英語を学習していると、似たような意味を持つ単語に出会うことがあります。「correspondence」と「communication」もそんな単語の一つで、どちらも何らかの「コミュニケーション」を表しますが、使い方やニュアンスに違いがあります。
この記事では、英語初学者の方にもわかりやすく両者の違いと使い分けのポイントを解説します。
「correspondence」と「communication」の基本的な違い

「correspondence」と「communication」は、コミュニケーションに関連する単語ですが、その範囲と使われ方には明確な違いがあります。
「communication」はより広い概念で、あらゆる形態の情報やメッセージのやり取りを指します。口頭での会話、身振り手振りなどの非言語コミュニケーション、文書によるやり取りなど、情報交換の方法を問わず使える言葉です。
一方、「correspondence」はより限定的で、主に手紙やメールなどの書面を通じたやり取りを指します。また、「一致」や「調和」といった意味も持っています。
つまり、「communication」は「correspondence」を包含する、より広い概念だと考えるとわかりやすいでしょう。
「correspondence」の意味と使い方
「correspondence」は、主に二つの意味で使われます。発音は「コリスポンデンス(kɔrɪˈspɑndəns)」となります。
「文通」や「通信」としての意味
「correspondence」の最も一般的な使い方は、手紙やメールを使った文書でのやり取りを指す場合です。特に継続的なやり取りを表現するときに使われます。
例文
- I have correspondence with my friend in America.(私はアメリカの友達と文通しています。)
- They maintained correspondence for five years.(彼らは5年間文通を続けました。)
- All business correspondence should be kept for three years.(すべてのビジネス文書は3年間保管すべきです。)
「一致」や「調和」としての意味
もう一つの意味は、物事が互いに調和していたり、ぴったり合っていたりする様子を表す場合です。
例文
- There is a nice correspondence between the colors in this room.(この部屋の色はうまく調和しています。)
- I can see the correspondence between these two ideas.(これら二つのアイデアの間の関連性が見えます。)
- The correspondence between his words and actions impressed me.(彼の言葉と行動の一致に感銘を受けました。)
「correspondence」を含む表現
「correspondence」を含むよく使われる表現としては以下のようなものがあります。
- in correspondence with…(〜と文通している)
- correspondence course(通信講座)
- business correspondence(商用文書、ビジネスレター)
「communication」の意味と使い方
「communication」は、あらゆる形態の情報交換を指す幅広い概念です。発音は「コミュニケーション(kəˌmjuːnɪˈkeɪʃən)」となります。
基本的な意味と使い方
「communication」には、人々の間での情報やアイデアの交換という基本的な意味があります。これには、口頭でのやり取り、書面、ジェスチャー、技術を使った伝達など、あらゆる形式が含まれます。
例文
- Good communication is important in a team.(チームでは良いコミュニケーションが重要です。)
- We need better communication between parents and teachers.(親と教師の間にはより良いコミュニケーションが必要です。)
- She has excellent communication skills.(彼女はコミュニケーション能力に優れています。)
- Modern technology has changed our communication methods.(現代技術は私たちのコミュニケーション方法を変えました。)
「communication」を含む表現
「communication」を含むよく使われる表現には以下のようなものがあります。
- communication skills(コミュニケーション能力)
- means of communication(通信手段)
- mass communication(マスコミュニケーション)
- verbal/non-verbal communication(言語的/非言語的コミュニケーション)
- communication breakdown(コミュニケーション不全)
「correspondence」と「communication」の違いを詳しく比較
ここでは、両者の違いをより詳細に比較していきます。
範囲の違い
「communication」と「correspondence」の最も大きな違いは、その範囲にあります。
「communication」は非常に広い概念で、人と人との間のあらゆる形態の情報交換を指します。これには対面での会話、電話、ジェスチャー、芸術表現など、すべての伝達手段が含まれます。
一方、「correspondence」は主に書面によるやり取り、特に手紙やメールなどの交換を指し、範囲が限定的です。
形式の違い
「communication」はあらゆる形式(口頭、書面、非言語など)の伝達を含みますが、「correspondence」は主に書面による形式のやり取りを指します。
例文
- Face-to-face communication is often more effective than email.(対面でのコミュニケーションはメールよりも効果的なことが多いです。)
- Our correspondence has been mainly through letters.(私たちのやり取りは主に手紙を通じてでした。)
使用状況の違い
「communication」は日常会話からビジネスまで、あらゆる状況で使われます。一方、「correspondence」はより形式的な文脈、特にビジネスや公式な手紙のやり取りを指すことが多いです。
例文
- Open communication in the family helps solve problems.(家族内のオープンなコミュニケーションは問題解決に役立ちます。)
- All official correspondence must be approved by the manager.(すべての公式文書は管理者の承認が必要です。)
相互性の違い
「correspondence」は通常、双方向のやり取りを暗示します。手紙やメールを送り、それに対する返答があるという相互関係を含みます。
一方、「communication」はより幅広く、一方向の情報伝達(例:テレビ放送)も含むことができます。
例文
- We have been in correspondence for many years.(私たちは長年にわたって文通をしています。)
- The news provides communication of important events.(ニュースは重要な出来事についての情報伝達を提供します。)
「correspondence」と「communication」の類似表現とその違い
「correspondence」と「communication」以外にも、似たような意味を持つ英単語がいくつかあります。ここでは、それらとの違いも解説します。
「transmission」との違い
「transmission」は、データや信号を送信するという技術的なプロセスを意味します。「communication」が情報交換全般を指すのに対し、「transmission」は特に技術的な送信過程に焦点を当てています。
例文
- The transmission of data was successful.(データの送信は成功しました。)
- Clear communication depends on good signal transmission.(明確なコミュニケーションは良好な信号送信に依存します。)
「networking」との違い
「networking」は、人と人とのつながりやネットワークを構築することを意味します。キャリア発展のための人脈作りや、コンピューターネットワークの構築など様々な文脈で使われます。
例文
- Social networking has changed how we stay in touch.(ソーシャルネットワーキングは私たちの連絡方法を変えました。)
- Good communication skills help with professional networking.(良いコミュニケーション能力は職業的なネットワーキングに役立ちます。)
「respondence」との違い
「respondence」はあまり一般的ではありませんが、特定のメッセージや要求に対する応答を指します。「correspondence」が継続的なやり取りを意味するのに対し、「respondence」は特定の問いかけへの返答という、より限定的な意味を持ちます。
例文
- His respondence to my question was immediate.(彼の私の質問に対する返答はすぐでした。)
- Our correspondence includes several letters and emails.(私たちの文通には複数の手紙とメールが含まれています。)
「correspondence」と「communication」の使い分け練習問題
以下の文章の空欄に「correspondence」または「communication」のどちらが適切か考えてみましょう。
- The ( ) between the two companies was conducted mainly via email.
