英語学習者が頻繁に混乱する表現のひとつが「as well」と「as well as」です。どちらも一見似ているように見えますが、使い方や文法的な役割は大きく異なります。
この記事では、英語初学者の方でも理解できるよう、両表現の意味の違いや適切な使い分け方を、豊富な例文とともに詳しく解説します。「too」や「also」といった類似表現との比較も行い、自然な英語表現ができるようになるためのポイントを押さえていきましょう。
「as well」と「as well as」の基本的な意味の違い

「as well」と「as well as」は発音や綴りが似ているため混同されがちですが、それぞれ異なる文法的役割と意味を持っています。
「as well」は、主に「~もまた」という意味の副詞句です。文の最後に置かれることが多く、「too」や「also」と同様の意味を持ちます。日本語の「~も」に近い役割を果たします。
例文
- I like soccer as well.(私はサッカーも好きです。)
- She can swim as well.(彼女も泳げます。)
一方、「as well as」は「~だけでなく~も」という意味を持ち、2つの事柄を結びつける接続詞や前置詞として機能します。「not only… but also…」に近い意味合いがあります。
例文
- I like soccer as well as baseball.(私はサッカーだけでなく野球も好きです。)
- She can sing as well as dance.(彼女は歌うだけでなく踊ることもできます。)
この基本的な違いを理解することが、両表現を正しく使いこなす第一歩となります。
「as well」の使い方と例文
「as well」は日常会話でよく使われる表現で、「~もまた」という意味を持ちます。ここでは具体的な使い方と例文を見ていきましょう。
「as well」は主に文末に置かれ、前の文や状況に対して追加情報を提供します。使い方はシンプルですが、場面によって使い分けることが重要です。
例文
- I went to the library yesterday. My friend came as well.(昨日図書館に行きました。友達も来ました。)
- If you’re going to the store, I’ll go as well.(あなたが店に行くなら、私も行きます。)
- She speaks English as well.(彼女は英語も話します。)
「as well」を文末で使う場合
「as well」は最も一般的に文末で使われます。この位置に置くことで、前に述べたことと同様のことが別の対象にも当てはまることを示します。
例文
- I can swim. I can run as well.(私は泳げます。走ることもできます。)
- He bought a notebook. He bought a pencil as well.(彼はノートを買いました。鉛筆も買いました。)
- My brother likes music. My sister likes music as well.(兄は音楽が好きです。妹も音楽が好きです。)
「as well」を肯定文で使う場合
「as well」は肯定文で使うと「~もまた」という意味になります。主語が異なっても、同じ行動や状態を共有していることを示します。
例文
- Tom plays soccer. I play soccer as well.(トムはサッカーをします。私もサッカーをします。)
- She finished her homework. He finished his homework as well.(彼女は宿題を終えました。彼も宿題を終えました。)
- My teacher likes coffee. My father likes coffee as well.(先生はコーヒーが好きです。父もコーヒーが好きです。)
「as well」を疑問文・否定文で使う場合
「as well」は疑問文や否定文でも使うことができます。疑問文では「~もまた?」という意味になり、否定文では「~もまた~ない」という意味になります。
疑問文の例
- Are you coming to the party as well?(あなたもパーティーに来ますか?)
- Does she speak Japanese as well?(彼女も日本語を話しますか?)
- Can I have some water as well?(私も水をもらえますか?)
