英検は何級から就職や転職活動に有利？意味ないと言われる理由も徹底解説

英語力を証明する資格として広く知られている英検（実用英語技能検定）。学生時代に挑戦した人も多いのではないでしょうか。しかし、就職や転職の際に英検は本当に役立つのでしょうか。「英検は役立たない」という声も一部では聞かれます。

この記事では、英検が就職・転職活動において何級から有利になるのか、また「意味がない」と言われる理由について徹底的に解説します。英語学習者として、自分の努力が無駄にならないよう、正しい情報を知っておきましょう。

英検とは？日本で最も普及している英語能力評価試験

英検は、正式名称を「実用英語技能検定」といい、日本英語検定協会が主催する英語の検定試験です。日本国内で最も知名度と受験者数の多い英語資格として知られています。小学生から社会人まで幅広い層が受験しており、2021年度の累計志願者数は約410万人にも達しています。

英検の特徴は、英語の四技能（読む・書く・聞く・話す）をバランスよく評価する点にあります。1級から5級までの7段階（1級、準1級、2級、準2級、3級、4級、5級）に分かれており、級が低いほど難易度が高くなります。各級は以下のレベルに相当するとされています。

英検は学校教育と連携した内容になっており、学習の成果を確認する指標として活用されてきました。また有効期限がないため、一度取得すれば半永久的に資格として保持できるというメリットもあります。

英検の受験方法と試験内容

英検は年に複数回実施されており、個人でインターネットから申し込むか、学校や塾などの教育機関を通じて団体で申し込むかの2通りの方法があります。

試験内容は級によって異なりますが、基本的な構成は以下の通りです。

受験料は級によって異なり、5級から1級に向けて段階的に高くなります。

試験会場は全国の学校や試験センターで実施されますが、近年ではCBT（Computer Based Testing）形式の試験も導入され、より柔軟に受験できるようになっています。

英検の各級と就職での評価基準

就職活動において、英検はどのように評価されるのでしょうか。実は級によって評価が大きく異なります。企業側はただ持っているだけで評価するわけではなく、ビジネスで活用できるレベルかどうかを見ています。

企業の採用担当者の多くは、応募者の英語力を判断する際に英検の級を一つの目安としています。一般的に、就職活動で評価の対象となるのは英検2級以上とされていますが、業界や職種によってはさらに上の級が求められることもあります。

英検の級ごとの就職での評価は以下のように考えられています。

特に準1級以上を取得していると、企業側から「実用的な英語力がある」と判断されることが多いです。

準1級は大学中級程度の英語力を示すもので、ビジネスシーンでも十分に活用できるレベルと考えられています。

業界別に見る英検の評価

英検の評価は業界によっても異なります。英語を使う機会の多い業界では、より高い級が求められる傾向にあります。

これらの業界では、英検準1級以上が望ましく、中には英検2級では「最低限の水準にも達していない」と判断されることもあります。

これらの業界では、英検2級があれば一定の評価を得られますが、準1級以上あるとさらに有利になります。

これらの業界では、英検2級があれば十分にアピールポイントになります。

英検は何級から転職に有利？社会人の英語力証明として

転職市場においても、英検は英語力を証明する重要な資格の一つです。ただし、社会人になると、学生時代と比べてより実践的な英語力が求められるようになります。

転職活動における英検の評価基準は、基本的に就職活動と同様ですが、実務経験が重視される分、資格だけでなく「実際にどのように英語を使ってきたか」も問われます。一般的に、転職で評価される英検のレベルは以下の通りです。

特に転職の場合、英検取得時期も重要なポイントです。長い年月が経過した英検資格は「現在も同じレベルの英語力があるか」を疑問視されることがあります。

そのため、取得から時間が経っている場合は、現在の英語力を示す他の証明（TOEIC、実務経験など）も合わせて提示するとよいでしょう。

転職時に英検と併せてアピールすべきポイント

転職時に英検をアピールする際は、単に「○級を持っている」という事実だけでなく、以下のような点も併せてアピールすると効果的です。

実務経験と組み合わせることで、英検の価値をより高めることができます。特にTOEICスコアも併せて持っていると、より総合的な英語力をアピールできるため、可能であれば両方の資格取得を目指すとよいでしょう。

