英語学習において、「do」と「make」はどちらも「する」という意味を持つ基本動詞ですが、使い分けに悩む方は多いでしょう。
この記事では、英語初学者の方向けに「do」と「make」の違いを分かりやすく解説し、実用的な例文を紹介します。両者の違いを理解することで、より自然な英語表現が身につきます。
「do」と「make」の基本的な違い

「do」と「make」はどちらも「する」と訳されますが、本質的な意味は異なります。「do」は主に行為や活動そのものを表し、「make」は何かを作る・生み出す・変化させるという意味合いが強いです。簡単に言えば、「do」は「行う・実行する」、「make」は「作る・生み出す」と覚えると分かりやすいでしょう。
「do」は日常的な行為や作業、義務などの動作に使われ、「make」は何かの結果や成果が生まれる場合に使われる傾向があります。例えば、家事は「do the housework」、一方でケーキを作るときは「make a cake」と表現します。
「do」の基本的な意味
「do」は主に以下のような場面で使われます。
- 一般的な行為や活動を表す
- 仕事や義務、タスクを表す
- 勉強や練習などの活動を表す
多くの場合、「do」は目に見える結果が必ずしも伴わない活動に使われます。例えば「do my homework(宿題をする)」では、宿題という行為・プロセスに焦点が当たっています。
「make」の基本的な意味
「make」は主に以下のような場面で使われます。
- 物を作る・生産する
- 準備をする
- 変化を起こす・状態を変える
「make」は何かを生み出したり、変化させたりする場合に用いられます。例えば「make dinner(夕食を作る)」では、料理という具体的な成果物に焦点が当たっています。
「do」の基本的な使い方と例文
「do」は行為そのものを表現する時に使われる動詞です。以下のような場面で活用されます。
日常的な行為や作業
「do」は日常的な行為や作業を表現する時によく使われます。
例文
- I do my homework every day.(私は毎日宿題をします。)
- She does the dishes after dinner.(彼女は夕食後に皿洗いをします。)
- We do cleaning on Sunday.(私たちは日曜日に掃除をします。)
- Do you do the laundry on weekends?(あなたは週末に洗濯をしますか?)
仕事や義務
仕事や義務に関する表現でも「do」がよく使われます。
例文
- He does his job very well.(彼は仕事をとても上手にこなします。)
- I need to do my duties at home.(私は家での義務を果たす必要があります。)
- She does volunteer work on Saturdays.(彼女は土曜日にボランティア活動をしています。)
勉強や練習
学習活動や練習を表す時にも「do」を使います。
例文
- I do math exercises every night.(私は毎晩数学の練習問題をします。)
- They do English conversation practice twice a week.(彼らは週に2回英会話の練習をしています。)
- Let’s do some reading before bed.(寝る前に少し読書をしましょう。)
「make」の基本的な使い方と例文
「make」は何かを作る・生み出す・変化させる時に使われる動詞です。以下のような場面で活用されます。
物を作る・生産する
「make」は物理的なものを作る場合によく使われます。
例文
- My mother makes delicious cookies.(私の母はおいしいクッキーを作ります。)
- He makes paper airplanes for his little brother.(彼は弟のために紙飛行機を作ります。)
- We make breakfast together every morning.(私たちは毎朝一緒に朝食を作ります。)
- Can you make a birthday card for me?(私のために誕生日カードを作ってくれますか?)
準備をする
何かの準備をする際にも「make」が使われます。
例文
- I need to make my bed before school.(学校に行く前にベッドを整える必要があります。)
- She makes plans for the weekend.(彼女は週末の計画を立てます。)
- Let’s make arrangements for the party.(パーティーの手配をしましょう。)
変化を起こす・状態を変える
状態の変化や変化をもたらす行為にも「make」が使われます。
例文
- Exercise makes you healthy.(運動はあなたを健康にします。)
- Hard work makes dreams come true.(努力は夢を実現させます。)
- This book made me happy.(この本は私を幸せにしました。)
「do」を使った日常表現
「do」を使った定型表現や慣用句も多くあります。これらは覚えておくと便利です。
よく使われる表現
例文
- do one’s best(最善を尽くす)
例:I always do my best in school.(私はいつも学校で最善を尽くします。) - do good/harm(良い/悪いことをする)
例:We should do good things for others.(私たちは他の人のために良いことをすべきです。) - do a favor(親切にする)
例:Can you do me a favor and close the window?(窓を閉めるという親切をしてくれますか?) - do business(商売をする)
例:My father does business with many companies.(私の父は多くの会社と取引をしています。)
「do」と目的語の組み合わせ
例文
- do homework(宿題をする)
例:I need to do my homework before dinner.(夕食前に宿題をする必要があります。) - do the dishes(皿洗いをする)
例:It’s your turn to do the dishes today.(今日は皿洗いをするあなたの番です。) - do exercise/sports(運動/スポーツをする)
例:I do exercise every morning.(私は毎朝運動をします。)
「make」を使った日常表現
「make」を使った定型表現も多くあります。これらも覚えておくと英語表現の幅が広がります。
よく使われる表現
例文
- make a mistake(間違いをする)
例:Everyone makes mistakes sometimes.(誰でも時々間違いをします。) - make friends(友達を作る)
例:It’s easy to make friends at summer camp.(サマーキャンプでは友達を作るのが簡単です。) - make a decision(決断する)
例:We need to make a decision by tomorrow.(明日までに決断する必要があります。) - make sure(確認する)
例:Make sure you lock the door when you leave.(出かける時はドアに鍵をかけることを確認してください。)
「make」と目的語の組み合わせ
例文
- make a cake/food(ケーキ/食べ物を作る)
例:My sister makes a cake for my birthday every year.(姉は毎年私の誕生日にケーキを作ってくれます。) - make noise(騒音を立てる)
