英検準2級は、高校中級程度の英語力を測定する試験として広く知られています。この試験は基礎的な英語力から応用力へのステップアップを示す重要な資格であり、大学入試対策や就職活動でも評価されます。英検準2級の合格には、中学英語の完全マスターに加え、高校英語の基本的な理解が必要です。
本記事では、英検準2級のレベルや難易度、合格率、TOEICとの比較、さらに効果的な勉強法まで詳しく解説していきます。
英検準2級とは?高校中級レベルの英語力を証明する資格

英検準2級は、日本英語検定協会が実施する実用英語技能検定(英検)の中で、3級と2級の間に位置する資格です。高校中級程度の英語力を持っていることを証明する試験であり、日常生活で使用する英語を適切に理解し、実際に使いこなせる能力が求められます。
英検は全部で7つのレベル(1級、準1級、2級、準2級、3級、4級、5級)があり、その中で準2級は基礎的な英語力をすでに身につけた人が、さらに応用力を高めるための重要なステップとなっています。特に、高校での単位認定や大学入試での評価対象となる資格であるため、多くの学生が挑戦しています。
英検準2級の試験は、一次試験(リーディング、ライティング、リスニング)と二次試験(スピーキング)の2段階で構成されています。一次試験に合格した人だけが二次試験を受験できる仕組みになっており、両方に合格して初めて準2級取得となります。ただし、英検S-CBTという形式では、一日で全ての試験を完結させることも可能です。
受験者数は年間約50万人と言われており、高校生を中心に幅広い年齢層が受験しています。中学生の中でも英語に力を入れている生徒の受験も増えています。
英検準2級の試験方法と試験日
英検の受験方法には「英検(従来型)」と「英検S-CBT」の2種類があります。それぞれの特徴は以下の通りです。
英検準2級 | 英検(従来型) | 英検S-CBT |
---|---|---|
試験日 | 年に3回 | 毎週土日 |
試験形式 | 一次試験と二次試験で2日間 | 1日で完結 |
試験方法 | 筆記・面接 | PC |
受験料 | 6,100円(準会場) 8,500円(本会場) | 9,100円 |
S-CBTの方が受験日に融通が利きやすく、スピーキング試験も面接ではなくマイク吹き込み式なので、対面が苦手な人にはおすすめの方式です。
英検準2級のレベルと難易度
英検準2級のレベルと難易度について詳しく解説します。どの程度の英語力が必要なのか、他の級と比較してどうなのかを理解しておくことで、効果的な対策ができるようになります。
英検準2級は高校中級程度の英語力が求められる試験です。中学英語の基礎をしっかり習得していることに加え、高校で学ぶ文法や語彙の基本的な知識も必要となります。センター試験(現共通テスト)の形式と共通点も多く、大学入試の対策としても役立つレベルです。
試験では、日常的な場面でのコミュニケーション能力だけでなく、教育や科学などの社会的分野に関する長文も出題されるため、ある程度の読解力も求められます。
英検準2級のレベルはどのくらい?
