日本語では「する」という万能な動詞で表現できることも、英語では状況や対象によって異なる動詞を使い分ける必要があります。「宿題をする」「料理をする」「努力をする」など、同じ「する」でも英語では適切な動詞が異なり、初学者にとって混乱のもとになりがちです。
この記事では、「〜する」を表す代表的な英単語の違いや使い分けについて、例文とともに詳しく解説します。これを読めば、より自然な英語表現ができるようになるでしょう。
「〜する」を表す英単語
英語で「〜する」という意味を持つ単語は実にたくさんあります。それぞれ微妙なニュアンスの違いを持っているため、適切に使い分けることが大切です。ここでは、主な「〜する」を表す英単語とその基本的な意味を紹介します。
「〜する」を表す英単語
- do（一般的な行為を行う）
- make（何かを生み出す、作り出す）
- perform（実行する、演じる）
- practice（練習する、実践する）
- try（試みる）
- attempt（試みる – より形式的）
- play（遊ぶ、スポーツをする）
- participate（参加する）
- engage in（従事する）
また、「主張する」という意味を表す英単語も複数あります。
「主張する」を表す英単語
- insist（頑固に主張する）
- persist（持続して主張する）
- maintain（維持して主張する）
- claim（権利などを主張する）
- affirm（肯定的に主張する）
- advocate（意見を主張する）
- plead（訴訟で主張する）
- contend（力説して主張する）
それでは、これらの単語について詳しく見ていきましょう。
「基本的な行為をする」を表す英単語の発音・意味・特徴と使い分け【例文あり】
「〜する」という基本的な行為を表す英単語には様々なものがあり、それぞれ使用する状況が異なります。ここでは代表的な英単語の発音、意味、特徴、そして使い分けのポイントを解説します。
do（ドゥー）
意味と特徴
do は最も基本的な「する」を表す動詞で、「何かに手を加える」というニュアンスがあります。既に存在するものに対して行為を行うイメージです。一般的な行為、作業、義務などを表現する時に用います。
使い分けのポイント
宿題、仕事、家事など、日常的なタスクや義務を表現する時に使います。「何をするか」という一般的な行為を表すときにも用います。make と混同しやすいですが、do は「行為そのもの」に焦点が当たっています。
例文
- I need to do my homework tonight.（今夜宿題をしなければなりません。）
- She does housework every morning.（彼女は毎朝家事をします。）
- What do you do on weekends?（週末に何をしますか？）
make（メイク）
意味と特徴
make は「何かを生み出す」「ゼロの状態から何かを作り出す」というニュアンスを持ちます。何かを作る、生み出す、形成するといった意味で使われます。
使い分けのポイント
具体的な物を作る場合や、お金・計画・決断・予約など形あるものを生み出す行為に使います。頭文字「M・A・K・E」で覚えると便利です。Money（お金）、Arrangements（段取り）、Keep（形のあるもの）、Eat（食べ物）に関する行為には make を使うことが多いです。
例文
- My mother makes delicious cakes.（母はおいしいケーキを作ります。）
- Let’s make a plan for the weekend.（週末の計画を立てましょう。）
- He made a big mistake yesterday.（彼は昨日大きな間違いをしました。）
perform（パフォーム）
意味と特徴
perform は「実行する」「演じる」「遂行する」という意味を持ち、やや形式ばった表現です。特にショーや音楽、演劇などの「披露する」行為や、職務などを「遂行する」時によく使われます。
使い分けのポイント
公の場で何かを披露する場合や、職務・任務などを公式に遂行する場合に使います。普段の会話よりも、やや形式ばった場面で使われることが多いです。
例文
- The students will perform a play next week.（生徒たちは来週劇を上演します。）
- She performs her duties well.（彼女は自分の職務をうまく遂行します。）
- The band performed three songs at the concert.（そのバンドはコンサートで3曲演奏しました。）
practice（プラクティス）
意味と特徴
practice は「練習する」「実践する」という意味を持ちます。特に技術や能力を向上させるために繰り返し行う行為を表します。
使い分けのポイント
スポーツ、音楽、語学など、上達のために繰り返し行う活動に使います。また、医者や弁護士が「開業する」という意味でも使われます。
例文
- I practice piano for one hour every day.（私は毎日1時間ピアノの練習をします。）
- You should practice speaking English.（英語を話す練習をするべきです。）
- She practices yoga every morning.（彼女は毎朝ヨガをします。）
try（トライ）
意味と特徴
try は「試みる」「挑戦する」という意味で、何かを成し遂げようとする行為を表します。成功するかどうかは不確かですが、努力する様子を示します。
使い分けのポイント
