「dare」は英語の動詞、助動詞、名詞として使われる言葉で、基本的には「あえて~する」「~する勇気がある」「挑戦する」といった意味を持っています。日本の英語教育ではあまり重点的に学習しないものの、ネイティブスピーカーの日常会話では頻繁に登場する重要な単語です。
この記事では、初学者の方でも理解できるよう、「dare」の様々な使い方を例文とともに詳しく解説していきます。
「dare」とは?その基本的な意味と発音

「dare」は英語の多機能な単語で、発音は「デア」と読みます。この単語には主に「あえて~する」「~する勇気がある」「挑戦する」といった意味があります。難しいことや危険なこと、普通なら避けるようなことに対して「それでもやってみる」という気持ちを表す言葉です。
「dare」は英語の会話の中でも重要な役割を果たし、特に映画やドラマ、歌などでもよく使われています。例えば「How dare you!(よくもそんなことを!)」という表現は、驚きや怒りを表す強い感情表現として頻繁に使用されます。
基本的な例文を見てみましょう。
例文
- I dare to speak the truth. (私は真実を話す勇気がある。)
- Do you dare to jump? (飛ぶ勇気はありますか?)
- He didn’t dare to go out at night. (彼は夜に出かける勇気がなかった。)
これらの例文からもわかるように、「dare」は何かに挑戦する勇気や決断を表現する際に使います。次節からは、より詳しく品詞ごとの使い方を見ていきましょう。
「dare」の品詞と基本的な使い方
「dare」は非常にユニークな単語で、動詞、助動詞、名詞という3つの品詞として使うことができます。それぞれの品詞によって使い方が異なりますので、ここでは基本的な違いを説明します。
まず、動詞としての「dare」は「あえて~する」「~する勇気がある」という意味で使われます。この場合、通常は「dare to do」の形で使います。三人称単数現在形では「dares」、過去形は「dared」になります。
例文
- She dares to swim in the cold water. (彼女は冷たい水の中で泳ぐ勇気がある。)
- They dared to climb the mountain. (彼らは山に登る勇気があった。)
次に助動詞としての「dare」は、主に否定文や疑問文で使われ、この場合は「to」を伴わず、直接動詞の原形を続けます。
例文
- Dare he go alone? (彼は一人で行く勇気があるだろうか?)
- I dare not speak to her. (私は彼女に話しかける勇気がない。)
名詞としての「dare」は「挑戦」「挑発」という意味で使われます。
例文
- It was a dare from my friend. (それは友達からの挑戦だった。)
- He accepted the dare. (彼はその挑戦を受け入れた。)
「dare」の品詞による違いは初学者にとっては少し複雑に感じるかもしれませんが、実際の例文を通じて理解していくことで自然に身につきます。
次の節では、それぞれの品詞としての「dare」の使い方をより詳しく見ていきましょう。
「dare」を動詞として使う方法
動詞としての「dare」は、「あえて~する」「~する勇気がある」「思い切って~する」という意味で使います。
通常、「dare to do(~する勇気がある)」の形で使われますが、否定文や疑問文では「to」が省略されることもあります。
肯定文での「dare」の使い方
肯定文では「dare to do」の形が一般的です。何か困難なことや勇気が必要なことに対して「あえてそれをする」という意味になります。
例文
- I dare to tell him my opinion. (私は彼に私の意見を言う勇気がある。)
- She dares to wear bright colors. (彼女はあえて明るい色の服を着る。)
- We dared to try the new restaurant. (私たちはあえてその新しいレストランを試してみた。)
否定文での「dare」の使い方
否定文では、「do not dare to do」または「dare not do」の形で使います。「~する勇気がない」という意味になります。
例文
- I do not dare to ask her age. (私は彼女の年齢を尋ねる勇気がない。)
- He didn’t dare to tell the truth. (彼は真実を言う勇気がなかった。)
- We dare not go there again. (私たちはもうそこへ行く勇気がない。)
疑問文での「dare」の使い方
疑問文では、「do you dare to do」または「dare you do」の形で使います。「~する勇気がありますか」という意味になります。
例文
- Do you dare to speak in front of many people? (あなたは大勢の前で話す勇気がありますか?)
- Did he dare to say no? (彼は断る勇気があったのか?)
- Dare you jump from this height? (この高さから飛び降りる勇気はありますか?)
