日本語で「含む」「含める」という言葉は日常会話でよく使用されますが、英語では状況によって様々な単語を使い分ける必要があります。「税金を含む」「成分を含む」「参加者を含める」など、文脈によって最適な英単語が異なるのです。
英語初心者にとって、これらの微妙な違いを理解することは難しいかもしれませんが、正確な表現のためには必要不可欠です。この記事では、「含む・含める」を表す英単語の違いや使い分けについて、わかりやすく解説していきます。
「含む・含める」を表す英単語

日本語の「含む・含める」を英語で表現する場合、以下のような単語があります。これらは微妙にニュアンスが異なるため、状況に応じて適切に使い分けることが重要です。
「含む・含める」を表す英単語
- contain(コンテイン):物理的に内部に持つ、成分として含有する
- include(インクルード):一部として加える、構成要素として含める
- involve(インボルブ):必然的に伴う、関係させる
- comprise(コンプライズ):全体を構成する、〜から成る
- incorporate(インコーポレイト):組み込む、取り入れる
- integrate(インテグレイト):統合する、一体化させる
- consist of(コンシスト オブ):〜から成り立つ
- entail(エンテイル):必然的に伴う、必要とする
- hold(ホールド):含む、保持する
- encompass(エンカンパス):包含する、取り囲む
それぞれの英単語には独自の使用場面やニュアンスがあります。これらの単語を適切に使い分けることで、より正確で自然な英語表現ができるようになります。
「含む・含める」を表す英単語の発音・意味・特徴と使い分け【例文あり】
「含む・含める」を表す主要な英単語について、その発音、意味、特徴、使い分けのポイント、そして例文を詳しく見ていきましょう。
contain(コンテイン)
意味と特徴
「contain」は「con(ともに)+ tain(保持する)」が語源で、物理的に何かを内部に持っている状態を示します。特に容器や入れ物に何かが入っているイメージを持ち、材料や成分として含有する場合によく使われます。全体が部分を物理的に内包している状態を表現するのに適しています。食品や飲料の成分を説明する際によく使用されます。
使い分けのポイント
物理的な容器や空間内に何かがある場合に使います。特に食品や飲料の成分、箱や容器の中身、本や書類の内容などを説明する際に適しています。また、科学的な文脈で成分や物質が含まれている場合にも使用されます。「contain」は全体がその内容物を完全に保持しているイメージを持ちます。入れ物と中身の関係を説明する時に最適な表現です。
例文
- This box contains many toys.(この箱にはたくさんのおもちゃが入っています。)
- Orange juice contains vitamin C.(オレンジジュースにはビタミンCが含まれています。)
- The library contains thousands of books.(その図書館には何千冊もの本が収蔵されています。)
include(インクルード)
意味と特徴
「include」は「in(中へ)+ clude(閉じる)」が語源で、全体の中の一部として何かを含める意味を持ちます。主要なものではない追加要素として何かを加える場合によく使われます。特に、リストや集合の一部として何かを含める際に適しています。料金に税金やサービスが含まれているかを説明する時などによく使われる表現です。
使い分けのポイント
全体の中に一部として何かを含める場合に使います。特に料金に税金やサービスが含まれているかどうか、パッケージや計画に特定の要素が含まれているか、グループやリストに特定の項目が含まれているかなどを説明する際に適しています。「include」は主要でないものを追加要素として含むイメージを持ちます。日常生活でも頻繁に使用される表現で、様々な場面で応用できます。
例文
- The price includes breakfast.(その価格には朝食が含まれています。)
- Our team includes five boys and three girls.(私たちのチームには5人の男子と3人の女子が含まれています。)
- The book includes many pictures.(その本にはたくさんの写真が含まれています。)
involve(インボルブ)
意味と特徴
「involve」は「in(中へ)+ volve(巻く)」が語源で、何かに必然的に伴う、あるいは関連付ける意味を持ちます。特に活動やプロセスに必要な要素や、状況に関係している人や物を示す場合に使われます。強い関連性や必然性を示唆します。何かが他のものと密接に関係している場合に使われる表現です。
使い分けのポイント
何かが他のものを必然的に必要とする、あるいは関連付ける場合に使います。特に計画や活動に必要な要素、事件や状況に関わる人や物、プロセスに内在するリスクや条件などを説明する際に適しています。「involve」は巻き込むようなイメージで、強い関連性を示します。単純に「含む」というよりも、「必然的に関係している」というニュアンスが強い表現です。
例文
- This game involves two teams.(このゲームは2つのチームが関わります。)
- The project involves a lot of work.(そのプロジェクトはたくさんの作業を伴います。)
- The accident involved three cars.(その事故には3台の車が関係していました。)
