「contra」は英語において前置詞、副詞、名詞、動詞として使用される単語で、基本的には「反対」や「対立」を意味します。ラテン語由来のこの単語は、学術的な文章や特定の分野でよく使われる表現です。また、接頭辞としても多くの単語に使われています。
この記事では、英語初学者のために「contra」の意味と様々な使い方を例文とともに詳しく解説していきます。
contraとは?基本的な意味と語源について

「contra」はラテン語由来の単語で、基本的に「against(反対)」や「opposite(反対の)」、「contrary to(〜に反して)」という意味を持ちます。この単語は様々な形で英語の中に浸透しており、前置詞、副詞、名詞、動詞として使われるほか、「contra-」という形で接頭辞としても多くの単語に使用されています。
ラテン語の「contrā」に由来するこの単語は、古くから「対立」や「反対」を表現する際に用いられてきました。日常会話ではあまり頻繁に使用されることはありませんが、学術論文や法律文書、特定の専門分野では重要な役割を果たします。
「contra」は単独で使われることもありますが、多くの場合は他の単語と組み合わさって使用されることが多く、特に「contra-」という接頭辞形式では「contradict(矛盾する)」や「contrary(反対の)」など、日常的に使われる単語の一部となっています。
contraの前置詞としての使い方
前置詞としての「contra」は、「against(〜に反して)」や「in opposition to(〜に対立して)」という意味で使われます。特に何かに対する反対意見や対立する立場を示す際に用いられます。この用法は日常会話ではあまり見られず、主に学術的な文脈や法律文書に登場します。
前置詞としての「contra」は、その後に名詞や代名詞を伴って使用されます。以下のような例文で使われます。
例文
- He argued contra the popular opinion. (彼は一般的な意見に反論した。)
- The evidence was presented contra the defendant’s claim. (証拠は被告の主張に反するものとして提示された。)
- Consider the problems of students contra those of teachers. (生徒の問題と教師の問題を対比して考えてみよう。)
前置詞としての「contra」は、より一般的な「against」や「contrary to」で置き換えることも可能です。ただし、「contra」を使うと文章がより形式的で学術的な印象を与えます。
contraの副詞としての使い方
副詞としての「contra」は、「on the contrary(反対に)」や「conversely(逆に)」という意味で使われます。この用法は前置詞としての使い方よりもさらに稀で、主に学術的な文章や形式ばった場面で見られます。
副詞としての「contra」は、何かの陳述に対して反対の見解や状況を導入する役割を果たします。以下に例文を示します。
例文
- I thought he would agree, but contra, he opposed the idea. (彼が同意すると思っていたが、反対に、彼はその考えに反対した。)
- Some believe it is easy; contra, it is very difficult. (簡単だと信じる人もいるが、反対に、それはとても難しい。)
- The teacher said we would have a test; contra, we had a free study day. (先生はテストがあると言ったが、反対に、自習日だった。)
副詞としての「contra」は「on the contrary」や「conversely」という表現で置き換えることが可能であり、実際にはこれらの表現の方がより一般的に使われています。
contraの名詞としての使い方
名詞としての「contra」には複数の意味があります。最も知られている用法は、ニカラグアの左翼政権に反対したゲリラ組織のメンバーを指す場合です。また、会計やビジネスの分野では「相殺勘定」や「反対記入」を意味することもあります。
名詞としての使用例
- The contras were active in Nicaragua during the 1980s. (コントラはニカラグアで1980年代に活動していた。)
- This is recorded as a contra entry in our books. (これは帳簿に相殺記入として記録される。)
- He plays the contra in our school band. (彼は学校のバンドでコントラ(低音楽器)を演奏している。)
音楽の分野では、「contra」は低音楽器(特にコントラバスなど)を指すこともあります。また、ダンスの一種である「contra dance」(コントラダンス)という用語もあります。
名詞としての「contra」は複数形で「contras」となります。このような専門的な用法は特定の文脈でのみ使われることが多いため、その背景知識と合わせて理解するとよいでしょう。
contraの接頭辞としての使い方
「contra-」は多くの英単語の接頭辞として使われ、「反対の」「対立する」「逆の」という意味を加えます。この形で使われる単語は日常的にも比較的よく見かけるものが多く、英語学習者にとって重要です。
代表的な例としては以下のようなものがあります。
例文
- Contradict (矛盾する): His story contradicts the evidence. (彼の話は証拠と矛盾している。)
- Contrary (反対の): Her opinion is contrary to mine. (彼女の意見は私のものと反対だ。)
- Contraception (避妊): Contraception is an important topic in health education. (避妊は健康教育における重要なトピックだ。)
