英語学習の中で混乱しやすいポイントの一つに、「first」と「one」の使い分けがあります。どちらも日本語では「1」や「一つ目」と訳されることが多いため、初学者にとっては特に区別が難しいものです。
この記事では、「first」と「one」の基本的な意味の違い、適切な使い分け方、そして実際の例文を通して理解を深めていきます。英語の基礎をしっかり固めたい方に役立つ内容となっています。
「first」と「one」の基本的な違い

「first」と「one」は、どちらも「1」に関連する英単語ですが、その用途と意味は明確に異なります。この違いを理解することは、正確な英語表現のために非常に重要です。
「first」は序数詞と呼ばれ、順序や順番を表します。つまり、ある連続したものの中で最初の位置にあることを示します。一方、「one」は基数詞と呼ばれ、単純に物の数量「1つ」を表します。
例えば、「私は1冊の本を持っています」と言いたい場合は「I have one book」となり、「これは最初の章です」と言いたい場合は「This is the first chapter」となります。
この基本的な違いを理解することで、適切な場面で適切な単語を選ぶことができるようになります。
「first」を使うケース
「first」は順序を表す単語であり、様々な状況で使用されます。ここでは、「first」が使われる代表的なケースを見ていきましょう。
順番を表す場合
「first」の最も基本的な使い方は、連続する物事の中で最初のものを指し示す場合です。順序を明確にしたい時に使われます。
例文
- The first student to arrive was Tom.(最初に到着した生徒はトムでした。)
- Please read the first paragraph.(最初の段落を読んでください。)
- She won first place in the contest.(彼女はコンテストで1位を獲得しました。)
これらの例では、複数の要素がある中で「最初」や「1番目」という順序を表すために「first」が使われています。
日付での使い方
英語の日付表現では、1日、2日、3日などを表す際に序数詞が使われます。この場合も「first」が活躍します。
例文
- My birthday is on the first of May.(私の誕生日は5月1日です。)
- The first day of school is September 1st.(始業日は9月1日です。)
- We will meet on January first.(私たちは1月1日に会う予定です。)
日付を英語で表現する時は、必ず序数詞を使うことを覚えておきましょう。「May one」ではなく「May first」が正しい表現です。
建物の階数や学年を表す場合
建物の階数や学校の学年を表す際にも「first」が使用されます。
例文
- The library is on the first floor.(図書館は1階にあります。)
- She is in first grade.(彼女は1年生です。)
- This is my first year at this school.(これは私がこの学校に来て1年目です。)
日本では1階を「ground floor」と表現する国もありますが、アメリカでは「first floor」が一般的です。地域による違いも覚えておくと良いでしょう。
その他の「first」を使った表現
「first」はさまざまな慣用表現でも使われます。以下に代表的なものをいくつか紹介します。
例文
- First of all, I want to thank everyone.(まず最初に、皆さんに感謝したいと思います。)
- At first, I didn’t like the movie.(最初は、その映画が好きではありませんでした。)
- First things first.(まずは最優先事項から。)
これらの表現は日常会話でよく使われるので、ぜひ覚えておきましょう。
「one」を使うケース
「one」は基数詞として、主に数量を表す場面で使用されます。ここでは、「one」の主な使い方を見ていきましょう。
数量を表す場合
「one」の最も基本的な使い方は、物の数量を「1つ」と表現する場合です。
例文
- I have one sister.(私には姉妹が1人います。)
- Can I have one apple?(りんごを1つもらえますか?)
- There is only one bus to the city.(街へ行くバスは1台だけです。)
これらの例では、数える対象の数量が「1つ」であることを表すために「one」が使われています。
代名詞としての使い方
「one」は代名詞としても使われ、すでに言及した名詞を繰り返さずに指し示すことができます。
例文
- This pen doesn’t work. Can I use the one on your desk?(このペンは動きません。あなたの机の上にあるものを使ってもいいですか?)
- My bike is old, but the one my brother has is new.(私の自転車は古いですが、兄が持っているものは新しいです。)
- I don’t like this shirt. I want a bigger one.(このシャツは好きではありません。もっと大きいものが欲しいです。)
このように、すでに会話の中で出てきた名詞を「one」で置き換えることで、スムーズな会話が可能になります。
「one of」の形での使い方
「one of」という表現は、複数の中から1つを指し示す場合に使います。
例文
- She is one of my best friends.(彼女は私の親友の一人です。)
- This is one of the oldest buildings in the city.(これは市内で最も古い建物の一つです。)
- One of the students is absent today.(生徒の一人が今日欠席しています。)
「one of」の後には必ず複数形の名詞が来るということを覚えておきましょう。
その他の「one」を使った表現
「one」を含むさまざまな表現があります。以下に代表的なものをいくつか紹介します。
例文
- One day, I want to visit Paris.(いつか、パリを訪れたいと思います。)
- One more time, please.(もう一度お願いします。)
- One by one, the students left the classroom.(生徒たちは一人ずつ教室を去りました。)
これらの表現も日常英会話でよく使われるので、ぜひ覚えておきましょう。
「first」と「one」の類似表現との違い
「first」と「one」に関連する表現はいくつかあります。ここでは、それらの類似表現との違いを見ていきましょう。
「at first」と「first」の違い
「at first」と「first」は似ているようで異なる用法を持ちます。「at first」は「最初は、初めのうちは」という意味で、状況や意見が変化したことを暗示することが多いです。一方、単独の「first」は単に順番を表します。
例文
- At first, I didn’t understand the problem, but now I do.(最初は問題を理解できませんでしたが、今は理解できます。)
- First, we need to clean the room.(まず、部屋を掃除する必要があります。)
「the first one」と「the one」の違い
「the first one」は、複数のものの中で最初のものを指し示す表現です。一方、「the one」は特定の一つのものを指します。
例文
- The first one to finish the race will get a prize.(レースを一番最初に終えた人が賞品をもらいます。)
- This book is interesting, but the one I read yesterday was better.(この本は面白いですが、昨日読んだものの方が良かったです。)
「for the first time」の使い方
「for the first time」は「初めて」という意味の表現で、過去に一度も経験したことがないことを行う場合に使います。
例文
- I saw snow for the first time last winter.(私は去年の冬に初めて雪を見ました。)
- She visited Japan for the first time in 2020.(彼女は2020年に初めて日本を訪れました。)
「first」と「one」の使い分け練習問題
ここでは、「first」と「one」の使い分けを練習するための問題を20問用意しました。適切な単語(first または one)を選んで空欄を埋めてみましょう。
- I have _______ brother and two sisters.
