英語で「食事」や「料理」を表現する際、food、dish、meal、cuisineなど複数の単語があり、初めて英語を学ぶ方にとっては使い分けが難しいポイントです。これらの単語には微妙なニュアンスの違いがあり、状況に合わせて適切に使い分けることで、自分の意図をより正確に伝えることができます。
本記事では、これらの単語の意味の違いと使い分け方を、わかりやすい例文とともに詳しく解説します。
food・dish・meal・cuisineの基本的な意味の違い

英語で「食べ物」や「料理」を表す代表的な単語には、food、dish、meal、cuisineがあります。まずはこれらの基本的な違いを理解しましょう。
- food:最も一般的な「食べ物」を表す言葉で、調理済みかどうかを問わず使える幅広い単語です。
- dish:「一皿の料理」や「調理された一品」を意味し、個々の料理を指します。
- meal:「食事」そのものを表し、朝食・昼食・夕食などの食事の機会や行為を指します。
- cuisine:「地域性のある独特の料理」を表し、ある国や地域の料理文化全体を指します。
これらの単語は日常会話でよく使われますが、それぞれに異なる意味合いがあるため、適切に使い分けることが重要です。それでは、各単語について詳しく見ていきましょう。
foodの意味と使い方
foodは英語で「食べ物」を意味する最も基本的な単語です。生の食材から調理された料理まで、食べられるものすべてを指す幅広い意味を持っています。
foodの基本的な意味
foodは「人や動物が生きるために食べるもの」というニュアンスを持つ単語で、調理済みの料理だけでなく、野菜や果物のような調理せずに食べられるものにも使えます。「健康食品(healthy food)」「加工食品(processed food)」「オーガニック食品(organic food)」など、様々な表現で用いられます。
foodの使い方と例文
foodは基本的に不可算名詞として扱われ、一般的な食べ物を漠然と指す場合には単数形で使います。
例文
- I like Japanese food.(私は日本食が好きです。)
- We need food to live.(私たちは生きるために食べ物が必要です。)
- There is some food in the refrigerator.(冷蔵庫に食べ物がいくつかあります。)
foodが可算名詞になる場合
通常、foodは不可算名詞ですが、特定の種類の食べ物を指す場合には可算名詞として「foods」と複数形になることもあります。
例文
- There are many different foods in this supermarket.(このスーパーマーケットにはさまざまな種類の食べ物があります。)
- Spicy foods are popular in many countries.(辛い食べ物は多くの国で人気があります。)
- Japanese foods such as sushi and tempura are famous.(寿司や天ぷらなどの日本食は有名です。)
dishの意味と使い方
dishは「皿」という意味もありますが、食事の文脈では「一品の料理」を意味します。
dishの基本的な意味
dishは「特定の方法で特別に用意された料理」という意味があり、レストランのメニューの一品一品や、家庭で調理された個々の料理を指す場合によく使われます。「主菜(main dish)」「副菜(side dish)」などの表現もあります。
dishの使い方と例文
dishは可算名詞なので、単数形と複数形があります。
例文
- This dish is very delicious.(この料理はとても美味しいです。)
- She cooked three dishes for dinner.(彼女は夕食に3品の料理を作りました。)
- Curry is a popular dish in Japan.(カレーは日本で人気のある料理です。)
dishと物理的な意味での「皿」
dishには「料理」という意味以外に、物理的な「皿」や「食器」という意味もあります。
例文
- Please wash the dishes after dinner.(夕食後に食器を洗ってください。)
- I broke a dish while washing it.(私は皿を洗っている間に一枚割ってしまいました。)
- We need more dishes for the party.(パーティーにはもっと皿が必要です。)
mealの意味と使い方
mealは「食事」を意味し、一定の時間に食べる食事そのものや、食事の機会を表します。
mealの基本的な意味
mealは朝食(breakfast)、昼食(lunch)、夕食(dinner/supper)など、一日の中で決まった時間に食べる食事を指します。複数の料理(dishes)で構成される一連の食事全体を表現する単語です。
mealの使い方と例文
mealは可算名詞として使われ、食事の回数や機会を数えることができます。
例文
- I eat three meals a day.(私は一日3食食べます。)
- We had a nice meal at the restaurant.(私たちはレストランでおいしい食事をしました。)
- Breakfast is the most important meal of the day.(朝食は一日の中で最も重要な食事です。)
mealに関連する表現
mealを使った表現には以下のようなものがあります。
- have a meal(食事をする)
- prepare a meal(食事を準備する)
- skip a meal(食事を抜く)
- meal time(食事の時間)
例文
- Let’s have a meal together sometime.(いつか一緒に食事をしましょう。)
- My mother prepares all our meals.(私の母は私たちの食事をすべて準備します。)
- You shouldn’t skip meals even if you are busy.(忙しくても食事を抜くべきではありません。)
cuisineの意味と使い方
cuisineは特定の国や地域に特有の料理文化や調理法を表します。
cuisineの基本的な意味
cuisineは「地域性のある独特の料理」という意味があり、その国や地域ならではの食文化や調理法全体を指します。「フランス料理(French cuisine)」「中華料理(Chinese cuisine)」などのように使われます。
