英語を学ぶ上で、似た意味を持つ単語の違いを理解することは非常に重要です。「disadvantage」と「drawback」はどちらも日本語で「欠点」や「短所」と訳されることが多い英単語ですが、使われる状況やニュアンスには微妙な違いがあります。
この記事では、英語初学者の方でも理解できるよう、両者の違いと使い分けについて詳しく解説していきます。
「disadvantage」と「drawback」の基本的な違い

「disadvantage」と「drawback」の基本的な違いは、フォーマリティ(公式度)と使用される文脈にあります。両者の違いを簡単にまとめると以下のようになります。
「disadvantage」はより公式的で客観的な表現です。学術的な場面やビジネスシーンでよく使われ、何かを比較した際の「不利な点」や「デメリット」を表現します。特に「advantage(利点)」との対比で使われることが多いです。
一方、「drawback」はより日常的で主観的な表現です。カジュアルな会話で使われることが多く、「もしこの欠点さえなければ完璧なのに」というニュアンスを含んでいます。何か良いものの中に存在する残念な点や障害を指すときに使われます。
これらの違いを理解することで、状況に合わせた適切な単語選びができるようになります。
disadvantageの意味と使い方
「disadvantage」は「不利な点」「不利な立場」「デメリット」を意味する名詞です。この単語は特に、何かと比較した際に劣っている点や、競争において不利な状況を表す場合に使用されます。
disadvantageの基本的な用法
「disadvantage」は以下のような状況で使われます。
- 物事の客観的な欠点や不利な点を説明する時
- 比較において不利な立場や状況を示す時
- 社会的・経済的な不平等や不利な条件を表現する時
例文
- The disadvantage of walking to school is that it takes time.(学校まで歩くことの欠点は時間がかかることです。)
- Students without computers are at a disadvantage.(コンピュータを持っていない生徒は不利です。)
- One disadvantage of living in a big city is the noise.(大都市に住むことの欠点の一つは騒音です。)
- What is the disadvantage of this game?(このゲームの欠点は何ですか?)
「at a disadvantage」という表現は「不利な立場にある」という意味でよく使われます。
例文
- She is at a disadvantage because she cannot speak English.(彼女は英語が話せないので不利な立場にあります。)
drawbackの意味と使い方
「drawback」は「欠点」「短所」「不便な点」を意味する名詞です。何か良いものや魅力的な計画に含まれる残念な欠点や障害を指すことが多いです。
drawbackの基本的な用法
「drawback」は次のような場面で使われます。
- 何か良いものに存在する唯一の欠点を指摘する時
- 計画や提案を実行する際の障害となる要素を説明する時
- 個人的な意見として、物事の不満点を表現する時
例文
- The only drawback of this smartphone is the price.(このスマートフォンの唯一の欠点は価格です。)
- One drawback of the party was that there were too many people.(そのパーティーの欠点の一つは人が多すぎたことでした。)
- The main drawback of this book is that it is too short.(この本の主な欠点は短すぎることです。)
- The drawback of rainy days is that we can’t play outside.(雨の日の欠点は外で遊べないことです。)
disadvantageとdrawbackの違いを詳しく解説
「disadvantage」と「drawback」の違いをより深く理解するために、いくつかの観点から比較してみましょう。
フォーマリティ(公式度)の違い
「disadvantage」はより公式的な表現で、ビジネスの場面や学術的な文脈でよく使われます。例えば、会議やプレゼンテーション、論文などで製品やサービス、戦略の欠点を述べる際に適しています。
例文
- In this report, we will discuss the advantages and disadvantages of the new system.(このレポートでは、新システムの利点と欠点について議論します。)
一方、「drawback」はより日常的な表現で、カジュアルな会話や非公式な場面で使われることが多いです。
例文
- I like this movie, but its drawback is the ending.(この映画は好きだけど、欠点はエンディングだね。)
客観性と主観性の違い
「disadvantage」は客観的な事実として不利な点を述べる際に使われます。数値や事実に基づいた欠点を表現するのに適しています。
例文
- The disadvantage of diesel cars is their higher pollution level.(ディーゼル車の欠点は汚染レベルが高いことです。)
対して「drawback」は、話者の主観的な判断や感想として欠点を述べる時に使われることが多いです。
例文
- For me, the drawback of this restaurant is the long waiting time.(私にとって、このレストランの欠点は待ち時間が長いことです。)
使用される状況の違い
「disadvantage」は比較における不利な点や、社会的・経済的な不平等を表現する際によく使われます。
例文
- Children from poor families face many disadvantages in education.(貧しい家庭の子どもたちは教育において多くの不利な点に直面しています。)