- Contrast (対照): The black and white colors create a strong contrast. (黒と白の色は強い対比を生み出している。)
- Contraband (密輸品): The police found contraband in his bag. (警察は彼のバッグから密輸品を見つけた。)
これらの単語の共通点は、何かに「反対する」「対立する」という概念が含まれていることです。「contra-」という接頭辞を理解することで、これらの単語の意味をより直感的に把握することができるようになります。
contraの様々な分野での使用例
「contra」は様々な専門分野で特定の意味を持って使用されています。それぞれの分野における使われ方を見ていきましょう。
法律分野での使用
法律の世界では、「contra」はしばしば法的な議論や文書で使われます。「contra legem」(法に反して)や「contra proferentem」(起草者に不利に解釈する原則)などのラテン語由来の表現があります。
例文
- The judge ruled contra the precedent. (裁判官は先例に反する判決を下した。)
- This interpretation goes contra the law. (この解釈は法律に反している。)
音楽分野での使用
音楽では、「contra-」は低音を表す接頭辞として使われます。「contrabass」(コントラバス)や「contrabassoon」(コントラファゴット)などの楽器名がその例です。
例文
- She plays the contra in the orchestra. (彼女はオーケストラでコントラ(低音楽器)を演奏する。)
- The contra section needs more practice. (コントラセクションはもっと練習が必要だ。)
ダンス分野での使用
ダンスの世界では、「contra dance」(コントラダンス)という伝統的な民俗舞踊があります。これは向かい合った列で踊る群舞の一種です。
例文
- We enjoyed contra dancing at the festival. (私たちはフェスティバルでコントラダンスを楽しんだ。)
- Contra dance is popular in many countries. (コントラダンスは多くの国で人気がある。)
会計・ビジネス分野での使用
会計やビジネスでは、「contra」は「反対の」や「相殺する」といった意味で使われます。「contra account」(対照勘定)や「contra entry」(反対記入)などの用語があります。
例文
- This is a contra account in our books. (これは私たちの帳簿における対照勘定です。)
- We need to make a contra entry for this transaction. (この取引に対して反対記入をする必要があります。)
これらの専門分野での用法を知ることで、「contra」という単語の多面的な使われ方が理解できるでしょう。
contraのよくある間違いと注意点
「contra」を使用する際にはいくつかの一般的な間違いや注意点があります。英語学習者がよく混同するポイントを紹介します。
「contra」と「counter」を混同
最もよくある間違いの一つは、「contra」と「counter」を混同することです。両方とも「反対」や「対立」を表しますが、使用法が異なります。「contra」はラテン語由来で、前置詞や副詞として独立して使われる他、名詞や接頭辞としても機能します。一方、「counter」は主に接頭辞や動詞・名詞として使われます。
例えば、「counter-argument」(反論)と「contra-argument」はどちらも「反対の議論」を意味しますが、「counter-argument」の方が一般的に使われます。
「on the contrary」や「in contrast」と混同
また、「contra」を「on the contrary」や「in contrast」と混同することも多いです。「contra」は単に「〜に反して」という意味ですが、「on the contrary」は直前の陳述を完全に否定する表現、「in contrast」は二つの事柄を比較対照する表現です。
- I think he will come, contra, he will not.(不自然な表現)
- I think he will come; on the contrary, he will not.(私は彼が来ると思う;それどころか、彼は来ないだろう。)
- I am contra.(不完全な文)
- I am contra this idea.(私はこの考えに反対だ。)
日常会話ではあまり使われない
さらに、「contra」を含む表現は日常会話ではあまり使われず、学術的な文脈や専門分野で使われることが多いという点も注意が必要です。一般的な会話では「against」や「opposed to」などのより馴染みのある表現が好まれます。
「contra-」を接頭辞として使う単語(例:「contradict」「contrary」)と、「contra」を独立した単語として使う場合(前置詞や副詞など)を区別することも重要です。
contraに関する問題
ここでは「contra」に関する理解を深めるための問題を10題用意しました。各問題を解いて、自分の理解度を確認してみましょう。
この問題セクションでは、「contra」の様々な側面に関する知識をテストします。前置詞、副詞、名詞、接頭辞などの異なる用法に関する問題が含まれていますので、しっかり考えてみてください。回答は問題の後にまとめて掲載しています。
- 「contra」の基本的な意味は何ですか?
- 次の文の空欄に適切な単語を入れてください:The evidence was presented _ the defendant’s claim.