英検が意味ないと言われる理由と実際の有用性

英検に対して「意味がない」という声が聞かれることもあります。その理由と実際のところを検証してみましょう。

英検が意味ないと言われる主な理由は以下の4つです。

しかし、これらの批判に対する反論も存在します。

結論として、英検が「意味がない」というのは誤りで、適切な級を取得し、他の英語力の証明と組み合わせることで、就職・転職活動において十分に価値のある資格となります。

英検を履歴書に書く正しい方法と注意点

履歴書に英検を記載する際には、正しい方法で書くことが重要です。間違った書き方をすると、かえって印象を悪くしてしまう可能性があります。

英検を履歴書に記載する場合の基本的なルールは以下の通りです。

就活で英検を効果的にアピールする方法

就職活動において、英検を単に履歴書に書くだけでなく、効果的にアピールする方法を考えてみましょう。適切なアピール方法を知ることで、英検の価値を最大限に引き出すことができます。

英検を就活で効果的にアピールするためのポイントは以下の通りです。

業界別・職種別の英検アピールのポイント

業界や職種によって、英検のアピール方法も変わってきます。

就活においては、ただ英検の級を持っているということだけでなく、その英語力をどのように業務に活かせるかをアピールすることが重要です。

英検を書かない方が良い場合と履歴書作成のコツ

英検を取得していても、履歴書に記載しない方が良い場合もあります。適切な判断をするためのポイントを解説します。

英検を履歴書に書かない方が良い主なケースは以下の通りです。

履歴書に英検以外の英語力をアピールする方法

英検以外にも、英語力をアピールする方法はあります。

履歴書は限られたスペースで自分をアピールする重要なツールです。英検を含め、どの資格や経験を記載するかは、応募先企業や職種との関連性を考慮して戦略的に決めることが大切です。

英検と他の英語資格の比較とビジネス活用法

英検以外にも、英語力を証明する資格は多数あります。それぞれの特徴を理解し、目的に合った資格を選ぶことが重要です。

主な英語資格の比較は以下になります。

資格名	特徴	ビジネスでの評価	有効期限
英検	4技能をバランスよく評価	国内企業での認知度高い	なし
TOEIC	リスニングとリーディングに特化	ビジネス英語の評価として人気	2年
TOEFL	主に海外大学進学目的	グローバル企業で評価	2年
IELTS	主に英語圏への留学・移住目的	国際機関や外資系で評価	2年
ケンブリッジ英検	ビジネスやアカデミックに特化したバージョンあり	欧州系企業で評価	なし

それぞれの資格は測定する能力や目的が異なります。英検は4技能をバランスよく測定しますが、TOEICはビジネスシーンでの実用的なリスニングとリーディングに特化しています。

英検とTOEICの相関関係と併用メリット

英検とTOEICは日本で最も普及している英語資格ですが、測定する能力が異なるため、両方取得することでより総合的な英語力をアピールできます。

英検とTOEICの目安となる相関関係は以下になります。

英検	TOEIC目安
3級	400点程度
準2級	500点程度
2級	600点程度
準1級	730点程度
1級	900点以上

ビジネスシーンでは、英検の級だけでなくTOEICのスコアも併せて持っていると説得力が増します。企業の採用担当者からは、「英検で4技能のバランスを確認し、TOEICでビジネスシーンでの実用的な英語力を確認できる」と評価されることが多いです。

特に、転職市場においては、TOEICスコアを求める求人が多いため、英検とTOEICの両方を取得しておくことで選択肢が広がります。国際ビジネスコミュニケーション協会の調査によると、新卒採用では約半数の企業がTOEICスコアを参考にしており、目安となるスコアは一般社員で535点、海外部門で690点程度とされています。

英検のよくある間違いと注意点

英検を受験する際や、英検で学んだ英語を実際に使う際に、よくある間違いや注意すべきポイントを知っておくことは重要です。

特に、試験でのミスを減らし、効果的に英語力をアピールするために参考にしてください。

試験での一般的なミス

実用面での注意点

履歴書や面接でのアピール時の注意点

英検を最大限に活かすには、これらの間違いや注意点を理解し、適切に対処することが重要です。特に、試験での一般的なミスを把握しておくことで、合格率を高めることができます。