例:Please don’t make noise in the library.(図書館で騒がないでください。) - make a phone call(電話をかける)
例:I need to make a phone call to my teacher.(先生に電話をかける必要があります。)
混同しやすい「do」と「make」の表現
英語学習者がよく混同する「do」と「make」の表現がいくつかあります。以下に代表的なものを紹介します。
要注意の表現
例文
- do/make homework
正:do homework(宿題をする)
例:I need to do my English homework tonight.(今晩英語の宿題をする必要があります。) - do/make the bed
正:make the bed(ベッドを整える)
例:Please make your bed before you go to school.(学校に行く前にベッドを整えてください。) - do/make a mistake
正:make a mistake(間違いをする)
例:I made a mistake in my math test.(数学のテストで間違いをしました。) - do/make business
正:do business(商売をする)
例:Many companies do business with China.(多くの企業が中国と取引をしています。)
同じ目的語でも意味が変わる場合
例文
- do lunch / make lunch
do lunch:昼食を一緒に食べる(社交的な意味)
make lunch:昼食を作る(調理する意味)
例:Let’s do lunch next week.(来週一緒にランチを食べましょう。)
例:I’ll make lunch for everyone today.(今日は皆のためにランチを作ります。) - do a course / make a course
do a course:コースを受講する
make a course:コースを設計する
例:I’m doing an online English course.(オンライン英語コースを受講しています。)
例:The teacher is making a new course for beginners.(先生は初心者向けの新しいコースを作成しています。)
「do」と「make」の使い分け練習問題
英語の基本動詞「do」と「make」は日本語ではどちらも「する」と訳されることが多いため、使い分けが難しい単語です。「do」は一般的な行為や活動を表し、「make」は何かを作り出したり生み出したりするときに使われます。
以下では、これらの動詞の使い分けを練習するための20問を紹介します。問題を解いて、英語表現の理解を深めましょう。
- Please ( ) your homework before you go to bed.
- Can you ( ) me a favor?
- I need to ( ) a cake for my friend’s birthday.
- She ( ) her best in the competition.
- We should ( ) an appointment with the doctor.
- I want to ( ) a difference in this world.
- Let’s ( ) some exercise in the morning.
- My mother ( ) delicious meals every day.
- I need to ( ) a phone call to my boss.
- Can you ( ) the dishes after dinner?
- I’m going to ( ) a presentation tomorrow.
- She likes to ( ) her own clothes.
- Please ( ) not disturb me while I’m working.
- We need to ( ) a decision soon.
- I ( ) a mistake in my report.
- He always ( ) well in math exams.
- Let’s ( ) plans for the weekend.
- I need to ( ) the laundry today.
- You should ( ) sure all windows are closed before leaving.
- Can you ( ) me a cup of coffee?
「do」と「make」に関するよくある質問
- 「do」と「make」の最も簡単な見分け方はありますか?
-
最も簡単な見分け方は、「何かを作る・生み出す・変化させる」場合は「make」、「行為・活動そのもの」を表す場合は「do」と覚えることです。例えば、「ケーキを作る」は「make a cake」、「宿題をする」は「do homework」となります。ただし、慣用表現も多いので、よく使われる表現はそのまま覚えるのが効果的です。
- 「do」と「make」を使った慣用表現はどうやって覚えればよいですか?
-
慣用表現は、単語カードを作ったり、実際に使う状況を想像しながら例文を作ったりして覚えるとよいでしょう。また、日常的によく使う表現から優先的に覚え、少しずつ表現を増やしていくことをおすすめします。英語の映画やドラマ、本などでこれらの表現が使われている場面に注目するのも効果的です。
- 「do」と「make」以外に「する」という意味の動詞はありますか?
-
はい、英語には「する」と訳せる動詞が他にもあります。例えば「have(a shower/a bath/a dream など)」、「take(a walk/a rest/a shower など)」、「give(a speech/a lesson/advice など)」などがあります。これらの動詞も特定の名詞と組み合わせて「〜する」という意味になります。
- 「do」と「make」の過去形と過去分詞はどうなりますか?
-
「do」の過去形は「did」、過去分詞は「done」です。「make」の過去形は「made」、過去分詞も「made」です。例えば、「I did my homework yesterday.(昨日宿題をしました。)」「She has made a delicious cake.(彼女はおいしいケーキを作りました。)」のように使います。
まとめ

この記事では「do」と「make」の違いと使い分けについて解説しました。主なポイントは以下の通りです。
- 「do」は行為・活動そのものを表し、「make」は何かを作る・生み出す・変化させる意味がある。
- 「do」は日常的な行為、仕事や義務、勉強や練習などに使われる。
- 「make」は物を作る、準備をする、変化を起こすなどの場面で使われる。
- 「do homework(宿題をする)」「do the dishes(皿洗いをする)」「do exercise(運動をする)」など、プロセスに焦点を当てる表現には「do」を使う。
- 「make a cake(ケーキを作る)」「make friends(友達を作る)」「make a decision(決断する)」など、結果や成果物に焦点を当てる表現には「make」を使う。
- 慣用表現が多いので、よく使われる表現はそのまま覚えるのが効果的。
- 文脈によっては同じ目的語でも「do」と「make」で意味が変わることがある。
「do」と「make」の違いを理解し、適切に使い分けることで、より自然な英語表現ができるようになります。日頃から例文を作りながら練習し、表現の幅を広げていきましょう。