「feel free to」は英語でよく使われる表現の一つで、日本語では「遠慮なく~してください」「お気軽に~してください」「自由に~してください」などと訳されます。相手に何かを許可したり、行動を促したりする際に使われる便利なフレーズです。
英語の初心者にとっても覚えやすく、様々な場面で活用できる表現なので、ぜひマスターしておきたい表現の一つです。
この記事では「feel free to」の基本的な意味から実際の使い方、類似表現との違いまで、例文を交えながら詳しく解説していきます。
「feel free to」の基本的な意味

「feel free to」の基本的な意味は「遠慮なく~してください」「自由に~してください」です。この表現は、相手に対して何かをすることを許可し、その行動に対する障壁や制限がないことを伝えます。これによって相手に対して開放的で友好的な姿勢を示すことができ、コミュニケーションをスムーズにする効果があります。
「feel(感じる)」と「free(自由な)」という単語を組み合わせることで、「~することに自由を感じてください」という直訳から、「遠慮せずに~してください」という意味になります。この表現は相手の心理的な負担を軽減し、気軽に行動してもらいたい時に使われます。
例文
- Feel free to use my pen if you need it.
(ペンが必要なら、遠慮なく私のを使ってください。) - Feel free to eat more cake if you want.
(もっとケーキが食べたければ、遠慮なく食べてください。) - Feel free to call me when you arrive.
(到着したら、遠慮なく電話してください。)
「feel free to」の語源と歴史
「feel free to」という表現の語源を探ると、「free」という単語の歴史に行き着きます。「free」はゲルマン語源の古英語「freo」(自由な、束縛されていない)から来ており、元々は法的・社会的な束縛からの自由を意味していました。これが時代と共に心理的な制約からの解放という意味合いも含むようになりました。
「feel free to」という表現自体は19世紀頃から使われ始め、特に20世紀になってからビジネスや社交の場で広く普及しました。初めは主にフォーマルな文脈で使われていましたが、現代では日常会話でも頻繁に使われる表現になっています。
アメリカ英語では特によく使われる表現で、アメリカの個人主義や自由を重んじる文化的背景が反映されているとも言えるでしょう。現代のデジタルコミュニケーションやビジネス英語においても不可欠な表現として定着しています。
「feel free to」の文法と構造
「feel free to」の基本的な構造は以下の通りです。
この文法構造を理解することで、様々な状況で正しく使えるようになります。
基本構造
基本的な構造は以下の通りです。
feel free to + 動詞の原形
この表現は命令文の形で使われることが多いですが、他の形でも使うことができます。
動詞の原形が続くのは、「to」が不定詞を導く役割を持っているためです。
例文
- Feel free to borrow my book.
(私の本を自由に借りてください。) - Feel free to take a rest when you are tired.
(疲れたら休憩を取ってください。) - Feel free to ask me for help.
(遠慮なく助けを求めてください。)

他の文型での使用
命令文以外にも、様々な文型で「feel free to」を使うことができます。
例文
- You can feel free to leave early today.
(今日は早く帰っても大丈夫ですよ。) - She felt free to express her opinion.
(彼女は自分の意見を自由に表現しました。) - They should feel free to suggest better ideas.
(彼らはより良いアイデアを遠慮なく提案すべきです。)
丁寧な表現
より丁寧にするために「Please」を付けることもできます。
特にビジネスシーンやフォーマルな場面ではこの形がよく使われます。
Please feel free to + 動詞の原形
例文
- Please feel free to contact us with any questions.
(ご質問があれば、お気軽にお問い合わせください。) - Please feel free to join our meeting.
(どうぞ遠慮なく私たちの会議に参加してください。) - Please feel free to give your honest feedback.
