英語を学ぶ上で、「either…or」と「neither…nor」の使い分けに悩んだことはありませんか?これらは二つの選択肢について述べる際によく使われる表現ですが、意味や使い方が混同されやすい文法項目です。
この記事では、英語初学者の方向けに、これらの表現の違いと正しい使い方を、わかりやすい例文とともに詳しく解説します。記事を読み終える頃には、「either…or」と「neither…nor」を自信を持って使いこなせるようになるでしょう。
「either…or」と「neither…nor」の基本的な違い

「either…or」と「neither…nor」はどちらも二つの選択肢や可能性について述べる時に使う相関接続詞です。しかし、その意味と使い方には重要な違いがあります。
「either…or」は「AかB(のどちらか)」という選択肢を示し、二つの選択肢のうち少なくとも一つが当てはまることを表現します。これは基本的に肯定的な選択を示す表現です。例えば、「I will eat either pizza or pasta for dinner.(夕食にはピザかパスタのどちらかを食べます)」のように使います。
一方、「neither…nor」は「AでもなくBでもない」という否定を表し、二つの選択肢がどちらも当てはまらないことを示します。これは両方の選択肢を否定する表現です。例えば、「I like neither coffee nor tea.(私はコーヒーもお茶も好きではありません)」のように使います。
つまり、「either…or」は選択肢のうち一つが真であることを示し、「neither…nor」は両方の選択肢が偽であることを示すのです。
「either…or」の使い方と意味
「either…or」は「~か~かのどちらか」という意味を持ち、二つの選択肢や可能性のうち、少なくとも一つが該当することを表します。日本語では「~か~(のどちらか)」「~または~」などに相当します。
この表現は、選択肢を提示する時や、どちらかの可能性があると述べる時に使用されます。「either」は「どちらか一方」を意味し、「or」は選択肢を結びつける役割を果たします。日常会話でもよく使われるこの表現を覚えておくと、英語での表現の幅が広がります。
「either…or」の文法ルール
「either…or」を使う際には、いくつかの文法ルールがあります。これらのルールを知っておくことで、より正確に表現できるようになります。
- 「either」は最初の選択肢の前に置き、「or」は二つ目の選択肢の前に置きます。
- 「either…or」で結ばれた主語が単数の場合、動詞も単数形になります。
- 「either…or」で結ばれた主語のうち、二つ目の主語が複数の場合、動詞は複数形になります。
- 「either…or」の後には、同じ品詞や構造(名詞、動詞、形容詞など)が来るようにします。
これらのルールを意識しながら使うことで、自然な英語表現ができるようになります。
「either…or」の例文
それでは、「either…or」を使った例文をいくつか見てみましょう。どのように使われているかをよく観察してください。
例文
- I will go to either the library or the park tomorrow.(明日は図書館か公園のどちらかに行きます)
- You can have either orange juice or apple juice with your breakfast.(朝食にはオレンジジュースかアップルジュースのどちらかを飲めます)
- Either my mother or my father will come to the school meeting.(母か父のどちらかが学校の会合に来ます)
- We can watch either a comedy or an action movie tonight.(今夜はコメディーかアクション映画のどちらかを観ることができます)
- The cat is either in the living room or in the garden.(猫はリビングか庭のどちらかにいます)
- You must either study hard or take extra classes to pass the exam.(試験に合格するためには、一生懸命勉強するか、補習を受けるかしなければなりません)
「neither…nor」の使い方と意味
「neither…nor」は「~でもなく~でもない」という意味を持ち、提示された二つの選択肢や可能性がどちらも当てはまらないことを表します。日本語では「~でも~でもない」「どちらも~ない」などに相当します。
この表現は、二つの選択肢や可能性を同時に否定する時に使用されます。「neither」は「どちらも~ない」を意味し、「nor」は否定的な選択肢を結びつける役割を果たします。否定的な内容を伝えたい時に便利な表現です。
「neither…nor」の文法ルール
「neither…nor」を使う際にも、いくつかの文法ルールがあります。正確に使うために、以下のルールを覚えておきましょう。
- 「neither」は最初の選択肢の前に置き、「nor」は二つ目の選択肢の前に置きます。
- 「neither…nor」で結ばれた主語が単数の場合、動詞も単数形になります。
- 「neither…nor」で結ばれた主語のうち、二つ目の主語が複数の場合でも、動詞は単数形になることが多いです。
