きました。）
- 「It was raining, but we went for a walk.」（雨が降っていましたが、散歩に行きました。）
- 「and」「or」「but」以外の等位接続詞はよく使われますか？
-
「and」「or」「but」は非常によく使われます。「so」もよく使われますが、「for」「nor」「yet」は日常会話ではあまり使われません。特に「for」は文語的で、「nor」は否定の文脈でのみ使われます。「yet」は「but」と似ていますが、より強い対比を示す時に使われます。
- 従属接続詞の後の文は必ず完全な文になりますか？
-
はい、従属接続詞の後には通常、主語と動詞を含む完全な節（文）が続きます。ただし、主語が主節と同じ場合は省略されることもあります。
- 完全な形：「When I am tired, I go to bed early.」（疲れた時は、早く寝ます。）
- 省略形：「When tired, I go to bed early.」（疲れた時は、早く寝ます。）
まとめ
英語の接続詞は、文と文、語と語をつなぎ、文章に流れとつながりを持たせる重要な役割を果たします。
この記事では、以下のような内容を解説しました。
- 接続詞の種類：英語の接続詞は、等位接続詞、従属接続詞、相関接続詞の3種類に大別されます。
- 等位接続詞：「FANBOYS」（for, and, nor, but, or, yet, so）で表される7つの等位接続詞は、同じレベルの要素をつなぎます。
- 従属接続詞：時間、理由、条件、譲歩などを表す従属接続詞は、主節に従属節をつなげます。
- 相関接続詞：「both…and」「either…or」などの相関接続詞は、ペアで使われ、対応する部分を強調します。
接続詞を適切に使うことで、文章の意味が明確になり、読み手や聞き手に伝わりやすくなります。特に英語初学者の方は、まず基本的な接続詞（and, but, or, because, if, when）から使いこなせるようになることをおすすめします。
日常会話や文章で頻繁に使われる接続詞をマスターすれば、あなたの英語表現の幅は大きく広がるでしょう。接続詞を意識して使うことで、よりスムーズで自然な英語を話したり書いたりできるようになりますよ。
