英語で「失敗」を表現する際、単に “failure” と言うだけでは物足りません。状況や失敗の種類、程度によって最適な表現が異なります。英語には「失敗」を表す多様な単語があり、それぞれ微妙なニュアンスの違いがあります。
この記事では、英語での「失敗」を表す様々な単語の意味や使い分け方について詳しく解説します。適切な表現を身につけることで、より豊かで正確な英語コミュニケーションが可能になるでしょう。
「失敗」を表す英単語

英語には「失敗」を表す多くの単語があります。以下に主な単語とその基本的な意味を紹介します。
「失敗」を表す英単語
- failure:一般的な失敗、不成功
- breakdown:崩壊、故障、関係の断絶
- collapse:崩壊、倒壊、急激な機能停止
- defeat:敗北、負け
- deficiency:欠陥、不足
- fiasco:大失敗、惨めな失敗
- flop:興行や製品の失敗
- bust:破産、経済的失敗
- botch:仕事の失敗、へま
- bungle:不器用な失敗、へま
- disaster:災害、大失敗
- debacle:大失敗、崩壊
- default:不履行、怠慢
- washout:全くの失敗、無駄
- miscarriage:計画などの失敗
これらの単語は失敗の種類や程度、使われる文脈によって使い分けることが重要です。以下では、それぞれの単語について詳しく解説していきます。
「失敗」を表す英単語の発音・意味・特徴と使い分け【例文あり】
「失敗」を表す英単語は種類が豊富で、それぞれに独自のニュアンスがあります。ここでは各単語の発音、意味、特徴、そして実際の使い方について詳しく見ていきましょう。
また、中学生レベルの例文も紹介するので、日常会話での使い方も理解できるようになります。
failure(フェイリャー)
意味と特徴
「failure」は英語で最も一般的な「失敗」を表す単語です。目標や期待に達しなかった状態を指します。テストの不合格からビジネスの失敗まで、広範囲の失敗に使われます。また、「失敗者」という意味で人を指すこともあります。
使い分けのポイント
一般的な失敗を表現する際に最も汎用性の高い単語です。学校、仕事、人生のあらゆる場面での失敗に使えます。「failure to do something(〜することの失敗)」という形でも使用されます。
例文
- My first business was a failure. (私の最初のビジネスは失敗でした。)
- He feels like a failure after losing the game. (彼は試合に負けて、自分が失敗者のように感じています。)
- The failure of the computer caused many problems. (コンピュータの故障は多くの問題を引き起こしました。)
breakdown(ブレイクダウン)
意味と特徴
「breakdown」は物事が機能しなくなる状態や、関係性が崩壊する状況を指します。機械の故障、精神的な崩壊、コミュニケーションの断絶などを表現する際に使われます。
使い分けのポイント
「システムの故障」や「関係の崩壊」といった文脈で使われることが多いです。単なる失敗というより、それまで機能していたものが壊れるというニュアンスがあります。
例文
- We had a car breakdown on our way to school. (学校への途中で車が故障しました。)
- There was a breakdown in communication between us. (私たちの間でコミュニケーションの断絶がありました。)
- She had a nervous breakdown after the accident. (彼女は事故の後、精神的に参ってしまいました。)
collapse(コラプス)
意味と特徴
「collapse」は物理的な崩壊や倒壊、また組織や制度が急に機能しなくなる状態を指します。建物の倒壊、人が倒れる、経済の崩壊などの状況で使われます。
使い分けのポイント
物理的な崩壊と、システムや組織の急激な機能停止の両方を表現できます。特に突然の、劇的な崩壊を表現する際に適しています。
例文
- The old bridge collapsed during the storm. (古い橋は嵐の間に崩壊しました。)
- The company collapsed after losing its biggest customer. (最大の顧客を失った後、その会社は倒産しました。)
- He collapsed from exhaustion after the marathon. (マラソンの後、彼は疲労で倒れました。)
defeat(ディフィート)
意味と特徴
「defeat」は主に競争や戦いにおける敗北や負けを表します。スポーツの試合、選挙、戦争などでの負けを表現する際に使われます。また、目標達成の挫折を表すこともあります。
使い分けのポイント
対戦相手がいる状況での敗北に使うのが一般的です。単なる失敗というより、誰かに負けたというニュアンスが強いです。
例文
- Our team suffered a defeat in the basketball game. (私たちのチームはバスケットボールの試合で敗北しました。)
- The candidate admitted defeat in the election. (その候補者は選挙での敗北を認めました。)
- We must learn from defeat and try again. (私たちは敗北から学び、再び挑戦しなければなりません。)
deficiency(デフィシェンシー)
意味と特徴
「deficiency」は不足や欠陥を意味し、必要なものが足りていない状態を表します。能力の不足、栄養素の欠乏、システムの欠陥などを指します。
使い分けのポイント