(遠慮なく率直なフィードバックをください。)
「feel free to」の発音とイントネーション
「feel free to」を正しく発音することで、より自然な英語を話すことができます。
ここでは発音のコツとイントネーションのパターンを紹介します。
発音のポイント
英語ではリンキング(単語と単語をつなげて発音すること)が重要です。
「feel free to」を発音する際も、それぞれの単語を個別に発音するのではなく、一連の流れとして発音します。
カタカナで表すと、
「フィール・フリー・トゥ」
ただし、実際の発音では「フィールフリートゥ」とほぼつながって発音されます。
特に「free to」の部分は「フリートゥ」と一体化して発音されることが多いです。
イントネーション
「feel free to」のイントネーションは通常、「free」にアクセントが置かれます。
feel FREE to
命令文で使う場合は、「feel」の部分を少し強調することもあります。
FEEL free to
丁寧に言いたい場合は、「Please」にもアクセントを置きます。
PLEASE feel FREE to
正しいイントネーションで発音することで、より自然な英語に近づきます。
様々な場面での「feel free to」の使い方
「feel free to」は多様な状況で使うことができる便利な表現です。
場面に応じた適切な使い方を身につけることで、コミュニケーション能力が向上します。
日常会話での使用
日常生活では友人や家族との会話で気軽に使えます。
カジュアルな場面での「feel free to」は親しみやすさを表現します。
例文
- Feel free to use my phone if yours is dead.
(あなたの電話が使えないなら、私のを自由に使ってください。) - Feel free to stay at my place tonight.
(今夜は私の家に泊まってもいいですよ。) - Feel free to eat whatever you find in the kitchen.
(キッチンにあるものは何でも自由に食べてください。)
ビジネスシーンでの使用
ビジネスの場面では、「feel free to」は丁寧さと専門性を兼ね備えた表現として重宝されます。
特に同僚やクライアントとのコミュニケーションでよく使われます。
例文
- Feel free to send me your resume by email.
(履歴書をメールで送っていただいて構いません。) - Feel free to reschedule if this time doesn’t work for you.
(この時間が都合悪ければ、予定を変更してください。) - Feel free to contact our support team with any issues.
(何か問題があれば、サポートチームにお気軽にご連絡ください。)
教育現場での使用
教室やセミナーなどの教育現場では、学生や参加者が質問や意見を述べやすい環境を作るために使われます。
例文
- Feel free to ask questions during the lecture.
(講義中に質問をしてもかまいません。) - Feel free to write your answer on the board.
(あなたの答えを黒板に書いてください。) - Feel free to choose any topic for your presentation.
(プレゼンテーションのトピックは自由に選んでください。)
メールやメッセージでの使用
オンラインコミュニケーションでも「feel free to」はよく使われます。
特に初めてのやり取りや丁寧さを示したい場合に効果的です。
例文
- Feel free to reply when you have time.
(時間があるときに返信してください。) - Feel free to share this link with others.
(このリンクを他の人にも共有してください。) - Feel free to ignore this message if you’re busy.
(忙しい場合はこのメッセージを無視してください。)
「feel free to」のバリエーション
「feel free to」にはいくつかのバリエーションがあり、状況や言いたいニュアンスによって使い分けることができます。
これらのバリエーションを知ることで、より豊かな表現が可能になります。
「Please feel free to」
「Please」を付けることで、より丁寧な表現になります。特にフォーマルな状況やビジネスシーンで使われることが多いです。
「どうぞお気軽に」というニュアンスが強まります。
例文
- Please feel free to use our facilities.
(どうぞ私たちの施設をご利用ください。) - Please feel free to ask for assistance.
(どうぞお気軽に援助を求めてください。) - Please feel free to let us know your preferences.
(どうぞお好みをお知らせください。)
「Feel free to…anytime」
「anytime(いつでも)」を加えることで、時間的な制約がないことを強調します。
相手の都合を最大限に尊重する姿勢を示す表現です。
例文
- Feel free to visit me anytime.
(いつでも遠慮なく訪ねてください。) - Feel free to call anytime if you need help.
(助けが必要ならいつでも電話してください。) - Feel free to use this office anytime you want.
(いつでも好きな時にこのオフィスを使ってください。)
「Don’t feel free to」
否定形の「don’t feel free to」は皮肉やユーモアを込めて使われることがあります。
実際には「~しないでください」という意味を伝えます。
例文
- Don’t feel free to touch my computer without asking.
(断りなく私のコンピューターに触らないでください。) - Don’t feel free to arrive late to the meeting.
(会議に遅刻しないでください。)
ただし、この表現は誤解を招く可能性があるため、使用には注意が必要です。
公式な場面では避けた方が良いでしょう。
「feel free to」と類似表現の違い
英語には「feel free to」と似た意味を持つ表現がいくつかあります。
それぞれの違いを理解することで、状況に応じた最適な表現を選べるようになります。
「feel free to」と「don’t hesitate to」
「don’t hesitate to」も「遠慮なく~してください」という意味ですが、少しニュアンスが異なります。
- 「feel free to」:より気軽さや自由を強調し、カジュアルな印象があります。相手に選択肢を与える感覚があります。
- 「don’t hesitate to」:ためらいを取り除くことを強調し、やや堅めの印象があります。ビジネスシーンでより一般的で、相手の躊躇を予想した表現です。
例文
- Feel free to take some cookies.