「drawback」は何か良いものや計画の中に存在する欠点や、実行を妨げる障害を表現する際によく使われます。
例文
- The new park is beautiful, but its drawback is the lack of parking spaces.(その新しい公園は美しいですが、欠点は駐車スペースが不足していることです。)
「disadvantage」と「drawback」の例文による比較
同じシチュエーションでも、「disadvantage」と「drawback」では少しニュアンスが変わります。
例文
- The disadvantage of online learning is the lack of direct teacher support.(オンライン学習の欠点は、教師からの直接的なサポートがないことです。)【客観的な欠点】
- The drawback of online learning is that I get easily distracted at home.(オンライン学習の欠点は、家で簡単に気が散ってしまうことです。)【個人的な欠点】
「disadvantage」と「drawback」の類似表現との比較
「disadvantage」と「drawback」以外にも「欠点」や「短所」を表す英単語はいくつかあります。ここでは代表的な類似表現との違いを見ていきましょう。
weakness(弱点、短所)
「weakness」は主に人の能力や性格における弱い部分、不得意な点を表します。また、計画や主張の弱い部分を指すこともあります。
例文
- My weakness is math.(私の弱点は数学です。)
- The weakness of his argument is the lack of evidence.(彼の議論の弱点は証拠の不足です。)
「disadvantage」が外部条件による不利な点を表すのに対し、「weakness」は内在的な弱さを表す点が異なります。
fault(欠点、故障)
「fault」は性格上の欠点や、機械などの故障・不良を指します。また、責任の所在を示す際にも使われます。
例文
- It’s not your fault that we lost the game.(私たちが試合に負けたのはあなたのせいではありません。)
- There is a fault in the computer.(そのコンピュータには故障があります。)
「fault」は「drawback」と違い、何かが正常に機能していない状態や、責任の所在を表すことが多い点が特徴です。
defect(欠陥)
「defect」は製品や設計に存在する欠陥を指します。製造過程で生じた不具合や設計上の問題を表現します。
例文
- The product was returned because of a defect.(その製品は欠陥があったため返品されました。)
- The engineer found a defect in the bridge design.(エンジニアは橋の設計に欠陥を見つけました。)
「defect」は「disadvantage」や「drawback」より深刻な問題を指す点が異なります。
「disadvantage」と「drawback」の実際の使用場面による違い
ここでは、実際の場面設定に基づいて「disadvantage」と「drawback」の使い分けを見ていきましょう。
ビジネスや学校での使用
ビジネスミーティングやプレゼンテーション、学校のレポートなど公式な場面では、「disadvantage」を使うことが一般的です。
例文
- The main disadvantage of this marketing strategy is its high cost.(このマーケティング戦略の主な欠点は高コストであることです。)
- What are the disadvantages of using renewable energy?(再生可能エネルギーを使用することの欠点は何ですか?)
日常会話での使用
友人との会話や日常的な場面では、「drawback」を使う方が自然です。
例文
- I love my new phone, but the drawback is the battery life.(新しい電話は気に入っているけど、欠点はバッテリーの持ちだよ。)
- The drawback of going to the beach today is that it might rain.(今日ビーチに行く欠点は、雨が降るかもしれないことだ。)
製品評価での使用
製品やサービスの評価を行う際は、両方の単語を状況に応じて使い分けることができます。
例文
- The disadvantage of this laptop is its limited memory compared to others.(このノートパソコンの欠点は、他と比べてメモリが限られていることです。)【客観的比較】
- The drawback of this laptop is that the keyboard feels uncomfortable.(このノートパソコンの欠点は、キーボードが使いにくく感じることです。)【主観的評価】
「disadvantage」と「drawback」の使い分け練習問題
ここでは、「disadvantage」と「drawback」の使い分けを練習するための問題を20問用意しました。それぞれの文脈に最も適した単語を選んでください。
- The main ( ) of living in the countryside is the lack of public transportation.
- For many students, the ( ) of online classes is the difficulty in asking questions.
- The ( ) of being short is that it’s harder to reach high shelves.
- This phone is great, but its ( ) is the short battery life.
- Not having work experience is a ( ) when applying for jobs.