comprise(コンプライズ)
意味と特徴
「comprise」は部分が集まって全体を構成することを意味します。特に、全体がどのような部分から成り立っているかを示す場合に使われます。フォーマルな文脈で使われることが多く、特に学術的な文章やビジネスの報告書などで見られます。全体と部分の関係を明確に表現したい場合に使われる表現です。
使い分けのポイント
全体の構成要素を説明する際に使います。「X comprises Y」(X全体がYという部分から成る)または「X is comprised of Y」(X全体はYから構成されている)という形で使われます。全体と部分の関係を明確にしたい場合、特にフォーマルな場面で使用します。「comprise」は全体が部分の総和であることを示すイメージを持ちます。ビジネスや学術的な場面では「include」よりも正式な印象を与えます。
例文
- The team comprises six players.(そのチームは6人の選手で構成されています。)
- The United States comprises fifty states.(アメリカ合衆国は50の州から成っています。)
- Our class is comprised of twenty students.(私たちのクラスは20人の生徒で構成されています。)
incorporate(インコーポレイト)
意味と特徴
「incorporate」は何かを取り入れて一体化させることを意味します。特に、既存のシステムや構造に新しい要素を追加し、それを統合する過程を示します。ビジネスやフォーマルな文脈でよく使われ、意図的な統合のプロセスを強調します。何かを積極的に取り入れ、既存のものと一体化させるイメージがあります。
使い分けのポイント
既存のものに新しい要素を追加して一体化させる場合に使います。特にシステム、デザイン、計画などに新しいアイデアや要素を取り入れる場合に適しています。単なる「含む」よりも、取り入れて一体化させるという積極的なプロセスを強調しています。「incorporate」は組み込んで一体化させるイメージを持ちます。新しい要素を取り入れる際に意図的な行動があることを示す場合に最適です。
例文
- The chef incorporated cheese into the sauce.(シェフはソースにチーズを取り入れました。)
- We need to incorporate these ideas into our plan.(これらのアイデアを私たちの計画に取り入れる必要があります。)
- The teacher incorporated games into the lesson.(先生は授業にゲームを取り入れました。)
integrate(インテグレイト)
意味と特徴
「integrate」は異なる要素を組み合わせて一つの機能的な全体を形成することを意味します。特に、複数の要素を調和させて一体化させるプロセスを示します。社会的、技術的、または組織的な文脈でよく使われます。単に要素を追加するだけでなく、それらが調和して機能するようにするプロセスを強調します。
使い分けのポイント
異なる要素を調和させて一体化させる場合に使います。特に、システム、チーム、社会などで異なる部分を機能的な全体に統合する場合に適しています。単なる「含む」よりも、調和と機能性を強調しています。「integrate」は異なる要素を調和させて一体化するイメージを持ちます。「incorporate」よりも、統合後の調和や機能性を重視する表現です。社会統合や技術統合など、異なる要素の融合に関する文脈でよく使われます。
例文
- We need to integrate the new students into our class.(新しい生徒たちを私たちのクラスに溶け込ませる必要があります。)
- The company integrated the two departments.(その会社は2つの部門を統合しました。)
- He integrated music into his daily routine.(彼は音楽を日常生活に取り入れました。)
consist of(コンシスト オブ)
意味と特徴
「consist of」は何かが特定の要素や部分から成り立っていることを示します。構成要素を説明する際に使われ、always followed by “of”(常に「of」が続く)という特徴があります。「comprise」に似ていますが、より一般的で日常会話でも使われます。何かの構成要素を客観的に説明する場合によく使われる表現です。
使い分けのポイント
何かの構成要素を説明する際に使います。常に「of」と共に使われ、「X consists of Y」(XはYから成る)という形式になります。「comprise」よりもカジュアルで、日常会話や一般的な説明において広く使われます。「consist of」は特定の要素から成り立っているイメージを持ちます。「comprise」がやや硬い表現であるのに対し、「consist of」はより中立的で使いやすい表現です。特に科学的な説明やグループの構成要素を説明する際に適しています。
例文
- Water consists of hydrogen and oxygen.(水は水素と酸素から成ります。)
- Our team consists of five members.(私たちのチームは5人のメンバーから成っています。)
- The meal consists of rice, fish, and vegetables.(その食事は米、魚、野菜から成っています。)