完全な失敗というよりは、何かが不足していることによる問題を表現します。特に医学や科学の文脈でよく使われます。
例文
- The student has a deficiency in English skills. (その生徒は英語のスキルに不足があります。)
- Iron deficiency can make you feel tired. (鉄分不足は疲労感を引き起こす可能性があります。)
- They found many deficiencies in the school system. (彼らは学校制度に多くの欠陥を見つけました。)
fiasco(フィアスコ)
意味と特徴
「fiasco」は完全な大失敗、特に恥ずかしい結果をもたらした失敗を指します。計画や企画が大きく外れ、恥ずかしい結果になった状況で使われます。
使い分けのポイント
特に公の場での恥ずかしい失敗や、多くの人が注目する中での大失敗を表現する際に使います。強い表現なので、軽微な失敗には使いません。
例文
- The school concert turned into a fiasco. (学校のコンサートは大失敗になりました。)
- Their first party was a complete fiasco. (彼らの最初のパーティーは完全な大失敗でした。)
- We must avoid another fiasco like last year. (私たちは昨年のような大失敗を避けなければなりません。)
flop(フロップ)
意味と特徴
「flop」は特に興行や製品などが期待通りに成功しなかったことを表します。映画や本、ショーなどが一般に受け入れられなかった場合によく使われます。
使い分けのポイント
エンターテインメントや商業的な失敗を表現する際によく使われます。カジュアルな表現で、特に興行や販売の失敗に適しています。
例文
- His new book was a big flop. (彼の新しい本は大失敗でした。)
- The school play wasn’t a flop; everyone enjoyed it. (学校の劇は失敗ではありませんでした。みんな楽しみました。)
- Their new product was a flop in the market. (彼らの新製品は市場で失敗しました。)
bust(バスト)
意味と特徴
「bust」は計画や企画が完全に失敗すること、特にビジネスの破産や経済的な失敗を表現する際に使われます。
使い分けのポイント
カジュアルな表現で、特に経済的な失敗や破産を表す際に使います。「go bust(破産する)」という表現もよく使われます。
例文
- The restaurant went bust after only one year. (そのレストランはわずか1年で破産しました。)
- His plan to save money was a bust. (彼のお金を節約する計画は失敗でした。)
- Many small shops went bust during the pandemic. (パンデミック中に多くの小さな店が破産しました。)
botch(ボッチ)
意味と特徴
「botch」は仕事や作業を下手に行い、結果として失敗することを意味します。特に技術的な作業やクラフトなどで、不器用に行って台無しにすることを指します。
使い分けのポイント
特に技術や手作業の失敗を表現する際に使います。「botch job(失敗した仕事)」という表現もよく使われます。行為の結果よりも、下手なやり方に焦点を当てています。
例文
- I botched my art project and got a bad grade. (私は美術プロジェクトをぶち壊して悪い成績を取りました。)
- The carpenter botched the repair job. (その大工は修理の仕事を失敗しました。)
- Don’t botch this important task. (この重要な作業を台無しにしないでください。)
bungle(バングル)
意味と特徴
「bungle」は不器用に何かを行い、混乱や失敗を招くことを意味します。特に計画や作業を下手に実行して失敗させることを指します。
使い分けのポイント
「botch」と似ていますが、「bungle」は特に計画や組織的な作業の不器用な実行による失敗に使われることが多いです。
例文
- The team bungled the last play of the game. (チームは試合の最後のプレーを失敗しました。)
- I bungled my speech at the school event. (学校行事でのスピーチを失敗しました。)
- Don’t bungle this opportunity; it’s important. (このチャンスを台無しにしないでください。重要です。)
disaster(ディザスター)
意味と特徴
「disaster」は大きな失敗や破滅的な出来事を指します。自然災害のように深刻な被害をもたらす事態や、計画が完全に台無しになる状況を表現します。
使い分けのポイント
非常に強い表現で、単なる失敗ではなく、深刻な結果をもたらした大失敗に使います。自然災害と同様に、甚大な被害や影響がある場合に適しています。
例文
- The school trip was a disaster because of the rain. (雨のため、修学旅行は大失敗でした。)
- My first attempt at cooking was a complete disaster. (料理の最初の試みは完全な大失敗でした。)
- The earthquake was a natural disaster. (地震は自然災害でした。)
debacle(デバクル)
意味と特徴
「debacle」は大きな失敗や崩壊を意味し、特に注目を集める公の場での大失敗を指します。政治的な失敗や、大規模なプロジェクトの崩壊などを表現する際に使われます。