英検準2級のレベルを国際的な基準であるCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)で見ると、A2からB1レベルの入り口に相当します。これは「基礎段階の言語使用者」から「自立した言語使用者」への移行期にあたります。
具体的な英語力としては、
- 日常生活の身近な話題について理解し、簡単な意見交換ができる
- 基本的な文法構造を使いこなせる
- 高校中級程度の語彙を理解し、使用できる
- 自分の経験や考えについて、シンプルに説明できる
CSEスコア(英検独自のスコア)では、1400〜2400の範囲に位置し、合格点は1728点とされています。これは全体の65%程度の得点率に相当します。
英検準2級と他の級の違い
英検準2級と他の級との違いを理解することで、自分の現在の英語レベルと目標とのギャップを把握できます。
英検3級は中学卒業程度のレベルで、基本的な日常会話や簡単な文章理解が求められます。これに対して準2級では、より複雑な文法や語彙、長文読解、そして自分の意見を論理的に表現する能力が問われるようになります。
一方、英検2級は高校卒業程度で、より高度な英語力が求められます。準2級と2級の間には大きな隔たりがあり、多くの受験者が準2級には合格できても2級で苦戦するケースが見られます。
レベルの違いを表で比較すると、
級 | レベル | 必要な英語力 | 目安となる学年 |
---|---|---|---|
3級 | 中学卒業程度 | 基礎的な日常会話 | 中学3年生 |
準2級 | 高校中級程度 | 日常会話+意見表現 | 高校1〜2年生 |
2級 | 高校卒業程度 | 社会性のある議論 | 高校3年生 |
英検準2級に必要な単語数
英検準2級に合格するために必要な単語数は、約2,600〜3,600語程度とされています。これは中学英語で学ぶ約1,200語に加えて、高校での学習語彙が含まれる数です。
準2級では3級と比べて語彙のレベルが一気に上がりますので、単語学習は非常に重要な対策となります。特に高校で学ぶ単語や、過去問に頻出する表現はしっかりと覚えておく必要があります。
単語学習では、ただ闇雲に覚えるのではなく、実際の文脈の中で使い方を理解することが大切です。また、リーディングやリスニングの問題を解く中で、繰り返し出てくる単語を優先的に覚えていくとより効率的です。
英検準2級の合格率と合格点
英検準2級の合格率と合格点について詳しく解説します。これらの数値を知ることで、試験の難易度を客観的に把握し、合格に向けた対策を立てやすくなります。
英検準2級の合格率
英検準2級の全体的な合格率は約35%で安定しています。ただし、日本英語検定協会は2016年以降、公式な合格率の発表を行っていません。過去のデータによると、一次試験の合格率は約30%前後、二次試験の合格率は80%を超える高い水準を保っています。
この数値からわかるように、英検準2級は3人に1人程度しか合格しない、決して容易ではない試験です。特に一次試験の突破が難関となっており、ここをクリアできれば二次試験は比較的高い確率で合格できると言えます。
興味深いデータとして、2013年度の統計では中学生の合格率が38%、高校生の合格率が34%という結果が出ています。中学生の方が高校生よりも合格率が高い理由としては、中学生で英検準2級を受験する層は比較的英語教育に熱心な学生である可能性が指摘されています。
英検準2級の合格点
英検準2級の合格点は、CSEスコアという独自のスコアシステムで表されます。合格基準スコアは1,322点(満点は1,800点)となっています。
技能別の合格基準スコアは以下の通りです。
試験区分 | 満点 | 合格基準スコア | 測定技能 |
---|---|---|---|
一次試験 | 1,800点 | 1,322点 | Reading, Listening, Writing |
二次試験 | 600点 | 406点 | Speaking |
英検のCSEスコアは、試験後に統計的な手法によって計算されるため、受験者が正答数からスコアを簡単に推測することはできません。ただし、一般的には全体の約65%程度の得点が合格ラインと言われています。
重要なポイントとして、英検の採点では各技能のスコアがバランスよく配分されるように調整されています。そのため、一つの技能で極端に低いスコアが出ると、他の技能で高得点を取っていても合格が難しくなる可能性があります。四技能をバランスよく学習することが重要です。
英検準2級の受験者層と傾向
英検準2級の受験者は年間およそ50万人と言われています。受験者層としては、高校生が最も多く、次いで中学生が多い傾向にあります。