- Good ( ) skills are essential for any job interview.
- I found some old ( ) from my grandfather in the attic.
- There is a lack of ( ) between parents and teenagers these days.
- She maintains regular ( ) with her pen pal in Canada.
- Modern technology has improved ( ) around the world.
- The teacher emphasized the importance of clear ( ) in the classroom.
- All ( ) should be addressed to the Human Resources department.
- There is a perfect ( ) between his words and actions.
- Effective ( ) can prevent many misunderstandings.
- I have kept all our ( ) for future reference.
- Non-verbal ( ) includes body language and facial expressions.
- The ( ) between these two theories is remarkable.
- The company invested in new ( ) systems last year.
- Written ( ) is more formal than spoken language.
- She is in charge of international ( ) for the organization.
- There is a direct ( ) between hard work and success.
- Digital ( ) has revolutionized how we connect with others.
- The secretary handles all official ( ) for the president.
- Effective ( ) is the key to a successful relationship.
「correspondence」と「communication」に関するよくある質問
ここでは、これらの単語に関してよく寄せられる質問にお答えします。
- 「correspondence」は「手紙」という意味ですか?
-
「correspondence」そのものは「手紙」という意味ではなく、手紙やメールなどを通じた「やり取り」や「通信」を意味します。単一の手紙は「letter」や「email」と表現するのが一般的です。「correspondence」は継続的な文書のやり取り全体を指します。
- ビジネスで「correspondence」と「communication」はどう使い分けますか?
-
ビジネスの場面では、「correspondence」は主に公式な書面(手紙、メール、契約書など)のやり取りを指します。一方「communication」は、会議、電話、メール、対面での会話など、あらゆる形態の情報交換に使用されます。「business correspondence」という表現はビジネスレターを意味することが多いです。
- 「correspondence course」とは何ですか?
-
「correspondence course」は通信教育や通信講座を指します。従来は郵便を介して教材や課題をやり取りする形式でしたが、現在では「online course(オンラインコース)」という表現がより一般的になっています。
- 「communication breakdown」とはどういう意味ですか?
-
「communication breakdown」は、コミュニケーションの途絶や失敗を意味します。情報がうまく伝わらなかったり、誤解が生じたりして、人々の間のコミュニケーションがうまくいかなくなった状態を指します。
- 「correspondence」の動詞形は何ですか?
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「correspondence」の動詞形は「correspond」です。「彼と文通する」は「correspond with him」と表現します。また「一致する」という意味では「correspond to」という形で使われます。例えば「This map doesn’t correspond to reality.(この地図は現実と一致していない)」のように使います。
- 「communication」と「communications」の違いは何ですか?
-
「communication」は情報交換の過程や行為を指す不可算名詞として使われることが多いです。一方、「communications」(複数形)は通信設備やシステム、通信業界などを指すことがあります。例えば、「communications network(通信ネットワーク)」や「Department of Communications(通信省)」などの表現があります。
まとめ

「correspondence」と「communication」の意味の違いと使い分けについて、ポイントをまとめると、
- 「communication」は広範囲なコミュニケーション全般を指し、口頭、書面、非言語など、あらゆる形式の情報交換を含む。
- 「correspondence」はより限定的で、主に手紙やメールなどの書面によるやり取りを指す。また「一致」「調和」という意味も持つ。
- 「correspondence」は継続的で相互的なやり取りを強調する傾向がある。
- 「communication」はより広く一般的に使用され、「correspondence」はより形式的な文脈で使われることが多い。
- ビジネスシーンでは、「correspondence」は公式な文書のやり取りを指すことが多い。
- 「correspondence」の動詞形は「correspond」、「communication」の動詞形は「communicate」。
- 「correspondence」は主に書面によるやり取りに焦点を当てるのに対し、「communication」はあらゆる形態の情報伝達を含む。
- 両者の類似表現として「transmission」「networking」「respondence」などがあるが、それぞれニュアンスが異なる。
英語学習において、似た意味を持つ単語の違いを理解することは非常に重要です。「correspondence」と「communication」の違いを押さえて、状況に応じて適切に使い分けられるようになりましょう。