- 「neither…nor」の後には、同じ品詞や構造(名詞、動詞、形容詞など)が来るようにします。
- 「neither…nor」は二重否定であり、全体として否定の意味を持ちます。そのため、文中に他の否定語(not, no, neverなど)は通常使いません。
これらのルールを理解することで、「neither…nor」を適切に使うことができます。
「neither…nor」の例文
「neither…nor」を使った例文をいくつか見てみましょう。実際の使い方を確認してください。
例文
- I like neither math nor science.(私は数学も理科も好きではありません)
- She speaks neither English nor Japanese.(彼女は英語も日本語も話しません)
- Neither my brother nor my sister wants to go shopping.(兄も妹も買い物に行きたがりません)
- The movie was neither interesting nor educational.(その映画は面白くもなく、教育的でもありませんでした)
- He can go neither today nor tomorrow.(彼は今日も明日も行けません)
- Neither the red shirt nor the blue shirt fits me well.(赤いシャツも青いシャツも私にはよく合いません)
「either…or」と「neither…nor」の使い分けのポイント
「either…or」と「neither…nor」の使い分けのポイントについて、2つ解説していきます。
肯定的な選択肢と否定的な選択肢の違い
「either…or」と「neither…nor」の使い分けの基本は、伝えたい内容が肯定的か否定的かによります。この違いを理解することが、正しい使い分けの第一歩です。
「either…or」は、二つの選択肢のうち少なくとも一つが当てはまる(肯定的な)場合に使います。「AかBのどちらか」という意味で、選択肢のうち一つが真であることを示します。
「neither…nor」は、二つの選択肢がどちらも当てはまらない(否定的な)場合に使います。「AでもなくBでもない」という意味で、両方の選択肢が偽であることを示します。
例文
- 「I will eat either rice or bread for breakfast.」(朝食にはご飯かパンのどちらかを食べます)- 肯定的な選択
- 「I will eat neither rice nor bread for breakfast.」(朝食にはご飯もパンも食べません)- 否定的な選択
動詞の一致のルール
「either…or」と「neither…nor」を使う際の動詞の一致ルールには少し違いがあります。正しい動詞の形を選ぶことも、自然な英語表現のポイントです。
「either…or」の場合
- 両方の主語が単数の場合、動詞は単数形になります。
例:Either John or Mary is coming.(ジョンかメアリーのどちらかが来ます) - 一方の主語が複数の場合、動詞は直前の主語に一致させます。
例:Either the teacher or the students are responsible.(先生か生徒たちのどちらかが責任があります)
例:Either the students or the teacher is responsible.(生徒たちか先生のどちらかが責任があります)
「neither…nor」の場合
- 両方の主語が単数の場合、動詞は単数形になります。
例:Neither John nor Mary likes coffee.(ジョンもメアリーもコーヒーが好きではありません) - 一方の主語が複数の場合、動詞は一般的に直前の主語に一致させますが、文脈によっては複数形が使われることもあります。
例:Neither the teacher nor the students were present.(先生も生徒たちも出席していませんでした)
「either」と「neither」の他の用法
ここでは、「either」と「neither」の他の用法について解説していきます。
単独での使い方
「either」と「neither」は、「either…or」や「neither…nor」の形だけでなく、単独でも使われることがあります。これらの単独での使い方も覚えておくと便利です。
「either」の単独での使い方
- 代名詞として:二つのうちのどちらか、という意味で使います。
例:There are two books. You can read either.(本が二冊あります。どちらを読んでもいいですよ) - 副詞として:否定文の最後に付けて「~もまた(~でない)」という意味で使います。
例:I don’t like this movie, and he doesn’t either.(私はこの映画が好きではないし、彼もまた好きではない)
「neither」の単独での使い方
- 代名詞として:二つのうちのどちらも~ない、という意味で使います。
例:I have two pens, but neither works.(ペンが二本ありますが、どちらも書けません) - 副詞として:「~もまた~でない」という意味で、否定の同意を表します。
例:She can’t sing, and neither can I.(彼女は歌えないし、私もまた歌えません)