新しいことに挑戦する場合や、困難なことに取り組む場合に使います。また「試してみる」という意味で、新しい料理や経験を表現する時にも使えます。
例文
- I will try to finish this book by tomorrow.（明日までにこの本を読み終えるようにしてみます。）
- She tried to solve the problem.（彼女はその問題を解決しようとしました。）
- Let’s try this new restaurant.（この新しいレストランを試してみましょう。）
participate（パーティシペイト）
意味と特徴
participate は「参加する」という意味を持ち、何らかの活動やイベントに加わる行為を表します。
使い分けのポイント
会議、スポーツ大会、イベントなど、組織化された活動に加わる場合に使います。通常 “in” という前置詞を伴い、「participate in〜（〜に参加する）」の形で使用します。
例文
- Many students participated in the school festival.（多くの生徒が学園祭に参加しました。）
- I want to participate in the discussion.（その議論に参加したいです。）
- He participates in volunteer work every month.（彼は毎月ボランティア活動に参加しています。）
play（プレイ）
意味と特徴
play は「遊ぶ」「プレイする」という意味で、特にゲームやスポーツを行う場合に使います。
使い分けのポイント
スポーツ、ゲーム、楽器演奏などの娯楽活動を表現する時に使います。「〜で遊ぶ」「〜をする」という意味でよく使われます。
例文
- The children play soccer after school.（子どもたちは放課後サッカーをします。）
- She plays the piano very well.（彼女はピアノを非常に上手に弾きます。）
- Let’s play cards tonight.（今夜はトランプで遊びましょう。）
「主張する」を表す英単語の発音・意味・特徴と使い分け【例文あり】
「主張する」という行為も、英語では状況によって様々な動詞で表現します。ここでは、「主張する」を表す英単語について詳しく見ていきましょう。
insist（インシスト）
意味と特徴
insist は「頑固に主張する」「強く要求する」という意味を持ちます。他人の意見に耳を貸さず、自分の意見を貫くという強いニュアンスがあります。
使い分けのポイント
自分の意見や要求を強く押し通したい場合に使います。相手が反対しているにもかかわらず、自分の意見を曲げない様子を表現する時に適しています。
例文
- He insisted on going home early.（彼は早く帰ることを強く主張しました。）
- I insist that you see a doctor.（あなたは医者に診てもらうべきだと強く主張します。）
- She insists that she is right.（彼女は自分が正しいと主張します。）
persist（パーシスト）
意味と特徴
persist は「持続して主張する」「言い張る」という意味を持ちます。時間をかけて継続的に主張するニュアンスがあります。
使い分けのポイント
長期間にわたって同じ意見や立場を維持し続ける場合に使います。周囲の反対や状況の変化にも関わらず、自分の考えを継続して主張する様子を表現します。
例文
- She persisted in her belief despite criticism.（批判にもかかわらず、彼女は自分の信念を持ち続けました。）
- He persists that the information is correct.（彼はその情報が正しいと言い続けています。）
- They persist in their demands for higher wages.（彼らは賃上げの要求を続けています。）
maintain（メインテイン）
意味と特徴
maintain は「維持して主張する」「断言する」という意味を持ちます。自分の立場や意見を堅持するニュアンスがあります。
使い分けのポイント
自分の立場に強い確信を持ち、それを繰り返し主張する場合に使います。以前から一貫して言い続けていることを表現するのに適しています。
例文
- He maintains his innocence.（彼は自分の無実を主張し続けています。）
- We maintain that these changes are necessary.（私たちはこれらの変更が必要だと主張します。）
- She maintained her position despite pressure.（彼女は圧力にもかかわらず自分の立場を維持しました。）
claim（クレイム）
意味と特徴
claim は「権利・所有物を主張する」「要求する」という意味を持ちます。権利や補償を求めるニュアンスがあります。
使い分けのポイント
自分の所有権や権利を主張する場合や、証拠なしに何かを主張する場合に使います。根拠が弱い場合の主張を表すこともあります。
例文
- He claimed the prize money.（彼は賞金を請求しました。）
- They claim that they saw a UFO.（彼らはUFOを見たと主張しています。）
- She claims to be the rightful owner of the house.（彼女はその家の正当な所有者だと主張しています。）
affirm（アファーム）
意味と特徴
affirm は「肯定的に主張する」「断言する」という意味を持ちます。自分の意見や信念を強く肯定するニュアンスがあります。