cuisineの使い方と例文
cuisineは通常、不可算名詞として扱われ、国や地域の料理文化全体を表現します。
例文
- Italian cuisine is famous for pasta and pizza.(イタリア料理はパスタとピザで有名です。)
- I want to learn about Japanese cuisine.(日本料理について学びたいです。)
- Thai cuisine uses many spices and herbs.(タイ料理は多くのスパイスやハーブを使います。)
cuisineに関連する表現
cuisineに関連した表現には以下のようなものがあります。
- traditional cuisine(伝統料理)
- fusion cuisine(フュージョン料理)
- regional cuisine(地方料理)
- haute cuisine(高級料理)
例文
- Traditional Japanese cuisine is healthy.(伝統的な日本料理は健康的です。)
- This restaurant serves fusion cuisine mixing Japanese and Italian elements.(このレストランは日本とイタリアの要素を混ぜたフュージョン料理を提供しています。)
food・dish・meal・cuisineの類似表現
food、dish、meal、cuisine以外にも、料理や食事に関する単語がいくつかあります。それぞれの違いを見ていきましょう。
cooking(料理すること・調理法)
cookingは「料理すること」「調理」という行為や過程を表す単語です。また、ある特定のスタイルで調理された食べ物を指すこともあります。
例文
- I enjoy cooking on weekends.(週末に料理をするのが楽しいです。)
- My father’s cooking is very good.(父の料理はとても上手です。)
- Japanese cooking often uses fish.(日本料理はよく魚を使います。)
specialty/speciality(特別料理・名物料理)
specialtyはレストランやシェフの「特別料理」「得意料理」「看板料理」を意味します。その店やその地域でしか味わえない特別な料理を指します。
例文
- The restaurant’s specialty is seafood pasta.(そのレストランの名物料理はシーフードパスタです。)
- What is the chef’s specialty today?(今日のシェフのスペシャリティは何ですか?)
- Takoyaki is a specialty of Osaka.(たこ焼きは大阪の名物料理です。)
調理方法を表す英語表現
料理を説明する際に役立つ、基本的な調理方法を表す英語表現も見ていきましょう。
「焼く」を意味する表現
英語では「焼く」という調理法を表す単語が複数あり、調理方法によって使い分けられます。
- bake:オーブンで焼く(パン、ケーキなど)
- grill:網や鉄板で焼く(肉、魚など)
- roast:オーブンで丸ごと焼く(肉の塊、鶏など)
- toast:表面をこんがり焼く(パン、ナッツなど)
例文
- My mother bakes bread every morning.(母は毎朝パンを焼きます。)
- We often grill fish in summer.(私たちは夏によく魚を焼きます。)
- She roasted a chicken for dinner.(彼女は夕食に鶏肉を丸焼きにしました。)
- I like toasted bread for breakfast.(朝食にはトーストが好きです。)
「煮る」「ゆでる」を意味する表現
煮るやゆでるといった調理法も、英語ではいくつかの表現があります。
- boil:沸騰させる、ゆでる
- simmer:弱火でじっくり煮る
- stew:具材と一緒にとろ火で煮込む
- braise:まず焼いて、その後煮込む
例文
- Boil the eggs for five minutes.(卵を5分間ゆでてください。)
- Simmer the soup for about 30 minutes.(スープを約30分間弱火で煮てください。)
- My grandmother stews beef with vegetables.(祖母は牛肉を野菜と一緒に煮込みます。)
「炒める」「揚げる」を意味する表現
炒めたり揚げたりする調理法にも、いくつかの表現があります。
- fry:油で揚げる・炒める
- stir-fry:強火で素早く炒める
- sauté:少量の油で軽く炒める
- deep-fry:油に浸して揚げる
例文
- I often fry eggs for breakfast.(私はよく朝食に卵を炒めます。)
- My father can stir-fry vegetables very well.(父は野菜を炒めるのがとても上手です。)
- The chef sautéed the mushrooms in butter.(シェフはマッシュルームをバターで軽く炒めました。)
- In Japan, people deep-fry tempura.(日本では、人々は天ぷらを揚げます。)
food・dish・meal・cuisineの使い分け練習問題
ここでは、food、dish、meal、cuisineの使い分けを練習する問題を20問用意しました。括弧内の適切な単語を選んでください。
- I love Italian ( ). It’s very delicious.
- Breakfast is an important ( ) of the day.
- This restaurant serves many vegetarian ( ).
- Japanese ( ) uses a lot of seafood.
- We need to buy some ( ) for the party.
- Curry is my favorite ( ).
- In many countries, people eat three ( ) a day.
- French ( ) is famous for its sauces.