高校生の場合、進学や就職に向けた英語力の証明として受験するケースが多く見られます。多くの高校では英検取得を奨励しており、英検準2級以上を取得すると単位認定される場合もあります。
一方、中学生の場合は、高校入試に向けた対策や早期からの英語力向上を目指して受験する傾向があります。特に英語に力を入れている中学校では、英語クラブの活動の一環として準2級受験を推奨しているケースも見られます。
大人の学習者も一定数おり、ビジネスでの活用や自己啓発のために受験する人も増加しています。特に英語学習の目標として具体的な級を設定することで、モチベーションを保ちやすいという側面もあります。
英検準2級の試験内容と出題形式
英検準2級の試験内容と出題形式について詳しく解説します。試験の構成を理解することで、効率的な対策が可能になります。
英検準2級は、一次試験と二次試験に分かれています。一次試験は「リーディング」「ライティング」「リスニング」で構成され、二次試験は「スピーキング」となっています。
一次試験:筆記(リーディング)
リーディングでは、語句の知識や文章理解力が測られます。リーディングの内容は以下の通りです。
短文の語句空所補充(20問)
- 単語や文法の知識を問う問題
- 文脈に合った適切な語句を選ぶ
- 時間配分の目安:約10分
対話文の文空所補充(5問)
- 会話の流れに合った適切な表現を選ぶ問題
- 時間配分の目安:約5分
長文の語句空所補充(5問)
- まとまった長さの文章の中で適切な語句を選ぶ問題
- 時間配分の目安:約10分
長文の内容一致選択(7問)
- Eメールや説明文などの内容に関する質問に答える問題
- 時間配分の目安:約15分
リーディングでは、高校レベルの単語や文法も出題されるため、中学英語の範囲だけでは対応が難しくなります。基本的な文法知識や単語力に加えて、文脈から意味を推測する力も必要です。
時間配分を意識して問題を解くことも重要です。特に長文読解は時間がかかりやすいので、効率的に読む練習が必要となります。
一次試験:ライティング
ライティングでは、与えられたテーマについて自分の考えを英語で表現する能力が測られます。
2023年度からは、意見論述問題に加えてEメール問題も出題されるようになりました。出題形式は以下の通りです。
意見論述問題
- 質問に対する回答を英文で書く問題
- 回答語数の目安:50~60語
- 自分の意見とその理由を2つ挙げて回答
- 評価基準:内容、構成、語彙、文法(各4点、計16点満点)
Eメール問題
- 与えられた状況に基づいてEメールを書く問題
- 指定された内容を含めて英文で表現する
- 評価基準:内容、語彙、文法(各4点、計12点満点)
ライティングは配点が高いにも関わらず問題数が少ないため、しっかりと対策することで効率よく得点を伸ばすことができます。英作文の基本的なパターンを覚え、練習を重ねることが重要です。
全体の時間配分としては、ライティングに約30分程度を使うことが望ましいでしょう。
一次試験:リスニング
リスニングでは、英語を聞いて理解する能力が測られます。準2級のリスニングは以下の3つのパートで構成されています。
会話の応答文選択(10問)
- 短い会話を聞き、適切な応答を選ぶ問題
対話文の聞き取り(10問)
- 会話を聞き、内容に関する質問に答える問題
文章の聞き取り(10問)
- まとまった長さの文章を聞き、内容に関する質問に答える問題
準2級のリスニングの特徴として、放送が1回しか流れないという点があります。これは3級との大きな違いで、難易度を上げる要因となっています。1回で聞き取る必要があるため、集中力と即座に情報を処理する能力が求められます。
また、トピックも学校や職場、アナウンスなど多岐にわたる場面が登場し、趣味、海外の文化、教育、科学、自然・環境など幅広い分野から出題されます。
リスニングの試験時間は約25分で、30問満点中90%の27点を得点することが望ましいとされています。
二次試験:スピーキング(面接)
二次試験はスピーキング(面接)で、面接官との対話形式で行われます。試験時間は約6分程度です。試験内容は以下の通りです。
パッセージの音読
- 与えられた英文を20秒間黙読した後、音読する
パッセージについての質問(1問)
- 音読した内容に関する質問に答える
イラストについての質問(2問)
- 与えられたイラストについて説明する
- 「絵の中の人々は何をしていますか?」などの質問
自分の意見を述べる質問(2問)
- 「毎日運動すべきだと思いますか?」「ショッピングモールに行くのは好きですか?」など