(クッキーを自由に取ってください。)- カジュアル - Don’t hesitate to ask for help if needed.
(必要なら遠慮なく助けを求めてください。)- やや堅め
「feel free to」と「you’re welcome to」
「you’re welcome to」も許可を与える表現ですが、ニュアンスが少し異なります。
- 「feel free to」:行動の自由を強調します。相手が選択できることを示します。
- 「you’re welcome to」:歓迎の意を含みます。相手の行動を積極的に受け入れる姿勢を示します。
例文
- Feel free to use my laptop.
(私のノートパソコンを自由に使ってください。)- 単に許可を与える - You’re welcome to use my laptop.
(私のノートパソコンを使うことを歓迎します。)- 歓迎の意を含む
「feel free to」と「go ahead and」
「go ahead and」も相手に行動を促す表現ですが、ニュアンスが異なります。
- 「feel free to」:選択の自由を与えます。「したければどうぞ」というニュアンス。
- 「go ahead and」:既に相手が何かをしようとしている時に使い、「どうぞ続けて」というニュアンスがあります。
例文
- Feel free to start without me.
(私なしで始めても構いませんよ。)- 選択肢を与える - Go ahead and start without me.
(私なしで始めてください。)- 行動を促す
「feel free to」の使い方のポイント
「feel free to」を効果的に使うためのポイントをいくつか紹介します。
適切な使い方を知ることで、より自然で効果的なコミュニケーションができるようになります。
相手に配慮を示す表現として使う
「feel free to」は相手に対する配慮を示す表現としてよく使われます。相手がためらっていることを察して、それを取り除く意図があります。
相手の心理的な障壁を低くすることで、コミュニケーションをスムーズにします。
例文
- Feel free to speak in your native language.
(母国語で話しても大丈夫ですよ。) - Feel free to skip this question if it’s too personal.
(個人的すぎる質問なら、スキップしても構いません。) - Feel free to take a break whenever you need one.
(必要な時はいつでも休憩を取ってください。)
命令のような印象を和らげる
「feel free to」は、直接的な命令よりも柔らかい印象を与えます。
実際には指示や依頼をしたい場合でも、相手に選択権があるように表現することで、より協力的な雰囲気を作ることができます。
例文
- Feel free to clean up after yourself.
(後片付けをしてください。) - Feel free to arrive ten minutes early.
(10分早く来てください。) - Feel free to submit your report by Friday.
(金曜日までにレポートを提出してください。)
文化的な違いに注意する
「feel free to」は英語圏、特にアメリカで頻繁に使われる表現ですが、文化によっては異なる受け取り方をされることがあります。特に階層意識の強い文化では、この表現が混乱を招くこともあります。
国際的なコミュニケーションでは、相手の文化背景を考慮することが大切です。
例文
- Feel free to disagree with my opinion.
(私の意見に反対してもかまいませんよ。) - Feel free to address me by my first name.
(ファーストネームで呼んでください。) - Feel free to follow your local customs.
(地元の習慣に従ってください。)
「feel free to」を使ったメールやビジネス文書の例
ビジネスシーンでは、「feel free to」を使ったメールや文書が頻繁に交わされます。
ここでは、実際のビジネスコミュニケーションで使える例文を紹介します。
ビジネスメールでの使用例
ビジネスメールでは、相手に何かを依頼したり、情報を提供したりする際に「feel free to」がよく使われます。
丁寧さと親しみやすさのバランスが取れた表現として重宝されます。
例文
- Feel free to review the attached document and provide your feedback.
(添付文書をご確認いただき、フィードバックをお寄せください。) - Please feel free to suggest alternative dates if this doesn’t work for you.
(都合が悪い場合は、代替日をご提案ください。) - Feel free to forward this email to anyone who might be interested.
(興味がありそうな方にこのメールを転送してください。)
会議の招待状での使用
会議やイベントの招待状では、参加者に対して自由度を与える表現として「feel free to」が使われます。
例文
- Feel free to bring your team members to the meeting.
(ミーティングにチームメンバーを連れてきてください。) - Feel free to prepare any questions in advance.