「I dare you to…」の表現
「I dare you to…」は「~してみろよ」という挑戦や挑発の意味を持つ表現です。相手に何かをするよう挑むときに使います。
例文
- I dare you to eat this hot pepper. (この辛い唐辛子を食べてみろよ。)
- I dare you to ask her out. (彼女をデートに誘ってみろよ。)
- I dare you to jump over that fence. (あのフェンスを飛び越えてみろよ。)
動詞としての「dare」は、勇気や挑戦といった前向きな気持ちを表現するのに役立ちます。
次は、助動詞としての「dare」の使い方を見ていきましょう。
「dare」を助動詞として使う方法
「dare」は助動詞としても使われ、この場合は「need」と似たような特徴を持ちます。
助動詞としての「dare」は主に否定文や疑問文で使われ、直接動詞の原形を伴います(「to」は使いません)。
助動詞「dare」の基本的な特徴
助動詞としての「dare」には以下のような特徴があります。
- 直接動詞の原形を伴う(「to」を使わない)
- 主に否定文と疑問文で使われる
- 三人称単数現在形でも「s」がつかない
- 否定形は「dare not」または短縮形「daren’t」
- 疑問文は「Dare」を文頭に置く
これらの特徴を理解することで、助動詞としての「dare」の使い方がより明確になります。
否定文での助動詞「dare」
否定文では「dare not」または「daren’t」の形で使います。
例文
- I dare not speak in class. (私は授業中に発言する勇気がない。)
- He dare not go out after dark. (彼は暗くなってから出かける勇気がない。)
- They daren’t tell their parents. (彼らは両親に言う勇気がない。)
疑問文での助動詞「dare」
疑問文では「Dare」を文頭に置きます。
例文
- Dare you go alone? (一人で行く勇気はありますか?)
- Dare he speak to the teacher? (彼は先生に話しかける勇気はあるだろうか?)
- Dare we try this? (これを試す勇気はあるだろうか?)
「How dare you」の表現
「How dare you」は「よくもそんなことを」「何てことをするんだ」という驚きや怒りを表す強い表現です。相手の行動に対して非難や抗議をするときに使います。
例文
- How dare you speak to me like that! (よくもそんな風に私に話せるな!)
- How dare you come late again! (よくもまた遅刻してくるな!)
- How dare you touch my things! (よくも私の物に触れるな!)
「Don’t you dare」の表現
「Don’t you dare」は「絶対に~するな」という強い禁止や警告を表す表現です。通常の命令文よりも強い調子で相手に何かをしないように命じるときに使います。
例文
- Don’t you dare tell anyone! (絶対に誰にも言うな!)
- Don’t you dare leave this room! (絶対にこの部屋を出るな!)
- Don’t you dare touch that! (絶対にそれに触るな!)
助動詞としての「dare」は、感情的な表現や強い禁止などを表すのに非常に効果的です。
次は、名詞としての「dare」の使い方を見ていきましょう。
「dare」を名詞として使う方法
「dare」は名詞としても使われ、「挑戦」「挑発」「勇気を試すこと」という意味になります。友達同士で「やってみろよ」というような挑戦を意味することが多いです。
基本的な名詞「dare」の使い方
名詞としての「dare」は通常、冠詞「a」や「the」を伴います。
例文
- It was a dare from my friends. (それは友達からの挑戦だった。)
- He accepted the dare without hesitation. (彼はためらうことなくその挑戦を受け入れた。)
- I never turn down a dare. (私は挑戦を決して断らない。)
「on a dare」の表現
「on a dare」は「挑戦されて」「挑発されて」という意味の表現です。
例文
- He jumped into the pool on a dare. (彼は挑戦されてプールに飛び込んだ。)
- She ate the worm on a dare. (彼女は挑戦されてミミズを食べた。)
- I climbed the tree on a dare. (私は挑戦されて木に登った。)
「Truth or Dare」ゲーム
「Truth or Dare」は「真実か挑戦か」という意味で、欧米でよく遊ばれるパーティーゲームです。プレイヤーは「真実を話す(Truth)」か「挑戦を受ける(Dare)」かを選びます。
例文
- Let’s play Truth or Dare. (真実か挑戦かゲームをしよう。)
- I choose dare. (私は挑戦を選ぶ。)
- That was a difficult dare. (それは難しい挑戦だった。)
名詞としての「dare」は、特に若者の間でのコミュニケーションや遊びの中でよく使われる表現です。
次は、「dare」を使った様々な表現や慣用句を見ていきましょう。
「dare」を使った表現と慣用句
「dare」を使った表現や慣用句はいくつかあり、日常会話やメディアでよく使われています。これらを覚えることで、英語の表現力がさらに豊かになります。
「I dare say」の表現
「I dare say」(または「I daresay」)は「たぶん~だろう」「きっと~だと思う」という意味の表現です。自分の意見や予想を控えめに述べるときに使います。
例文
- I dare say he will come tomorrow. (たぶん彼は明日来るだろう。)
- I dare say you are right. (きっとあなたが正しいと思う。)
- I dare say it will rain later. (たぶん後で雨が降るだろう。)
「daredevil」の表現
「daredevil」は「向こう見ずな人」「無鉄砲な人」「命知らずの人」という意味の名詞で、「dare」と「devil(悪魔)」を組み合わせた単語です。
