英語の文法を学習する中で、「both A and B」や「either A or B」などの表現を見かけたことがありませんか?これらは「相関接続詞」と呼ばれる表現で、常にペアで使われる接続詞の一種です。相関接続詞を理解することで、より正確に複数の事柄を関連づけて表現できるようになります。
この記事では、英語初学者でも分かりやすく相関接続詞の意味と使い方を解説します。
相関接続詞とは

相関接続詞とは、単独では機能せず、必ず対(ペア)で使われる接続詞のことです。英語文法において、複数の単語、句、節を結びつけるために使用されます。通常の接続詞(and, but, orなど)の仲間ですが、常に決まった組み合わせで使われる点が特徴です。
相関接続詞を使うことで、二つの事柄がどのような関係にあるのかを明確に表現できます。例えば、両方が当てはまるのか、どちらか一方なのか、あるいはどちらも当てはまらないのかなどの関係性を示すことができます。
以下の例で相関接続詞の基本的な使い方を見てみましょう。
例文
- I like both cats and dogs.(私は猫も犬も好きです)
- You can either walk or take the bus.(あなたは歩くか、バスに乗るかどちらかです)
主な相関接続詞一覧と使い方
相関接続詞には様々な種類がありますが、ここでは代表的なものを紹介します。それぞれの意味と使い方を例文とともに見ていきましょう。
both A and B(AもBも両方とも)
「both A and B」は、「AもBも両方とも」という意味で、二つの事柄が同時に成り立つことを示します。
例文
- My mother can speak both English and French.(私の母は英語もフランス語も話せます)
- I want to visit both Kyoto and Nara.(私は京都も奈良も訪れたいです)
- She likes both swimming and running.(彼女は水泳もランニングも好きです)
either A or B(AかBかのどちらか)
「either A or B」は、「AかBかのどちらか」という選択肢を示す表現です。
例文
- We can go either today or tomorrow.(私たちは今日か明日のどちらかに行けます)
- You must choose either the red pen or the blue pen.(あなたは赤ペンか青ペンのどちらかを選ばなければなりません)
- She will eat either rice or bread for lunch.(彼女は昼食にご飯かパンのどちらかを食べるでしょう)
neither A nor B(AでもBでもない)
「neither A nor B」は、「AでもBでもない」という否定の表現です。
例文
- I speak neither Chinese nor Korean.(私は中国語も韓国語も話しません)
- My sister likes neither math nor science.(私の姉は数学も理科も好きではありません)
- They have neither time nor money.(彼らには時間もお金もありません)
not only A but also B(AだけでなくBも)
「not only A but also B」は、「Aだけでなく、Bも」という意味で、特にBを強調する表現です。
例文
- He not only plays soccer but also practices baseball.(彼はサッカーをするだけでなく、野球も練習します)
- She not only cooks well but also cleans the house.(彼女は料理が上手なだけでなく、家の掃除もします)
- We not only studied English but also learned math.(私たちは英語を勉強しただけでなく、数学も学びました)
not A but B(AではなくB)
「not A but B」は、「AではなくB」という意味で、Aを否定してBを肯定する表現です。
例文
- This is not a pen but a pencil.(これはペンではなく鉛筆です)
- I want not water but juice.(私は水ではなくジュースが欲しいです)
- She is not sad but happy.(彼女は悲しくなく、幸せです)
その他の相関接続詞
その他にも以下のような相関接続詞があります。
例文
- whether A or B(AかBか)
例:I don’t know whether he will come or stay home.(彼が来るか家にいるか分かりません) - just as A, so B(Aのように、Bも同様に)
例:Just as the sun rises, so does the moon set.(太陽が昇るように、月は沈みます) - as A as B(AほどBも)
例:This book is as good as that one.(この本はあの本と同じくらい良いです)
相関接続詞を使うときの注意点
相関接続詞を正しく使うためには、いくつかの文法規則に注意する必要があります。
同じ品詞を結ぶ
相関接続詞で結ぶ要素は、同じ品詞または同じ文法構造であるべきです。
例文
- I like both apples and oranges.(名詞と名詞)
- She can either sing or dance.(動詞と動詞)
- The book is both interesting and useful.(形容詞と形容詞)
主語と動詞の一致
相関接続詞が主語として使われる場合、動詞の形に注意が必要です。
both A and B:複数形の動詞を使います
- Both Tom and Mary are students.(トムもメアリーも学生です)
either A or B / neither A nor B:後ろの名詞に動詞を合わせます
- Either my mother or my sisters are coming.(母か姉妹のどちらかが来ます)
- Neither the teacher nor the students know the answer.(先生も生徒も答えを知りません)
倒置が起こる場合
「not only A but also B」が文頭に来ると、倒置が起こります。
例文
- Not only does she speak English, but she also writes stories.(彼女は英語を話すだけでなく、物語も書きます)
相関接続詞の一覧表
相関接続詞 | 意味 |
---|---|
both A and B | AもBも両方とも |
either A or B | AかBかのどちらか |
neither A nor B | AでもBでもない |
not only A but also B | AだけでなくBも |
not A but B | AではなくB |
whether A or B | AかBか |
just as A, so B | Aのように、Bも同様に |
as A as B | AほどBも |
相関接続詞の練習問題
相関接続詞の理解を深めるために、以下の問題に挑戦してみましょう。空欄に適切な相関接続詞を入れてください。
- I can _ swim _ play tennis.