- 「contradict」という単語の「contra-」は何を意味していますか?
- 前置詞としての「contra」と「against」の主な違いは何ですか?
- 次の文の空欄に適切な単語を入れてください:His statement _ what he said yesterday.(矛盾する)
- 副詞としての「contra」はどのような意味を持ちますか?
- 会計において、「contra account」とは何ですか?
- 次の日本語を英語に訳してください:「彼は一般的な意見に反論した。」
- 「contra-」と「counter-」の主な違いは何ですか?
- 次の文の空欄に適切な単語を入れてください:We need to consider both pro and _ arguments.
これらの問題を通じて、「contra」の様々な使い方について理解を深めることができるでしょう。
「contra」に関するよくある質問
- 「contra」と「against」はどう違いますか?
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「contra」と「against」はどちらも「〜に反して」という意味を持ちますが、「contra」はラテン語由来でより形式的・学術的な文脈で使われます。一方、「against」は日常会話で頻繁に使用される一般的な単語です。一般的な会話では「against」を使うことが多いでしょう。
- 「contra」は現代英語でどれくらい使われていますか?
-
単独の単語としての「contra」は日常会話ではあまり使用されません。主に学術論文や法律文書、特定の専門分野で見られます。しかし、「contradict」や「contrary」など、「contra-」接頭辞を含む単語は比較的一般的に使われています。
- 「contra-」で始まる一般的な英単語にはどのようなものがありますか?
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一般的なものには「contradict(矛盾する)」、「contrary(反対の)」、「contrast(対比)」、「contraception(避妊)」、「contraband(密輸品)」などがあります。これらの単語は日常的にも使用される頻度が高いです。
- 「contra」と「on the contrary」の違いは何ですか?
-
「contra」は前置詞として「〜に反して」という意味で使われますが、「on the contrary」は成句で「それどころか、反対に」という意味を持ち、前の陳述を完全に否定する際に使用されます。使用法と文脈が異なります。
- 「contra」を含む重要な法律用語はありますか?
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「contra legem(法に反して)」や「contra proferentem(起草者に不利に)」などがあります。これらのラテン語由来の法律用語は国際的な法律文書でも使用されることがあります。
- 「contra dance」とは何ですか?
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「contra dance」は主に北米で見られる伝統的な民俗舞踊のスタイルで、二列に並んだダンサーが向かい合って踊るものです。フランスの「contredanse」に由来すると言われています。
- 「contra」は他の言語でも使われていますか?
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「contra」はラテン語由来の単語で、スペイン語やイタリア語など多くのロマンス言語でも「〜に対して」という意味で使われています。日本語では「コントラ」とカタカナで表記されることもあります。
- 「pro and contra」と「pros and cons」の違いは何ですか?
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どちらも「賛成と反対」という意味ですが、「pros and cons」の方が現代英語では一般的です。「pro and contra」はより古典的・学術的な表現で、特に法律や哲学の分野で見られることがあります。
まとめ

この記事では、「contra」の意味と様々な使い方について詳しく解説してきました。「contra」はラテン語由来の単語で、基本的に「against(反対)」や「contrary to(〜に反して)」という意味を持ちます。前置詞、副詞、名詞、動詞として、また「contra-」という形で接頭辞としても使用される多面的な単語です。
ここで学んだ主なポイントをまとめると、
- 「contra」はラテン語由来の単語で「反対」や「対立」を表す
- 前置詞として「〜に反して」「〜に対して」という意味で使われる
- 副詞として「反対に」という意味を持つ
- 名詞としてはニカラグアのゲリラ組織や会計上の相殺勘定などを指す
- 接頭辞「contra-」は「contradict」や「contrary」など多くの一般的な単語に使われる
- 「contra」は日常会話ではあまり使われず、学術的・専門的な文脈で使われることが多い
- 「contra」と「counter」や「on the contrary」などの類似表現との違いを理解することが重要
- 法律、音楽、ダンス、会計など様々な分野で特定の意味を持つ
「contra」は初学者にとっては馴染みが薄い単語かもしれませんが、その基本的な意味と様々な使い方を理解することで、より高度な英語表現や専門的な文脈を理解する助けとなるでしょう。特に「contradict」や「contrary」など、「contra-」を含む一般的な単語の意味理解にも役立ちます。
英語の学習においては、このような個々の単語の詳細な理解が、総合的な言語能力の向上につながります。「contra」のような単語を通じて、英語の語源や様々な品詞の使い分けについても学びを深めることができるでしょう。