「due to」は英語でよく使われる表現の一つで、日本語では主に「~が原因で」「~のために」「~によって」などと訳されます。シンプルな表現ながら、正確に使うためにはいくつかのポイントを押さえる必要があります。
この記事では「due to」の基本的な意味から実際の使い方、類似表現との違いまで、例文を交えながら詳しく解説していきます。
「due to」の基本的な意味
「due to」の基本的な意味は「~が原因で」「~のために」「~によって」です。何かの理由や原因を説明する際によく使われます。
「due」は「~のせいで」「~に起因する」という意味を持ち、「to」と組み合わさることで「~が原因で」という意味になります。
例文
- The flight was delayed due to bad weather.
(フライトは悪天候のために遅延しました。) - Many students were absent due to the flu outbreak.
(インフルエンザの流行により、多くの学生が欠席しました。) - The project’s success was largely due to her hard work.
(プロジェクトの成功は主に彼女の努力によるものでした。)
「due to」の文法と構造
「due to」は主に以下の2つの文法パターンで使われます。
be動詞 + due to + 名詞/名詞句
この形は「~は~が原因である」という意味を表します。
例文
- The increase in sales is due to our new marketing strategy.
(売上の増加は新しいマーケティング戦略によるものです。) - His absence was due to illness.
(彼の欠席は病気が原因でした。) - The delay in the project was due to unexpected technical issues.
(プロジェクトの遅延は予期せぬ技術的問題が原因でした。)
名詞 + due to + 名詞/名詞句
この形は文の主語や目的語の一部として使われ、「~による~」という意味を表します。
例文
- Injuries due to car accidents are common in urban areas.
(交通事故による怪我は都市部でよく見られます。) - The company reported losses due to the economic downturn.
(その会社は経済の低迷による損失を報告しました。) - Changes in behavior due to stress are often observed in students during exam periods.
(試験期間中、学生にはストレスによる行動の変化がよく見られます。)
「due to」の使用上の注意点
「due to」を使う際には、以下の点に注意が必要です。
形容詞的用法と副詞的用法の区別
伝統的な文法では、「due to」は形容詞的に使うべきとされています。つまり、名詞を修飾する形で使うのが正式な用法です。
一方、「because of」は副詞的に使われ、動詞や文全体を修飾します。
例文
- The cancellation was due to heavy rain. (正式な用法)
(中止は大雨が原因でした。) - The event was cancelled due to heavy rain. (一般的に受け入れられているが、厳密には不正確)
(イベントは大雨のために中止されました。)
ただし、現代の英語では、「due to」を副詞的に使うことも広く受け入れられています。
特に話し言葉ではよく見られます。
「due to」と「because of」の使い分け
「due to」と「because of」はしばしば互換的に使われますが、微妙な違いがあります。
- 「due to」は主に結果に焦点を当て、より形式的な印象があります。
- 「because of」は原因に焦点を当て、よりカジュアルな印象があります。
例文
- The game was postponed due to rain.
(試合は雨のために延期されました。)- 結果(延期)に焦点 - We couldn’t play the game because of the rain.
(雨のためにゲームをすることができませんでした。)- 原因(雨)に焦点
「due to」を使った表現
「due to」を含むよく使われる表現をいくつか紹介します。
「largely due to」(主に~のために)
例文
- The company’s success is largely due to its innovative products.
(その会社の成功は主に革新的な製品によるものです。) - The improvement in air quality is largely due to stricter environmental regulations.
(大気質の改善は主に厳しい環境規制によるものです。)
「partly due to」(部分的に~のために)
例文
- The decline in tourism is partly due to the global economic situation.
(観光業の衰退は部分的に世界の経済状況によるものです。) - His popularity is partly due to his charismatic personality.
(彼の人気は部分的にカリスマ的な性格によるものです。)
「not due to」(~が原因ではない)
例文
- The error was not due to human mistake, but to a system malfunction.
(そのエラーは人為的ミスではなく、システムの不具合が原因でした。) - The change in policy was not due to public pressure.
(その政策の変更は世論の圧力によるものではありませんでした。)
「due to」を使った会話例
「due to」を使った会話の例を見てみましょう。
会話例1:仕事の遅延について
例文
- A: Why hasn’t the report been finished yet?
(なぜまだレポートが完成していないのですか?) - B: The delay is due to some unexpected data inconsistencies we found.
(遅延は、私たちが発見したいくつかの予期せぬデータの不整合が原因です。) - A: I see. How long will it take to resolve these issues?
(なるほど。これらの問題を解決するのにどのくらい時間がかかりますか?) - B: We’re working on it, but it might take an extra day or two due to the complexity of the data.
(取り組んでいますが、データの複雑さのために1、2日余分にかかるかもしれません。)
会話例2:イベントの中止について
例文
- A: I heard the outdoor concert was cancelled. What happened?
(野外コンサートが中止になったと聞きました。何があったのですか?) - B: Yes, unfortunately, it was cancelled due to severe weather conditions.
(はい、残念ながら、厳しい気象条件のために中止になりました。) - A: That’s too bad. Was it due to rain?
(それは残念です。雨が原因だったのですか?) - B: Not just rain. The cancellation was due to a combination of heavy rain and strong winds.
(雨だけではありません。中止は豪雨と強風の組み合わせが原因でした。)
まとめ:「due to」の使い方のポイント

「due to」は英語で「~が原因で」「~のために」という意味を持つ便利な表現です。
この表現の主なポイントをまとめると、
- 基本的な意味は「~が原因で」「~のために」「~によって」です。
- 主に「be動詞 + due to + 名詞/名詞句」または「名詞 + due to + 名詞/名詞句」の形で使います。
- 伝統的には形容詞的に使うべきとされていますが、現代では副詞的な使用も広く受け入れられています。
- 「because of」と似ていますが、「due to」はより形式的で、結果に焦点を当てる傾向があります。
- 「largely due to」「partly due to」「not due to」などの表現もよく使われます。
「due to」を正しく使いこなせるようになれば、英語で原因や理由を説明する際の表現の幅が広がります。
この記事を参考に、様々な場面で「due to」を活用してみてください。