否定文の例
- I don’t like horror movies. I don’t like action movies as well.(私はホラー映画が好きではありません。アクション映画も好きではありません。)
- He doesn’t study English. He doesn’t study math as well.(彼は英語を勉強しません。数学も勉強しません。)
ただし、否定文では「either」を使うことが一般的です。上記の否定文の例は「I don’t like action movies either.」「He doesn’t study math either.」と言うことが多いでしょう。
「as well as」の使い方と例文
「as well as」は「~だけでなく~も」という意味を持ち、2つ以上の事柄を結びつける役割があります。ここでは「as well as」の具体的な使い方と例文を紹介します。
「as well as」は主に接続詞や前置詞として機能し、名詞、名詞句、動名詞などを繋げて使います。
例文
- I study English as well as math.(私は英語だけでなく数学も勉強します。)
- She is kind as well as smart.(彼女は親切なだけでなく、賢いです。)
- He enjoys reading as well as playing sports.(彼は読書だけでなく、スポーツをすることも楽しんでいます。)
「as well as」を接続詞として使う場合
「as well as」を接続詞として使うと、2つの事柄を結びつけることができます。この場合、「~だけでなく~も」という意味になります。
例文
- I like cats as well as dogs.(私は猫だけでなく犬も好きです。)
- She can speak English as well as Japanese.(彼女は英語だけでなく日本語も話せます。)
- We need to clean the room as well as the kitchen.(私たちは部屋だけでなくキッチンも掃除する必要があります。)
「as well as」を前置詞として使う場合
「as well as」は前置詞としても使われ、特に2つの人や物を比較する際に使われることがあります。この場合、主語との一致に注意が必要です。
例文
- The teacher as well as the students is excited about the field trip.(先生は生徒たちと同様に遠足を楽しみにしています。)
- Reading books as well as watching movies helps improve English.(本を読むことと映画を見ることは、英語の上達に役立ちます。)
- Tom as well as his friends is coming to the party.(トムは彼の友達と一緒にパーティーに来ます。)
この用法では、主語が複数形になっていても、動詞は主語(as well as の前の名詞)に合わせます。上記の例では「The teacher is」「Tom is」となっています。
「as well as」の特殊な用法
「as well as」には、「~と同じくらい上手に」という比較の意味合いもあります。これは「as + 形容詞 + as」の形で使われる比較表現の一種です。
例文
- She speaks English as well as a native speaker.(彼女はネイティブスピーカーと同じくらい上手に英語を話します。)
- He plays the piano as well as a professional.(彼はプロと同じくらい上手にピアノを弾きます。)
- The new student runs as well as the track team captain.(新入生は陸上部のキャプテンと同じくらい上手に走ります。)
これは「as well as」の特殊な用法なので、文脈から判断することが重要です。
「as well」と「as well as」の使い分けのポイント
「as well」と「as well as」は似ているようで異なる表現です。ここでは、両者を適切に使い分けるためのポイントを解説します。
最も重要な違いは、「as well」は副詞句で文末に置かれることが多いのに対し、「as well as」は接続詞や前置詞として2つの要素を結びつける役割を持つことです。
例文
- I like soccer. I like basketball as well.(私はサッカーが好きです。バスケットボールも好きです。)
- I like soccer as well as basketball.(私はサッカーだけでなくバスケットボールも好きです。)
この2つの例文は似たような意味ですが、表現方法と微妙なニュアンスが異なります。
文法的な違い
文法的な観点から見ると、次のような違いがあります。
- 「as well」は副詞句で、主に文末に置かれます。単独で「~も」という意味を表します。
例:She can dance as well.(彼女は踊ることもできます。) - 「as well as」は接続詞や前置詞として機能し、2つの要素を結びつけます。
例:She can dance as well as sing.(彼女は歌うだけでなく踊ることもできます。) - 「as well」は文脈に応じて「also」や「too」と置き換えることができますが、「as well as」はそうではありません。
例:She can dance as well. = She can also dance. = She can dance too.
これらの違いを理解することで、適切な表現を選べるようになります。
ニュアンスの違い
ニュアンスの観点からも両者には違いがあります。
- 「as well」は単に「~も」と付け加える感覚で、特に強調はありません。
例:I went to the park. My friend came as well.(公園に行きました。友達も来ました。) - 「as well as」は「~だけでなく~も」という感覚で、複数の事柄を同時に考慮していることを示します。
例:I enjoy reading as well as watching TV.(私はテレビを見ることだけでなく、読書も楽しみます。) - 「as well as」は比較の意味合いを持つこともあり、「~と同じくらい上手に」という意味になることがあります。
例:She sings as well as a professional.(彼女はプロと同じくらい上手に歌います。)
このようなニュアンスの違いを理解することで、より自然な英語表現ができるようになります。
「as well」と類似表現(too、also)の違い
英語では「~も」という意味を表す表現として、「as well」の他にも「too」や「also」があります。ここではこれらの表現の違いについて解説します。
