「Cool as a cucumber(クール・アズ・ア・キューカンバー)」は英語圏でよく使われる慣用句で、「非常に落ち着いている」「冷静でいる」「動じない」という意味を持ちます。直訳すると「きゅうりのように冷たい(冷静)」となりますが、プレッシャーがかかる状況や緊張する場面でも冷静さを保っている人を表現するときに使われる表現です。
日本語では「冷静沈着」「泰然自若」などに近い意味合いになります。
「Cool as a cucumber」の基本的な意味

「Cool as a cucumber」は、緊張したりストレスを感じたりするような状況でも落ち着きを失わない人を表現するときに使われます。例えば、大勢の前でのスピーチや重要な試験、プレゼンテーションなど、多くの人が緊張するような場面でも余裕を持って対応できる人の様子を描写するのに最適です。
この表現が生まれた背景には、きゅうりが暑い日でも内部が冷たく保たれるという特性があります。きゅうりは水分を多く含んでいるため、外の温度がどれだけ高くても、その内部は常に涼しさを保っています。この特性が、どんな状況でも冷静さを保つ人間の姿に例えられるようになりました。
「Cool as a cucumber」の使われ方
この表現は主に「be cool as a cucumber」(きゅうりのように冷静である)という形で使われます。例えば「He was cool as a cucumber during the interview」(彼は面接中、きゅうりのように冷静だった)のように使います。
また、比較級や最上級の形でも使われることがあります。「She was cooler than a cucumber when she gave her speech」(彼女はスピーチをしているとき、きゅうりより冷静だった)のような表現もあります。
日本語での類似表現
日本語では「水のように冷静」「氷のように冷静」などと言いますが、「Cool as a cucumber」に完全に対応する慣用句はありません。
「冷静沈着」「落ち着き払っている」「動じない」などの表現がニュアンス的に近いでしょう。
「Cool as a cucumber」の語源と歴史
「Cool as a cucumber」という表現の起源は18世紀にまでさかのぼります。1732年に詩人ジョン・ゲイ(John Gay)がこの表現を用いたのが、最初の記録として残っています。当時の人々は、きゅうりが暑い日でも内部が冷たいままであるという特性に注目し、この表現を生み出しました。
この表現が広く普及したのは、きゅうりという身近な野菜の特性と人間の精神状態を結びつけるイメージがわかりやすく、記憶に残りやすかったためです。時代を超えて現代まで使われ続けている慣用句の一つとなりました。
きゅうりと冷静さの関係
きゅうりは水分含有量が95%以上と非常に高く、このため内部温度が低く保たれます。暑い夏の日でも、きゅうりの内側は涼しい状態を維持するのです。この特性が、「どんな熱い状況でも冷静さを保つ人」を表現するのにぴったりだったのでしょう。
実際に、英語圏では「cool」という単語自体が「落ち着いている」「冷静である」という意味を持っており、「きゅうり(cucumber)」と組み合わさることで、より強調された表現になっています。
「Cool as a cucumber」の例文と解説
「Cool as a cucumber」の使い方をより深く理解するために、実際の例文を見ていきましょう。ここでは中学英語レベルの簡単な例文を紹介します。
日常会話での例文
例文
- My brother is always cool as a cucumber before tests.
(私の兄はテスト前もいつもきゅうりのように冷静だ。) - She was cool as a cucumber when she met the famous actor.
(彼女は有名俳優に会ったときもきゅうりのように冷静だった。) - How can you be so cool as a cucumber in stressful situations?
(どうしてストレスのある状況でもそんなにきゅうりのように冷静でいられるの?) - I try to be cool as a cucumber during job interviews.
(就職面接の間はきゅうりのように冷静でいるよう心がけている。) - The boy remained cool as a cucumber when he fell off his bike.
(その男の子は自転車から落ちても、きゅうりのように冷静さを保った。)
ビジネスシーンでの例文
例文
- Our team leader is cool as a cucumber when deadlines approach.
(私たちのチームリーダーは締め切りが近づいてもきゅうりのように冷静だ。) - The new teacher was cool as a cucumber on her first day.
(新しい先生は初日もきゅうりのように冷静だった。) - I need to learn how to be cool as a cucumber during presentations.
(プレゼンテーション中にきゅうりのように冷静でいる方法を学ぶ必要がある。) - The manager was cool as a cucumber when dealing with the angry customer.
(マネージャーは怒っている客に対処するときもきゅうりのように冷静だった。) - You were cool as a cucumber during the difficult meeting yesterday.
(昨日の難しい会議の間、あなたはきゅうりのように冷静だった。)
文学作品やメディアでの例文
例文
- The hero in the story was cool as a cucumber in the face of danger.
(物語の主人公は危険に直面してもきゅうりのように冷静だった。) - The detective remained cool as a cucumber while solving the mystery.
(探偵は謎を解きながらもきゅうりのように冷静さを保った。) - In the movie, the spy was cool as a cucumber during the chase scene.
(映画の中で、スパイは追跡シーンの間もきゅうりのように冷静だった。) - The captain stayed cool as a cucumber when the storm hit the ship.
(船長は嵐が船を襲ったときもきゅうりのように冷静だった。) - She walked on stage, cool as a cucumber, despite it being her first performance.