- 特定のトピックについて自分の意見を述べる
面接では、単に質問に正確に答えるだけでなく、コミュニケーション能力も評価されます。アイコンタクトや声の大きさ、積極的な姿勢なども「アティチュード(態度)」として評価対象となります。
質問が聞き取れない場合は「Could you repeat that, please?」などと一度だけ聞き返すことができます。ただし、聞き返しが多すぎると減点の対象となる可能性があります。
回答は2文以上で答えることが望ましく、自分の意見だけでなく理由もしっかり述べることが高評価につながります。
英検準2級とTOEICの比較
英検準2級とTOEICはどのように違うのでしょうか。両者を比較することで、自分の目的に合った試験を選ぶ参考にしましょう。
英検は級でレベルを表しますが、TOEICはスコアでレベルを表します。そのため、両者を直接比較することは難しいですが、おおよその換算値が存在します。
英検準2級とTOEICのスコア換算
英検準2級はTOEICでは約225点~550点に相当すると言われています。一方、英検2級はTOEICで550点~785点程度に相当します。
以下に英検とTOEICの比較表を示します。
英検の級 | TOEICの点数 |
---|---|
英検1級 | 945点〜 |
英検準1級 | 785点〜 |
英検2級 | 550点〜 |
英検準2級 | 225点〜 |
英検3級〜5級 | 120点〜 |
一般的に企業が求めるTOEICスコアは600点以上と言われています。そのため、履歴書に英語力として記載したい場合は、英検2級以上の取得が望ましいでしょう。ただし、英検準2級も英語学習の中間目標として価値があります。
英検準2級とTOEICの試験内容の違い
英検準2級とTOEICは試験の目的や内容が大きく異なります。
英検は4技能(読む・書く・聞く・話す)をバランスよく測定する総合的な英語力を測る試験です。特に準2級では、日常生活で必要な英語力を測定することに重点が置かれています。
一方、TOEICはビジネスシーンでの英語力を測定することを目的としており、リーディングとリスニングの2技能のみを測定します。ビジネス英語や実務的な表現が多く出題される傾向があります。
また、試験形式も大きく異なります。英検は一次試験と二次試験に分かれていますが、TOEICは1日で完結する試験です。英検には面接(スピーキング)がありますが、TOEICには話す・書くテストは含まれていません(別途TOEIC S&Wがあります)。
どちらを受けるべきか?目的別の選び方
英検準2級とTOEICのどちらを受けるべきかは、自分の目的によって異なります。
- 高校生や大学受験を控えている場合
英検は大学入試で優遇される場合が多いため、英検準2級や2級の取得がおすすめです。 - 就職・転職を考えている場合
企業ではTOEICスコアを採用基準とすることが多いため、TOEICの受験がおすすめです。 - 総合的な英語力を身につけたい場合
4技能をバランスよく測定する英検が適しています。 - ビジネス英語力を証明したい場合
ビジネスシーンを想定したTOEICが適しています。
どちらの試験も定期的に実施されていますので、自分の目的や状況に合わせて選ぶとよいでしょう。また、英検準2級に合格した後、次のステップとしてTOEICにチャレンジするという選択肢もあります。
英検準2級の勉強法と対策
英検準2級に合格するための効果的な勉強法と対策について解説します。各技能別の対策と、全体的な学習計画の立て方を見ていきましょう。
リーディング対策
リーディングでは、単語力と文法力、そして長文を読む力が求められます。以下の対策がおすすめです。
単語力の強化
- 準2級レベルの単語集を使って、計画的に単語を覚える
- 特に頻出単語は確実に覚える
- 単語は文脈の中で覚えるとより効果的
文法の復習
- 中学英語の文法を完全にマスターする
- 高校英語の基礎的な文法項目(分詞、不定詞、関係代名詞など)を学ぶ
- 問題演習を通じて文法知識を定着させる
長文読解の練習
- 過去問や問題集を使って、長文を読む練習をする
- 時間を計って解く練習をする
- 英文を前から順に読む習慣をつける
設問別の対策
- 語句補充問題は、文脈から適切な語句を選ぶ練習をする
- 内容一致問題は、文章の主旨を理解する練習をする
リーディングでは時間配分も重要です。短文問題は1問30秒以内、長文問題は1問1分程度を目安に解く練習をしましょう。
ライティング対策
ライティングは配点が高いため、しっかりと対策することで効率よく得点を伸ばすことができます。以下の対策がおすすめです。
基本的な文章構成を学ぶ