entail(エンテイル)
意味と特徴
「entail」は何かが必然的に他の何かを伴うことを意味します。特に、行動や決定に必然的に付随する結果、要件、または影響を示します。フォーマルな文脈でよく使われ、必然的な因果関係を強調します。何かを選択したり実行したりすることで、避けられない結果や要件が生じることを表現します。
使い分けのポイント
ある行動や決定が必然的に何かを伴う場合に使います。特に、計画や決定に伴うコスト、時間、労力などの必然的な要件や結果を説明する際に適しています。単なる「含む」よりも、必然的な因果関係を強調しています。「entail」は必然的に伴うイメージを持ちます。「involve」に似ていますが、「entail」はより直接的な必然性や結果を強調する傾向があります。何かを選択した結果として避けられない要素がある場合に適した表現です。
例文
- This job entails working on weekends.(この仕事は週末の勤務を伴います。)
- Moving to a new city entails many changes.(新しい都市への引っ越しは多くの変化を伴います。)
- Learning a language entails daily practice.(言語を学ぶには毎日の練習が必要です。)
hold(ホールド)
意味と特徴
「hold」は多くの意味を持つ単語ですが、「含む」という文脈では何かを内部に持っている、または保持しているという意味になります。物理的な保持だけでなく、抽象的な概念や感情などを持っている場合にも使われます。容器が物を入れる、人が意見や感情を持つなど、幅広い文脈で使用できる表現です。
使い分けのポイント
何かを物理的または概念的に保持している場合に使います。特に、容器や空間が内容物を持っている場合、人が意見や感情を持っている場合などに適しています。「contain」よりも一般的で幅広い用途を持ちます。「hold」は何かを保持しているイメージを持ちます。「contain」が物理的な内包に焦点を当てるのに対し、「hold」はより広い意味で使用され、特に感情や意見を「持つ」という意味でもよく使われます。容量を表現する際にも使われます。
例文
- This cup holds water.(このカップは水を入れることができます。)
- The box holds many surprises.(その箱にはたくさんの驚きが入っています。)
- She holds strong opinions about education.(彼女は教育について強い意見を持っています。)
encompass(エンカンパス)
意味と特徴
「encompass」は何かを完全に包み込む、または取り囲む意味を持ちます。特に、広範囲にわたって何かを含んでいることを示します。フォーマルな文脈でよく使われ、包括的な範囲や領域を強調します。何かが広い範囲や多くの要素を包括的に含むイメージを持つ表現です。
使い分けのポイント
何かが広範囲にわたって他のものを包含する場合に使います。特に、概念、計画、プロジェクトなどが広範囲の要素やトピックを含む場合に適しています。単なる「含む」よりも、完全に包み込むという包括性を強調しています。「encompass」は完全に包み込むイメージを持ちます。「include」が特定の要素を含むことを示すのに対し、「encompass」はより広範囲に及ぶ包括的な包含を示します。学術的な文脈や、幅広い概念や領域を説明する際によく使われます。
例文
- His job encompasses many different tasks.(彼の仕事は多くの異なる任務を包含しています。)
- The park encompasses five square kilometers.(その公園は5平方キロメートルの範囲を有しています。)
- Her research encompasses various fields.(彼女の研究はさまざまな分野を網羅しています。)
「含む」を表す英単語の比較表
英単語 | 主な意味 | 特徴 | 典型的な用途 |
---|---|---|---|
contain | 物理的に内部に持つ | 容器内の内容物や成分を示す | 成分、内容物の説明 |
include | 一部として加える | 全体の中の一部を示す | リスト、グループ、料金の説明 |
involve | 必然的に伴う | 強い関連性や必要性を示す | 活動、プロセス、関係の説明 |
comprise | 全体を構成する | 部分が全体を作る関係を示す | 構成要素の説明(フォーマル) |
incorporate | 組み込む | 意図的に取り入れて一体化させる | 新要素の追加と統合 |
integrate | 統合する | 異なる要素を調和させて一体化 | 異なる要素の機能的統合 |
consist of | 〜から成り立つ | 構成要素を列挙する(常に「of」と共に) | 一般的な構成説明 |
entail | 必然的に伴う | 必然的な結果や要件を示す | 必然的な結果や要件の説明 |
hold | 含む、保持する | 物理的または概念的に保持する | 容量、意見、感情の説明 |
encompass | 包含する | 完全に包み込む、広範囲に及ぶ | 包括的な範囲や領域の説明 |
「含む・含める」を表す英単語の使い分け練習問題
これから20問の練習問題を通して、「含む・含める」を表す英単語の使い分けを練習しましょう。最適な英単語を選んで文を完成させてください。
- This bottle __ water.