使い分けのポイント
自分の意見や論理を肯定しながら主張する場合に使います。何かの真実性を強調したい時に適しています。
例文
- The witness affirmed that he saw the incident.（その証人は事件を目撃したと断言しました。）
- She affirmed her commitment to the project.（彼女はそのプロジェクトへの取り組みを明言しました。）
- We affirm our belief in equal rights.（私たちは平等の権利を信じると表明します。）
advocate（アドボケイト）
意味と特徴
advocate は「意見を主張する」「擁護する」「唱える」という意味を持ちます。特定の考えや政策を公に支持するニュアンスがあります。
使い分けのポイント
特定の考え方や政策を積極的に支持し、広めようとする場合に使います。議論やスピーチなど、公の場で使われることが多いです。
例文
- She advocates for environmental protection.（彼女は環境保護を提唱しています。）
- The organization advocates equal rights for all.（その組織はすべての人の平等な権利を唱えています。）
- He advocates a new approach to education.（彼は教育に対する新しいアプローチを提唱しています。）
plead（プリード）
意味と特徴
plead は「訴訟で主張する」「申し立てる」「懇願する」という意味を持ちます。法的な場面での主張を表します。
使い分けのポイント
法廷での主張や、切実に頼み込む場合に使います。特に法律の文脈で使われることが多く、「無罪を主張する」などの表現でよく見られます。
例文
- The defendant pleaded not guilty.（被告は無罪を主張しました。）
- She pleaded for more time to complete the work.（彼女は仕事を完成させるためにもっと時間がほしいと懇願しました。）
- They pleaded their case to the judge.（彼らは裁判官に自分たちの主張を訴えました。）
contend（コンテンド）
意味と特徴
contend は「力説して主張する」「論争する」という意味を持ちます。強く持論を主張するニュアンスがあります。
使い分けのポイント
自分の持論を強く主張する場合や、何かについて論争する場合に使います。特に議論の場面で使われることが多いです。
例文
- He contends that the policy will fail.（彼はその政策は失敗すると主張しています。）
- Scientists contend that climate change is a serious threat.（科学者たちは気候変動が深刻な脅威であると主張しています。）
- She contends with anyone who disagrees with her.（彼女は自分に同意しない人とは誰とでも論争します。）
「〜する」を表す英単語の使い分け練習問題
ここでは、「〜する」を表す英単語の使い分けを練習するための問題を20問用意しました。適切な単語を選んで文を完成させてください。
- I need to ( ) my homework before watching TV.
- My mother ( ) delicious cakes for my birthday every year.
- The students will ( ) a play at the school festival.
- She ( ) yoga every morning to stay healthy.
- Let’s ( ) tennis this weekend if the weather is nice.
- Many people ( ) in the marathon last Sunday.
- He ( ) that he saw a ghost in the old house.
- The lawyer ( ) not guilty on behalf of his client.
- Scientists ( ) that this method is the most effective.
- She ( ) on going home early despite the party.
- The teacher asked us to ( ) more effort in our studies.
- Can you ( ) me a favor?
- They ( ) a reservation at the restaurant for tomorrow.
- I need to ( ) the laundry today.
- The professor ( ) for environmental protection in his speech.
- She ( ) that she is innocent.
- We should ( ) speaking English every day.
- The organization ( ) that these changes will benefit everyone.
- Let’s ( ) to solve this problem together.
- The company decided to ( ) a new approach to marketing.