- The ( ) of this beautiful park is that it gets too crowded on weekends.
- The ( ) of using credit cards is that you might spend more money than you have.
- The new restaurant is excellent, but its ( ) is the high prices.
- Being unable to speak the local language is a major ( ) for travelers.
- The ( ) of this computer game is that it takes too long to load.
- Children from poor families often face educational ( ).
- The ( ) of the new school building is the lack of a playground.
- The ( ) of taking the train is that it’s slower than driving.
- This cake recipe is simple, but its ( ) is that it doesn’t taste very good.
- The ( ) of wearing uniform is that you don’t need to think about what to wear.
- Working from home has many benefits, but a significant ( ) is isolation.
- The ( ) of this diet is that you feel hungry all the time.
- The movie was interesting, but its ( ) was the confusing ending.
- A ( ) of being famous is the lack of privacy.
- The ( ) of this math textbook is that it doesn’t have enough examples.
「disadvantage」と「drawback」に関するよくある質問
- 「disadvantage」と「drawback」は互換的に使えますか?
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多くの場合、互換的に使えることもありますが、ニュアンスや文脈によって適切な選択が異なります。「disadvantage」はより公式で客観的な不利な点を表し、「drawback」はより日常的で主観的な欠点を表します。正確な表現を心がけるなら、状況に応じて使い分けることをお勧めします。
- ビジネスの場で使うならどちらが適切ですか?
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ビジネスの場面では、一般的に「disadvantage」の方が適切です。特に公式なプレゼンテーションやレポートでは、客観的な事実として欠点を述べる「disadvantage」が好まれます。ただし、カジュアルな会議や個人的な意見を述べる場面では「drawback」も使用されます。
- 「at a disadvantage」という表現はどういう意味ですか?
-
「at a disadvantage」は「不利な立場にある」という意味の表現です。例えば、「He was at a disadvantage because he couldn’t speak English.(彼は英語を話せないので不利な立場にあった)」のように使います。これに対応する「drawback」の表現はありません。
- 「drawback」と「setback」の違いは何ですか?
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「drawback」は何かの欠点や短所を指しますが、「setback」は進行中の計画や進捗が遅れたり妨げられたりする出来事を指します。例えば、「The project faced a setback due to funding issues.(そのプロジェクトは資金問題により遅延に直面した)」のように使います。
- 「disadvantage」の反対語は何ですか?
-
「disadvantage」の反対語は「advantage(利点、優位性)」です。同様に、「drawback」の対義語として「benefit(利益、恩恵)」や「advantage」が使われることもあります。
- 「disadvantages」と「drawbacks」のように複数形で使うこともありますか?
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はい、どちらの単語も複数形で使うことができます。複数の欠点について述べる場合は、「The disadvantages of this method are…(この方法の欠点は…)」や「There are several drawbacks to consider…(考慮すべきいくつかの欠点があります…)」のように使います。
- 「economic disadvantage」のような表現はよく使われますか?
-
はい、「economic disadvantage(経済的不利)」「social disadvantage(社会的不利)」のように、特定の分野や側面における不利な状況を表現するために「disadvantage」が使われることはよくあります。一方、「drawback」はこのような使い方はあまり一般的ではありません。
まとめ

この記事では、「disadvantage」と「drawback」の意味の違いと使い分けについて詳しく解説しました。主なポイントをまとめると、
- 「disadvantage」は公式で客観的な不利な点を表し、「drawback」はより日常的で主観的な欠点を表す。
- 「disadvantage」は比較における不利な立場や条件を示すことが多く、「advantage」と対比して使われる。
- 「drawback」は良いものや計画に含まれる欠点を指し、「もしこの欠点がなければ完璧なのに」というニュアンスを含む。
- ビジネスや学術的な場面では「disadvantage」が好まれ、日常会話では「drawback」が自然に使われることが多い。
- 「disadvantage」は「at a disadvantage(不利な立場にある)」のような表現でも使われる。
- 両単語とも複数形で使用でき、複数の欠点を列挙する際に便利。
- 「weakness」「fault」「defect」など、他にも「欠点」を表す類似表現があり、それぞれニュアンスが異なる。
英語学習において、似たような意味を持つ単語のニュアンスの違いを理解することは、より自然で正確な表現につながります。「disadvantage」と「drawback」の違いを意識して、状況に応じた適切な単語選びができるようになりましょう。