- The _______ day of the week is Sunday.
- Can I have _______ more cup of tea?
- She was the _______ person to arrive at the party.
- There is only _______ bus to the station every hour.
- My birthday is on the _______ of April.
- This is my _______ time visiting this museum.
- I need _______ more minute to finish this exercise.
- The _______ floor of the building has a restaurant.
- I bought two shirts. The blue _______ is for my brother.
- _______ of all, let me introduce myself.
- She has _______ of the most beautiful voices I’ve ever heard.
- At _______, I didn’t like coffee, but now I love it.
- The _______ student to answer the question gets a prize.
- I have _______ question about the homework.
- This is the _______ time I’ve tried sushi.
- There is _______ apple on the table.
- My _______ day at school was very exciting.
- I have two pens. The red _______ is mine.
- We learn the alphabet in _______ grade.
「first」と「one」に関するよくある質問
- 「one」と「a/an」の違いは何ですか?
-
「one」と「a/an」はどちらも「1つの」という意味を持ちますが、「one」はより数量を強調したい場合に使います。「a/an」は単に不特定の1つのものを指します。例えば、「I have a book」(私は本を持っています)は単に本を持っていることを伝えるのに対し、「I have one book」(私は1冊の本を持っています)は本が1冊だけであることを強調しています。
- 「firstly」と「first」の違いは何ですか?
-
「firstly」と「first」はどちらも「最初に」という意味で使えますが、「firstly」はより形式的な文脈で使われる傾向があります。特に箇条書きで要点を列挙する場合などに「firstly, secondly, thirdly…」という形で使います。ただし、多くのネイティブスピーカーは「first, second, third…」の形を好む傾向にあります。
- 「one time」と「once」の違いは何ですか?
-
「one time」と「once」はどちらも「1回」という意味を持ちますが、「once」はより一般的で自然な表現です。「once」は副詞として「1度、かつて」という意味も持ちます。例えば、「I went there once」(私はそこに1度行きました)と言うのが自然です。「one time」はやや強調したい場合に使われることがあります。
- 「first」が付く慣用表現にはどのようなものがありますか?
-
「first」が含まれる慣用表現には以下のようなものがあります。
- First things first(まずは最優先事項から)
- At first sight(一目見て)
- First and foremost(まず何よりも)
- First come, first served(先着順)
- First impression(第一印象)
- First of all(まず最初に)
- First hand experience(直接体験)
- 「one of the + 最上級 + 複数名詞」の構文はどのように使いますか?
-
この構文は「最も~な~の一つ」という意味を表します。例えば、「one of the most beautiful cities in the world」(世界で最も美しい都市の一つ)のように使います。この表現で注意すべき点は、「one of」の後には必ず複数形の名詞が来るということです。
まとめ

この記事では、「first」と「one」の意味の違いと使い分けについて詳しく解説しました。ポイントをまとめると以下のとおりです。
- 「first」は序数詞で、順序や順番を表す(最初の、1番目の)。
- 「one」は基数詞で、数量を表す(1つの、1個の)。
- 「first」は以下のような場合に使用する
- 順番を表す場合(first place, first student)
- 日付(January first, the first of May)
- 建物の階数(first floor)
- 学年(first grade)
- 時間の順序(first, I’ll do this)
- 「one」は以下のような場合に使用する
- 数量を表す場合(one book, one student)
- 代名詞として(the big one, this one)
- 「one of」の形(one of my friends)
- 関連表現には「at first」、「for the first time」、「the first one」などがある。
- 英語では数の使い分けが非常に明確であり、状況によって適切な単語を選ぶことが重要。
英語学習において、「first」と「one」の違いを理解することは基本的ですが重要なポイントです。この記事の内容をマスターして、より正確で自然な英語表現ができるようになりましょう。練習問題を繰り返し解くことで、理解を深めることができます。英語の基礎をしっかり固めることで、より高度な表現へのステップアップも容易になります。継続的な学習と実践を通して、英語力を向上させましょう。