例文
- He is a real daredevil. (彼は本当に命知らずだ。)
- She has a daredevil attitude. (彼女は無鉄砲な態度を持っている。)
- That daredevil jumped from the high cliff. (あの命知らずは高い崖から飛び降りた。)
「daring」の表現
「daring」は「dare」の現在分詞で、形容詞として「大胆な」「勇敢な」という意味で使われます。
例文
- That was a daring rescue. (それは大胆な救出だった。)
- She made a daring decision. (彼女は大胆な決断をした。)
- I like your daring style. (あなたの大胆なスタイルが好きです。)
その他の「dare」に関連する表現
「dare」に関連するその他の表現も覚えておくと便利です。
- Double dare: より強い挑戦(「I double dare you」で「絶対やってみろよ」)
- Triple dare: さらに強い挑戦
- Dare to dream: 夢を持つ勇気を持つ
- Dare to be different: 違いを恐れない
これらの表現は、「dare」の基本的な意味を基にして発展したものです。
次は、「dare」を使う際のよくある間違いと注意点を見ていきましょう。
「dare」のよくある間違いと注意点
「dare」は英語学習者にとって少し複雑な単語です。動詞としても助動詞としても使えるため、いくつかの間違いが生じやすいポイントがあります。
ここでは、よくある間違いと注意点を解説します。
「to」の使い方の間違い
「dare」を動詞として使う場合は「to」を伴いますが、助動詞として使う場合は「to」は不要です。この違いを混同しないように注意しましょう。
誤)I dare to not speak.
正)I dare not speak.(助動詞の場合)
誤)Dare to you go?
正)Dare you go?(助動詞の場合)
誤)I don’t dare speak to him.
正)I don’t dare to speak to him.(動詞の場合)
三人称単数の「s」についての間違い
助動詞として使われる「dare」には、三人称単数現在形でも「s」をつけません。しかし、動詞として使う場合は「dares」となります。
誤)He dares not go.
正)He dare not go.(助動詞の場合)
誤)She dare to speak English.
正)She dares to speak English.(動詞の場合)
肯定文での助動詞「dare」の使用
助動詞としての「dare」は主に否定文と疑問文で使われます。肯定文では通常、動詞として「dare to do」の形で使います。
誤)I dare go to school.
正)I dare to go to school.
「How dare you」の後の動詞の形
「How dare you」の後には動詞の原形を使います。「to」は不要です。
誤)How dare you to speak like that!
正)How dare you speak like that!
「I dare you」の使い方
「I dare you」の後には必ず「to」が必要です。
誤)I dare you jump from here.
正)I dare you to jump from here.
「dare」の過去形の使い方
動詞としての「dare」の過去形は「dared」ですが、助動詞としての「dare」は過去形が限られた使い方しかありません。
- He dared to go out last night.(動詞として正しい)
- He dare not go out last night.(助動詞として可能)
これらの間違いに注意することで、「dare」をより正確に使えるようになります。次は、「dare」に関する問題を通じて理解を深めましょう。
「dare」に関する問題
以下に「dare」に関する問題を10問用意しました。それぞれの空欄に適切な形の「dare」を入れてみましょう。解答は問題の後にまとめてあります。
- He ________ not tell his parents about the broken window.
- ________ you speak in front of many people?
- I ________ you to jump into the cold water.
- How ________ you come late to my class!
- She ________ to try the new food.
- They accepted the ________ to climb the mountain.
- Don’t you ________ touch my phone!
- I ________ say he will win the race.
- He is a ________ driver who drives very fast.
- She ________ not to look down from the high building.
これらの問題を通じて、「dare」の様々な使い方を確認できたと思います。
次は、「dare」に関するよくある質問を見ていきましょう。
「dare」に関するよくある質問
ここでは、「dare」についてよく寄せられる質問とその回答をまとめました。英語学習者が疑問に思いやすいポイントを解説します。
- 「dare」と「challenge」の違いは何ですか?
-
「dare」と「challenge」はどちらも「挑戦」という意味を持ちますが、使われる文脈に違いがあります。「dare」は主に友達同士での「やってみろよ」という挑発的な挑戦を意味することが多いのに対し、「challenge」はより広い意味での「挑戦」「難題」を表します。
- It was a dare from my friend to eat a worm.(友達からミミズを食べるよう挑戦された。)
- Climbing that mountain is a real challenge.(あの山に登るのは本当の挑戦だ。)
- 「How dare you」と「How could you」の違いは何ですか?