- She likes _ apples _ oranges.
- They speak _ English _ Japanese.
- You can go _ by bus _ by train.
- He is _ tall _ handsome.
- My father drinks _ coffee _ tea.
- We will go _ today _ tomorrow.
- The dog is _ big _ small.
- _ my mother _ my father can drive a car.
- She can _ read _ write English.
- I have _ time _ money.
- The book is _ interesting _ it is educational.
- You should eat _ vegetables _ fruits.
- The movie was _ long _ boring.
- _ does he study hard, _ he helps his friends.
- I know _ where she lives _ what she does.
- The cake is _ sweet _ delicious.
- They bought _ a house _ a car.
- I eat _ meat _ fish.
- He goes to school _ on foot _ by bike.
相関接続詞に関するよくある質問
- 相関接続詞と等位接続詞の違いは何ですか?
-
相関接続詞は常にペアで使われる接続詞で、等位接続詞(and, but, orなど)の特殊な形です。等位接続詞は単独で使えますが、相関接続詞は対になって使わなければ意味をなしません。
- 「both A and B」と単なる「A and B」の違いは何ですか?
-
「both A and B」は「A and B」よりも「両方」という意味を強調します。意味はほぼ同じですが、bothを使うことで二つの事柄の両方に等しく注目していることを明確にします。
- 相関接続詞の位置は重要ですか?
-
はい、相関接続詞は正しい位置に置くことが重要です。一般的に、最初の部分(both, either, neitherなど)は最初の要素の直前に、2番目の部分(and, or, norなど)は2番目の要素の直前に置きます。
- 相関接続詞は会話でよく使われますか?
-
はい、相関接続詞は日常会話でもよく使われます。特に「both A and B」や「either A or B」は頻繁に使用されます。これらを使うことで、より明確に選択肢や関係性を表現できます。
- 「neither A nor B」と「not A and not B」の違いは何ですか?
-
意味は似ていますが、「neither A nor B」のほうが一般的な表現で、よりスマートな言い方です。「not A and not B」は二重否定で冗長な印象を与えることがあります。
まとめ

この記事では、相関接続詞の意味や使い方について詳しく解説しました。相関接続詞は英語の文法において重要な役割を持ち、複数の事柄の関係性を明確に表現するのに役立ちます。
初学者でも理解しやすいよう、基本からポイントを押さえて説明しました。相関接続詞を使いこなすための重要なポイントを以下にまとめます。
- 相関接続詞は常にペアで使われる接続詞である
- 主な相関接続詞には以下がある
- both A and B(AもBも両方とも)
- either A or B(AかBかのどちらか)
- neither A nor B(AでもBでもない)
- not only A but also B(AだけでなくBも)
- not A but B(AではなくB)
- 使用する際の注意点
- 同じ品詞や文法構造を結ぶ
- 主語と動詞の一致に気をつける
- 倒置が起こる場合がある
相関接続詞を適切に使えるようになると、より豊かで正確な英語表現が可能になります。
日常会話や作文の中で積極的に使ってみることで、英語力の向上につながるでしょう。