- 意見とその理由を明確に述べる構成を身につける
- 接続詞を使って論理的につなげる練習をする
- 導入文、本論、結論の基本構造を覚える
文法・語彙の強化
- 基本的な文法を正確に使えるようにする
- 適切な語彙を使って表現する練習をする
- 同じ単語を繰り返し使わない工夫をする
よくある文法ミスを避ける
- 三単現のSの付け忘れに注意する
- 不可算名詞を複数形にしないよう注意する
- 関係代名詞の中の動詞にも注意する
模範解答の暗記
- 過去問の模範解答を参考に、パターンを覚える
- 自分で文章を作る練習をする
- 時間内に書く練習を重ねる
ライティングでは、制限時間内に書く練習も大切です。英検準2級のライティングは約30分で解答する必要があります。
リスニング対策
リスニングは1回しか放送されないため、集中力と聞き取る力が重要です。以下の対策がおすすめです。
日常的に英語を聞く習慣をつける
- 英語のニュースやポッドキャストを聞く
- 英語の音楽や映画を字幕なしで楽しむ
- YouTubeなどで英語の動画を見る
シャドーイング練習
- 英語を聞きながら、同時に声に出して真似する練習
- リスニング教材を使って繰り返し練習する
- 発音やイントネーションにも注意を払う
ディクテーション練習
- 英語を聞いて書き取る練習
- 聞き取れなかった部分を確認し、弱点を把握する
- 特に数字や固有名詞などの聞き取りに慣れる
過去問を使った練習
- 本番と同じ条件で練習する(1回限りの放送)
- 問題のパターンに慣れる
- 事前に問題と選択肢に目を通す習慣をつける
リスニングでは、集中力を保つことも重要です。特に長い会話や文章の場合、途中で集中力が切れないよう注意しましょう。
スピーキング対策
スピーキングは面接形式で行われるため、コミュニケーション能力も含めて評価されます。以下の対策がおすすめです。
面接の流れを把握する
- 過去問やサンプル問題で面接の流れを理解する
- パッセージの音読、質問への応答など、各パートの対策をする
- 面接官とのやり取りに慣れる
イラスト描写の練習
- イラストを見て、簡潔に説明する練習をする
- 現在進行形を使った表現に慣れる
- 「A woman is cleaning the floor.」のような基本文を練習する
自分の意見を述べる練習
- よくあるトピックについて、自分の意見とその理由を英語で表現する練習をする
- 2文以上で答える練習をする
- 「I think…because…」のような基本パターンを覚える
緊張対策
- 家族や友人に協力してもらい、模擬面接を行う
- 質問が聞き取れなかった場合の対処法を身につける
- 「Could you repeat that, please?」などの表現を覚える
スピーキングでは「アティチュード」も評価されるため、積極的に会話しようとする姿勢を示すことが大切です。アイコンタクトや適切な声の大きさも心がけましょう。
英検準2級のよくある間違いと注意点
英検準2級を受験する際に、多くの人が陥りがちな間違いや注意すべきポイントについて解説します。これらを把握しておくことで、効果的に対策することができます。
リーディングでよくある間違い
リーディングパートでよくある間違いには以下のようなものがあります。
時間配分のミス
- 長文に時間をかけすぎて、問題を解き切れない
- 難しい問題に固執して、簡単な問題の時間が不足する
- 解ける問題から先に解くという戦略を立てていない
語句選択の間違い
- 文脈を考えずに単語だけで選んでしまう
- 似た意味の語句の違いを理解していない
- 一部分だけ合っている選択肢を選んでしまう
長文読解のミス
- 文章全体を読まずに問題を解こうとする
- 設問の指示をよく読まずに解答する
- キーワードや主題を把握できていない
選択肢の勘違い
- 紛らわしい選択肢に惑わされる
- 部分的に合っているように見える選択肢を選んでしまう
- 消去法を使いこなせていない
リーディングでは、全体の時間配分を意識することが大切です。また、問題文や選択肢をしっかり読むことも重要です。
解けない問題に時間をかけすぎず、一度飛ばして後で戻ってくる戦略も有効です。
ライティングでよくある文法ミス
ライティングパートでよくある文法ミスには以下のようなものがあります。
三単現のSの付け忘れ
- 主語と動詞の間が長い場合に忘れやすい
- 「Studying English from a young age helps get a good job.」のような文で忘れがち
- 関係代名詞の中の動詞のSも忘れがち(例:I have a friend who plays tennis.)