使い分けのポイント
フォーマルな文脈で使われることが多く、特に政治や大きなプロジェクトの崩壊を表現する際に適しています。普段の会話ではあまり使われません。
例文
- The election ended in a debacle for the party. (選挙はその政党にとって大失敗に終わりました。)
- The festival was a debacle that cost a lot of money. (そのフェスティバルは多くのお金がかかった大失敗でした。)
- We must learn from this debacle and do better next time. (私たちはこの大失敗から学び、次回はより良くすべきです。)
default(デフォルト)
意味と特徴
「default」は義務や約束を果たせないこと、特に支払いや責任を履行できない状態を指します。また、コンピュータのデフォルト設定という意味でも使われます。
使い分けのポイント
特に法的、金融的な文脈で使われることが多く、約束や義務の不履行を表現します。「by default(自動的に、規定により)」という表現もよく使われます。
例文
- The family is in default on their home loan. (その家族は住宅ローンの返済ができない状態です。)
- He won the game by default when his opponent didn’t come. (対戦相手が来なかったため、彼はデフォルトで試合に勝ちました。)
- Many students were in default of their homework. (多くの生徒が宿題の提出を怠りました。)
washout(ウォッシュアウト)
意味と特徴
「washout」は完全な失敗や、期待通りにならなかった出来事を指します。特に雨で屋外イベントが台無しになるような状況や、人が期待に応えられなかった場合に使われます。
使い分けのポイント
カジュアルな表現で、特にイベントが期待外れだった場合や、人が役割を果たせなかった場合に使います。また、雨で流された状況も表現できます。
例文
- The beach party was a washout because of the rain. (雨のため、ビーチパーティーは完全な失敗でした。)
- The new student turned out to be a washout at sports. (新入生はスポーツが全くできないことがわかりました。)
- Our picnic was a washout due to bad weather. (悪天候のため、ピクニックは無駄になりました。)
miscarriage(ミスキャリッジ)
意味と特徴
「miscarriage」は計画や行動が意図した結果をもたらさなかった状態を指します。特に「miscarriage of justice(司法の誤り)」という表現でよく使われます。また、医学的には流産を意味します。
使い分けのポイント
フォーマルな文脈で使われることが多く、特に司法や行政のシステムが適切に機能しなかった場合に使います。医学的な文脈での使用には注意が必要です。
例文
- The case was a clear miscarriage of justice. (その事件は明らかな司法の誤りでした。)
- Their plans for the event ended in miscarriage. (彼らの行事の計画は失敗に終わりました。)
- We must prevent any miscarriage of the school rules. (学校規則の誤った適用を防がなければなりません。)
「失敗」を表す英単語の比較表
単語 | 発音 | 主な意味 | 使用場面 | 深刻度 |
---|---|---|---|---|
failure | フェイリャー | 一般的な失敗、不成功 | 広範囲(テスト、プロジェクト、目標など) | 軽度~中度 |
breakdown | ブレイクダウン | 機能停止、関係の崩壊 | 機械、関係、精神的な機能の停止 | 中度~重度 |
collapse | コラプス | 物理的崩壊、急激な機能停止 | 建物、組織、経済の崩壊 | 重度 |
defeat | ディフィート | 競争や戦いでの敗北 | スポーツ、選挙、戦争 | 中度 |
deficiency | デフィシェンシー | 不足、欠陥 | 能力、栄養素、システムの不足 | 軽度~中度 |
fiasco | フィアスコ | 恥ずかしい大失敗 | 公の場でのプロジェクト、イベント | 重度 |
flop | フロップ | 興行や製品の失敗 | 映画、本、商品の不人気 | 中度 |
bust | バスト | 経済的失敗、破産 | ビジネス、経済的計画 | 重度 |
botch | ボッチ | 不器用な作業の失敗 | 手作業、技術的作業 | 軽度~中度 |
bungle | バングル | 不器用な計画実行の失敗 | 計画、組織的な作業 | 中度 |
disaster | ディザスター | 破滅的な失敗 | 重大な影響のある状況 | 最重度 |
debacle | デバクル | 大規模な公の失敗 | 政治、大規模プロジェクト | 重度 |
default | デフォルト | 義務不履行 | 法的、金融的な約束 | 中度~重度 |
washout | ウォッシュアウト | 完全な期待外れ | イベント、人の能力 | 中度 |
miscarriage | ミスキャリッジ | 意図した結果の失敗 | 司法、行政の機能不全 | 中度~重度 |
「失敗」を表す英単語の使い分け練習問題
以下の問題を解いて、「失敗」を表す英単語の理解度を確認しましょう。空欄に最も適切な単語を入れてください。
- The new movie was a complete _ at the box office.