「〜する」を表す英単語に関するよくある質問
- doとmakeの違いは何ですか？
-
doとmakeはどちらも「する」という意味ですが、使い方に明確な違いがあります。doは既に存在するものに対して行為を行う場合に使います。宿題、仕事、家事など一般的なタスクを表現する時に適しています。一方、makeは何かを新しく生み出す、作り出す場合に使います。計画、決断、食事、お金など、形のあるものを作り出す行為に使用します。簡単に覚えるなら、doは「行為そのもの」に、makeは「何かを生み出すこと」に焦点があります。
- 「主張する」の英単語はどう使い分けるのですか？
-
「主張する」を表す英単語は状況によって使い分ける必要があります。insistは頑固に強く主張する場合、persistは持続的に主張し続ける場合、maintainは自分の立場を維持して主張する場合に使います。claimは権利や所有物を主張する時、affirmは肯定的に断言する時、advocateは特定の考えを支持・提唱する時、pleadは法廷で主張する時、contendは強く持論を主張する時に使います。主張の強さ、継続性、文脈によって適切な単語を選ぶことが大切です。
- なぜ英語には「する」を表す単語がたくさんあるのですか？
-
日本語の「する」は非常に汎用性の高い動詞で、様々な状況で使われます。一方、英語では行為の種類や目的によって異なる動詞を使い分けることで、より正確に状況を表現します。例えば、何かを作り出す行為と日常的なタスクを行う行為は性質が異なるため、異なる動詞（makeとdo）で表現します。このように、英語は行為の性質をより細かく区別して表現する言語なのです。
- 「試みる」を表す英単語tryとattemptの違いは何ですか？
-
tryとattemptはどちらも「試みる」という意味ですが、attemptはtryよりも形式ばった表現です。tryは日常会話で広く使われる一般的な表現で、何かに挑戦する様子を表します。一方、attemptはより公式な場面や文書で使われることが多く、明確な目標に向かって努力する様子を表現します。簡単に言えば、tryは日常的な「試し」、attemptは「本格的な試み」というニュアンスの違いがあります。
- 英語の「する」動詞の発音のストレスはどこにありますか？
-
英語の単語には「ストレス」と呼ばれる強勢があり、特定の音節を強く発音します。例えば、「perform」は「PERform」と最初の音節に、「participate」は「parTIcipate」と真ん中の「TI」にストレスがあります。ストレスの位置は単語によって決まっており、正しい位置にストレスを置いて発音することで、より自然な英語の発音になります。単語を覚える際には、意味だけでなくストレスの位置も一緒に覚えるとよいでしょう。
まとめ
この記事では、英語で「〜する」を表す様々な単語について、その意味や使い分けのポイントを解説しました。日本語の「する」は非常に便利な汎用動詞ですが、英語ではより具体的な状況に合わせて異なる動詞を使い分ける必要があります。
以下の表は、この記事で紹介した「〜する」を表す主な英単語をまとめたものです。
| 英単語 | 基本的な意味 | 主な使用場面 |
|---|---|---|
| do | 一般的な行為をする | 宿題、仕事、家事など日常的なタスク |
| make | 作る、生み出す | 物作り、計画、決断、お金、食事など |
| perform | 実行する、演じる | 劇、音楽、職務の遂行など |
| practice | 練習する、実践する | スポーツ、音楽、語学の練習など |
| try | 試みる、挑戦する | 新しいことへの挑戦、困難なことへの取り組み |
| participate | 参加する | イベント、会議、活動への参加 |
| play | 遊ぶ、プレイする | スポーツ、ゲーム、楽器演奏など |
| insist | 頑固に主張する | 強い要求、自分の意見を押し通す場面 |
| persist | 持続して主張する | 長期間にわたる主張、言い張る場面 |
| maintain | 維持して主張する | 立場や意見を堅持する場面 |
| claim | 権利を主張する | 所有権の主張、根拠の弱い主張 |
| affirm | 肯定的に主張する | 真実性の強調、自分の立場の肯定 |
| advocate | 意見を提唱する | 政策や考え方の公的な支持 |
| plead | 訴訟で主張する | 法廷での主張、切実な懇願 |
| contend | 力説して主張する | 強い持論の主張、論争 |
これらの英単語をしっかり使い分けることで、より自然で正確な英語表現ができるようになります。日常会話や文章作成の際に、状況に応じた適切な「する」動詞を選ぶことを心がけましょう。
英語学習は一朝一夕には身につきませんが、こうした単語の使い分けを意識することで、あなたの英語力は確実に向上していくでしょう。ぜひ実際の会話や作文で積極的に使ってみてください。