これらの表現はいずれも「~も」という追加の意味を表しますが、使われる位置や微妙なニュアンスが異なります。
「as well」と「too」の比較
「as well」と「too」はどちらも「~も」という意味で、主に文末に置かれます。両者はほぼ同じ意味ですが、使用される文体やニュアンスに違いがあります。
- 「as well」はやや形式ばった表現で、書き言葉や丁寧な話し言葉でよく使われます。
例:I would like to come as well.(私も来たいと思います。) - 「too」はよりカジュアルで、日常会話でよく使われます。
例:I want to come too.(私も来たいです。) - 否定文では「too」の代わりに「either」を使うのが一般的ですが、「as well」はそのまま使えることもあります。
例:I don’t like it either.(私もそれが好きではありません。)
例:I don’t like it as well.(私もそれが好きではありません。)- やや少ない使用頻度
例文
- She is coming to the party. I am coming as well/too.(彼女はパーティーに来ます。私も来ます。)
- He plays the guitar. She plays the guitar as well/too.(彼はギターを弾きます。彼女もギターを弾きます。)
「as well」と「also」の比較
「as well」と「also」も「~も」という意味ですが、文中での位置が異なります。
- 「as well」は主に文末に置かれます。
例:I like chocolate. I like vanilla as well.(チョコレートが好きです。バニラも好きです。) - 「also」は通常、主語と動詞の間または助動詞の後に置かれます。
例:I also like vanilla.(私はバニラも好きです。)
例:She has also finished her homework.(彼女も宿題を終えました。) - 「also」は文頭に置かれることもあり、その場合は前の文との関連性をより強調します。
例:Also, I need to buy some milk.(また、牛乳を買う必要があります。)
例文
- I can speak English. I can also speak Japanese.(英語を話せます。日本語も話せます。)
- I can speak English. I can speak Japanese as well.(英語を話せます。日本語も話せます。)
これらの違いを理解することで、状況に応じて最も自然な表現を選べるようになります。
「as well as」と類似表現(not only…but also、besides)の違い
「as well as」に類似した表現として、「not only…but also」や「besides」などがあります。ここではこれらの表現の違いについて説明します。
「as well as」と「not only…but also」の比較
「as well as」と「not only…but also」はどちらも「~だけでなく~も」という意味を持ちますが、構造とニュアンスが異なります。
- 「as well as」はシンプルな構造で、2つの要素を直接結びつけます。
例:He speaks English as well as French.(彼は英語だけでなくフランス語も話します。) - 「not only…but also」は「not only A but also B」の形で使われ、BをよりB強調する効果があります。
例:He speaks not only English but also French.(彼は英語だけでなくフランス語も話します。) - 「as well as」は2つの要素を同等に扱う傾向がありますが、「not only…but also」は後者の要素(also以下)を強調します。
例文
- She plays the piano as well as the violin.(彼女はピアノもバイオリンも弾きます。)
- She plays not only the piano but also the violin.(彼女はピアノだけでなくバイオリンも弾きます。)
「as well as」と「besides」の比較
「as well as」と「besides」もどちらも追加の意味を持ちますが、使い方とニュアンスが違います。
- 「as well as」は2つの要素を同時に考慮していることを示します。
例:I need to study math as well as science.(数学だけでなく科学も勉強する必要があります。) - 「besides」は「~に加えて」「~のほかに」という意味で、すでに述べたことに新たな情報を追加します。
例:I need to study math. Besides, I have science homework too.(数学を勉強する必要があります。その上、科学の宿題もあります。) - 「besides」は文頭で使われることも多く、その場合は前の文との関連性をより強調します。
例:Besides, I don’t have time for that.(そのうえ、私にはそれをする時間がありません。)
例文
- She can speak Japanese as well as Korean.(彼女は日本語だけでなく韓国語も話せます。)
- She can speak Japanese. Besides, she knows Korean too.(彼女は日本語を話せます。その上、韓国語も知っています。)
これらの類似表現の違いを理解することで、より豊かな英語表現ができるようになります。
「as well」と「as well as」の使い分け練習問題
ここでは、「as well」と「as well as」の理解度を確認するための練習問題を20問用意しました。各問題で最も適切な表現を選んでください。
- I like apples. I like oranges ( ).
a) as well b) as well as - I like apples ( ) oranges.
a) as well b) as well as - She can sing. She can dance ( ).
a) as well b) as well as - She can sing ( ) dance.
a) as well b) as well as - My brother went to the park. I went to the park ( ).
a) as well b) as well as - My brother ( ) I went to the park.
a) as well b) as well as - He speaks English ( ) a native speaker.
a) as well b) as well as - He speaks English. He speaks French ( ).