(初めての公演だったにもかかわらず、彼女はきゅうりのように冷静に舞台に上がった。)
「Cool as a cucumber」の使い方とニュアンス
「Cool as a cucumber」は主に誰かの態度や振る舞いを描写するときに使われる表現です。特に、普通なら緊張したり動揺したりするような状況で冷静さを保っている人を表現する際に適しています。
この表現は基本的にポジティブな意味合いを持ち、賞賛や羨望のニュアンスを含むことが多いです。
フォーマルとカジュアルな場面での使い分け
「Cool as a cucumber」はカジュアルな表現ですが、ビジネスシーンや学校など、さまざまな場面で使うことができます。ただし、非常にフォーマルな文書や公式文書では、より格式の高い表現(例:「remained composed」「maintained composure」など)が好まれる傾向にあります。
友人との会話やカジュアルな文脈では、この表現は頻繁に使われます。「You were cool as a cucumber when that dog started barking at you!」(あの犬があなたに向かって吠え始めたとき、あなたはきゅうりのように冷静だったね!)といった使い方です。
ポジティブとネガティブなニュアンス
「Cool as a cucumber」は基本的にポジティブな表現です。冷静さを保つことができるのは良い特性と考えられているため、この表現は多くの場合、賞賛や称賛を込めて使われます。
ただし、状況によっては、「感情が欠けている」「無関心すぎる」といったややネガティブなニュアンスを含むこともあります。例えば、喜びや悲しみなど感情的な反応が期待される場面で冷静すぎる場合には、「He was cool as a cucumber when I told him the good news, which was strange」(彼に良いニュースを伝えたとき、彼はきゅうりのように冷静で、それは奇妙だった)のように使われることもあります。
「Cool as a cucumber」に関する類似表現
英語には「冷静さ」や「平静さ」を表現するための様々な慣用句があります。
ここでは「Cool as a cucumber」と意味が近い表現や、反対に「動揺している」ことを表す表現を紹介します。
「冷静さ」を表す他の英語表現
例文
- Keep one’s cool
(冷静さを保つ)
例: He kept his cool during the crisis.
(彼は危機の間も冷静さを保った。) - Calm and collected
(落ち着いていて冷静な)
例: She was calm and collected throughout the interview.
(彼女は面接を通して落ち着いていて冷静だった。) - As cool as ice
(氷のように冷静な)
例: The surgeon was as cool as ice during the operation.
(その外科医は手術中、氷のように冷静だった。) - Not turn a hair
(動じない、平然としている)
例: He did not turn a hair when he heard the bad news.
(彼は悪いニュースを聞いても動じなかった。) - Take in stride
(平然と受け止める)
例: She takes all problems in stride.
(彼女はすべての問題を平然と受け止める。)
対義語となる表現
「Cool as a cucumber」の反対の意味を持つ表現も知っておくと便利です。
例文
- Lose one’s cool
(冷静さを失う)
例: He lost his cool when the customer started shouting.
(客が叫び始めたとき、彼は冷静さを失った。) - Get hot under the collar
(怒りで顔を赤くする、激怒する)
例: She got hot under the collar when she saw the mess.
(彼女はその散らかった状態を見て激怒した。) - Fall to pieces
(取り乱す、パニックになる)
例: I fell to pieces when I heard the bad news.
(悪いニュースを聞いて、私は取り乱した。) - Have butterflies in one’s stomach
(緊張で胃がキリキリする)
例: I have butterflies in my stomach before every test.
(毎回テスト前には緊張で胃がキリキリする。)
「Cool as a cucumber」に関するよくある質問
- 「Cool as a cucumber」はスラングですか?
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「Cool as a cucumber」はスラングではありません。この表現は18世紀から使われている慣用句(イディオム)です。正式な英語の一部として認められており、カジュアルな会話だけでなく、ある程度フォーマルな場面でも使用できます。
- 「Cool as a cucumber」は現代でも使われていますか?
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はい、「Cool as a cucumber」は現代の英語でも頻繁に使われています。古い表現ではありますが、そのわかりやすいイメージから、現代の日常会話やメディア、文学作品などでも広く使用されています。年齢を問わず多くの英語話者に理解され、使われている表現です。
- 「Cool as a cucumber」の「cool」は「かっこいい」という意味ですか?
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いいえ、この表現での「cool」は「冷たい」「冷静な」という意味であり、現代スラングの「かっこいい」という意味ではありません。「Cool as a cucumber」は、きゅうりが内部温度を低く保つ特性から来ている表現で、人が精神的に冷静さを保っている状態を指します。
- 「Cool as a cucumber」は日本語にどう訳せばいいですか?
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直訳すると「きゅうりのように冷静」ですが、日本語では「冷静沈着」「泰然自若」「冷静そのもの」などと訳すのが適切です。文脈によって最適な訳し方は変わってきます。
- 「Cool as a cucumber」は必ず人について使うのですか?
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主に人の態度や振る舞いを描写するために使われますが、状況や雰囲気を表現するのに使われることもあります。例えば「The atmosphere in the room was cool as a cucumber despite the tense situation」(緊張した状況にもかかわらず、部屋の雰囲気はきゅうりのように冷静だった)のように使うことができます。
まとめ

「Cool as a cucumber」についての重要なポイントをまとめます。
- 「Cool as a cucumber」は「きゅうりのように冷静」という意味で、緊張する状況でも冷静さを保つ人を描写する表現である。
- この表現は18世紀に誕生し、きゅうりが外気温に関わらず内部が冷たいという特性に由来している。
- 主に「be cool as a cucumber」の形で使われ、ポジティブなニュアンスを持つことが多い。
- カジュアルな会話でもビジネスシーンでも使用可能だが、非常にフォーマルな文書では避けられることがある。
- 類似表現として「keep one’s cool」「calm and collected」などがあり、対義語には「lose one’s cool」「get hot under the collar」などがある。
- この表現は現代でも広く使われており、英語話者なら年齢を問わず理解できる。
- 「cool」は「かっこいい」ではなく「冷静な」「冷たい」という意味で使われている。
英語の慣用句を学ぶことは、英語をより自然に、ネイティブらしく話すための重要なステップです。「Cool as a cucumber」のような表現をマスターして、あなたの英語をより豊かなものにしていきましょう。