「too」と「either」の違い
「too」と「either」は似た用法を持ちますが、使われる文の種類が異なります。この違いを理解することで、より自然な英語表現ができるようになります。
「too」は肯定文で使われ、「~もまた」という意味を表します。
例文
- He likes soccer, and I like it too.(彼はサッカーが好きで、私もまた好きです)
「either」は否定文で使われ、「~もまた(~でない)」という意味を表します。
例文
- He doesn’t like soccer, and I don’t like it either.(彼はサッカーが好きではなく、私もまた好きではありません)
「also」と「neither」の違い
「also」と「neither」も似た用法を持ちますが、使われる文の種類が異なります。これらの違いも押さえておきましょう。
「also」は肯定文で使われ、「~もまた」という意味を表します。
例文
- She is going to the party, and he is also going.(彼女はパーティーに行くし、彼もまた行きます)
「neither」(または「nor」)は否定文に続いて使われ、「~もまた~でない」という意味を表します。
例文
- She is not going to the party, neither is he.(彼女はパーティーに行かないし、彼もまた行きません)
「either…or」と「neither…nor」の類似表現との違い
「either…or」や「neither…nor」と似た表現について解説します。
「both…and」との比較
「both…and」は「~と~の両方」という意味を持ち、二つの要素が共に当てはまることを表します。これは「either…or」(どちらか一方)や「neither…nor」(どちらも~ない)とは対照的です。
例文
- Both John and Mary are coming.(ジョンもメアリーも来ます)
- Either John or Mary is coming.(ジョンかメアリーのどちらかが来ます)
- Neither John nor Mary is coming.(ジョンもメアリーも来ません)
「both…and」は二つの要素を同時に肯定するのに対し、「either…or」は二つの要素のうちどちらか一方を選択し、「neither…nor」は二つの要素を共に否定します。それぞれの表現の違いを理解して、状況に応じて使い分けましょう。
「not only…but also」との比較
「not only…but also」は「~だけでなく~もまた」という意味を持ち、一つ目の要素だけでなく二つ目の要素も当てはまることを強調します。これは「both…and」と似ていますが、より強調の意味合いが強くなります。
例文
- Not only John but also Mary is coming.(ジョンだけでなくメアリーも来ます)
- Both John and Mary are coming.(ジョンもメアリーも来ます)
「not only…but also」と「both…and」はどちらも二つの要素を肯定するという点で似ていますが、「not only…but also」は二つ目の要素に特に注目させる効果があります。これらは「either…or」(どちらか一方)や「neither…nor」(どちらも~ない)とは対照的な表現です。
「either…or」と「neither…nor」の使い分け練習問題
それでは、「either…or」と「neither…nor」の使い分けを練習するための問題を20問作成します。適切な表現を選んで文を完成させてください。
- I can meet you ( )on Monday ( )on Tuesday.
- She speaks ( )English ( )French very well.
- ( )my brother ( )my sister likes math.
- You can have ( )tea ( )coffee with your breakfast.
- ( )the book ( )the movie was interesting.
- I will go to ( )Tokyo ( )Osaka next week.
- He could find his keys ( )at home ( )at the office.
- ( )her mother ( )her father attended the school meeting.
- The restaurant serves ( )Chinese food ( )Japanese food.
- I have time to visit ( )the museum ( )the park today.
- ( )the blue shirt ( )the red shirt fits me well.
- She can speak ( )German ( )Spanish.
- ( )Tom ( )Mary knew the answer to the question.
- We will go ( )by bus ( )by train.
- The test was ( )easy ( )difficult for most students.