-
どちらも相手の行動に対する非難や抗議を表す表現ですが、「How dare you」はより強い怒りや驚きを表し、「How could you」はショックや失望を含むことが多いです。
- How dare you lie to me!(よくも私に嘘をつけるな!)- 強い怒り
- How could you forget our anniversary?(どうして記念日を忘れられたの?)- 失望
- 「dare」は肯定文でも使えますか?
-
はい、「dare」は肯定文でも使えますが、通常は動詞として「dare to do」の形で使います。助動詞としての「dare」は主に否定文と疑問文で使われます。
- I dare to speak my mind.(私は自分の考えを言う勇気がある。)
- 「I dare say」は現代の英語でも使われますか?
-
はい、「I dare say」(または「I daresay」)は現代英語でも使われますが、やや形式的または古風な表現とみなされることもあります。意味は「たぶん~だろう」「きっと~だと思う」です。
- I dare say we’ll finish the project on time.(たぶん予定通りにプロジェクトを終えるだろう。)
- 「Don’t you dare」と普通の命令文の違いは何ですか?
-
「Don’t you dare」は通常の否定命令文「Don’t」よりも強い禁止や警告を表します。より感情的で、相手に対する強い警告の意味を持ちます。
- Don’t touch that.(それに触らないで。)- 普通の命令
- Don’t you dare touch that!(絶対にそれに触るな!)- 強い警告
- 「Truth or Dare」ゲームはどのように遊びますか?
-
「Truth or Dare」は参加者が輪になって座り、順番に「Truth(真実)」か「Dare(挑戦)」を選びます。「Truth」を選んだ場合は質問に正直に答え、「Dare」を選んだ場合は出された挑戦を実行します。
- “Truth or Dare?” “Dare.” “I dare you to sing a song.”
(「真実か挑戦か?」「挑戦」「歌を歌ってみろよ」)
- “Truth or Dare?” “Dare.” “I dare you to sing a song.”
- 「dare」の発音のコツはありますか?
-
「dare」の発音は「デア」に近いですが、英語のrの音は日本語にはないので少し練習が必要です。口を少し開け、舌を後ろに引いて「デア」と発音してみましょう。
- 「dare」と「daredevil」の関係は何ですか?
-
「daredevil」は「dare(挑戦する)」と「devil(悪魔)」を組み合わせた複合語で、「向こう見ずな人」「命知らずの人」を意味します。危険を恐れず、冒険的な行動をする人を表します。
- He’s a daredevil who loves extreme sports.(彼はエクストリームスポーツが大好きな命知らずだ。)
- 「Double dare」とは何ですか?
-
「Double dare」は「dare」よりも強い挑戦を意味し、「絶対やってみろよ」というニュアンスです。主に子供たちの間で使われる表現です。
- I double dare you to touch that spider.(そのクモに触ってみろよ、絶対に。)
- 「dare」を使った有名な言葉や引用はありますか?
-
「Dare to dream」(夢を持つ勇気を持て)や「Who dares wins」(挑戦する者が勝つ)などが有名です。また、多くの映画やドラマで「How dare you!」というフレーズが使われています。
まとめ

この記事では、「dare」の意味と使い方について詳しく解説しました。「dare」は英語の中でも非常に多機能な単語で、動詞、助動詞、名詞として使われ、それぞれ異なる使い方があります。
初学者にとっては少し複雑に感じるかもしれませんが、基本的な用法をマスターすれば、自然な英会話に役立つ表現力を身につけることができます。「dare」の主なポイントをまとめると、
- 動詞としての「dare」は「あえて~する」「~する勇気がある」という意味で、通常「dare to do」の形で使う
- 助動詞としての「dare」は主に否定文・疑問文で使われ、動詞の原形を直接伴う
- 名詞としての「dare」は「挑戦」「挑発」という意味
- 「How dare you」は「よくもそんなことを!」という強い非難の表現
- 「I dare you to」は「~してみろよ」という挑戦の表現
- 「Don’t you dare」は「絶対に~するな」という強い禁止の表現
- 「I dare say」は「たぶん~だろう」という予測の表現
- 「daredevil」は「向こう見ずな人」「命知らずの人」という意味の名詞
「dare」は日常会話やメディアでよく使われる表現を多く含んでおり、これらを理解して使えるようになると、英語の表現力が格段に向上します。
この記事で紹介した例文や表現を参考に、ぜひ実際の会話の中で「dare」を使ってみてください。英語の世界がさらに広がることでしょう。