- The price __ tax.
- The project __ many people.
- Our team __ five members.
- This medicine __ vitamin C.
- The United States __ 50 states.
- She __ his ideas into her presentation.
- We need to __ new technology into our business.
- The committee __ of ten people.
- The museum visit __ a guided tour.
- This cake __ eggs and flour.
- Our plan __ visiting three cities.
- The job __ working on weekends.
- The library __ many old books.
- The company needs to __ diverse perspectives.
- This box can __ up to 20 items.
- Their diet __ of vegetables and fruits.
- The conference __ speakers from many countries.
- The hotel room rate __ breakfast.
- This activity __ working in groups.
「含む・含める」を表す英単語に関するよくある質問
- containとincludeの違いは何ですか?
-
containとincludeは似た意味を持ちますが、使用場面が異なります。containは物理的に内部に何かが存在する場合や、成分として含まれている場合に使います。例えば「この飲み物にはカフェインが含まれている」はcontainsを使います。一方、includeは全体の一部として何かを含める場合に使います。例えば「この料金には朝食が含まれている」はincludesを使います。containは「全体に含む」、includeは「部分として含む」というニュアンスの違いがあります。
- involveとincludeの違いは何ですか?
-
involveは「必然的に伴う、関わる」というニュアンスがあり、活動や事態に関連して使われます。例えば「このプロジェクトには多くの人が関わっている」はinvolvesを使います。一方、includeは単に「含める」という意味で、リストや集合の要素として含む場合に使います。involveには参加や関与のニュアンスがあるのに対し、includeはより中立的な含有を示します。
- compriseとconsist ofはどう違いますか?
-
compriseとconsist ofは両方とも「〜から成る」という意味ですが、使い方が少し異なります。compriseは「A comprises B」の形で「AはBから成る」と表現し、より公式的な文脈で使われます。一方、consist ofは「A consists of B」の形で使い、より一般的で日常的な表現です。また、compriseは単独で「構成する」という意味も持ちますが、consist ofは常に「of」と一緒に使う必要があります。
- 料金に税金が含まれているという場合、どの表現が適切ですか?
-
料金に税金が含まれている場合、通常は「The price includes tax.」または「Tax is included in the price.」と表現します。includeは全体の一部として何かを含める場合に使うため、税金のような追加的な要素を表現するのに適しています。また、「Tax-inclusive price」(税込み価格)という表現もよく使われます。
- 成分表示で「〜を含む」と言いたい場合は?
-
成分表示で「〜を含む」と言いたい場合は、通常「contain」を使います。例えば「This food contains nuts.」(この食品にはナッツが含まれています)というように表現します。成分や物質が物理的に含まれている場合は、containが最も適切です。アレルギー表示などでも「May contain traces of…」(〜の痕跡が含まれているかもしれません)というように使われます。
- 「含む・含める」を英語で表現する際の一般的な間違いは?
-
「含む・含める」を英語で表現する際の一般的な間違いとして、状況に合わない単語を選んでしまうことがあります。例えば、成分表示にincludeを使ったり、グループのメンバー表示にcontainを使ったりする間違いがよく見られます。また、containとcomprise、includeとconsist ofを混同することも多いです。それぞれの単語のニュアンスを理解し、適切に使い分けることが重要です。
まとめ

「含む・含める」を表す英単語はそれぞれ微妙に意味やニュアンスが異なります。containは物理的な含有を、includeは部分的な含有を、involveは必然的な関与を表すなど、状況に応じて適切な単語を選ぶことが重要です。例えば、成分には「contain」、料金の内訳には「include」、活動の要素には「involve」を使うと自然な英語表現になります。
英語初心者にとっては、これらの違いを理解して適切に使い分けることは難しく感じるかもしれませんが、基本的な違いを押さえ、実際に使ってみることで徐々に身につきます。この記事で紹介した例文や練習問題を参考に、ぜひ積極的に使い分けてみてください。
これらの単語を状況に応じて使い分けることで、より正確で自然な英語表現ができるようになるでしょう。英語学習の過程で、これらの微妙なニュアンスの違いを理解し、使いこなせるようになることは大きな成長につながります。