- After the earthquake, many buildings _ in the city center.
- His business _ cost him all of his savings.
- There was a _ in communication between the two departments.
- The government’s economic policy ended in a total _.
- She experienced a _ of vitamin D during the winter.
- Our team suffered a crushing _ in the final match.
- The carpenter _ the job by using the wrong materials.
- The student _ his presentation by forgetting all his points.
- The company went _ after losing its biggest client.
- The outdoor concert was a _ because of the heavy rain.
- His attempt to fix the computer was a complete _.
- The case was a clear example of a _ of justice.
- The bank is in _ on its loan payments.
- Their first date was a total _ when they discovered they had nothing in common.
- The economic _ affected millions of people.
- I feel like a _ after making so many mistakes on the test.
- The painter _ the job by spilling paint all over the floor.
- The political campaign ended in a _ when the scandal broke.
- He had a nervous _ after working too hard for months.
「失敗」を表す英単語に関するよくある質問
- 「failure」と「fiasco」の違いは何ですか?
-
「failure」は一般的な失敗を表す幅広い言葉で、様々な状況で使えます。一方、「fiasco」はより強い表現で、特に公の場での恥ずかしい大失敗を指します。例えば、テストの不合格は「failure」ですが、準備不足で大観衆の前でのスピーチが大混乱になった場合は「fiasco」と表現できます。
- 「collapse」はどんな状況で使いますか?
-
「collapse」は主に物理的な崩壊(建物や橋など)や、システムや組織の急激な機能停止(経済の崩壊など)を表現する際に使います。また、人が疲労や病気で倒れる場合にも使われます。突然の、劇的な崩壊のニュアンスがあります。
- 「botch」と「bungle」の違いは何ですか?
-
どちらも不器用な失敗を表しますが、微妙な違いがあります。「botch」は主に手作業や技術的な作業の失敗に使われ、作業の結果が粗雑であることを強調します。「bungle」は計画や組織的な作業の不器用な実行による失敗に使われることが多く、混乱や誤りを招く行為を強調します。
- エンターテインメント業界の失敗を表す適切な単語は何ですか?
-
エンターテインメント業界の失敗を表現する際には、「flop」が最も一般的です。映画、本、ショー、アルバムなどが商業的に失敗した場合によく使われます。例えば、「The movie was a box office flop.(その映画は興行的に失敗でした。)」
- 「disaster」と「debacle」の違いは何ですか?
-
両方とも大きな失敗を表しますが、「disaster」はより一般的で、自然災害のように深刻な被害をもたらす状況や計画の完全な失敗を指します。「debacle」はより特定的で、特に政治的な失敗や大規模なプロジェクトの崩壊など、公の場での大失敗を表現する際に使われます。「debacle」はより正式な文脈で使われることが多いです。
まとめ

英語で「失敗」を表現する単語は非常に豊富で、それぞれ異なるニュアンスや使用場面があります。一般的な失敗を表す「failure」から、恥ずかしい大失敗を意味する「fiasco」、経済的な失敗を表す「bust」、機能停止を表す「breakdown」など、状況に応じて適切な単語を選ぶことが重要です。
これらの単語を適切に使い分けることで、英語でのコミュニケーションがより正確で豊かになります。失敗の種類、程度、文脈に応じて最適な表現を選びましょう。また、これらの単語は単に失敗を表すだけでなく、それぞれ独自のニュアンスを持っているため、文脈に合わせた使用が大切です。
この記事で紹介した練習問題や例文を参考に、日常会話や英作文の中でこれらの表現を積極的に使ってみてください。使いこなせるようになれば、英語表現の幅が広がり、より自然な英語が話せるようになるでしょう。失敗に関する表現を豊かにすることで、より細やかな感情や状況の描写が可能になり、コミュニケーション能力の向上につながります。
また、これらの単語は単に「失敗」を表すだけでなく、その失敗の性質、原因、結果、そして深刻さについても情報を伝えています。適切な単語を選ぶことで、少ない言葉でより多くの情報を伝えることができるのです。
英語学習において、同じような意味を持つ単語の微妙な違いを理解することは非常に重要です。これらの「失敗」を表す多様な英単語を習得することで、あなたの英語表現はより豊かで正確なものになるでしょう。