英検に関するよくある質問

英検に関して、多くの人が持つ疑問についてお答えします。就職や転職活動に関連する質問を中心に解説していきます。

英検は何級から就職に有利ですか？

基本的には英検2級以上が就職活動で評価されると言われています。しかし、業界や職種によっては準1級以上が求められることもあります。特に英語を使う機会が多い外資系企業や国際部門では、より高い級が求められる傾向にあります。

英検とTOEIC、どちらを優先して取得すべきですか？

これは目標によって異なります。総合的な英語力をアピールしたい場合は英検、ビジネスでの実用的な英語力を示したい場合はTOEICが適しています。理想的には両方取得することで、互いに補完しあう強みになります。就職活動ではTOEICを重視する企業も多いため、可能であれば両方取得を目指すとよいでしょう。

英検の有効期限はありますか？

英検には公式な有効期限はありません。一度取得すれば半永久的に資格として保持できます。ただし、取得から長い年月が経過している場合、採用担当者から「現在も同じレベルの英語力があるか」を疑問視されることがあります。

英検の勉強法で最も効果的なものは何ですか？

過去問を繰り返し解くことが最も効果的です。特に自分の弱点を分析し、苦手分野を重点的に学習するとよいでしょう。単語力の強化も重要で、各級に合わせた単語集を使って語彙力を高めることが推奨されます。リスニングは「音声を聞く→理解できない部分を特定→スクリプトで確認→音読」というサイクルで練習するとよいでしょう。

準2級でも履歴書に書くべきですか？

基本的に大学生や社会人の場合、準2級は高校在学レベルの英語力を示すものなので、それだけでは大きなアピールポイントにはなりません。ただし、他に書ける資格がない場合や、英語以外の強みとの組み合わせでアピールできる場合は記載しても良いでしょう。

英検1級は就職でどれくらい評価されますか？

英検1級は最高峰の級であり、非常に高く評価されます。合格率が低く、大学上級レベルの英語力を示すため、外資系企業や国際部門、商社、航空業界などでは大きな強みになります。一部の企業では英検1級を持っているというだけで、英語力のテストが免除されることもあります。

英検準1級とTOEIC800点では、どちらが評価されますか？

両方とも高いレベルの英語力を示しています。英検準1級は4技能すべてをカバーしているため総合的な英語力の証明になり、TOEIC800点はビジネスシーンでの実用的な英語力（特にリスニングとリーディング）の証明になります。企業の特性や求める英語力によって評価は異なりますが、どちらも十分高いレベルとして評価されるでしょう。

英検で学んだことが実際の仕事でも役立ちますか？

英検で学ぶ文法や語彙、リスニング、ライティング、スピーキングの能力は、実際のビジネスシーンでも基礎となる部分が多いです。ただし、業界特有の専門用語や表現は別途学ぶ必要があります。英検で身につけた英語力は、さらに実践的なビジネス英語を学ぶための土台となります。

まとめ

英検は就職・転職活動において、適切な級を取得していれば有利に働く重要な資格です。この記事では、英検の各級がどのように評価されるか、意味がないと言われる理由とその真偽、効果的なアピール方法などを詳しく解説してきました。

英検に関する重要なポイントをまとめると以下の通りです。

英語力は現代のビジネスシーンでますます重要になっています。英検の取得は単なる資格取得に留まらず、実用的な英語力を身につけるための良い動機づけとなります。自分のキャリア目標に合わせて適切な級を目指し、継続的に英語力を磨いていくことが大切です。

また、英検だけでなく、TOEICなど他の英語資格も視野に入れて、バランスの取れた英語力の証明を持つことも検討しましょう。就職・転職活動では、単に資格を持っているということだけでなく、その英語力をどのように業務に活かせるかという視点でアピールすることが、採用担当者の心に響くポイントとなります。

英検取得のための努力は、必ず将来のキャリアに良い影響をもたらすでしょう。まずは自分の目標に合った級を設定し、着実に学習を進めていきましょう。