(事前に質問を準備してください。) - Feel free to share your screen during the discussion.
(討論中に画面を共有してください。)
カスタマーサービスでの使用
カスタマーサービスの文脈では、顧客に対して追加のサポートや情報を提供する意思を示すために使われます。
例文
- Feel free to contact our support team 24/7.
(24時間いつでもサポートチームにご連絡ください。) - Feel free to return the product if you’re not satisfied.
(ご満足いただけない場合は商品を返品してください。) - Feel free to leave a review of your experience.
(ご経験についてレビューをお寄せください。)
「feel free to」に関するよくある質問
「feel free to」に関する初学者からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
これらの疑問点を解消することで、より適切に使えるようになるでしょう。
- 「Feel free to」と「You can」の違いは何ですか?
-
「Feel free to」は「遠慮なく〜してください」というニュアンスで、相手に心理的な自由を与える表現です。一方、「You can」は単に「〜できます」という可能性や許可を示す表現で、より直接的です。
例文:
- Feel free to use my computer.
(遠慮なく私のコンピューターを使ってください。)- 心理的な障壁を取り除く - You can use my computer.
(私のコンピューターを使えますよ。)- 単純な許可
- Feel free to use my computer.
- 「Feel free to」は目上の人に使っても失礼ではありませんか?
-
基本的に「Feel free to」は丁寧な表現ですが、使用する状況に注意が必要です。目上の人に対しては、特に「Please feel free to」の形を使うと良いでしょう。また、目上の人に何かを許可するような文脈では避けた方が無難です。
適切な例:
- Please feel free to let me know if you need any assistance.
(何かお手伝いが必要でしたら、お知らせください。)
- Please feel free to let me know if you need any assistance.
- 「Feel free to」の代わりになる他の表現はありますか?
-
「Feel free to」の代わりになる表現としては以下のようなものがあります。
- Don’t hesitate to…(遠慮なく〜してください)
- You’re welcome to…(〜していただいて構いません)
- Please don’t feel obligated to…(〜する義務はありません)
- You may…(〜してもよいです)
- You’re more than welcome to…(ぜひ〜してください)
状況に応じて適切な表現を選ぶと良いでしょう。
- 「Feel free」だけで使うことはできますか?
-
「Feel free」だけでも使うことはできますが、その後に何をするかが文脈から明らかな場合に限られます。通常は「to」の後に動詞を加えて、具体的な行動を示す方が明確です。
例文:
- “Can I sit here?” “Feel free!”
(「ここに座ってもいいですか?」「どうぞどうぞ!」)
- “Can I sit here?” “Feel free!”
- 「Feel free to」を使った質問文は作れますか?
-
「Feel free to」自体は命令や許可を表す表現なので、直接質問文にはなりませんが、以下のように質問の一部として使うことはできます:
例:
- Would you feel free to share your experience with us?
(あなたの経験を私たちと共有することに抵抗はありませんか?) - Do you feel free to express your opinions in this company?
(あなたはこの会社で自分の意見を自由に表現できると感じていますか?)
- Would you feel free to share your experience with us?
まとめ:「feel free to」の使い方のポイント

「feel free to」は英語で「遠慮なく~してください」「お気軽に~してください」という意味を持つ便利な表現です。
この表現の主なポイントをまとめると、以下のようになります。
- 基本的な意味は「遠慮なく~してください」「自由に~してください」です。
- 構造は「feel free to + 動詞の原形」です。
- より丁寧にするために「Please feel free to」と言うこともできます。
- 日常会話、ビジネスシーン、教育現場など様々な場面で使えます。
- 「don’t hesitate to」はよりフォーマルなニュアンスを持ちます。
- 相手への配慮を示し、命令のような印象を和らげる効果があります。
- 文化的背景によって受け取り方が異なる場合があるので注意が必要です。
- ビジネスメールやカスタマーサービスでも頻繁に使われる表現です。
「feel free to」を使うことで、相手に何かを依頼したり、許可を与えたりする際に、より親切で配慮のある印象を与えることができます。相手の心理的な障壁を取り除き、よりオープンなコミュニケーションを促す効果があります。
日常会話からビジネスシーンまで幅広く使える表現なので、ぜひ積極的に活用してみてください。適切な場面で「feel free to」を使うことで、あなたの英語表現はより自然で丁寧なものになるでしょう。