a) as well b) as well as - The teacher ( ) the students is excited about the trip.
a) as well b) as well as - The teacher is excited about the trip. The students are excited ( ).
a) as well b) as well as - I don’t like horror movies. I don’t like action movies ( ).
a) as well b) as well as - I don’t like horror movies ( ) action movies.
a) as well b) as well as - Will you be attending the meeting ( )?
a) as well b) as well as - Will you be attending the meeting ( ) the workshop?
a) as well b) as well as - The president, ( ) the vice president, will give a speech.
a) as well b) as well as - The president will give a speech. The vice president will give a speech ( ).
a) as well b) as well as - She is beautiful ( ) intelligent.
a) as well b) as well as - She is beautiful. She is intelligent ( ).
a) as well b) as well as - Reading books ( ) watching movies helps improve English.
a) as well b) as well as - I enjoy reading books. I enjoy watching movies ( ).
a) as well b) as well as
「as well」と「as well as」に関するよくある質問
- 「as well」と「too」はどちらを使うべきですか?
-
「as well」と「too」はどちらも「~も」という意味で、文末に置かれることが多いです。どちらを使うかは文体やニュアンスによります。「as well」はやや形式ばった表現で、書き言葉や丁寧な話し言葉で使われることが多いです。一方、「too」はよりカジュアルで日常会話でよく使われます。状況に応じて使い分けるとよいでしょう。
- 「as well as」の後の動詞の形はどうなりますか?
-
「as well as」で結ばれた複合主語の場合、動詞は最初の主語(as well as の前の名詞)に合わせるのが一般的です。例えば、「The teacher as well as the students is going to the museum.」(先生は生徒たちと一緒に博物館に行きます)では、主語は「teacher」なので、動詞は単数形の「is」を使います。
- 否定文では「as well」と「either」のどちらを使うべきですか?
-
否定文では一般的に「either」を使うことが多いですが、「as well」も使われることがあります。例えば、「I don’t like it either.」(私もそれが好きではありません)の方が「I don’t like it as well.」より一般的です。ただし、文脈によっては「as well」も使われることがあります。
- 「as well」は文頭に来ることがありますか?
-
一般的に「as well」は文末に置かれることが多く、文頭に置かれることはあまりありません。文頭で「また」「さらに」という意味を表したい場合は、「Also」や「Moreover」などを使うことが一般的です。
- 「as well as」と「and」の違いは何ですか?
-
「as well as」と「and」はどちらも2つの要素を結びつけますが、ニュアンスが異なります。「and」は2つの要素を同等に扱いますが、「as well as」は最初の要素にやや重点を置き、2つ目の要素は追加情報として扱う傾向があります。例えば、「I like cats and dogs.」(私は猫と犬が好きです)では猫と犬が同等ですが、「I like cats as well as dogs.」(私は猫だけでなく犬も好きです)では、主に猫が好きで、犬も好きという印象になります。
- 「as well as」を使った比較表現と「as…as」の違いは何ですか?
-
「as well as」を使った比較表現(例:He plays the piano as well as a professional.)と「as…as」(例:He plays the piano as skillfully as a professional.)は似ていますが、「as well as」の方がより一般的で広い意味を持ちます。一方、「as…as」は特定の属性(上記の例では「skillfully」)についての比較を明示します。
まとめ

この記事では、「as well」と「as well as」の意味の違いと使い分けについて詳しく解説しました。ポイントをまとめると以下のようになります。
- 「as well」は「~もまた」という意味の副詞句で、主に文末に置かれる
- 「as well as」は「~だけでなく~も」という意味で、2つの要素を結びつける接続詞や前置詞として機能する
- 「as well」は「too」や「also」と似た意味だが、使われる位置やニュアンスが異なる
- 「as well as」は「not only…but also」や「besides」と似た意味だが、強調の度合いや使われる構造が異なる
- 「as well as」は比較の意味合いで「~と同じくらい上手に」という意味にもなる
- 否定文では「as well」よりも「either」が一般的に使われる
- 「as well as」で結ばれた複合主語の場合、動詞は最初の主語に合わせるのが一般的
- 「as well」と「as well as」の使い分けは、文法的な役割とニュアンスの違いに基づいて行う
これらの表現を適切に使い分けることで、より自然で豊かな英語表現ができるようになります。日常会話や文章の中で積極的に使ってみて、使い方を身に付けていきましょう。