- ( )the cat ( )the dog likes to take a bath.
- I will buy ( )a new computer ( )a new smartphone.
- ( )my father ( )my mother can cook Italian food.
- The weather is ( )too hot ( )too cold for hiking today.
- ( )the teacher ( )the students were late for class.
「either…or」と「neither…nor」に関するよくある質問
- 「either…or」と「neither…nor」の違いは何ですか?
-
「either…or」は「~か~か(のどちらか)」という意味で、二つの選択肢のうち少なくとも一つが当てはまることを表します。一方、「neither…nor」は「~でもなく~でもない」という意味で、二つの選択肢がどちらも当てはまらないことを表します。つまり、「either…or」は選択肢のうち一つが真であることを示し、「neither…nor」は両方の選択肢が偽であることを示します。
- 「either…or」と「neither…nor」で動詞の形はどうなりますか?
-
「either…or」の場合、動詞は通常、直前の主語に一致させます。両方の主語が単数なら動詞も単数形、両方が複数なら複数形になります。一方が単数で一方が複数の場合は、直前の主語に合わせます。
「neither…nor」の場合も基本的に同じルールですが、一般的には単数形が使われることが多いです。特に、フォーマルな文章では単数形が好まれる傾向があります。
- 「either」と「neither」を文末に使うことはできますか?
-
はい、「either」と「neither」は文末に副詞として使うことができます。「either」は否定文の後で「~もまた(~でない)」という意味で使い、「neither」は「nor I」の代わりに「I don’t either」のように使うことができます。
- He doesn’t like coffee, and I don’t either.(彼はコーヒーが好きではないし、私もまた好きではない。)
- She can’t swim, and I can’t either.(彼女は泳げないし、私もまた泳げない。)または She can’t swim, and neither can I.
- 「either…or」と「neither…nor」は二つ以上の選択肢にも使えますか?
-
基本的には二つの選択肢に使われますが、三つ以上の選択肢にも拡張して使うことができます。その場合、最後の選択肢の前にだけ「or」または「nor」を置きます。
- You can have either pasta, salad, or soup.(パスタ、サラダ、またはスープのいずれかを食べられます。)
- She speaks neither French, German, nor Spanish.(彼女はフランス語もドイツ語もスペイン語も話せません。)
- 「both…and」と「either…or」はどう違いますか?
-
「both…and」は「~と~の両方」という意味で、二つの要素が共に当てはまることを表します。一方、「either…or」は「~か~かのどちらか」という意味で、二つの要素のうち少なくとも一つが当てはまることを表します。つまり、「both…and」は二つの要素を同時に肯定し、「either…or」は二つの要素のうちどちらか(または両方)を肯定します。
まとめ

この記事では、「either…or」と「neither…nor」の意味の違いと使い分けについて解説しました。ポイントをまとめると以下のようになります。
- 「either…or」は「~か~か(のどちらか)」という意味で、二つの選択肢のうち少なくとも一つが当てはまることを表します。
- 「neither…nor」は「~でもなく~でもない」という意味で、二つの選択肢がどちらも当てはまらないことを表します。
- 「either…or」は肯定的な選択を示し、「neither…nor」は否定的な選択を示します。
- 動詞の一致に関しては、基本的に直前の主語に合わせますが、「neither…nor」では単数形が好まれる傾向があります。
- 「either」と「neither」は単独でも代名詞や副詞として使うことができます。
- 「either」は否定文の後で「~もまた(~でない)」という意味で使い、「neither」は肯定文の後で「~もまた~でない」という意味で使います。
- 「both…and」や「not only…but also」など、類似した表現がありますが、それぞれ意味合いや使い方が異なります。
- 練習問題を通じて、「either…or」と「neither…nor」の使い分けを身につけることが大切です。
初学者にとっては覚えることが多いかもしれませんが、基本的な意味と使い方を理解し、実際に使ってみることで徐々に身についていくでしょう。日常会話やライティングで積極的に使って、自然な英語表現を身につけていきましょう。