不可算名詞の扱い
- 不可算名詞を複数形にしてしまう
- よくある不可算名詞:money, advice, information, water, paper, transportation など
- 「a lot of information」を「a lot of informations」としてしまう
「〜する人が増える」の表現
- 「people increase」と書いてしまう
- 正しくは「the number of people increases」
- 主語は「people」ではなく「the number」なので、三単現のSが必要
接続詞の使い方
- however/thereforeで文と文をつなぐ(SVとSVを直接つなぐことはできない)
- hardとhardlyの混同(hardは「一生懸命」、hardlyは「ほとんど〜ない」)
- 長すぎる文を書いてしまう
ライティングでは、基本的な文法ルールを守ることが重要です。特に頻出の文法ミスに注意しましょう。また、複雑な表現よりも、シンプルで正確な文章を書くことを心がけましょう。
リスニングの落とし穴
リスニングパートの落とし穴には以下のようなものがあります。
1回限りの放送への対応
- 1回しか放送されないことに慣れていない
- 集中力が切れて聞き逃してしまう
- メモを取る習慣がついていない
選択肢の先読みミス
- 問題と選択肢を事前に確認していない
- 何について聞かれるのかが分からない
- キーワードを把握していない
細部への注意不足
- 数字や固有名詞を聞き逃す
- 否定表現(not, never, cannotなど)を聞き逃す
- 話者の意図や感情を読み取れない
長文の理解
- 長い話の全体像を把握できない
- キーワードを聞き取れない
- 先を予測しながら聞く習慣がない
リスニングでは、問題と選択肢を事前に確認し、何について聞かれるのかを把握しておくことが重要です。また、常に集中して聞く姿勢も大切です。
特に否定表現や数字、時間などは注意して聞くようにしましょう。
スピーキングで気をつけるべきポイント
スピーキング(面接)で気をつけるべきポイントには以下のようなものがあります。
緊張による黙り込み
- 緊張して答えが出てこない
- 長い沈黙(10秒以上)は避ける
- 「Well…」「Let me see…」などの時間稼ぎ表現を知らない
質問の聞き取りミス
- 質問を理解せずに答えてしまう
- 聞き返しが多すぎる(1回までは減点なし)
- 「I beg your pardon.」「Could you repeat that, please?」などの聞き返し表現を知らない
短すぎる回答
- 一言で答えてしまう
- 理由や詳細を述べない
- 「Yes, I do.」だけで終わらせてしまう
アティチュード(態度)の問題
- 消極的な態度
- アイコンタクトや声の大きさに問題がある
- 日本語で「えーと」「あのー」と言ってしまう
スピーキングでは、質問が分からない場合は「Could you repeat that, please?」などと聞き返すことが大切です。また、2文以上で答えるよう心がけましょう。
自分の意見に加えて理由も述べることで、より高い評価を得ることができます。
英検準2級に関するよくある質問
英検準2級に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。受験を検討している方の参考になるでしょう。
- 英検準2級は難しいですか?
-
英検準2級は高校中級程度の英語力が求められる試験です。英検3級と比べるとかなり難易度が上がり、合格率は約35%程度です。特に一次試験の合格率は約30%と低めですが、適切な対策を行えば十分に合格を目指すことができます。中学英語の基礎をしっかり固めた上で、高校英語の基礎を学ぶことが重要です。
- 英検準2級の勉強期間はどのくらい必要ですか?