- There are different kinds of ( ) in the refrigerator.
- The chef prepared a special ( ) for us.
- We enjoyed a delicious ( ) at the restaurant last night.
- Sushi is a traditional Japanese ( ).
- Healthy ( ) is important for children.
- Indian ( ) uses many spices.
- My mother cooked three ( ) for dinner.
- What kind of ( ) do you like?
- This hotel serves breakfast, a midday ( ), and dinner.
- Chinese ( ) is popular all over the world.
- Please put the ( ) on the table.
- We should not waste ( ).
food・dish・meal・cuisineに関するよくある質問
ここでは、food、dish、meal、cuisineに関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
- foodとdishの違いは何ですか?
-
foodは一般的な「食べ物」を表す広い意味の単語で、調理済みかどうかを問わず使えます。一方、dishは「一皿の料理」「調理された一品」を意味し、特定の調理方法で用意された料理を指します。例えば、「I like Japanese food.(日本食が好きです)」と言う場合はfoodを使い、「This curry dish is delicious.(このカレー料理は美味しいです)」と特定の料理を指す場合はdishを使います。
- mealとdishの違いは何ですか?
-
mealは「食事」そのものを表し、朝食、昼食、夕食などの食事の機会や行為を指します。一方、dishは「一皿の料理」を意味し、その食事で提供される個々の料理を指します。例えば、「We had a nice meal at the restaurant.(レストランで良い食事をしました)」とmealを使い、「The main dish was chicken curry.(主菜はチキンカレーでした)」とdishを使います。
- cuisineとcookingの違いは何ですか?
-
cuisineは「地域性のある独特の料理」を表し、ある国や地域の料理文化全体を指す単語です。一方、cookingは「料理すること」「調理法」を意味し、料理の作り方や過程を指す単語です。例えば、「Italian cuisine is famous worldwide.(イタリア料理は世界的に有名です)」とcuisineを使い、「I learned Italian cooking from my grandmother.(イタリア料理の作り方を祖母から学びました)」とcookingを使います。
- foodは数えられますか?
-
基本的にfoodは不可算名詞であり、複数形にはなりません。一般的な食べ物を漠然と指す場合には「some food」「a lot of food」のように使います。ただし、異なる種類の食べ物を強調する場合には「foods」と複数形になることもあります。例えば、「There are many different foods at this buffet.(このバイキングにはさまざまな種類の食べ物があります)」と言えます。
- どのような状況でfoodではなくdishesを使いますか?
-
個々の料理や一皿一皿を指す場合にはdishesを使います。例えば、レストランのメニューの各項目を指したり、食卓に並んだ複数の料理を指したりする場合です。「There are five dishes on the menu.(メニューには5つの料理があります)」「She prepared three different dishes for dinner.(彼女は夕食に3種類の料理を用意しました)」などと使います。
- mealとfoodはどう違いますか?
-
mealは「食事」という行為や機会を表し、一連の食事全体を指します。一方、foodは「食べ物」そのものを表します。例えば、「It’s important to have regular meals.(規則正しい食事をとることが重要です)」とmealを使い、「We need nutritious food to stay healthy.(健康でいるには栄養のある食べ物が必要です)」とfoodを使います。
- cuisineとfoodの違いは何ですか?
-
cuisineは特定の国や地域の料理文化や調理法全体を表し、foodは一般的な「食べ物」を表します。例えば、「French cuisine is known for its sauces.(フランス料理はそのソースで知られています)」とcuisineを使い、「I like French food.(フランス料理が好きです)」とfoodを使いますが、後者の場合はより一般的な表現になります。
まとめ

この記事では、英語で「食事」や「料理」を表す単語(food、dish、meal、cuisine)の意味の違いと使い分けについて解説しました。ポイントをまとめると以下のようになります。
- food:最も一般的な「食べ物」を表す単語で、調理済みかどうかを問わず使える。通常は不可算名詞だが、異なる種類の食べ物を強調する場合には複数形になることもある。
- dish:「一皿の料理」「調理された一品」を意味し、特定の料理を指す場合に使う。可算名詞として使われる。
- meal:「食事」そのものを表し、朝食、昼食、夕食などの食事の機会や行為を指す。可算名詞として使われる。
- cuisine:「地域性のある独特の料理」を表し、ある国や地域の料理文化全体を指す。通常は不可算名詞として使われる。
- これらの単語以外にも、cooking(料理すること・調理法)やspecialty(特別料理・名物料理)などの関連表現がある。
- 調理方法を表す英語表現には、「焼く」(bake, grill, roast, toast)、「煮る・ゆでる」(boil, simmer, stew, braise)、「炒める・揚げる」(fry, stir-fry, sauté, deep-fry)など様々な表現がある。
これらの単語を適切に使い分けることで、より正確に自分の意図を伝えることができるようになります。日常会話や料理の説明、レストランでの注文など、様々な場面で役立ててください。