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英検準2級の勉強期間は、個人の英語力によって異なります。英検3級レベルの英語力がある場合は3〜4ヶ月程度、中学英語の基礎がある場合は4〜6ヶ月程度、英語初学者の場合は6ヶ月以上の勉強期間が必要とされています。週に10〜15時間程度の学習時間を確保することが望ましいです。効率的な学習計画としては、まず中学英語を1ヶ月で復習し、その後1.5ヶ月で英検対策を行い、試験前の2週間で過去問演習に集中するというスケジュールが考えられます。
- 英検準2級に合格するメリットは何ですか?
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英検準2級に合格するメリットは多岐にわたります。大学入試での優遇や高校での単位認定、就職活動での評価などがあります。また、英語力の証明として履歴書に記載することもできます。さらに、英検準2級はセンター試験(現共通テスト)の問題形式と共通点が多いため、大学入試対策としても有効です。英語学習のモチベーション維持や次のステップへの足がかりとしても価値があります。
- 英検準2級と2級の違いは何ですか?
-
英検準2級は高校中級程度の英語力を測る試験で、2級は高校卒業程度の英語力を測る試験です。必要な単語数も準2級が2,600〜3,600語程度なのに対し、2級は4,000〜5,000語程度と増加します。また、TOEICに換算すると、準2級は225点〜550点、2級は550点〜785点程度となり、2級の方が難易度が高くなります。リーディングの長文も2級ではより専門的なトピックが扱われ、語彙レベルも高くなります。ライティングやスピーキングでも、より論理的で詳細な表現が求められるようになります。
- 英検準2級の面接でよくある質問は何ですか?
-
英検準2級の面接では、パッセージの内容に関する質問、イラストの描写、自分の意見を述べる質問などがよく出題されます。自分の意見を問う質問では「Do you think people should exercise every day?(毎日運動すべきだと思いますか?)」「Do you like to go shopping at malls?(ショッピングモールに行くのは好きですか?)」など、日常的なトピックについて聞かれることが多いです。これらの質問に対して、自分の意見とその理由を2文以上で答えられるよう準備しておくことが重要です。
- 英検準2級に必要な勉強時間はどのくらいですか?
-
英検準2級に必要な勉強時間は、個人の英語力によって大きく異なります。英検3級レベルの英語力がある場合は約100〜200時間、中学英語の基礎がある場合は約200〜300時間、英語初学者の場合は約400時間以上と言われています。効率的に学習するためには、バランスの良い4技能対策と、定期的な復習が重要です。特にライティングとスピーキングは問題数が少ない割に配点が高いので、優先的に対策することをおすすめします。
まとめ

この記事では、英検準2級のレベルや難易度、合格率、試験内容、対策法などを詳しく解説しました。ここで重要なポイントをまとめておきましょう。
英検準2級は高校中級程度の英語力を測る試験であり、日常生活で必要な英語を理解し、使用できる能力が求められます。合格率は約35%程度で、決して簡単な試験ではありませんが、適切な対策を行えば合格を目指すことができます。
以下が記事の重要ポイントです。
- 英検準2級は高校中級程度のレベルで、必要な単語数は約2,600〜3,600語程度
- 一次試験の合格率は約30%前後、二次試験の合格率は約80%前後
- 合格基準スコアはCSEスコアで1,322点(満点1,800点)
- 試験内容は一次試験(リーディング、ライティング、リスニング)と二次試験(スピーキング)で構成
- TOEICに換算すると約225点〜550点に相当
- 効果的な対策としては、中学英語の基礎固め、単語力の強化、4技能別の対策が重要
- よくある間違いとして、三単現のS忘れ、不可算名詞の扱い、リスニングの集中力不足などがある
英検準2級は英語学習の中で重要なマイルストーンとなる資格です。合格すれば、次のステップとして英検2級や大学入試に向けた学習に進むことができます。計画的に学習を進め、着実に英語力を伸ばしていきましょう。